ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト(ミラクルフルーツ・味覚・ギムネマ・ミラクリン・食育・ミラクルフルーツ)

  ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト
島村光治のホームページ ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト
ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト ご質問・ご意見・ご感想・講演依頼
ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト
■ 参加者の御感想


参加者の御感想

2022/5/18に実施した中部学院大学理学療法学科2年の皆さんのレポートです。




Aさん 

 今回の講義を受けて、味覚を受容する味蕾は舌だけでなく軟口蓋や喉頭蓋にもあることが印象的だった。炭酸を飲んだ時ののどで感じる爽快感や入れ歯をはめると味がしにくくなることは、このことが関係していると聞いて納得することが出来た。味蕾の役割でどの動物にも共通して言えることは、それは自分に害があるものなのかを判断し危険から身を守るということである。動物にとっての味覚とは生きるうえで役立つものかどうかの判断のことだが、人間にとっての味覚は経験と学習により培われていく。つまり、人間で最も味蕾が多いのが赤ちゃんなのは、生まれたばかりで経験もなければ学習したことも少ないからだ。成長していく中でいろいろなものを食べ、何が害で何が害でないのか学習していく。そのため大人になるにつれ味蕾は少なくなる。  
 これよりも一番印象的だった内容は、食べ物のおいしさは五感すべてを活用し、その中で一番影響力をもつ感覚が視覚だという事だ。最も食欲をそそる色が赤色であり、その理由が赤色は果実が熟した時の色だからだということに興味を持った。人間の味覚はジャングルでも生きていけるように、生まれた時から備わっているものであり、それがこの視覚からのおいしさにも繋がっていると知り面白いと感じた。  
 一時的に味覚を変える味覚修飾物質を含む味覚修飾植物を使用して甘味剤を作ることで、甘くない食べ物でも甘いと感じながら食べることができる。つまり糖分の摂取量を抑えながら甘いものを食べることが出来る。近年では糖尿病などの生活習慣病が増えてきているが、これを用いることによってそれを予防することが可能だと考える。食べたいのに食べられずストレスを溜めてしまうような人がこれ用いることでカロリーを気にせずに食べたい物が食べられるようになり、患者の精神的なケアにもつながる。また、それは患者のQOLにもつながると言える。ただ私は、この味覚修飾植物は怖いと思った。なぜなら、少し甘い物をより甘く感じさせる程度ならとても良い物だと思うが、酸っぱさや苦さのあるものを甘いと感じさせることは本当の味が何なのか分からなくなるため、本当にそれでいいのか疑問に感じたからだ。だから私は毎日使うような使いすぎは良くないと思った。生活習慣病の予防の目的で使用する場合はしっかりと説明し利用者の同意を得る必要があると思った。  
 今回の味覚の実習で甘味を感じさせないギムネマと、ミラクリンと酸味が合わさって甘味を感じるミラクルフルーツを使った。ギムネマでは砂糖の味がしなくなるなど予想通りの味になった。しかし、ミラクルフルーツでは少し酸味が抑えられたが舌がヒリヒリし、その効果をあまり実感出来ずに終わってしまった。だから今度は他の食べ物で試してみようと思った。  
 最後に、日本人がうま味を発見できたのは、素材自体の味を楽しもうとする料理の習慣があるためだと知った。それは日本の国土の特徴より、日本の水が軟水だからだった。海外のお水は硬水のため香辛料などによって味付けをしている。私は素材の味を楽しむ煮物料理が好きで、日本人に生まれて良かったと思った。

参考文献:島村先生の配布資料



Bさん 

 講義を受けて分かったことは、味覚地図のようにそれぞれの味覚が分かれているのではなく、味蕾は鍵(成分)と鍵穴(味蕾)の関係でできており、食べたものの成分が専用の鍵穴に埋まることで電気信号として脳に伝えられるということです。舌全体で味を感じ、軟口蓋や喉頭蓋でも味を感じることができ、味蕾の7割が舌全体にあり、残りの3割は上あごとのどに存在することがわかりました。味蕾は成人では約6,000個~9,000個存在し、新生児・乳児・幼児の赤ちゃんと呼ばれる時期は約12,000個あり、人生で最も味蕾が多い時期であることが分かりました。ナマズは味蕾が約200,000個存在し、視覚が劣っていることを補い、外敵から逃れたり獲物を食べたりするために味覚が発達し、他の動物も自身が生き延びるために味覚を活用していることが分かりました。  
 現在の基本味は甘味・塩味・酸味・苦味・うま味の5つがあり、そのうちのうま味は日本人が発見したことが分かりました。さらに食べ物を美味しいと感じるうえで最も必要な機能は視覚であり、見た目の重要性を理解しました。他にも食べ物の第一印象や、食べ物を食べる際の雰囲気、経験が食に対する好き嫌いにつながっていくため、そういったことも食事をするうえで大切なことだと感じました。私が生まれ育ったところは「大正村」が有名で、大正時代をイメージした「ロマン亭」と呼ばれる建物があり、その中で食べるハヤシライスは格別に美味しいと感じるため、雰囲気の大切さはとても共感することができました。人が美味しいと感じるうえでは、生理的欲求(体内で欠乏した栄養素)、文化との合致(慣れ親しんだ味)、情報(味への評価、人気度、賞味期限)、薬理学的(脂、香辛料、だし)な美味しさがあることが分かりました。  
 味覚体験では、味の変化を体験することができ、とても良い体験ができたと思います。ギムネマを噛んで舌に広げることで、甘いと感じていたチョコレートや砂糖が甘く感じず、チョコレートはカカオの苦味を感じ、砂糖は甘味を感じない砂のような感覚がありました。ギムネマを口内に広げたあとに大福を食べると塩味を感じると知り、甘味を感じにくくさせて本来の味を引き立てることができるものだと理解しました。ミラクルフルーツを噛んで舌に広げることで、すっぱいと感じたヨーグルト+レモンや100%果汁のグレープフルーツが甘く感じました。酸味を全く感じないわけではないですが、明らかに甘くなったことが分かりました。これはミラクリン(ミラクルフルーツ)が甘味の鍵穴につき、そこに酸味(ヨーグルト+レモン、100%果汁のグレープフルーツ)がきて、ミラクリンと酸味がくっつくことで甘味の鍵穴に入る鍵になるため頭の中では甘いと感じることによるものだと理解しました。ミラクルフルーツは酸味から甘味を感じることができるため、糖尿病予防やダイエットにとても効果的だと思いました。ギムネマやミラクルフルーツは今回の講義で初めて知ったため、今回の講義で感じた驚きを周りの知人達に伝えたいと思います。

参考文献 ・驚きの味覚体験~ミラクルフルーツとギムネマ~(植物を通じて味覚のしくみを理解する) 配布資料



Cさん 

 私たちは、毎日深く考えずにお腹がすいては食べ物を食べ、のどが渇けば飲み物を口にしている。今回の講義では、毎日欠かさない「食」に必要不可欠であり、普段何気なく感じている味覚の面白さを学ぶことができた。味覚について考えるにはまず口の中の構造について知ることが大前提であり、乳頭の分布や味蕾について解剖学でざっくりと学んでいたため知っていたが、味蕾の数には様々な生物の特徴が影響して違いがあること、そして味蕾の位置にも生き物によって異なることを知り、とても面白いなと感じた。人は味覚を口内でしか感じることができないため、他の動物のように味蕾が口内以外の部位にあることを想像すると正直ぞっとした。また、動物にとっての味覚が「生きていくうえで役に立つものがおいしい」に対して、人にとっての味覚が「経験と学習」であること、5種類の味覚の感度の違い、そして人にとってのおいしさの分類について、普段考えたり知ることができなかったりすることを、生理学実習を通してお聞きすることができ、味覚というものに興味を持った。
 私は味覚修飾植物というものが存在していること自体知らなかった。味覚修飾植物は糖尿病患者の生活習慣改善で使われている。糖分を摂取しないで甘いものを摂取できたといった感覚を感じられるのは、ただ糖分摂取を制限されるよりも効果が見られるだろう。これは、肥満予防にもつながる1)。また、味覚修飾植物には苦味抑制物質があることを聞いたとき、私は私の大の苦手なピーマン、ゴーヤがこの苦味抑制物質で克服できるようになるのではないかと考えた。こういった味覚修飾植物が今後さらに発展していけば医療においても、日常の食事においても絶大な影響を与えることになるだろう。
 私は今日そういった味覚修飾植物による味覚の変化を実際に体験することができた。甘味阻害物質であるギムネマ2)を歯でちぎりしばらく舌に擦り付けたのち、砂糖やチョコレートを口にすると本当に甘さを感じなかった。砂糖は甘さが消え砂を食べているような感覚になり、チョコレートは砂糖同様甘さが消えてカカオの苦さだけ残った。そして、甘味誘導物質であるミラクリン2)が錠剤となったものを口に含み飴のようになめきったのち、レモンを入れたヨーグルトや100%グレープフルーツジュースを口にすると、どちらからも酸味はあまり感じず甘くておいしかった。どちらも、味覚修飾植物を食べる前と後で味がかなり変化しており、とても不思議な感覚になったし、これだけ変わるという事実に驚きを隠せなかった。
 本当に貴重な体験ができたと感じたし、島村先生の講義を受けることができたことや売られていない生のギムネマを口にできたことを周りに自慢したい。

参考文献
1)田頭歩佳他5名,味覚修飾植物を用いた味覚教育の実践事例,2015,第62巻,103~111
2)味覚ステーション,https://mikakukyokai.net/2019/11/16/mikaku_shushoku/



Dさん 

 講義を聞いて、今まで味覚というのは舌でしか感じないと思っていたが、実際には、軟口蓋や喉頭蓋などの8か所に味蕾というものがあり、味覚を感じていることが分かった。食べ物を口に含み舌で味わいそのままお腹の中に運ばれていくだけかと思っていたが、胃に行く過程で様々な場所で味覚を感じて胃に運ばれていくという事が分かった。人にとっての味覚というのは現段階で5種類あるという事が分かった。甘味、塩味、酸味、苦味、うま味である。私たちは生きていくうえで毒性のものや、腐敗物を食べてはいけないという事を体が認識している。そのため、毒物のシグナルの苦味や腐敗物のシグナルの酸味に対して私たちの下の感度は非常に高くなっているのだと知った。しかし、辛味は味覚の中に含まれていないことが分かった。辛味というのは体性感覚であり神経を刺激して感じているそうだ。また、味は舌の場所によって感じるものが違ってくると昔は言われていたが、全体で味を感じている。酸味、うま味、甘味、塩味、苦味などの各味覚成分入り込む穴のようなものがたくさん散らばっていて、そこに成分が入り込むことによって味を判別している。講義中に出てきた話で、炭酸飲料を飲んだ時に喉がスッとした感覚になったり、味を感じることが出来るのは、味蕾の3割ほどがした以外にあるからだという事も分かった。私たち人間はライオンと科の動物と違ってただ栄養を取ればいいというのではなく、使える5感を有効活用し、おいしさや幸福感を存分に感じながら食事をすることが出来る。見た目によって味を想像してしまうため、味は大切だがそれ以前に視覚である見た目の美しさや、色合いなどはとても大切であることが分かった。  
 今回の実験ではミラクルフルーツとギムネマに2つの味覚修飾植物を使用した。ギムネマというのは、インド原産の植物であり、植物でありこのはっぱを食べた後甘いものを食べるとギムネマ酸が糖の吸収をおさえ甘味を感じなくなってしまう。ミラクルフルーツとは、西アフリカ原産の赤い身を持つ植物であり、これを食べた後にすっぱいものを食べるとミラクリンという糖タンパク質により甘く感じるといった効果がある。これらは医療現場において活躍し、現在では糖尿病患者に使用されている。糖尿病の治療過程では運動療法と共に食事療法が重要視されている。そのため甘いものを食べたいとなった時に食べられないという状況になっている。このような時に、ミラクルフルーツを使用すれば、実際には糖分ではないものを摂取しているが糖分を食べたという満足感を得ることが出来る。  
 私は味覚についてこんなに考えたことも興味を持ったことも初めてでこんなに深く面白いんだなという事を感じた。人間よりも草食動物が味蕾の数が多いのは草に毒があったらすぐに気が付くことが出来るためであったり、ナマズは目が見えない代わりに、体中にある味蕾で敵や獲物の居場所を突き止めたりなど、それぞれ生き延びていくために発達していることが分かった。また、好き嫌いは第一印象で決まることが分かった。初めてがまずかったり苦手だったら、それが記憶されて中々克服できないため人間も食べ物も最初が肝心だという事を改めて気づかされた。好きなものを食べるという事はとても幸せであると同時に、生きているからこその感情だが、それは健康であるからこそで感じることが出来るのだと感じた。だからこれから所のあたりまえと思っていることが続くように生活していきたいし、味覚障害にならないようにしていきたいと思った。  
 本日は貴重なお時間で講義をしていただきありがとうございました。

参考文献 島村先生の配布資料



Eさん 

1.自分の考え、興味を持ったこと、感じたこと  
 私たちが普段食事を通して、感じている甘味や苦味、苦味、うま味などの味の成分にはそれぞれの鍵穴があり、それらの味を感じるために専用の鍵穴にぴったりの鍵があることを理解することができた。今回のミラクルフルーツとギムネマの実験を通して、頭だけで理解するだけではなく、経験をしたことでさらに理解を深めることができた。この2つは言葉もどんなものかも全く知らなかったが、ミラクルフルーツは赤い果実でミラクリンというタンパク質が含まれていて、それは酸と反応することが分かった。今回の実験では酸っぱいヨーグルトとグレープジュースを飲んだけど、最初はとても酸っぱく感じたのに、ミラクルフルーツを食べたら、ものすごく甘くなって思わず、大きい声でおいしいと言ってしまうくらい変わったので、びっくりした。それに比べてギムネマは食べたときは何とも言えない味で少しむせてしまったが、ギムネマを食べた後に、砂糖をなめたら全然甘くなくて、ただの粒を食べている砂を食べているような感覚になって面白かった。味覚がなくなることは毎日絶対に行う食事を楽しむことができないので改めて、味蕾や味覚の大切さを学ぶことができた。また、味蕾は舌だけにあるのではなく、軟骨蓋や咽頭などのお国もあることを初めて知った。解剖学で、有郭乳頭・茸状乳頭・葉状乳頭・糸状乳頭の4つあることは勉強していたので、知っていたけど、そこ以外にもあることは知らなかったので、喉でも食事を楽しもうと思った。  
 私が興味を持ったことは、味蕾の数は生き物によって違うということだ。人間は6000個~9000個あることを知り、人間みな同じ数だと思っていたけど、成人は6000個~9000個で、赤ちゃんなどの生まれてすぐの子供は成人よりももっと多く、12000個あることを知り、びっくりした。赤ちゃんは何でも口に入れて安全なものが確認するからだと島村先生がおっしゃっていて確かにそうなのかもと思いました。私も小さい頃はよく草とか石を口に入れていたと母が教えてくれたので、赤ちゃんは自分が大きくなるためになんでも口に入れたり、好奇心でやっているのかなと考えた。また、私が赤ちゃんの動画をYouTubeで見たとき、味覚に関する動画を出していたのを思い出して、今回この授業の後にもう一度調べて見た。生後半年ごろの赤ちゃんにベリー系のヨーグルトを食べさせたら、すごく酸っぱそうな顔をして食べていた。ほかの動画と見比べてみて、普通に食べられる子もいたけど、赤ちゃんは酸味に敏感なのかなと思った。また、動物の生活スタイルや体のつくりによって味蕾の数や位置が異なっている理由が理解できたし、島村先生の話を聞いてとても興味を持ったので、いろいろな動物と人間を比較したいと思った。  
 味覚修飾植物のほとんどが、気温の高い西アフリカだったり、マレーシアだったりと作るのが難しいのかなと思ったけど、日本でも一応作れることが分かり作れるなら作ったほうがいいし、今後の研究に役立ちそうと思ったが、実際作るのに時間が多くかかったり、環境に適するようにしないといけないなど様々な工夫が悲痛ようであることがわかった。日本では、なつめなどもギムネマと同じ効果があることがわかったので今後何かに使えそうだと思った。島村先生のプリントに書いているが、糖尿病の方にとてもいいとおもった。糖尿病の方は1日に取れる糖分量などが決まっていて、なかなかおいしいものを食べることができないけど、今回実験で使ったミラクルフルーツの酸に反応して甘くなる成分を使えば、甘く感じてもっと食事を楽しめるのではないかと思った。満足感が得られるので、お菓子がもう食べられないという喪失感などを感じることなく生活できるので、生活の質がもっと良くなり、より良い人生になると考える。  
 今回味覚というものをしっかり2時間聞いて改めて味覚の重要性を知ることができた。味覚を知ることで、いつもの食事がさらに充実して楽しくなるし、体を守るために重要である(毒味や辛味など自分の体を守る防御態勢)ことが分かったので、もっといろいろな人にしてもらいたいと思った。また、座学だけではなく、実際自分たちが経験することでより理解を深めることができたのですごく楽しい時間になった。  
 お忙しい中、私たち中部学院大学理学療法学科2年のためにお時間を作っていただき、とても分かりやすくて面白い味覚の授業をしてくださり本当にありがとうございました。

2.参考文献 ・「食品と嗜好と味」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk1962/41/3/41_3_241/pdf
・ミラクルフルーツタブレット https://www.value-press.com/pressrelease/16466?mode=amp
・岡田隆夫、鈴木敦子、長岡正範「標準理学療法学・作業療法学 生理学」



Fさん 

 味を感じる仕組みは生理学の授業で、少し触れた程度であったが今回の講義はより深い学びをできたと思う。味を感じるのは味蕾だということは授業で習っていた。味蕾が多いのは赤ちゃんであることを初めは驚いた。赤ちゃんは離乳食などの薄味のものを食べるため味とかを気にしないでいるのかと考えていたし、成長するにつれて味覚を獲得していくものであると思った。しかし、赤ちゃんは視床下部が十分に発達していないため食べていいものとダメなものの判断ができないため苦味を感じることにより、吐き出すという行為で自分の身を守ることに役立てるために味蕾の数が多くなるという理由を知り、人の体は本能的に命を守る仕組みを生まれながらに持っている生き物だと分かった。さらに味蕾の数が味を感じることの敏感さに関係しているものであると考えていた。しかし、ソムリエなど味について敏感な人は味蕾の数ではなく、味の情報である電気信号を脳に伝える際に脳の処理が訓練された人であり、シビアに判断できる人であることだと分かった。生まれもったものではなく、訓練次第では誰にでもなれる機会があることがわかった。  
 人が味覚と感じるものは5つあり、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味である。辛さは神経を刺激しているため体性感覚である。甘味とうま味は舌の感度が低い。甘味とうま味を感じるにはある程度の量が必要である。しかし、酸味と苦味は感度が高い。なぜなら、赤ちゃんの時に話したことと同じであるが、毒などの苦味であったり、酸味であったりと自分の命が危ないとき感度が低いと少量で吐き出し、自分の命を守ることができなくなってしまうため感度が高いことが分かった。また、人が味だけでおいしいこと判断しているわけではない。味を感じるには五感をフルに使っている。特に視覚である。見た目が悪いと食欲がわかない。色は赤が食欲をそそるものであるのは、人の本能的に植物の赤はその植物が熟したことを表しているため、お店の看板は赤が多いなどの心理的なことも関係している。心理的に関係していることは食欲以外にも人の好き嫌いにも関係してくる。好き嫌いには味があまり関係なく、第1印象、その場の雰囲気、経験の3つが関係してくる。視覚的な情報である第1印象が6割占めている。しかし、その場の雰囲気や経験など関係しているのは驚いた。食事が楽しくなければ、苦味のある食べ物などは苦手な食べ物になる可能性が高くなる。だからこそなるべく、子供には食事を楽しんでもらえるような場を作ることが、大事である。そのことが子供の好き嫌いがなく、栄養を偏りなく取れることで子供の成長の手助けにつながるのではないかと考えた。また、今回の実験で食べたギムネマやミラクルフルーツは糖尿病の予防につながる食べ物であると考える。糖尿病になる原因として肥満や血糖値の上昇などがあげられる¹⁾これは生活習慣の一部であり、これらを改善することが大事である。肥満や血糖値は食生活の改善や適度な運動が必要である。ギムネマは菓子類の食べ過ぎを防ぐことに役立てることが可能だと思った。実際食べてみて、チョコも砂糖も味がなくたくさん食べようとは思わなかった。ミラクルフルーツは本来栄養が取りに食い物でもおいしく食べられることができるようになりバランスよく栄養を取ることができるのではないかと考えた。そうすることにより食生活を改善することの手助けをできるのではないかと考えた。

参考文献 ¹⁾:糖尿病|厚生労働省 (mhlw.go.jp)



Gさん 

 まず味を感じるには食べ物が唾液と混じり水溶液になることが必要であり、水に溶けなければ味はしないことを初めて知った。私は食べ物が水溶液になること自体初めて知った。今まで食べ物をよく噛むことで小さくし、そのまま便として排出されていると思っていた。
 そして味と味蕾は、鍵(味)と鍵穴(味蕾)の関係であり、舌全体に7割、残りの3割は上顎、のどに存在することも分かった。このことから入れ歯をすると味を感じにくくなることは、入れ歯によって上顎がふさがってしまい、味蕾に味が届かず、脳に信号を送ることができないことが理由だと分かった。舌はもちろん大切だが、味を感じるためには歯も大切にしなければいけないと考えさせられた。そして味にはそれぞれ専用の鍵穴があり、その鍵穴が埋まるとスイッチが入り電気信号として脳に伝えられることも分かった。そして味蕾の数だが、成人で6,000~9,000個、赤ちゃんの時が一番多く12,000個存在すると知った。赤ちゃんは全てを味蕾にたより、さらに自分の命を守るため数が多くなっており、逆に成人は、大人になるにつれ知識や情報で判断するようになり、食べていいものなのかを舌で判断する必要が減るため数も減ることを学んだ。またウサギは17,000個、牛は24,000個だと知った。このことから成人より草食獣の方が、味蕾が多いことが分かる。地球には多種の植物が育っており、その中には毒のある植物も存在する。そのため草食獣は口に入れた瞬間毒があるかを判断し、毒があれば吐き出すなど、自分の命を守るために味蕾の数が成人より多くなっていると分かった。私は体が大きいほど味蕾の数は多いと、体の大きさによって数が変化しているのだと思っていた。しかし自分の命を守ることまでも考え体が進化していることを知り、改めて生き物の仕組みの凄さを感じることができた。また味を感じるには噛まなければいけないが、蛇や鶏など顎が小さく味蕾が少ない生き物は触覚で餌を見分ける場合もあると知った。他にも手で見分ける生き物も存在すると知った。 そして肉食獣は草食獣を食べ栄養を取るが、直接食べることはできないため、まず小腸でとかし野菜ジュースのようにしてから味わい、肝臓や膵臓でビタミンやミネラルを吸収して、筋肉を食べるという順番が決まっていることも初めて知った。肉食獣はただ筋肉を欲しくて食べている印象だったが、1番最後に食べるという想像していなかったことを知りとても驚いた。これらから動物にとっての味覚は生きていく上で役に立つものが美味しいと学んだ。
 人間の味覚は甘味・塩味・酸味・苦み・うま味に分けられていると知った。さらに現在はカルシウム味(こく味)や脂味もあると提言されていると知った。どんどん増えていくため、自分が高齢者になる頃にはどれだけ味覚の種類が増えているか楽しみだ。また味覚の種類を初めて知ったときに驚いたことは辛味がなかったことだ。その理由は辛味は体性感覚であり味蕾を刺激しているわけではなく神経を刺激して起こるからだと学んだ。今回の授業でその理由を知ることができ良かった。そして美味しいや不味いなどは五感をフルに使って判断もしていることも学んだ。さらに全ての人間が美味しいや不味いと言う食べ物は存在しないことを知った。そのため自分は美味しいと思っている食べ物でも、それを無理に他人に食べることを勧めるのはあまりよくないと感じた。また見た目が一番味に影響されやすいと学んだ。色で例えると、赤色は植物が熟した色のため食欲がそそりやすいが、青色はそそらないと知った。このことを知り思い出してみると、なかなか青色の食べ物は見たことがないと感じた。そこまで考え食べ物を開発する方にとても感心した。そして人間にとっての味覚は、経験と学習であると学んだ。例えば苦い味が大人になると美味しく感じる理由は、苦味全体は毒のシグナルとして頭に入っているが、全てが毒ではないことを経験と学習により知ることで苦味が美味しく感じるようになるからだということも学んだ。
 食べ物の好き嫌いのメカニズムは、第一印象・雰囲気・経験の3つが影響されるため、子どもの頃の味覚の形成が重要だと学んだ。そのため、私が大人になったら子どもの前で美味しそうに食べることで安心させ嫌いなものをなるべくないように育てたい。今回の授業で将来自分は子供にどう対応すればよいのか考えることができ良かった。そして好き嫌いを直すには、頭の中の考え方を変えること・本人が直そうと思うことの2つの条件が存在すると学んだ。私は嫌いな食べ物を自分で栽培してみたい。自分の努力が入った食べ物なら気持ち的に食べやすくなると考えたからだ。
 子どもの頃にきちんとした味覚が形成されず、奇食など味を感じることができない味覚障害という病気が若者の間に存在すると知った。それは味細胞を1週間程度で生まれ変わるために使われる亜鉛の不足が原因だということも知った。さらに亜鉛不足の若者が増えた理由に加工食品・ファストフードが関係していることも知った。加工食品などは亜鉛が含まれていないだけでなく、添加物が体内の亜鉛を追い出してしまうことを初めて知った。そのため便利でさらに時短で食べることができるが、加工食品などはほどほどにしなければいけないと感じた。そして亜鉛が多く含まれる食品を食べていきたい。
 そして食べ物の味を変えるのではなく舌にイタズラをして一時的に味覚を変える味覚修飾物質にはミラクルフルーツ・ギムネマ・クルクリゴ・ストロジン・なつめ・ケンポナシなどがあると知り、名前も初めて聞いため興味がすごくわいた。ミラクルフルーツにはミラクリンというタンパク質が含まれており、酸っぱい物を食べると、ミラクリンが酸味と反応し、舌の甘味の受容体と強く結合するため、酸っぱい物を食べていても、脳には甘いという電気信号が伝わることを知った。しかし決して酸味の受容体をふさいでいるわけではないため、酸味も感じるが甘さを強く感じ、トータルでは甘いと認識すると知った。実際今回の実験で、ミラクルフルーツを上顎や舌全体にこすりつけた後、グレープフルーツジュースやレモンの果汁と混ぜたヨーグルトを食べてみるととても酸っぱく感じていたものが甘く感じた。しかし酸味はまだ少し感じられた。反対にギムネマは甘味の受容体にふたをした状態になるため甘味だけ感じることができなくなると知った。これも実際に甘かった砂糖とチョコレートがギムネマを舌全体にこすりつけた後に食べると何も味がしなかった。このことからミラクルフルーツとギムネマでは、ギムネマは完全に甘味の味蕾をふさぐため、ミラクルフルーツよりギムネマが勝つと予想できた。また、ギムネマ・シジフィン・ホタロシド・グルマリンなどが甘味阻害物質、リボタン物質は苦味抑制物質だということも初めて知った。しかし動物によって受容体が違い、猫は甘味を感じることができないと知り驚いた。私は猫を飼っているが、自分にとってはたとえ甘くて良いにおいの餌でも猫にはまずいと感じられる可能性があると知ったため、もっと猫について調べ猫に良い餌をあげていきたい。
 また近年、糖尿病患者が増加しており、また、肥満が社会問題となっていることを知った。人間は時々無性に甘いものを食べたくなる時がある。糖尿病患者は糖分の摂りすぎはいけないが、糖分を使わず甘味を感じることができるミラクルフルーツを利用し食事をすると、甘味を感じることができ少しは満足できるだろうと考えた。苦い薬を飲むときも直前にミラクルフルーツを舌全体にこすりつけておくと、苦味が緩和され飲みやすくなるのではないのかと考えた。そのためどんどんミラクルフルーツを普及していけたら良いと感じた。

〈参考文献〉  ミラクルフルーツ (taste-m.com) http://www.taste-m.com/index.html (更新日:2022年5月1日 参照日2022年5月19日)



Hさん 

 講義を通して、味を感じる仕組みには口の中の乳頭に取り込まれて、その中にある味蕾で味が分かるということが分かった。乳頭には4種類あり、糸状乳頭、茸状乳頭、葉状乳頭、有郭乳頭があると学んだ。味として伝わるためには、物質が水に溶けて水溶液になる必要があり、水に溶けないと味にならないということが分かった。水溶液になり、味蕾で味を感じて、電気信号によって脳に伝わるということが分かった。また、一つで感じる味蕾は一つの味で決まっているということが分かった。味蕾は成人でおよそ6000~9000個存在し、赤ちゃんは味蕾が多く、約12000個ということが分かった。赤ちゃんに味蕾が多い理由として、大人は知識があり、食べてはいけないものを判断できるが、赤ちゃんは分からないため、苦みや酸味を感じた時に危険を感じて吐き出して自分の身を守っているということをしていると分かった。味蕾は舌全体に7割、残りの3割は上顎、のどに存在すると分かった。また、ウサギは17000個、ウシは24000個、なまずには200000個も存在すると分かった。ウサギやウシなどの草食動物は毒のある草を食べた時に毒として判断するために味蕾が多く、なまずは濁った水の中にいるため視覚で判断することは難しく、体やヒゲに味蕾がついているため水をつたって毒のある魚が近づいているかなどを判断しているということが分かった。ライオンやトラなどには味蕾が2000個ほどと人間よりも少ない。それは食べられるものを判断することができるためであるということが分かった。蛇やニワトリは2個、20個ととても味蕾の数が少ないが、それは触覚で食べるかを判断しているからであるということが分かった。蝶は手に味蕾があり、卵を産む葉に毒がないかを判断するためであると分かった。このようにそれぞれの生物で生きるために必要な能力に合わせて味蕾の場所が違うということが分かり、生物の体の仕組みの変化に驚きを感じた。味蕾は軟口蓋、喉頭蓋、食堂などにあり、のどの味蕾は炭酸を感じやすいということがわかった。
 動物にとっての味覚とは例えば、草食動物のコアラならすばやく敵から逃げることができないため、他の動物にとって毒であるユーカリの森で生活をすることで生き延びることができ、ユーカリはコアラにとって最高の味であると分かった。しかしユーカリは栄養分が少ないため、20時間睡眠することでエネルギーを得ているということが分かった。また肉食動物のライオンはまず小腸を食べ、肝臓、すい臓、筋肉というように食べる順番が決まっているということが分かった。これらのことから生きていく上で役に立つものが動物にとっておいしいということが分かった。
 人にとっての味覚は甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の5種類であるということが分かった。現在ではカルシウム(こく味)、脂味もあると提言されていて、国際学会で認められれば5種類から増える可能性が高いということが分かった。辛味は「体性感覚」といい、味蕾を刺激しているのではなく、神経を刺激して起こるということが分かった。温かいものと冷たいものに辛い物をかけた時、温かい方が辛く感じるといった違いもある。渋味、えぐ味、苦味は口の中の感覚が合わさったものであり、生理学的には一つの味としては存在していないということが分かった。食欲をそそるものは視覚であるということも学んだ。これらのことから人間にとっての味覚は経験と学習であると分かった。
 食べ物の好き嫌いのメカニズムは第一印象、雰囲気、経験であると分かった。第一印象というのは好き嫌いが決まる大きな要因であると感じた。私自身も小さい頃に食べて嫌いだと感じたものは今でも食べることに抵抗を感じるし、嫌いなものもあるので第一印象は大切だと感じた。雰囲気というのは例えば小さい時に怒られて食べたものは嫌いになる傾向があると学んだ。例えばバーベキューなどでは焼くだけで食べられる手軽なものだけれど、みんなで楽しく食べるからよりおいしく感じるので楽しく食べることは大切であると感じた。経験というのは例えば食中毒にあった食べ物などはそれ以降食べられなくなったりすることが分かった。好き嫌いを直すためには嫌いなものをそのまま食べるのではなく食べ方を工夫して調理方法を変えることなども大切であると感じた。
 人にとってのおいしさとは生理的欲求に基づくおいしさ、文化に合致したおいしさ、情報に基づくおいしさ、薬学的なおいしさの4つであるとわかった。生理的欲求に基づくおいしさとは例えば勉強をして頭を使ったときに糖分が足りなくなって甘いものを食べたくなったり、運動をした後に糖分や塩分を含んだスポーツ飲料などを飲みたくなったりといった状態になることであると分かった。文化に合致したおいしさは、例えば日本は素材の味を生かし、うま味を感じられる軟水で、ヨーロッパは香辛料などでの味付けの為硬水を使っているという水の違いからのおいしさの違いがあると分かった。情報に基づくおいしさは、例えばワインの飲み比べをした時に安いワインは誰でも飲みやすいように味を調整してあったりするため高級なワインの方が味をおいしく感じられないということがあるということが分かった。また、行列ができるお店にはおいしい店であると頭で思って並んだりする現象があると分かった。薬学的なおいしさとは、香辛料やポテトチップスなどであり、香辛料に入っている鎮痛物質は多いと得意であると感じるが少ないと苦手であるといった特徴があると分かった。
 味覚障害とは食べ物の味がしなくなる病気であり、近年若者に増加していると分かった。また、亜鉛の不足が味覚障害の原因とされていてファストフードや加工食品などは亜鉛が少ないため頼りすぎるのはよくないということが分かった。半年以上放置すると治らなくなるということも分かった。海藻やそば、魚、日本茶などには亜鉛が多く含まれておりかきには一番多く含まれているので、これらを積極的に食べるなどして、日本食を見直すことが大切だと感じた。
 今回の講義で使用したギムネマは、葉っぱを食べてから砂糖などの甘いものを食べると、葉っぱに含まれるギムネマ酸という配糖体が糖分の吸収を妨げて甘味を感じなくさせるといった効果があると分かった。講義ではまず砂糖を食べてギムネマを食べてからチョコレートや砂糖を食べると甘みが消えた。また、ギムネマを食べてからお饅頭を食べると甘みが消えお饅頭に入っている塩の味が残り、しょっぱい味がするということも学んだ。このように何が入っているかを確認することもギムネマによってできるということが分かった。 ギムネマ以外にミラクルフルーツというものも使用したが、これはすっぱいものを甘く感じさせるという効果のあるものであると分かった。今回の講義で行ったようにギムネマを食べてからミラクルフルーツを食べると、ギムネマでまず甘みを塞いでいるのでミラクルフルーツを食べてもギムネマの効果が勝つことが分かった。  
 これらの味覚修飾植物を用いることで、例えばストロジンというものを甘いものに入れると糖分を押さえて甘い食べ物や飲み物を作ることができ、糖尿病の患者さんなどに役立つものになると考えられる。今回は甘味を消すものとすっぱいものを甘く感じさせるものを講義で使用したが、それ以外にも苦味抑制物質というものがあり、エリオジクチオール、ホモエリオジクチオール、ホモエリオジクチオールのナトリウム塩、ステルビンの4種類がよく知られており、苦いものを食べてもあまり苦くなく感じさせる物質であるということが調べて分かった。これを利用することで特に子供が苦手に感じる苦い野菜などを苦味抑制物質によって苦味を抑え、食べやすくするということも可能であるのではないかと感じた。このような味を変化させる物質を今回の講義で初めて知ったのでもっと色々な変化する物質を詳しく知りたいと感じ興味がわいた。

参考文献:ミラクルフルーツ (taste-m.com)
味覚修飾物質とは?~ギムネマ、ミラクリン等の味覚修飾物質の例~ | 味覚ステーション (mikakukyokai.net)



Ⅰさん 

 今回の講義で、人間以外の動物は味(おいしさ)ではなく、主に安全性、毒の有無を感じ取るために味蕾があるということを知った。また、その延長で、人間では知識がまだ蓄えられていない幼児のほうが、成人に比べて味蕾が多いということも知った。また、味蕾は舌に7割あるとはいえ、軟口蓋、上あご、咽頭蓋、のどにもあるため、入れ歯などで味蕾がある場所を塞いでしまうと、通常より味を感じ取る力が弱まってしまうことを知った。  
 動物にとっての味覚について講義を聴いて、草食獣も肉食獣も生きていくために工夫して体を変化させたり、食べる順番を決めていたりすることを知った。草食獣の例に挙げられたコアラは、他の動物にとって毒であるユーカリを主食とし、その森に住むことで、そもそも敵が近寄ってこない安全な生活を得ることができた。その代償として、カロリーの低いユーカリしか摂取できないため、1日のうち4時間程度しか活動ができないというものがあるが、生きていくうえでは賢い選択だったのではないかと思う。次に、肉食獣の例に挙げられたライオンは、植物を直接食べることができないが、その栄養は必要であるため、捕らえた草食獣の小腸を最初に食べ、植物の栄養を取り入れていることを知った。そもそも肉食獣は好んで肉を食べているだけであって、植物を直接食べることができないということを知らなかった。肉食獣の捕食を想像したときに、筋肉の部分を食べているイメージが強かったが、実際は小腸、肝臓・膵臓、筋肉の順であると知り驚いた。  
 人にとっての味覚について、苦味、酸味の感度が高く、甘味やうま味の感度が低いことを知った。この理由は、最初にも既述したように、体に害がありそうなものがより感じ取れるようにするためである。苦味や酸味があるものが大人になるにつれ食べられるようになったり、美味しいと感じたりするのは、「経験・学習(知識)」により「苦味・酸味≠毒」ということを理解するからである。
 味覚は甘味、塩味、酸味、苦味、うま味がある。最近になって、コク味や脂味もあるのではないかといわれている。辛味や渋味・えぐ味が含まれていないのは、辛味は味ではなく体性感覚であり、味蕾ではなく神経が刺激されることで感じるもので、渋味・えぐ味は苦味+感覚が合わさったもののため、生理学的には1つの味として存在しないからである。 うま味について、これは全て日本人が発見したことを知った。なぜ日本人が発見できたのかというと、日本の水は軟水であるため、素材の味を生かす「だし文化」であるためである。ヨーロッパなどは硬水のため、香辛料の味で料理が完成するからである。 味の認知には5感のうち視覚が最も影響するということを知った。嗅覚が最も影響すると思っていたので少し驚いた。人間は「赤色=おいしい、青色=まずい」という認識を持っている。なぜなら、赤色は果実が熟した色のためである。昔の感覚が現代まで自然と受け継がれていると知った。  
 好き嫌いのメカニズムとして、第一印象、雰囲気、経験が関係することを知った。確かに私も、BBQで食べるご飯のほうが普段のごはんよりもおいしく感じるという経験をしたことがある。好き嫌いの克服に関して、先ほども述べたように、苦味をおいしいと感じるようになるのは「経験と学習」が理由である。私も幼いころはピーマンが食べられなかったり、コーヒーが飲めなかったりした。しかし現在は、どちらもおいしく感じる。ピーマンにどのような栄養があるのか、どのように調理したら苦味を少なく感じられるか、コーヒーは甘い食べものと一緒に飲むとちょうどいい、眠気を覚ます効果がある、ということを「経験」し、「学習」したからである。  
 人にとって、美味しさを感じるのは生理的欲求、文化との合致、情報の基づき、薬理学的ものがある。なかでも現代は、情報に基づく美味しさというものが大きいと考える。先生が例に挙げられたように、「食物繊維レタス〇個分!」というものを見かけたことがあるが、実際にレタスの食物繊維はそもそも少なく、キャベツのほうが何倍もあるということを知って驚いた。母数の見えない評価を鵜吞みにしてしまうのは現代ならではの問題なのではないかと思った。  
 味覚修飾植物について、ミラクルフルーツの名前は知っていたが、ギムネマは初めて知った。この味を変える性質を利用して、糖尿病患者さんに向けたスイーツが開発されているのを知り、とても良い運動だと感じた。病気だから仕方ないではなく、病気だけれど食べられる、というのは患者さんの希望や楽しみの制限をなくすことができる味覚のバリアフリーなのではないかと感じた。今後様々な理由で食べたいものを食べられない人に向けて、さらなる発展を期待していきたいと思った。  
 今回の講義で、単純に「味覚が変わる」という経験が初めてでとても面白かった。また、今まで知らなかったり、意識したこともなかった「味覚」について詳しいお話が聞けて、自分の味覚の変化を思い出したり、医療にも役立てられることを知れたり、とても有意義な時間だった。また、先生は好奇心からすぐに行動できる、すごい方だと感じた。この研究を始めたのが16歳で、「まだ16歳だから…」「大人になったら…」とあきらめるのではなく独学で学び続け、実際にこのような講義で広めたり、カプセルを作ったり、どのように役立てられるかを考え、行動できたりするのは本当にすごいと思った。



Jさん 

 私は今まで自分の持つ味覚について頓着してきたことがなかった。19年間生きてきて毎日当たり前のように食事をしていたのに、味覚に対して何も疑問を持たなかったことが、講義を終えた今では不思議でならない。今回の講義では、初めて得る学びがとても多かった。  
 特に興味を持ったものが、種族や成長の段階で味蕾の数が違うという点である。私は幼い頃からピーマンやレモン、納豆などが食べられなかった。しかし今は全て食べられるし、納豆に至っては好物になっている。私がこれらを食べられるようになったのは中学二年生の頃で、そんな私の姿を見て母が「味覚が変わった」と言っていた。当時その言葉を聞いて「味覚が変わるものなのだろうか」と疑問に思ったことがあったが、それが味蕾の減少によるものだと知って納得することが出来た。またピーマンなど苦いものが平気で食べられる様になったことを私はなんとなく味覚の成長だと思っていた。しかし、味蕾が減少していることで起こる変化だということを踏まえると、どちらかと言えば退化になるのかと考えた。また講義で、味蕾の数が秀でて多いのはナマズだと学んだ。ナマズには全身に味蕾があり、それを操って時には餌を捕まえ、時には周りの状況を把握しているのだと知った。このことから、味蕾の数はその生物の生活環境に強く結びついているのではないかと考えた。
 以前テレビで、日本のスナック菓子を海外の人に食べさせるとどんな反応をするのかという番組がやっていた。そのスナック菓子は辛い系統のお菓子だった。ヨーロッパやアジアなどほとんどの国では「辛い」という反応だったのだが、アフリカのとある国では「甘い」という反応をする人が全体のほとんどの割合を占めていた。このことから、味蕾の数は乳児と成人だけではなく、人種によっても異なるのではないかと考えた。このことについてもっと詳しく調べようと思ってのだが、それについての文献や論文が見つからなかったため、今後海外の文献や図書館を回って探してみようと思う。
  ミラクルフルーツやギムネマなどの味覚修飾植物の存在は、様々な病気に役立つと学んだ。ダイエットなどにも役立つと感じた。例えばギムネマの葉っぱを噛んでから、あんパンを食べたら心底美味しくなくて食べきれなかった。これを利用して、甘味を食べ過ぎてしまう人への抑制剤を作れるのではないかと考えた。ミラクルフルーツのようにタブレット化すれば、ダイエットを考えている人に喜ばれるのではないかと考えた。この飽食の時代で、日本人の肥満率は増えている。味覚修飾植物を上手く使って、人々の健康を支えられる日が来るのも近いのではないかと感じた。
 味覚修飾植物や生物の味覚・味蕾は想像以上に奥が深いということが分かった。これらについて学んでみて、強く興味が湧いたため、これからもこの分野について調べてみたいと思った。