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■ 3年生の皆さんへ

3年生の皆さんへ

3/1に行われた東海市立横須賀中学校3年生を送る会で私が3年生にお話した内容です。
      横須賀中学校に限らず、今年度受け持った3年生皆さんへのメッセージです。



  横須賀中学校3年生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。 横須賀中では全校・全クラスを受け持たさせていただき、皆さん全員の顔を覚えることができました。今日は中学校を卒業し、進学や就職しようとしている皆さんにお話させていただく機会を頂きましたので、2つほどお話させていただきます。
  まず、マニュアル、広い意味で規則や規律についてです。マニュアルとは本来守らなければいけないものですが、もう少し深く考えてみましょう。
  1つ目はマニュアルがあるにもかかわらずマニュアルを守らない場合です。2000年9月30日に発生した茨城県でのJCO核燃料転換加工施設でおこった臨界事故のことです。覚えている人もたくさんいることと思います。この事故は危険な核物質を扱う危険な作業なのにもかかわらず、マニュアルを無視し、安全を考えずに行動したために発生した事故です。この事故の詳細をお話していると1時間はかかりますので、その話はしませんが、どう考えても非常識としかいえない事故だと思います。私はX線の国家資格(X線作業主任者といいます)を持っており、X線や放射能の恐さは知っておりますので、あの事故には呆れて物も言えませんでした。なんといっても危ない核物質をバケツで移動していたのですよ。
  2つ目はマニュアルをきちんと守った場合です。職場の行事で友人がハンバーガーを買いにいったときのことです。1人で店に行き、30個ハンバーガーを注文したら、「店内でお召し上がりですか?それともお持ち帰りですか?」と店員に言われたそうです。皆さんどう思いますか。1人で店内にて30個もハンバーガーを食べることができますか。ちびまるこちゃんの小杉君でもありませんから、もちろん無理に決まっていますよね。なぜ、一目瞭然なのにあえてそのような質問をしたかということですが、それはマニュアルにかかれているからとの事です。せめてお持ち帰りでよろしいでしょうか位がいいところでしょう。
  3つ目はマニュアルがない場合です。ないというよりは1人1人で考えると言った方が正確かもしれません。それは、アメリカの一流ホテルや航空会社の話です。そこでは従業員1人1人がある程度の権限を認められていて、お客様のために会社のお金を従業員1人の判断で使えるということです。例えば、お客からの返金要請はもちろんのこと、プロポーズをするカップルが来たときには花束を準備したり、ホテルのプライベートビーチを彼らのために貸切にしたりなどなど。こうすることであのホテルは、あの航空会社はよいという評価がつけられ、また利用してくださるお客様も多いとの事です。このような職場ではマニュアルはありません。社員1人1人がマニュアルなのです。それ故に間違った対応をしてしまうと、もうお客様は来てくれません。
  さて、ここで皆さんに考えてもらいたいことがあります。気くばりについてです。これからは進学、就職で今までと同じ気心知れたメンバーばかりの中から卒業するわけです。そうなると他の人に対する気くばりが大切になってくると思います。最近はこの気くばりが足りない人間が増えているようです。皆さんはマニュアルなどの規則や規律に関してはある程度認識しながら、あるいは意識しながら生活していると思います。これは規律・規則について具体的に文字として皆さんの目に入る機会が多く、この文字によって皆さんが動こうとするためだと考えられます。しかし、気配りというものに関してはあまりにも具体性に欠け、何をどうするのが気くばりなのか分からない人も多いと思います。
  それでは具体的な例をお話します。ある新入社員にショーケースに入っている陳列品にかかっているほこりを取るように指示したところ、その新入社員は確かに陳列品をきれいにしていました。しかし、この新入社員は『陳列品』だけをきれいにしただけであって、陳列品がおいてあるケースの棚には手をつけていなかったようでした。陳列品にほこりがついているならば、当然のことながらその回りには同じようにほこりがあるはずです。そのことを彼に話したところ、「陳列品をきれいにしてくれと言われたのでそのようにしました。」との答えが返ってきました。皆さんこのことについてどう感じられますか?そしてこのようなことが最近増えてきており、会社の方でも困っているようです。前までは同じように指示すれば、指示した側を満足させるような仕事振りを見せていたようですが、ここ数年の間に考え方も大分変わってきたらしく、会社でも新人研修などの機会に、この『気くばり』についていろいろ指導しているそうです。皆さんにはこの例のようにならず、プラスアルファの行動を取れるようにしてもらいたいと思います。不景気な時代ですが、必要とされているのはこのように考えることができる人だと思います。
  あともう一つ、世の中には残念ながら不平等と思われることも多数存在しますが、全ての人に平等なものは何だか知っていますか?それは『時間』です。1日24時間はだれでも同じです。お金で他人の時間を買うこともできません。その平等に与えられた時間をどのように過ごすかが問題になってくると思います。コアラのように20時間寝ているのではなく、起きている時間をいかに有効に、そして目標を持って過ごすかで差が生れてしまいます。失った時間は戻すことはできません。皆さんは私の授業でどれだけ学ぶことができましたか?味覚や味覚修飾植物のことを理解してくれることも大事ですが、先ほども言いましたが『プラスアルファ』です。物事に積極的に取り組めば、だらだら同じ事をするのと比べて、数倍も効率があがります。3年生の皆さんの感想文ではそのようなことを書いてくれた方が多く、嬉しく思っています。私の好きな英語のことわざの1つに"No pain, no gain."というのがあります。これは苦労なくして得るものなしという意味ですが、今後皆さんの前には苦労や困難にたくさん出会うことと思います。そのときに皆さんがどのように行動できるかだと思います。ただ困難を避けるのではなく、どのように解決するかを考え、実践することが大事です。
  以上をまとめるとプラスアルファの行動ができる人間になってほしいということです。先ほども言いましたが、現在は不景気です。そのような中でも必要とされる人間とは気くばりのできる人間、即ちプラスアルファがある人間だと思います。 皆さんにはこのことを頭の中においてこれから生活していって欲しいと思います。
  最後に、このような場に私のようなものをお招きいただいたことについてお礼申し上げ、3年生の皆さんへのお祝いのご挨拶とさせていただきます。今日はどうもありがとうございました。