今回特別講義を受け、私は味覚について誤解していたこと、知らなかったことがたくさんあったという事がわかった。講義の中では特に、味蕾の仕組みや人の味覚の話が興味深かった。
味覚地図の話は、小学生の頃に本で読んだことがあった。その時私はその話を信じて、甘味を感じるところではない部分に砂糖を乗せたり、塩味を感じる以外の部分に塩を乗せたりして、本当に味が感じられないのかを試したことを覚えている。その結果、感じないはずの部分でも砂糖の甘さや塩のしょっぱさを感じたため、なぜだろうと疑問を持つことになった。しかし当時の私は、その疑問を解消するために自ら調べることはせず、きっと自分のやり方が悪かったのだろうと結論付けてしまった。今回、講義を受けたことによって10年来の疑問を解決することができた。
また、舌に味蕾と呼ばれる器官があり、それが味を感じる役割を担っているという事は知っていたが、その仕組みを具体的に知っていたわけではなく、多い方が味をより感じやすいのだという誤解も持っていた。今回、そのようないくつかの誤解があったとわかったこと、それだけでなく正しい知識を得ることができたことはとても有意義であった。
その日の夜、家族でギムネマとミラクルフルーツの実験を行った。その時妹が、ギムネマは味覚地図の甘味の部分に塗ればいいのか、味蕾が多い方が味を感じやすいのではないかという発言をした。それを聞いて私は、講義を受ける前の自分はまさに妹と同じだったなと思った。
妹は調理師を目指しており、その専門学校にも通っていた。専門学校は製菓のコースで主に実習中心だったために味覚について学ぶ機会はなかったのだと思う。また、仕組みを知らなくてもおいしいお菓子を作ることはできるため、カリキュラムに含まれるという事もなかったのだと思うが、食品に関わる仕事に就くのであれば知っておきたい知識だと私は思っている。
味覚について知ることは、食について関心を持つきっかけになると思う。特に味覚障害の仕組みを知っておくことで、普段の食生活から意識的に予防することができるようになるため、食育の授業においてこのテーマは積極的に取り上げていくべきであると思う。また、その際にギムネマやミラクルフルーツなどの味覚修飾植物を用いることによって、講義を聞くだけよりも感覚的に理解がしやすくなり、より興味を持つきっかけになると思う。講義資料に書かれている展望の繰り返しになってしまったが、これが私が今回の講義を受け、率直に感じた思いである。