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■ 参加者の御感想


参加者の御感想

2017/09/21に実施した中部学院大学看護学科1年 の皆さんのレポートです。

講演風景1 講演風景2



Aさん 

 島村先生による味覚の『植物を通じて味覚のしくみを理解する』という講義を受けた。ミラクルフルーツとギムネマという味覚修飾植物の名前は正直、聞いたことがなくて、何の名前かさえも分からなかった。しかし、島村先生のお話を聴いて、自分も口にしてみると面白い体験ができた。
 人の五感の一つである味覚について深い知識を私は持っていなかった。葉状乳頭と有郭乳頭には味蕾があり、全体としては舌に7割、上顎、喉には3割の味蕾が存在していた。上顎と喉にも存在するの!?と半信半疑だったが、実際にミラクルフルーツを口の中で転がせてみると、少し感じることができた。そして人は赤ちゃんの時、12000個程あった味蕾が大人になると6000〜9000個になることも驚きの一つだった。昔、大人になると舌が鈍感になるから苦味なども受け入れられるようになると大雑把なことは聞いたことがあったが、味蕾の数の変化なんだと思った。人間にとっての味覚とは「経験と学習」の言葉には深い賛同と発見があり、無意識のうちに人間は判別していることを知った。
 ミラクルフルーツの味覚体験では最初は驚く程酸っぱく感じたグレープフルーツジュースや、レモン入りヨーグルトが、とても美味しく感じる程甘さを感じて、ミラクルフルーツと酸の作用を体感した。こんなにも変わると思っていなかったので自身で体験できて本当に良かった。
 今回のこの講義を受けるまでは味覚についてそんなに深く考えることも知識もなかった。だが、この1時間で様々なことを知り、医療従事者を目指す私は、近年増加している「味覚障害」という病気に関心を持った。好んで食べている加工食品、ファストフードなどは、亜鉛が含まれていないだけでなく、体内の亜鉛を奪うこと、味覚障害の患者さんの気持ちをどう捉えるか。また、自分が何を食べてどんな味を感じているのか意識することも当たり前だけではなく、情報として捉えるのも重要だと思う。こういう全てのことを16歳の頃から研究している島村先生は尊敬の念でしかないし、今回学べたことで、また、より知識を深めることができた。味覚について興味を持ったので、まずは島村先生から頂いたミラクルフルーツで酸味が抑えられ、甘味を感じられる現象を家で体験してみたい。そしてまた自主的にも学んでいきたいと思う。



Bさん 

 今回、味覚についての講義を受けて味を感じる仕組みがよく分かった。特に、味の成分を鍵、味蕾を鍵穴という例えで理解することができた。また、味蕾の数が乳児のころより成人の方が少ない理由はとても面白いと思った。ピーマンやコーヒーなど、苦くて小さい頃は食べられなかったものが大人になっておいしく感じたりするのは、乳児のころは苦味を危険な味として察知するからおいしく感じない。しかし経験を積むことによって、苦味は危険なものではなく、おいしいものだということがわかる。このように知識が増えることによって、味蕾による情報の必要性が減って味蕾は減っていくという仕組みはとても面白かった。人間にも味によって危険を察知するというような能力が備わっていたことを初めて知った。
 また、人間の他にナマズには舌ではなく体全体に味蕾が20万ある、というのを聞いた時、そんなにナマズに味蕾が必要なのか疑問に感じた。しかし、ナマズの住む場所は視界が悪く、水を伝ってきた敵の味を感じ取って危険を回避するためであることを知って、そんな味覚の利用の仕方もあるんだなと思った。住む環境や、生活の仕方によって味覚が効果的に役に立っているのだなと思った。
 また、味蕾が分布している場所に咽頭が含まれていることに疑問を持ったが、炭酸飲料を飲んだ時にのどで爽快感、つまり味を感じている、という理由でとても納得がいった。舌以外でも味を感じられることを初めて知った。
 高校の時、味は5種類あって、辛みがなぜ味に含まれないのか疑問に思っていた。しかし今回の講義で、辛みというのは味ではなく体性感覚であることを知った。確かに辛い物を食べるとひりひりするし、食べなくても唇などに痛みを感じるのは体性感覚であると納得した。
 ギムネマの実験をしたとき、甘みが消えて砂を食べているような感覚だった。ミラクルフルーツの実験も確かにあれだけ酸っぱいレモンがぱくぱく食べることができてしまうことにとても驚いた。ただ、それが一体何の役に立つのかが最初疑問であった。しかし、糖尿病の人にとってはかなり朗報で、甘いものを食べなくも酸味の強いものを代わりに食べることで糖分の摂取を抑えられるし、お守りとして使えるのはとてもすごいことだと思った。
 また、糖尿病ではない人でも、仕事や勉強で疲れがたまっている人などにも役に立つと思った。疲労回復に効果のあるクエン酸を多く含むレモンなどは酸味が強すぎてなかなか食べることに抵抗があるが、ミラクルフルーツを利用すれば、酸味を感じることなくおいしく食べることができるためとても役に立つと思った。一見、何の役に立つのか分からないようなものでも、使い方次第で医療や人間の生活をよりよくしていくのにとても効果的であることも分かった。私にはそう言った応用力がないので、とてもすごいと思った。これからは、糖尿病のお守りとしてだけではなく、糖尿病の予防としてもこのミラクルフルーツは役に立つのではないかと思った。もっと全国に広がってほしい。



Cさん 

 島村先生の講義を通して、今まで知らなかったことをたくさん知ることができました。普段何気なく食べているものはすべて味蕾を通して味が判断されていることを知り、味を感じるしくみを自分の身で実感することができました。多くのことを学ばせていただいた島村先生の講義を受けることができたことはとても貴重な体験だと感じ、味覚に興味を持つきっかけになりました。
 私が一番驚いたことは、ギムネマとミラクルフルーツを食べて体験した、不思議な味覚の変化です。ギムネマとミラクルフルーツを食べる前は本当に味が変わるのかと半信半疑でした。しかし、実際に体験して酸っぱいものが甘く感じられたり甘いものが甘くなくなったりしてとても驚きました。不思議な味覚の変化の原理はきっと複雑だろうと思っていましたが、実際は鍵と鍵穴の関係に例えることができ、誰でも理解できる原理で驚きました。味蕾の数は自分が想像していたよりもはるかに多く、赤ちゃんのときが一番多いことは理由を聞いてとても納得しました。咽頭や喉頭にもあることを知り、人間が様々なところにある味蕾を通しておいしいやまずいを判断して発達してきたことに人間の味覚の凄さを感じました。また、味蕾があるのは人間だけではなくナマズやハエにもあることに驚きました。様々な動物にそれぞれの体や役割に合った数ある味蕾は、生きていく上で必要不可欠なものだと思いました。コアラが自分の身を守るために他の動物にとって毒であるユーカリの森で生活していることは、味覚が命を守ることにも繋がっていることを示していると思いました。
 また、人にとっての味覚や好き嫌いのメカニズムについても初めて知ることが多くて驚きました。味覚には、5種類あり、そのうちのうま味は全て日本人が発見したことが特に印象に残っています。このことから日本人が自らの力で舌を通して見つけ、今もなおうま味として受け継がれていることに感動しました。好き嫌いのメカニズムについても納得することが多くありました。私も小さいころから苦手な人参を、好き嫌いを直すための2つの条件を通して克服しようと決心しました。
 そして、味覚修飾植物が糖尿病患者の役に立つことにとても興味を持ち、今後の日本の医学の発展が楽しみになりました。糖尿病患者の方は甘いものが食べたくても食べることができません。食べたいものを食べることのできないことはとてもつらく、食べれないことで精神的に追い込まれたり、ストレスに押しつぶされそうになると思います。このとき、誰でも簡単にミラクルフルーツを手に入れることができたら、多くの糖尿病患者を救い、糖尿病患者の未来を明るく照らしてくれると思います。他にも虫歯予防や過激なダイエット防止にも役立つと思いました。実際甘くないものを甘くしてくれる効果を持つミラクルフルーツは子供の大好きな飴やチョコレートの食べ過ぎを防ぐこともできると思います。また、過激な糖質制限ダイエットをして体を壊してしまう人の減少にも繋がることができると思います。近い未来の味覚修飾植物の活躍に期待したいです。



Dさん 

 私は、今回の講義を受けて味覚修飾物質に興味がさらに湧き、味を変えることで様々なことに役立てることもできるのではないだろうか。ミラクルフルーツやギムネマのことを元々知っていたが、実際に食べたことがなかったので気になっていたので気になっていた。
 私はミラクルフルーツやギムネマを食べて味が変わる仕組みは、甘味なら甘味を感じる味蕾がありその味蕾に蓋をして甘味を感じにくくするギムネマや酸味を感じる味蕾に蓋をして甘味へと変えて感じさせるミラクルフルーツは味を変えて楽しむことができる。さらに、味覚障害の人の体験ができる。味覚障害と聞くとただ味が感じにくいだけ、たかが味が感じにくいだけだと思っている人は少なからずいるであろう。実際に私も味が感じにくいだけだと思っていたが、一言で言い切れるようなものではない。実際に体験して、甘味を感じることができない、酸味を感じることができず甘味に変わってしまう。その他にも様々な味覚障害があるだろう。味覚障害ということで食べて味を感じるものが限られてしまう。食べるということは人間の三大欲求と言われる程身体的にも精神的にも関係するとても重要なことである。まして、食べることを趣味にしている人もいるのでとても苦しいことである。私は食べることが大好きなのでもし味覚障害であるとしたらとても苦痛なことであろう。これからは、味覚障害に対する考え方や意識を変えていく必要があるであろう。
 さらに、ギムネマやミラクルフルーツは今後の健康面に役立つのではないかと考える。現在の世界では、肥満人口がとても増えている。甘いものを食べる際にミラクルフルーツを食べることで酸味が甘味に変わるので、甘いものを食べる代わりに酸味のある低カロリーなものに置き換えることで肥満対策にとても有効なことである。そして、生活習慣病の人などは甘いものを控えなければいけないので酸味のあるミラクルフルーツに置き換えることで病状の進行を抑えることもできる。また、最近では動物の肥満も増えてきているのでエサの前にミラクルフルーツのようなものを混ぜることで肥満防止に役立つのではないのではないだろうか。そして、まだ日本ではギムネマやミラクルフルーツは栽培方法も難しいので今後研究を進めて日本でも栽培できるようにすれば、日本の医療技術の発達にも今後大きく関わってくるのではないだろうか。
 以上のことから、ミラクルフルーツとギムネマは今後の日本でとても重要な物質であり今以上に注目、研究されるべきである。そして、味覚障害の人の気持ちを少しでも体験でき考えることができた。私たちが思っている以上に味覚障害の人の症状は苦痛であった。
 今の世の中は、見た目、浅はか情報だけで判断されることが多い。その中でこのような体験をできたことはこれからの物事の考え方の大きな材料になったであろう。



Eさん 

 今回、島村光治先生の講義を聞く機会があった。島村先生の講義は初めて聞いたが、冗談を交えながらとても分かり易い例えを使ってギムネマやミラクルフルーツの仕組みを教えていただいたのでとても楽しかった。
 まず最初に講義で聞いたのは、「ギムネマ」と言う葉っぱの話だった。初めて聞く単語だったので全く想像がつかなかったが、それが何かすぐ知ることとなった。その葉っぱの正体は、甘味を感じなくさせ糖の吸収を防ぐ葉っぱであった。この説明を受けた時に、正直半信半疑だったし甘味を感じなくなるということが想像できなかった。先生も最初はみんな信じないと話していた。自分もその一人だった。そして、実践ということで葉っぱをかじった後チョコレートと砂糖を食べた。衝撃が走った。チョコレートはチョコの食感なのに味がしない。砂糖は本当に砂を食べているみたいだった。不思議で仕方なかった。甘味を感じないだけで、普段美味しくいただいている食べ物がここまで不味くなるのが信じられなかった。その時点ですでに人間の味覚の大切さが分かった気がしていた。
 ギムネマの効果が30分程なので、その効果が切れるまで「ミラクルフルーツ」の講義を聞いた。ミラクルフルーツという言葉も初めて聞いたのでよく分からなかったが、先生の講義を聞いたところ、ミラクルフルーツは酸っぱい物を甘く感じさせる果物であった。こんな果物が自然にあるのが信じられない。この植物があるなら、苦い物を甘く感じさせたり、甘いものを酸っぱく感じさせたりする植物があるのではないかなど想像が止まらない。
 そして、いよいよミラクルフルーツを食べる時が来た。今回はミラクルフルーツそのものを食べるのではなく、タブレットにされた物を食べた。舌の上全体に擦り付けるように舐めた後、レモンの汁と酸っぱいヨーグルトを食べた。これにもとても驚いた。あんなに酸っぱいレモン汁が程良く甘く、酸っぱいヨーグルトも程良く甘いからだ。完全に甘くなるのではなく、程よい甘味なので本当に驚いた。
 今回、「ギムネマ」と「ミラクルフルーツ」を体験して思った。ギムネマはすでに糖尿病患者に使われているため、他にも使い道がありそうである。糖尿病になってから使うのもありだが、やはり予防できる薬も大切だと思う。想像の話だが、ギムネマをうまく使えば糖尿病を予防できるのではないかと思った。ミラクルフルーツは苦手な食べ物があった時に使って、だんだん分量を減らしって行けば苦手を克服できそうである。
 今回の島村先生の講義を受けて一番強く思ったことは、味覚の大切さである。
 今までしっかり味覚のことを考えたことはなかった。今回の授業がなかったらおそらく一生考えずに生きていたと思う。人間が感じる味覚は、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味である。この味覚がなかったら、今美味しく食事ができていないと思う。辛味は、神経を直接刺激したもので味覚ではないことも今回初めてしった。だから、辛いものを食べた後唇や目がヒリヒリするんだと納得した。また、味覚は美味しくご飯を食べるもだけではなく毒や危険なものを見分ける機能もあそうだ。味覚を感じる場所は味蕾という器官だ。この味蕾は成人男性で約6000個〜9000個ある。赤ちゃんは約12000個である。理由は赤ちゃんは何が危険な食べ物か分からないため、口に入れて味で判断するためである。そのため、大人になるにつれ知識や情報で判断するようになり、舌で判断する必要が減るため、成人になるにつれて味蕾が減少するのであることが今回の講義でわかった。今までなんで赤ちゃんのおもちゃが苦くしてあるのか、とかの疑問が今回の授業ではっきりしたので良かった。このように、ギムネマとミラクルフルーツの味覚の変化もうまく利用して社会に貢献できると思うので、将来に期待したいです。



Fさん 

 島村先生の楽しい味覚の体験を通して、味覚や食事の方法について興味を持ちました。
 私は、コーヒーを飲むことができません。周りの友達や両親もコーヒーを飲むことが出来ます。どこかへお邪魔したときにコーヒーを用意してもらうことが多いです。そのため、コーヒーが飲めるようになりたいと思っていました。飲むことが出来ないことが悩みでしたが、それは苦いという先入観にとらわれているからではないかと思いました。先生がおっしゃったように、食事するときの雰囲気を楽しみながら、印象を変えていけるように意識したいです。そして生理的な意義以外の社会的な意義としても、コミュニケーションの場、人間関係を形成して行く場でもある、食事を楽しみたいです。
 食事行動でも、舌のみではなく脳において味わっていることを知識としては、知っていました。しかし、味覚体験を通して脳では別の味覚として電気信号が伝わっていることを自分の口で感じることができました。舌のみではなく、脳において感覚の入力と運動の出力が連動していることが分かり、楽しかったです。
 今日、ミラクルフルーツのタブレットとギムネマの葉を持ち帰りました。私は授業で学んだことを父に説明しながら、父にも体験してもらいました。そして、父と味覚を感じる喜びや楽しさ、食事の大切さについて話し合う良いきっかけになりました。
 普段、食べ物を口にするとき、「この食べ物はこの味だ」と過去の記憶や情報から「それが何か」認識して口にしているため、味覚の喜びや感じる楽しさを感じることはありませんでした。しかし、ギムネマの葉、ギムネマ酸の配糖体によって甘さが無くなりました。味を感じることができないことは、満足感や充実感が得られず、こんなにも寂しいものなのだと感じました。いつも、味を味わって食べられるのは本当に感謝な事だと思いました。
 私の祖父は入れ歯をして食事しています。祖父は食事の際、よく調味料を足している姿を目にします。これは、入れ歯のため、また高齢となり味覚機能が低下しているためであると気づかされました。祖父の気持ち、また味覚障害の患者さん、味覚機能が低下してしまった高齢者の方の辛さがよく分かる体験になりました。
 これから、実習先でも味覚障害のある患者さん、高齢者の方などに食事指導をさせてもらう機会があると思います。そのときに、患者さんの気持ちを今日、味覚体験した時の自分が感じた気持ちと照らし合わせながら接していきたいです。
 そして、これから先の未来、このミラクルフルーツやギムネマなどを利用した商品が一般的に目にできる商品となっていることを期待しています。これが、一般的に誰でも知られるものとなれば、小さい子どもも薬を飲むことに嫌な思いをしなくて良くなるし、お母さんも子どもに飲ませやすく育児の負担が減ることになります。また、授業でもあったように高齢者の方でも、薬がのどに通りやすくて治療中の苦痛の緩和につながります。糖尿病の患者さんで甘いものが食べたくても食べられなくて苦しんでいる方にも、甘いものが食べられる喜びを味わってもらうことで治療にも前向きな気持ちになってもらえます。また、腰痛持ち、関節痛持ちの方などで体重を減量しなければならない患者さんにもダイエットとして用いることができます。そして、私が今日、経験したように食事の喜びを知る、良いきっかけになると思います。味が分かるという喜びを忘れてしまうことがないように、一人でも多くの人に体験してもらいたいと思います。授業をしていただき、ありがとうございました。



Gさん 

 味覚に対して特別な意識を持ったことはなかった。生活していく上で、食事というのは欠かせない人間の営みであり、当たり前のように行っているが故に深く考える機会が少ない。しかし、今回の講義を受けさせていただき、味覚にとても興味が沸いた。看護を学ぶ者として、新たな知識や経験を得ることができ、また一歩自分の視野が広がったことをとても嬉しく思う。
 そもそも、人はなぜ味を感じるのか。その答えは味蕾にあるのだが、味蕾での味の判別方法が鍵と鍵穴の関係だということを知って驚いた。以前、解剖生理学で人間の舌には味蕾があり、それによって味を感じているということは学んだが、まさか味にはそれぞれ専用の鍵穴があり、基本味を鍵穴別で感じ取っているとは思いもしなかった。味覚地図は間違いだった。余談だが、辛味は味蕾を刺激しているのではなく、神経を刺激して起こる体性感覚という事実にも衝撃を受けた。
 味覚障害についても詳しく知ることができた。将来、そのような患者さんと出会いがあるかもしれない。はたまた、家族や友人、自分が味覚障害になる可能性はゼロではない。技術の進歩により、便利な世の中になっている今だからこそ、本来の健康的な食事というものを考え直さなければならないと再認識できた。生きている限り、食と向き合わないことはない。せっかく美味しいものを食べているのに、味覚が感じられないとは怖いことだ。
 また、やはり最も講義で印象的だったのが、味覚修飾植物であるミラクルフルーツとギムネマを実際に食べ、味覚の変化をこの舌で体験できたことだ。この植物名自体初めて聞いたこともあり、とても良い体験ができた。ギムネマを食べたときは、舌へのすりこみが足りなかったのか、チョコレートも砂糖もしっかりと甘味を感じてしまった。折角だからと、家へ帰ってもう一度やり直してみたところ、本当に甘味は消え、砂糖はただの砂のように感じた。チョコレートは少し甘味が残っていたが、普段食べているものと比べると断然その味の違いがわかる。チョコレートなのにチョコレートではなかった。ミラクルフルーツでは、確実にその効果を体験できた。あれほど酸味と苦味があるレモン汁とグレープフルーツ果汁が、まるで糖度の高い桃ジューズだった。とても面白く感じた。
 この味覚修飾植物は、医療現場でかなり役立つのではないかと考える。現在でも既に行われているが、能率的な糖尿病のお守りとして、糖尿病患者の手助けになると期待される。また、薬が苦手な小さな子どもに、スムーズに薬を飲んでもらう手段や、糖分が入っていなのに甘味を感じる満足感を得られるということは、ダイエットへの効果もあり得るかもしれない。「舌にイタズラ」が人の命を救う日が来るかもしれないと考えると、とても興味深く、今後の研究に目を向けていきたいと感じた。
 味覚という分野には、私が知らない未知の世界が隠れていた。普段当たり前のように感じていることでも、追及していくとこんなにも面白い発見があるのだと、研究の楽しさも学ぶことができた。私たち学ぶべき側へ広めてくださっている、島村先生の研究をしっかりと今後の勉学に活かしていきたい。看護学生として、味覚を持つ人間として、とても良い経験になった。



Hさん 

 今回の島村先生の授業は、私にとってとても貴重な体験になった。話しだけでなく実際に体感したことでとても印象に残る授業になった。まず、ナマズには20万個もの味蕾があることに驚いた。ナマズよりも人間の方が味わって食べている印象があるし、ウサギや牛の方が食べる物食べないものがハッキリしている印象があったからである。しかし、ナマズの味蕾は味を感じる為についている訳ではないらしい。ナマズに20万個も味蕾がついているのは敵から身を守るためである。ナマズは濁っている水の中で生活しているため目ではなく味蕾によって敵を感知するからだ。味蕾は味を感じる為だけについているわけではないと初めて知った。また、人間では赤ちゃんの方が大人よりも味蕾が多いのもナマズの味蕾と少しだけ同じであると知り驚いた。赤ちゃんや小さいときに苦いものが嫌いな理由も体に害のあるものを飲み込まないようにする為である。人間の味覚にも自分の体を守るための機能があるのだと、とても感心した。
 次に、「生きていく上で必要なものをおいしいと感じる」ということがとても印象に残っている。国や地域によって食べる物が違うことや、同じように生きている動物でも草食動物と肉食動物がいることは私の中でとても疑問であった。だから肉食動物は肉ばかり食べていても生きていけるような体になっているのだろうかと考えていた。しかし、それは大きな間違いだった。肉食動物は草食動物の小腸を最初に食べることでしっかりと野菜をとってからお肉を食べていたのである。先生はフルコースのようなものだとおっしゃっていたけれど、本当にその通りだと思った。また、コアラが他の動物にとっては毒のあるユーカリを食べるのは生き延びる為であると知り、確かに生きていく上で役立つものをおいしいと感じるようにできているのだと驚いた。
 日本人がうま味を発見したということや和食が世界遺産に登録されたということも今回の授業でとても印象深かった。日本人は亜鉛を多く含む食材を多くとっている。この機会に日本食をもっと食べるようにしようと考えるようになった。
 今回、ミラクルフルーツやギムネマを実際に食べてみて本当に感動した。嫌いなレモンが甘くなって食べることが出来たからである。また、薬も嫌いだがミラクルフルーツがあれば薬も甘くなり飲みやすくなることも、とても素晴らしいことだと思った。薬が嫌いな子供や飲むのが大変な高齢者にとって役立つ研究がすすめられていることがすごいと感じた。味覚修飾植物や味覚についてもっと知ることで今よりも食を楽しむことにつながると思うし、和食の素晴らしさを知ることに繋がるのではないかと考える。
 これらのことから、今まで知らなかった味覚についてたくさん学ぶことが出来た。また、今まで知らなかった味覚修飾植物についてもっと知りたいと思った。その一方でファストフードや加工食品がたくさんあり日本で和食を食べる機会が減っていることを寂しく感じた。



Iさん 

 私は初めて島村先生の「驚きの味覚体験〜ミラクルフルーツとギムネマ〜」という授業を受けました。授業が始まる前先生方たちが教室の後ろでヨーグルトとレモンとグレープフルーツジュースを用意されている所を見ました。私はみんなで一緒に朝ご飯を食べるのかと思いましたが、授業が始まると何故かチョコと砂糖と美味しくなさそうな葉っぱが配布され今から一体何が始まるのかと動揺が隠せませんでした。授業が進んでいくとチョコは油のような味がする、砂糖はまるで砂、酸っぱいレモンは程よく甘いジュースとなり驚きの連続でした。この時初めて、この世には人の味覚を変えてしまう食べ物があるということを知りました。授業の進め方もとてもわかりやすかったです。最初に味を感じるしくみの説明が前置きにあり、理解力が乏しい人でも楽しく学べる授業だったと思います。最後は美味しいという気持ちで授業を終えることができ先生の配慮にも感激しました。授業中もとても興味が湧く話が沢山ありました。
 まず、生物の種類によって味蕾の数が違うこと。フランス料理だ、中華料理だ、グルメだ!言っている人間よりも草などを食べているウサギや牛、何を食べているのかわからないナマズのほうが味蕾の数が多いと聞いたとき、私達人間よりもウサギやナマズのほうがグルメなのか!と衝撃を受けました。しかしナマズなどはその味蕾で敵の味を覚えて身を守っていることなどがわかり、味蕾にはいろいろな目的があるのだと知りました。
 そして次に、国際的認知されている味の種類に興味を持ちました。私が最初から知っていたのは甘味、酸味、塩味、苦味だけでした。ここにうま味があることを初めて知りました。加えて、コク味(?)油味(?)が追加されるかもという話を聞いて、このままいくと100年後200年後にはもっと沢山の味の種類が増えてくると考え、期待に胸が膨らみます。
 最後に、私は好き嫌いのメカニズムに興味を持ちました。私はアサリが苦手です。理由はきちんと砂抜きをするのに毎度毎度砂に当たるからです。これは好き嫌いのメカニズムでいうとAの雰囲気に相当するのかなと思います。
 この授業を受けてもっと味の感じ方、味覚、味蕾について調べてみようと思ったので、とても良い経験だったと思います。(余ったチョコと砂糖と葉っぱとミラクルフルーツのタブレットで母と妹に試してみたところ効果絶大でした!タブレットはダイエットにも使えそうなのでとても興味深いです!)



Jさん 

 私は、今回の講義を受けて初めて、ミラクルフルーツとギムネマという植物について知りました。講義のはじめは、ミラクルフルーツで酸っぱいレモンやグレープフルーツが甘くなるのか、ギムネマで甘いものが甘いと感じなくなるのか、半信半疑でしたが、自分自身で実験をしてみて、個人差はありましたが本当だということが実験を通して知ることができました。味を感じる仕組みについても、味には一つひとつ鍵穴があり、そこに同じ形の鍵をさすことで甘みや苦みなどの味を感じることができるということを知りました。
 赤ちゃんに味蕾が多い理由も知ることができました。
 講義を受けて、自分自身で実験をしてみて、興味を持ったことがあります。それは、これからの医療現場でミラクルフルーツを使うことです。糖尿病などで甘いものを食べられず苦しんでいる人が少なからずいると思います。だからこそ、ミラクルフルーツを使うことができたなら、実際は酸っぱいものを食べているけれど、甘いものを食べている感覚になると思います。満足することはできないかもしれませんが、甘いものを食べたいけど食べることができない患者さんにとっては、励みになるのではないかなと考えました。
 味覚について今後もっと知っていくべきだと思います。私たちは主に食事から栄養を取り入れます。味覚についてたくさんの知識を持っていれば嫌いなものをなくす工夫などができると思います。好き嫌いがなくなれば栄養の偏りもなくなり、体調を崩して、病気になるということも少なくなっていくのではないかなと考えました。他にも、味覚のこと自体を知ることで味覚障害についても知識を得ることができるのではないかと思います。一般に、味覚障害はお年寄りの方がなるものという認識がありますが、若い世代の方々も、加工食品、ファストフードなどに頼りすぎた、乱れた食生活をしていると年齢に関係なく味覚障害になる可能性があります。味覚、味覚障害について正しい知識があれば防ぐことができます。
 私は、実験をしてみて、味覚障害がある方の気持ち、自分自身が糖尿病で甘いものが禁止されている状態だったとき、ミラクルフルーツによって甘みを感じることができる喜びを知ることができた気がします。看護師になったときに、味覚障害の患者さんや糖尿病などで甘いものが禁止されている患者さんが病院に来たときは、味覚を感じないぐらいたいしたことないでしょ。とか甘いものを食べられないぐらい我慢しなさいではなく、今回体験したことを思い出して味覚を感じないこと、甘いものを禁止されるのはとってもつらいことだということを踏まえて、患者さんに接していきたいなと思います。そのためにも自分自身が味覚についての知識を得なければいけないと思うので、これから味覚についてたくさんの知識を得ることができたらいいなと思っています。今回の味覚についての講義及び実験は、とても興味深いことばかりで、とても充実した時間になりました。今後の生活に生かしていきたいと思っています。



Kさん 

 「なぜ砂糖は甘いのか。」そう考えたことのある者はあまりいないだろう。もちろん私もそんなことに疑問を持ったことはなかった。食事というのは生き物が生きていく上で最も必要な行為の一つであるというのに、私たちは普段たべるという動作をなにげなくやってきた。「砂糖は甘い」、そんな「当たり前」を今回の講義は打ち壊した。
 講義でした初めての体験。ただの葉っぱでしかないように見えるギムネマという植物を食べると、それまで普通に甘かった砂糖やチョコレートの味がなくなってしまった。砂糖もチョコレートも食感は同じ、なのに砂糖はまるでザラザラの砂を食べているように何も感じず、チョコレートはカカオ100%のものを食べているかのよう。しかしどことなくしょっぱかったのが不思議で、後からそれがカカオ本来の味なのだと分かると、普段チョコレートの風味程度にあるものが、甘味がなくなるとこんなにも強く感じられるのだと思った。ミラクルフルーツの時はすっぱかったグレープフルーツジュースやレモン水が砂糖水の様になり、同じものだとは信じられないくらいだった
 こんな風に普段食べているものが甘く感じられるのは私たちに「そう感じられる舌」があるおかげなのだ。ほとんどの動物が舌、強いて言えばは味は味蕾を持っているものの、全ての動物が同じように味を感じるわけではない。例えばヘビのように動物の中には味蕾が3~4個しかないものもおり、人間の6000~9000個と比べるととても少ないのがわかる。しかしそれはその動物に味覚が必要ないからであり、味で自分が摂取しようとしている食べ物が体に良いものなのか悪いものなのかを判断している人間にはそれほどたくさんの味蕾が必要であることが分かるだろう。つまり、人間にとって砂糖を甘いと感じること、レモンをすっぱいと感じることにはちゃんと意味があり、それを感じる為の味覚は食事をする上でとても大事な要素なのである。
 しかし現代の日本人はその大事な味覚を失う危機に瀕している。特に若者がファストフードや加工食品に頼った生活をすることで味覚を感じる際に必要な亜鉛が不足し、味覚障害に陥ってしまうのだ。また、講義の中では言っていなかったが、人間が味を感じるときに一番影響するのが情報という話から、私は近年増えている孤食(一人で食事をとる)ことも原因なのではないかと考えた。誰かと喧嘩した後の御飯は普段と同じものなのに全然美味しく感じなかったし、食べた後に吐いてしまったときの食べ物はなんとなく次食べたくなくなるように、ストレス社会の中で食事さえも一人で寂しく食べなければならないとなれば、味を感じられなくなるのも仕方ないのではと思った。
 味が分からず、食事が楽しくなくなり、食べること自体が嫌になって、必要な栄養を摂れずさらに味が分からなくなっていくという悪循環。生きていく上で必要不可欠な食事が苦痛になるということは身体的にも精神的にも悪いことであるのは容易に想像がつくだろう。そんな現代社会の食生活の恐ろしさは実際に体験してみなければ理解できなかっただろう。この体験をすることで、私を含め自分の食生活を改めようと思った人は大勢いるだろう。そして将来救われる人が必ず出てくるはずだ。味覚、食という視点から人々を助けられるなんて思いもしなかった。今回の講義が教えてくれたのは失くして初めて分かるもの、当たり前だと思っていた「味を感じられること」の意味、そして大切さである。



Lさん 

 島村先生の講義を聞いて、“食べる” “味わう”という私たちがいつも何気なくしていることにはしっかりとメカニズムがあり、また当たり前ではないということがわかりました。
 味を感じるメカニズムを大まかにいうと、食べたものが唾液と混じり合い、水溶液になる。そして、その水溶液となった物質が口のなかにある乳頭に取り込まれ、味蕾から味を感じるスイッチが脳に入り、味が判断される。この、味を感じる仕組みについての話のなかで知らなかったことがいくつかあった。まず、一つ目は“味蕾があるのは舌だけではない”ということだ。味蕾は舌のほかに軟口蓋や喉にもある。炭酸飲料を飲んでスカッとするのは喉にある味蕾が二酸化炭素に反応するためだと聞いて、なるほどと思いました。
 二つ目は“味覚地図は間違いだ”ということです。味覚地図とは苦味、酸味、甘味、塩味が舌のどこで感じられているのかを示した図のことで、私はこれをテレビで見たことがあり、信じていたため間違いだと聞いて驚きました。各々の味は舌の決まった部分で感じているのではないということを知りました。三つ目は“動物の味蕾について”だ。成人の味蕾の数は6,000~9,000個に対して、ウサギは17,000個、牛は24,000個、ナマズに至っては200,000個存在するという。動物は特定の物しか食べないため、そんなに味を感じる必要はないと感じていましたが、毒のあるものを食べないようにたくさんの味蕾があると知りました。また、トリやヘビのように獲物を丸呑みする動物には味蕾が少ない代わりに頭が小さくなっていることを知り、動物の体は合理的な構造になっているのだと感じました。また、ハエが手を擦る動作をするのは手に味蕾があるからだと聞いて、驚きました。ハエが手を擦る動作を見るたびに何をしているのだろうと感じていたため、なんだかすっきりしました。
 「味覚障害」という病気があることを今回の講義で初めて知りました。味覚障害の原因は亜鉛の不足である。亜鉛は加工食品、ファストフードなどにはあまり含まれず、日本食に多く含まれている。つまり、味覚障害は誰にでも発症しうる病気である。そのため、日本食を積極的に摂ることが必要だと感じました。
 今回の講義の目玉はミラクルフルーツとギムネマの食実験でした。ミラクルフルーツとギムネマは味覚修飾植物と呼ばれる。味覚修飾植物とは舌にイタズラをして一時的に味覚を変えることができる植物のことである。ミラクルフルーツは酸っぱいものを甘く感じさせることのできる実であり、ギムネマは甘味を感じなくさせる葉である。私はこれらのものを知っていましたが、本当に味覚が変わるのか半信半疑でした。しかし、ギムネマを食べてから砂糖を舐めてみると、まったく甘味はなく、口のなかに砂が入った感じでした。また、ミラクルフルーツのタブレットを食べてからグレープフルーツジュースや果汁100%のレモン汁入りのヨーグルトを食べると、本当に甘く感じました。
 味覚を変えることのできる味覚修飾植物は医療現場での活用が期待されている。例えば、糖分の摂取が制限されている糖尿病患者に糖分がないが、甘く感じるお菓子を与えることでお菓子を食べたという満足感を感じられる。また、ギムネマは甘味を感じなくさせる作用があるため、食欲減退の効果があると言える。そのため、ダイエットの効果が期待できる。医療の場で使用するならば、太りすぎで命の危険がある人に使用してもらうなどの使い道があると考える。薬を使わずに健康に近づくことができるならば、これは患者にとってよいことである。そのため、これからの味覚修飾植物の応用に期待したい。