■講義を通してわかったこと
人が味を感じるには、食べ物が唾液と混じり水溶液になる必要があり、味蕾で味が判別されることがわかった。また、味蕾は鍵と鍵穴の関係に例えることができ、食べ物成分が鍵で味蕾が鍵穴だとすると、味の成分が専用の鍵穴に埋まることでスイッチが入り電気信号として脳に伝えられる。味蕾は成人でおよそ6,000〜9,000個存在していて、ウサギだと毒のある草に気づくために17,000個もあったり、ナマズだと濁った川に生息しているため視界が悪いのでひげや皮膚などにも味蕾があり、全体で200,000個もあったりと、生き物の特徴によって数や味蕾がある位置が異なることも初めて知った。さらに人間の赤ちゃんには12,000個あり、これは産まれたばかりの赤ちゃんは経験と知識がないため、疑わしかったり、害のあるものだと判断したりした場合に吐き出せるようになっているからである。そして、味蕾は加齢とともに減少していくため、幼少期よりも好き嫌いがなくなる。
人にとっての味覚として、“辛味”も基本味の一つだと思っていたが、辛味は体制感覚で未来を刺激しているのではなく、神経を刺激しているということがわかった。また、最初に“苦味”が、次に“酸味”が害のあるものとして判断されてしまうので真っ先に脳に伝わる。
味覚について知ることは、『味覚障害』の予防にもなることがわかった。聞いたことはある病名ではあったが、詳しくは知らなかった。しかし、今回のギムネマで「これが味覚障害なのだ」と実際に味覚障害の擬似体験ができて、とても怖い病気なのだと改めてわかった。また、亜鉛が原因でもあり、その亜鉛は海藻や丸ごと食べられる魚、日本茶などの食品に多く含まれていることもわかった。ファストフードなどが普及し、日本食離れが起きているこの時代で味覚について学ぶことで、若者に多くなってきているという『味覚障害』に対しての理解や知識を深められることはとても良いことだと思うし、もっと世の中にも発信すべきことだと思った。
すっぱいものが甘く感じるというミラクルフルーツのタブレット化により、生活習慣病の一つである糖尿病の治療にとても役に立つものだということがわかった。糖尿病患者が甘いものを食べたくなったとき、ミラクルフルーツのタブレットを噛んでから甘さを控えたレモンケーキなどを食べることによって甘いものを食べている気になれるからである。今後、ミラクルフルーツが世の中にもっと広がっていき、認知度も高くなっていけば糖尿病患者の減少につながると思うし、タブレット化の成功というような進化が積み重ねられて、私たちが将来医療現場で働いているとき当たり前に存在するようなものになることを期待したい。
■感想
今回島村先生の講義を聴き、大学生活で初めて面白いと思える講義だった。私は、中学の理科の授業で味覚について学んだときその授業の内容にとても興味を持ったのは今でも覚えている。しかし、興味を持っただけに留まってしまい深く知ろうとしたり、調べたりすることはなかった。そこで今回の講義を受けて、中学の時に教えてもらった味覚の地図は今でもどこに何があるか覚えていたが、それ自体が間違いであったことに衝撃を受けた。また、味覚修飾物質というものがあることさえ驚いた。中学の時では教えられなかったことが詳しく、わかりやすく理解でき、本当に楽しい講義だった。
島村先生のように、不思議に思ったことや、詳しく知りたいと思ったことを徹底的に研究して、結果だけに満足するのではなくさらに上を目指している姿はとてもすばらしいとおもうし、自分にも取り入れたいと思った。ミラクルフルーツのタブレット化などのような、さらに改善を重ね、世の中の人のためになる進化を遂げている味覚修飾物質の今後がとても楽しみである。
今回は中部学院大学で講義していただき、ありがとうございました。島村先生の聞き入ってしまう話し方や、たまにあるジョークなどとても楽しく受けさせていただきました。今後の発展が本当に楽しみです。頑張ってください。ありがとうございました。