ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト(ミラクルフルーツ・味覚・ギムネマ・ミラクリン・食育・ミラクルフルーツ)

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■ 参加者の御感想


参加者の御感想

2018/04/30に実施した中京大学 心理学部3年の皆さんのレポートです。

講演風景1 講演風景2



Aさん 

 私はギムネマ,ミラクルフルーツのどちらの存在も知らなかった。最初にギムネマの話を聞いたとき,植物ひとつで味が変わることについて半信半疑だった。実際に体験してみると本当に驚いた。ギムネマを食べた後チョコレート,砂糖と食べたがチョコレートはバターのような風味しか感じなかったし,砂糖に至っては,ただの砂のようだった。実際にギムネマを口に含んでいるときも,美味しいというわけではなかったが,特に舌がしびれる,麻痺するなどの感覚は全くなかったため感覚がおかしくなったわけではないので不思議な感覚だった。
 味は味蕾という部分で判別されるが,味蕾の鍵と鍵穴の関係は納得がいった。昔の味覚地図のようだったら,感じない部分の方がおおすぎておかしなことになっていると思う。また,味蕾のある場所にも驚いた。味を感じるのは舌ということは誰もが知っていることだが,喉や上顎でも味を感じているのには驚いた。味蕾の数についてだが,成人で6000〜9000個でも多いと思ったが赤ちゃんは12000個ほどときくと少し損をした気分にもなった。味をそれだけ感じられなくなるのはもったいない気もするが,経験と学習から味蕾がたくさんなくても正しい判断ができるので必要がないから仕方がないことではある。大人になって食べられるようになるものが多くなるのが経験と学習というのを裏付けている証拠だと思う。草食動物の味蕾の数はもっと多いが,草食動物は自分で毒か毒ではないかを判断しなければならないためむしろ多くないと困るのだろうと思った。元々は違うと思うが今人間は甘い,苦いなどの味を判別するためだと思っている。しかし人間以外の動物にとってはおいしいかどうかというより生きていくために必要な器官であると思う。
 味覚修飾植物の種類が意外とあって驚いた。効果持続時間は違うがそれでも一瞬ではなく何分も続くというのがまた不思議であったし,感じていないだけで普通の食事でも成分が何分も口の中に残っているものなのかと思った。
 講義を受け,最後にミラクルフルーツの体験をしたが,味覚について学び説明もきちんと分かったうえで食べてもやっぱり不思議な体験だった。自分の体なのに騙されているような気分になった。甘いはずのないレモンやプレーンのヨーグルトがミラクルフルーツの成分が苦味と合致して鍵穴にぴったりと入るのだとわかっていても不思議だった。甘味はないはずなのに舌は鍵穴のように入ってしまったら機械的に「甘い」という信号を発信するのだから人間の体は本当に不思議だと思った。でもこれは講義にもあったように糖尿病などで糖分をたくさん摂取できない人にとっては重宝したいものであると思う。
 今まで舌の仕組みや味について考えたこともなかったし,この講義を受けなければ今後考えることもなかったと思う。私たちは普段「おいしい」か「まずい」という基準で食べ物を判断している。しかし本来なんのために味がわかるようになっているのかということを理解している人の方が少ないと思う。人間にとっての「おいしい」と動物にとっての「おいしい」は飽きらかに違うし,視覚や嗅覚など味覚以外にも「おいしい」ととってしまう感覚がたくさんあると感じた。もちろん動物も視覚や嗅覚を使っているとは思うが,人間が感じる「おいしい」よりもはるかに味覚を生きていくために使って「おいしい」を感じているような気がする。蛇やニワトリのように味蕾が少ない動物は,味覚以外が優れているように,どの動物もいろんな感覚を使ってそれぞれの「おいしい」を感じていると思った。今回の講義を受けたことで味に対する考え方が変わったし,ギムネマ,ミラクルフルーツはもっとたくさんの人に知られてほしい植物だと思った。



Bさん 

 今回の講義を通して味を感じるしくみが理解できた。この講義を受講する前は各部分で味を感じる所が別々にあると思っていたが、実際は鍵と鍵穴のような関係であるということを知り、驚いた。また、味蕾の数が成人より赤ちゃんの方が多いということも分かった。だから、子どもの頃は苦いものが苦手で、大人になるにつれて苦いものが食べることができる理由を納得することができた。また、好き嫌いのメカニズムについて興味を持った。第一印象などで好きか嫌いかを判断することは大体想像がつくが、まさか雰囲気で好き嫌いを判断するとは思わなかった。これから家庭を持つことがあったら、食事をするときはみんなで楽しくということに気を付けていきたいと考えた。
 人間は価値判断をする扁桃体が発達している。今回の講義の中で出てきたレモン何個分やレタスの食物繊維の何倍かというのが実際はそんなにたいしたものではないのに、私はそのままに情報を受け取っているということに気づかされた。これからは自分自身で何が正しい情報かを見極めていかなければならないと思った。
 以前神経科学で,同じ講義を受けた。2回目であるにも関わらず,ギムネマやミラクルフルーツを実際に食べてみるという実験では1回目と同様にこんなに味が変わるのかと驚かされた。ギムネマを食べると,いつもおいしく食べているチョコレートが脂っこい固形物に感じられるし,ミラクルフルーツを食べると,おかわりしたくなるほどポッカレモンが甘く感じられた。これらの味の変化は,ダイエットをする人達ではなく,やむを得ない理由でどうしても糖を抑えなければいけない人たちに役立つと知り,一人でも多くの人に知ってほしいと思った。



Cさん 

 今回、味覚実験に参加することで味覚に関する研究は人間の心理と大きく影響を与え合っていることと他の知覚と比べこれからの社会に役立つことができる研究であることを学んだ。
 今回の講義の中で興味深いと感じたのは、好き嫌いのメカニズムと人にとってのおいしさとはという部分である。この2点に共通していることが人の感情がおいしさや好き嫌いなどの味に影響を与えている点である。今回の講義では感情が味覚に影響を与えていた。しかし、心理研究の中でおいしいものとまずいものを食べた時の反応の違いという研究を聞いたことが何回かある。これは味覚が感情、または他の知覚に影響を与えている。このことから、雰囲気や環境、経験によっておいしさを感じることが多ければ、その後においしいと感じて心理的に良い影響を与えることも多くなると考えられる。そのことからも味覚と心理の関係性は大きいのだと感じた。
 また、視覚実験や聴覚実験の場合に比べ、味覚実験は人間の知覚についてだけでなく人間の健康や生活に大きい影響を与えるものである。そのため、他の知覚実験に比べ身近で興味を持ちやすく、これからの生活や社会の中で役立てることができる。今回の授業にもあったようにミラクルフルーツやギムネマのように味覚障害の疑似体験や糖尿病や肥満などの予防・治療法が挙げられる。食べ物の種類が増え昔に比べ食事が娯楽化している現代で、味覚障害と肥満・糖尿は大きな問題である。肥満を気にするため、好きな物を食べることができない、甘いものを食べられないというのはストレスになる人もいるだろう。実際、私の祖父も糖尿による食事制限に苦しめられている。「味覚障害」と言葉で聞いたとしても、それがどのようなものかわかない場合その恐ろしさや辛さはわからないものだろう。そのことからも、味覚研究を進め、健康のために食べるのではなくおいしいと感じながら食べることができる方法が見つかればそれで助かる人は多いだろう。また、味覚について知ってもらうことで味覚の大切さに気付き薬学的な物だけでなくいろいろな味のものを食べ、亜鉛不足にならないことの重要性知ってもらえれば、味覚障害で悩む人も少なくなるのではと感じた。これらのことから味覚研究を進めていくことは大きな意義のあるものだと感じた。
 人間の健康や感情に大きな影響を与える食事を、より質の高くおいしいと感じ幸福を得られる行為にするのは大切なことだと考えられる。健康にいい食品を紹介する番組はよく見かける。それを見るとよく考えるのは健康のためにおいしくないものを食べるか、健康に悪かったとしてもおいしいと感じるものを食べるかのどちらかを選ぶならということであった。しかし、今回の講義を聞いて学んだのは心理的な面でおいしいと感じさせているという点と、味覚修飾物質などを使用することで肥満や糖尿病の人間でも食事を楽しむことができるということである。味覚研究が進み味覚について知られていくことで、健康にいいものをおいしく食べられるという選択肢が増えればと感じた。



Dさん 

 講義を通して、味を感じる仕組みや動物・人間にとっての味覚、味覚障害、味覚修飾物質・味覚修飾植物について初めて知った。味を感じるセンサーである味蕾は、食べ物が水に溶けないと味はせず、渋柿と甘柿の味の違いがなぜ起こるかはとても興味深かった。私は、味蕾について詳しく知らなかったため、鍵と鍵穴の関係の例えが分かりやすかった。味蕾は口の中にしかないと今まで思い込んでいたがそうではなく、ナマズやハエ、蝶などは皮膚や手に味蕾があることを知った。人間の皮膚や手は様々なものに触れるため、人間は皮膚や手に味蕾がなくてよかったと思った。また、人間において成人では味蕾が約6000個から9000個存在するが、赤ちゃんには12000個存在する。最初に聞いた時はなぜ赤ちゃんに味蕾が多く存在するのか理由がよく分からなかったが、赤ちゃんは知識がなく何でも口に入れるので、自分の身を守るために多いのだと聞いて納得した。草食動物も植物に含まれる毒を検知しなくてはいけないため、味蕾が多い。これらのことから、味蕾が多いことにはちゃんと理由があることが分かった。
 さらに、動物にとっての味覚と人間にとっての味覚の違いを知り、辛味は体性感覚であり、味ではないことを知った。渋味・えぐ味も苦味と口の中の感覚が合わさったものであり、生理学的には一つの味としては存在しないことも今まで知らなかった。今まで間違ったことを知識として持っていたので、正しい情報を得ることができてよかった。講義で好き嫌いのメカニズムも教えてもらったので、2つの条件を考慮して、好き嫌いを直そうと思えた。また、今回の講義で初めて味覚修飾物質・味覚修飾植物という言葉を聞いた。話を聞くだけではなく、自ら体験してみることでどう味覚が変わるのかがよく分かった。ギムネマは甘さを感じなくさせ、ミラクルフルーツは酸っぱいものを甘くさせた。私はギムネマやミラクルフルーツの働き、仕組みにとても興味を持ったのでもっと詳しく調べてみたいと思った。
 ギムネマやミラクルフルーツなどの味覚修飾植物は今後、糖分はないが甘く感じるお菓子を作ることで、糖分は摂取せずにお菓子を美味しく食べることができるため、糖尿病患者の生活習慣改善や治療に役立てられるのではないかと考えられる。また、味覚について知ることの重要性は、味覚は生きていくための食べ物を選択する働きを持っているためだと考えられる。自分自身の体を守るため、毒が入っていないか、毒を体内に入れようとしていないかを検知することは重要であると考える。食べるという行為は生きることに直結することであると思う。
 今回、講義を聞いて普段あまり意識していない味覚について知ることはとても面白いことだと感じた。昔、学校で習った舌の味覚地図は間違いだと知って驚いた。また、味蕾は舌だけではなく、舌全体に7割、残りの3割は上顎、のどに存在することを初めて知った。味蕾について詳しく知らなかったため、自分自身の体のことについて詳しく知ることができて面白かった。脳の扁桃体の働きも味覚に影響することを聞き、普段の日常生活においてあまり意識したことはなかったが、確かに賞味期限や行列ができる店などの情報は影響していると感じた。講義を聞くだけではなく、自分自身でギムネマやミラクルフルーツを食べて体験してみることでとても良い経験となった。とても酸っぱいグレープフルーツジュースやレモン果汁入りヨーグルトがミラクルフルーツのタブレットによってとても甘くなったことは驚きだった。今回の講義を聞いて、ギムネマやミラクルフルーツなどの味覚修飾植物についてもっと知りたいと思えた。



Eさん 

 まず講義を受けての感想ですが,島村先生の説明はたくさんの例えを用いていて,非常に分かりやすかったです。例えば味蕾についての説明の際,喉にも味蕾がある例として「ソーダを飲むとスカッとする」と言っていて,なるほど小学生にも分かる説明だと感動しました。また,私は味覚という定義について酸味を「味覚」だと感じたことがなくソーダの様な「後味」であると思っていたので,自分の中での味覚の定義そのものが変わった様に感じました。
 プリント2ページ目「人にとっての味覚」の説明も楽しく聴かせていただきました。表をみると,甘味の原因となる物質はショ糖など,味を感じる物質ははっきり特定されています。しかし人間はそれを「とても甘い」や「そんな甘くない」など意見が分かれ,感じ方はとても曖昧です。同様に人間は同じ構成の器官を持っているにも関わらず,味に関して好き嫌いの概念があります。私は物理的な物質(ショ糖)と曖昧な感覚(甘いと感じるかどうか)の性質が矛盾しているようで不思議だ,そういった不思議な機能を持っている人間は面白いなと強く思いました。
 味覚修飾植物についての説明を受けた時,私はなんて不思議な植物なのだと思いました。まずなぜ味が変わる様に植物が進化したのか,味覚修飾植物がなぜ熱帯産なのかと考えると,植物の不思議さを感じました。味覚修飾植物が存在する理由については,普通ギムネマを食べたことで甘いものが甘くなくなるならば,ギムネマのせいで感覚がおかしくなったと感じる。そうして食べた動物にギムネマを「感覚を狂わせる毒物」と認識させて食べられないようにするためかなと解釈しました。味覚修飾植物がさらに発見されることで,例えば何も味を感じないものを甘く感じることができる植物が発見されたなら,味覚障害の患者に味を感じてもらうなど,治療のサポートができるのではないかと思いました。
 一番自分が興味深く感じたことが,人間は味を扁桃体で一番自覚することです。自分の価値判断や経験が味覚に影響することは,心の状態は身体にも強く影響することを示す証拠だと思います。心理学を勉強する者として,どのような経験,判断が味を変えていくのかを心理学の分野でさらに研究していくことが,ご飯を美味しく食べるといった根本的なことから糖尿病患者の治療まで日常の諸問題を解決することに繋がると実感した講義でした。



Fさん 

 ミラクルフルーツという植物の話は、定期的にテレビに取り上げられているように感じる。かくいう私も数年前にテレビで知り、当時とても興味がわいた。今回の講義でその効果が体感できたのは幸運だったといえる。
 個人的に衝撃だったのは味覚地図が誤りであったことである。恥ずかしながら私はこれまでどこかで習った味覚地図を信用し、幼少期苦いものを工夫して食べてきた人間であるため、私のこれまでの努力は何だったのかと言いたくなってしまった。味を感じるには水溶液が味蕾に触れる必要があり、その味蕾が占める割合は舌全体で7割と習ったが、舌の裏側が苦いものを食べるときの最後のオアシスとなりうるのかどうか、気になるところである。
 現在味覚は5種類となっているが、今後増える可能性もあるというのは驚いた。まだ発見する余地があるほど味覚はブラックボックスであるという点にである。味を系統的に見てみると、なるほど味覚は五感に広がって感じるものであるとわかる。調べれば調べるほど複雑になっていく味覚を研究するのはさぞかし苦労するのだろうと思った。うまみの相乗効果ひとつとっても私にはなぜおいしさが跳ね上がるのかさっぱりわからない。そもそもすべてをひっくるめたおいしさというのは計測できるものなのか。味覚の研究には数学者も必要かもしれないと感じた。
 人間にとってのおいしさの分類はとても興味深い。カレーが好物という人が多いのは、小さいころから慣れ親しんだ味というのもあるだろうし、「基本的にカレーはおいしい」という情報に基づいたおいしさもあるかもしれない。辛い物好きの人は、報酬効果によって辛くするのが止められなくなっている可能性もある。では私がラーメンを食べ続けるのはなぜだろうか。もはや生理的欲求なのかもしれない。
 ギムネマによって味覚障害を体験できたのは非常に面白かった。最近成長してきたからか苦いものを好むようになってきた私にとって、ビターになったチョコレートはこれはこれでおいしいものになったが、本来甘みを感じられなくなるというのは人として絶望的である。休日などは、つい気を抜いてご飯を加工食品に頼っているが、これからはもっと食に気を使っていきたい。そういった点でも、味覚修飾植物は糖分を増やさずに甘みを与えることができるため、将来性があると私は考える。現在流通している少ない量で多くの甘みを与える人工甘味料と違い、味覚をだまして甘みを与えるというのは全く新しいアプローチであり、これから研究者が増えていく分野であることは間違いない。しかし、本当に大切なのは食教育である。現在の日本において、食教育が十分為されているとはいいがたい。それは、若者の間で増えてきている味覚障害にも通じている。まずは食教育を推し進めることで、こういった味覚修飾植物への関心も高まり、ゆくゆくは研究者の増加にもつながることだろう。そのためには、小学校での食教育の導入、若者向けセミナーの開設などを行っていく必要があるのではないだろうか。まだこの分野は未発達であり、研究を進めることよりもまず関心を持つ人々を生み出し、研究者を増やす段階であると私は考える。