ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト(ミラクルフルーツ・味覚・ギムネマ・ミラクリン・食育・ミラクルフルーツ)

  ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト
島村光治のホームページ ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト
ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト ご質問・ご意見・ご感想・講演依頼
ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト
■ 参加者の御感想


参加者の御感想

2017/01/12に実施した名城大学付属高校2年 理系クラスの皆さんのレポートです。

講演風景1 講演風景2



Aさん 

味蕾を用いて味を感じ取るシステム
 人間が感じるおいしさには、基本味である甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の他に様々な要因が絡み合っているのが、とても人間らしくて面白いと感じました。人以外の動物は生きていく上で役に立つものがおいしいと感じるのに、人はその場の雰囲気などに大きく影響されるからです。人以外の動物たちも生きていく上で必要な食料が何もしなくても手に入るのなら、人のようなおいしさの感じ方になるのだろうと思います。
 ミラクルフルーツやギムネマの話を聞いて、始めは単に面白いと感じるだけでした。しかし、味の感じ方を変化させる仕組みを知って考え方が変わりました。それが、体内の恒常性の維持のシステムと非常に似ていたからです。このシステムの異常によって、フェニルケトン尿症などの病気にかかることがあります。異常が生じているホルモンが本来作り出すはずだった酵素と構造が類似している物質を体外から取り入れることで解消できるのではないかと思うのです。
 味蕾という体内の器官に体外からの物質を作用させることができるというのは大切なポイントだと思います。ミラクルフルーツやギムネマ、ストロジンなどのすでに発見されている物や新たな物質の構造を解析することで、複数の種類の味蕾への影響の共通点を見つけることで、味覚への影響に限らない様々な事へと応用していけると思います。

■参考文献:難病情報センター フェニルケトン尿症 http://www.nanbyou.or.jp/entry/4747



Bさん 

味覚修飾植物の医療への応用
 舌には4種類の乳頭があり、その中にある味蕾が味を判別している。味覚は鍵と鍵穴の関係で、電気信号として脳に伝わっている。人の味蕾は成人で約6,000〜9,000個あり、赤ちゃんの時は約12,000個ある。これは人の味覚が経験と学習によって形成されるため、知識不足の赤ちゃんに危険が無いようにするためである。動物の味蕾の数は生活環境によって異なっていて、ナマズや草食動物は多く、肉食動物や鳥類は少ない。人の味覚は5種類あり、その中のうま味は全て日本人が発見した。
 好き嫌いは、その食べ物の第一印象や経験で決まり、直すためには考え方を変えることが大切。
 人が感じるおいしさには4種類ある。生理的欲求や文化、周囲などの情報などである。しかし、加工食品やファストフードの食べ過ぎによる亜鉛不足で味覚障害にあるので、海藻や貝類などを含んだ日本食を見直す必要がある。
 味覚修飾物質は一時的に味覚機能を変える物質の事で、甘味や苦味に関する物質がある。ミラクルフルーツやクルクリゴ、ストロジンは甘味を感じさせ、逆にギムネマやなつめ、ケンポナシは甘味を感じさせなくする。ミラクルフルーツなどの植物は、糖尿病患者への応用など医療現場での活用が期待されている。
 自分で体験する講義は初めてだったのでとても楽しかったです。私も最近食べられるようになった食べ物があったので、今回の講義で納得することができました。おいしさのメカニズムを知ることができたので、食事の際には楽しくという事に気を付けたいです。



Cさん 

ミラクルフルーツとギムネマの性質
 私は今回の講義で感じたことはまず、ギムネマ、ミラクルフルーツといった植物に人間の味覚に変化を起こすものがあるとは知らなかったので衝撃的でした。次にミラクルフルーツのタブレットを糖尿病患者のお守りとして使う事で、患者さんに役立てることができるという事を知りました。治療に関する情報はインスリン注射しか知らなかったので、勉強になりました。
 疑問に思ったことはギムネマとミラクルフルーツを同時に食べた場合、ギムネマの効果が勝つとお聞きしましたが、それはどのタイミングで使用しても同じなのかです。ギムネマの効果の切れる10分くらい前にミラクルフルーツを舐めると、上書きできる可能性があるのかと思いました。
 感想は島村先生の講義は大変面白く、実験を踏まえて進めてくださったので、飽きることなく楽しく学ぶことができました。さらに、先生の「ギムネマの方が効果が強いのにもかかわらず、授業の最後はミラクルフルーツでおいしく終わらせる」という心遣いに尊敬しました。
 今後、ミラクルフルーツの成分を応用させることによって、糖尿病患者に今よりも良い状態に改善させたり、お菓子が大好きな子供への食べ過ぎ防止などにつながっていくのではと思いました。まだまだ、未知の可能性にあふれている植物ってすごいと思いました。

島村のコメント
ギムネマの成分(ギムネマ酸)が作用している限り、ミラクルフルーツ(ミラクリン)の効果は発揮できません。10分くらい前だとある程度剥がれた部分は味覚変化がありますが、舌全体で考えると難しいと考えます。



Dさん 

人間が情報によりおいしさが変わるという点
 私はこの講義を受けるまでは味覚についてあまり興味がありませんでした。今回の講義で色々な事を学びました。
 その中で私が一番気になったことは“人間が情報によっておいしさの変化がある”という事です。今までその事に意識したことはなかったので気付かなかったのですが、考えるとそのような機会がとても多く、驚かされました。何故人間(かサル)はそのような仕組みによって、どのようなメリットがあるのかという部分がとても興味深く感じました。今度自分なりに調べてみたいと思うようになりました。
 また、今回の話の中心である味覚修飾植物にも驚かされました。味覚が変わるとはいえ、少し違和感がある程度だと思っていました。しかし、試した途端、違うものを食べているのではないかと思うほど変わり、自分の舌を疑いました。ミラクルフルーツがあそこまで効き目があるのなら、糖尿病患者に限らず、生活習慣病が社会問題となっている中、糖分の摂取量を減らすことに役立てることができると思います。もし、これらの植物が一般に認知されれば、世界が少しずつ変わっていくのではないかと思いました。
 私は今回の講義を通じて、初めて味覚に興味を持ちました。これから味覚についてもっと深く学んでいきたいと思います。



Eさん 

動物にとっての味覚と人間にとっての味覚
 味蕾は人間にとってはただ単に味を感じるだけのセンサーのようなものだと思っており、あまり深く考えていなかった。しかし、味蕾は本来、味として物事をとらえ、その上でそれが危険か否かを判断したり、ナマズに至ってはそれを目の代わりにしてさえいる。そのような生物元来の仕組みによって、味に対する感度が違い、また、脳への伝達速度も違う。
 動物にとっておいしいという感覚は、食べる行為自体を楽しむ人間と違い、実にシンプルだと思う。ただ、生きるために食べる生物にとっては、生きていく上で遺伝や経験的に必要な役に立つものがおいしい。それに対して味覚のルーツとしては人間も対して変わらない。小さな頃から危険物と必要なものに対してと大きく分けて2つの反応速度、感度の差がある。そのため、危険な物としてのシグナルがある食べ物に対して、それ以外の栄養素を欲していても、危険というシグナルと感じてしまう。そのため、好き嫌いが生まれ、大人になっていく過程で得た知識の量で情報によりおいしさが変化する人間にとっては、あるものがおいしかったりまずくなったりする。
 これは大きく個人差があり、ミラクルフルーツなどの味覚が変化する植物は知識、自分の世界とあまりにもかけ離れたもので、驚いた。そのような植物の実験により、今後は味というものに対して、以前より深く関心が持てるようになった。