私はギムネマ,ミラクルフルーツのどちらの存在も知らなかった。最初にギムネマの話を聞いたとき,植物ひとつで味が変わることについて半信半疑だった。実際に体験してみると本当に驚いた。ギムネマを食べた後チョコレート,砂糖と食べたがチョコレートはバターのような風味しか感じなかったし,砂糖に至っては,ただの砂のようだった。実際にギムネマを口に含んでいるときも,美味しいというわけではなかったが,特に舌がしびれる,麻痺するなどの感覚は全くなかったため感覚がおかしくなったわけではないので不思議な感覚だった。
味は味蕾という部分で判別されるが,味蕾の鍵と鍵穴の関係は納得がいった。昔の味覚地図のようだったら,感じない部分の方がおおすぎておかしなことになっていると思う。また,味蕾のある場所にも驚いた。味を感じるのは舌ということは誰もが知っていることだが,喉や上顎でも味を感じているのには驚いた。味蕾の数についてだが,成人で6000〜9000個でも多いと思ったが赤ちゃんは12000個ほどときくと少し損をした気分にもなった。味をそれだけ感じられなくなるのはもったいない気もするが,経験と学習から味蕾がたくさんなくても正しい判断ができるので必要がないから仕方がないことではある。大人になって食べられるようになるものが多くなるのが経験と学習というのを裏付けている証拠だと思う。草食動物の味蕾の数はもっと多いが,草食動物は自分で毒か毒ではないかを判断しなければならないためむしろ多くないと困るのだろうと思った。元々は違うと思うが今人間は甘い,苦いなどの味を判別するためだと思っている。しかし人間以外の動物にとってはおいしいかどうかというより生きていくために必要な器官であると思う。
味覚修飾植物の種類が意外とあって驚いた。効果持続時間は違うがそれでも一瞬ではなく何分も続くというのがまた不思議であったし,感じていないだけで普通の食事でも成分が何分も口の中に残っているものなのかと思った。
講義を受け,最後にミラクルフルーツの体験をしたが,味覚について学び説明もきちんと分かったうえで食べてもやっぱり不思議な体験だった。自分の体なのに騙されているような気分になった。甘いはずのないレモンやプレーンのヨーグルトがミラクルフルーツの成分が苦味と合致して鍵穴にぴったりと入るのだとわかっていても不思議だった。甘味はないはずなのに舌は鍵穴のように入ってしまったら機械的に「甘い」という信号を発信するのだから人間の体は本当に不思議だと思った。でもこれは講義にもあったように糖尿病などで糖分をたくさん摂取できない人にとっては重宝したいものであると思う。
今まで舌の仕組みや味について考えたこともなかったし,この講義を受けなければ今後考えることもなかったと思う。私たちは普段「おいしい」か「まずい」という基準で食べ物を判断している。しかし本来なんのために味がわかるようになっているのかということを理解している人の方が少ないと思う。人間にとっての「おいしい」と動物にとっての「おいしい」は飽きらかに違うし,視覚や嗅覚など味覚以外にも「おいしい」ととってしまう感覚がたくさんあると感じた。もちろん動物も視覚や嗅覚を使っているとは思うが,人間が感じる「おいしい」よりもはるかに味覚を生きていくために使って「おいしい」を感じているような気がする。蛇やニワトリのように味蕾が少ない動物は,味覚以外が優れているように,どの動物もいろんな感覚を使ってそれぞれの「おいしい」を感じていると思った。今回の講義を受けたことで味に対する考え方が変わったし,ギムネマ,ミラクルフルーツはもっとたくさんの人に知られてほしい植物だと思った。