ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト(ミラクルフルーツ・味覚・ギムネマ・ミラクリン・食育・ミラクルフルーツ)

  ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト
島村光治のホームページ ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト
ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト ご質問・ご意見・ご感想・講演依頼
ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト
■ 参加者の御感想


参加者の御感想

2021/5/17に実施した中京大学心理学部3・4年の皆さんのレポートです。

今回は記録写真は撮影しておりません。申し訳ありません。



Aさん 

・講義を通じて感じたこと
 昨日の講義を通して, 私は人間あるいは生物の身体というのは生き残るためにあらゆる変化を遂げ, 今日まで生き残ってきた逞しさのようなものを感じた。私がその中で最も強く感動したことは, 動物種によって味蕾の数が違うことである。特に, 草食動物の味蕾には魅力を感じた。生き残るためには栄養を摂取することが重要であるが, うっそうと茂る草むらの中には毒を持った植物も当然のように生えている。それを察知するために味蕾を発達させた動物たちには脱帽せざるを得ない。彼らは我々人間のように, 科学的に物事を思考することはないはずであるから, 「毒を察知するために舌で感知できるようにしよう」と考えて発達したわけではない。しかし, そのような変化を遂げられるということにもはや神秘すら感じたのである。遺伝子に書き込まれた情報はどのような情報まで含んでいるのだろうか。味覚という角度から捉えても不思議である。

・味覚修飾植物を体験してみて  
 昨日の講義の後にいただいた「ミラクルフルーツ」のタブレットと, 「ギムネマ」の葉を, さっそく帰宅後に家族を巻き込んで試してみた。 ミラクルフルーツは, 少し前にYoutuberと呼ばれる人たちが動画に使用していたこともあり, 存在そのものは知っていた。しかし, いざ自分自身で体験してみるとこうも面白いものなのか。百聞は一見に如かずとはまさにこのことである。レモン果汁がジュースへと変化した。理屈や何が起こるのか, 頭で理解していても驚きと好奇心が湧き出てきた。 ギムネマは, その存在を初めて知った植物である。食べると少しの苦みと渋みがあり, あまり美味しいものではなかった。しかし, その後の変化はミラクルフルーツよりはっきりと感じた。我が家にちょうど存在していた「甘いもの」がキャラメルだったので, それで試してみたが, あのとても甘いキャラメルがまるでゴムを噛んでいるかのように味の無いぐにぐにとした何かに変わった。あまりの衝撃に, 笑いしか出てこなかった。

・ 味覚について学び, 体験して, 考えたこと  
 講義で言及していた, 糖尿病患者への味覚修飾植物の利用というのは非常に有効であると肌で感じた。酸っぱいものを甘く感じさせて糖分摂取を抑える効果や, 甘いものを甘く感じさせない, 不味くさえさせてしまえば, 菓子類の摂取を減らすこともできるかもしれない。また現実的ではないが, このコロナ禍が長期化したことによって新型コロナウイルスへの緊張感や危機感が減っている中, このウイルスの特徴である味覚障害を一部疑似体験することができ, 「こんなに味を感じなくなってしまったら, 嫌だ」と感じさせることができるかもしれない。特に, ギムネマのような効果は味覚障害の疑似体験に適しているように感じた。  私たちが美味しく食事ができるのは, 当たり前のことではなく, 生物としての進化と, 経験と学習によって獲得したありがたい能力なのだと感じた。



Bさん 

 今回初めて島村先生の講義を聞いて,今まで知らなかった味覚に関して多くのことを知ることができた。甘味,塩味,酸味,苦味,うま味のそれぞれに専用の味蕾があるということを初めて知った。また,上あごやのどにも味蕾があるというのを知って驚いた。炭酸のシュワシュワした感覚も味蕾によって感じていることを知ってなるほどなと感じた。味蕾の数も動物によってそれぞれ全く異なっていて,さらに動物によって味蕾の役割も異なっていることを知った。  
 今回,ミラクルフルーツとギムネマを頂いて家に帰って実験した。ギムネマの実験ではチョコレートと砂糖を食べた。2回やったのだが,1回目は口全体にギムネマをいきわたらせることができていなかったようで舌の裏にチョコレートや砂糖が接したときに甘味を感じた。しかし,舌上や上あごでは甘味を全く感じなかったので甘味に反応する味蕾が覆われていたんだなと感じた。2回目は舌の裏もしっかりギムネマをいきわたらせることができたので本当に一切甘味を感じることはなかった。初めてこのような経験をしたのでとても不思議だったし,講義で知った内容を実際に体験できた気がして嬉しかった。ミラクルフルーツの実験では酢を飲んでみた。酢をそのままの状態で口に含むのは物凄く抵抗があって少し怖かったけれど酢を口に入れると全く酸っぱくなくて,甘く感じた。甘く感じるというのは分かってはいたけれど本当に甘味を感じてとても不思議な感覚だった。しかし,飲み込んだ時に喉でむせそうになった。味覚は本当に不思議だし面白いと感じた。  
 味覚修飾植物を使って苦くて飲みにくい薬を苦味をあまり感じさせずに年配の方や小さな子供まで薬を飲みやすくできるというのを講義で聞いたし自分でもとても活用性があって無限大の可能性があると感じた。まだ見つかっていないであろう味覚修飾植物もあるだろうからこれからもたくさんの発見があるだろうし,これからも多くの場面で活用されると感じたのでその時がとても楽しみだ。



Cさん 

 今回、ヒトや動物の味覚に関してや、ミラクルフルーツやギムネマといった味覚修飾植物に関する講演を受け、味蕾の仕組みや味覚修飾物質(植物)の存在についてなど初めて知ることが多くあった。そこで、本レポートでは今回の講演で特に興味を惹かれた点と、講演後実際にミラクルフルーツタブレットとギムネマの葉を試した感想を述べる。  
 まず、本講演で特に興味を惹かれたのは、生物によって味蕾の数や場所、役割が異なっているという点である。ウサギやウシなどといった草食動物は植物の毒などを敏感に察知できるように味蕾が多く、反対に肉食動物は草食動物に比べて味蕾が少ないことを知り、何かを食べて味を感じるという一見当たり前のようなメカニズムは動物の生存に大きく関わっているのだなと考えさせられた。また、ヒトのように成長とともに味蕾が減少したり、ハエなど一部の昆虫には手に味蕾があったりなど、味蕾の数や場所が案外多様であることを知り、動物の進化の過程でどのように味蕾の数や場所が変化してきたのかについても興味を持った。  
 また、ヒトにとっての美味しさや、好き嫌いのメカニズムについてのお話についても、心理学と深く関連があるように感じられ非常に興味を持った。特にヒトの食に好き嫌いが生まれる要因の一つとして挙げられていた経験につては、食後の不快感からその食べ物を嫌いになるという心理学において代表的な条件付けの一つである味覚嫌悪学習と強い関連があると感じた。過去に受けた心理学の講義で、味覚嫌悪学習はヒトの条件付けの中でもかなり強い効果を発揮すると聞き、なぜ味覚と体調の変化(不快感)がこれほどまでに強く条件付けられるのかと疑問に思っていたが、今回の講演を受けて味覚は生物の生存に直結していることを知り、疑問が解消された。私は今まで聴覚や視覚についての心理学実験に興味を持っていたが、味覚に関しての心理学実験を行うのも新たな発見が得られて楽しいのではないかと感じた。  
 最後に講演後にミラクルフルーツタブレットとギムネマの葉を試した感想を述べる。体験する前は正直本当にそこまでの効果があるのか半信半疑であったが、予想以上の味覚の変化が得られて驚いた。ギムネマに関しては砂糖、いちごチョコレート、ドライフルーツ、煮物で実験を行ってみたが、特に砂糖に関しては何の味も感じられず、溶ける砂を食べているかのような不思議な感覚に陥った。その他の食べ物についても甘味以外の酸味や塩味が強調され、違う食べ物のように感じられた。ミラクルフルーツタブレットに関しては酢と梅干とキムチを試したが、講演で聞いた通り酢がジュースのように感じられた。しかし、飲み込むとのどに刺激が走るため口の中とのギャップが面白かった。今回体験した味覚修飾物質は、糖尿病患者の方の生活習慣の改善など医療面にも活用されていると聞いたが、確かにこの味覚修飾物質による治療が一般化したら、かなり患者の方の苦痛は和らぐのではないだろうかと体験を通して強く感じた。



Dさん 

 この度は私共のために特別講義を開いていただきありがとうございました。  
 今回の講義によって味と舌の関係についてたくさん学ぶことができました。講義の中で先生が仰っていたように私は味蕾が多い人または生物はソムリエや料理人のように多くの味の違いを感じ取ることができるのだと勘違いしていました。この時に紹介された大人の人間の味蕾の数と赤ちゃんの味蕾の数に違いがある理由を聞いてやはり生物は便利に生きていくために作られているのだと再確認しました。また、人間以外の生物で草食動物の味蕾は餌として食べる草が毒草か否かを認識するために多くの味蕾があるということや、逆に肉食動物は自分の食べたい餌(草食動物など)を自らえり好みして食べるので味蕾は他の生物に比べて少ないというのもとても面白いと感じました。他にも「味覚」というものが存在している意味が人間と動物で異なるというのは考えたこともありませんでした。
 動物にとっての味覚は「生きていくうえで役に立つもの=おいしい」ですが、人間にとっての味覚は「味覚=経験と学習」ということでしたが、この言葉だけを聞いたときはあまり理解ができていませんでした。しかし、講義の中で出てきたコーヒーなどの赤ちゃんが毒に近いものだと感じるものも私たちが生活の中で学習している苦いものが全部体に害のあるものではないということからきていると知って納得しました。
 また、5種類ある味覚のうちの一つであるうま味が日本発症であるということも今回の講義で初めて知りました。講義の後半で紹介された好き嫌いのメカニズムの話は全体的に興味深いことがありました。特に経験からくる好き嫌いはとても身の回りで起こっているので何となく過去の経験から好き嫌いは起こると感じていましたが、その通りだと知る機会となったので良かったです。
 今回の講義の最後に配布されたギムネマとミラクルフルーツを試してみたところ本当に甘さを感じなくなることと酸味を甘味に感じるという今まで感じたことのない体験をしました。このレポートで何度も書かせていただいたように本当に様々な知識を得るとても楽しく、有意義な機会となりました。ありがとうございました。