ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト(ミラクルフルーツ・味覚・ギムネマ・ミラクリン・食育・ミラクルフルーツ)

  ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト
島村光治のホームページ ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト
ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト ご質問・ご意見・ご感想・講演依頼
ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト
■ 参加者の御感想


参加者の御感想

2016/06/02に実施した上越教育大学3年の皆さんのレポートです。

講演風景1 講演風景2



Aさん 

 今回の講義を受けるまでギムネマやミラクルフルーツなどの味覚修飾植物についての存在さえ知らなかったため、自分の味覚を変えることができる植物があることに純粋に驚きました。講義資料に紹介されていた、水を甘く感じさせる効果のあるクルクリゴやストロジンもぜひ食べてみたいと興味を持ちました。
 特にギムネマを食べた後に、甘いはずのものが甘く感じなくなったことが印象的でした。甘くないチョコを食べたのは初めてでしたしそれを食べるのがとても苦痛に感じ、食事において「味覚」が存在することの大切さを実感することが出来ました。味覚障害を擬似体験することは「味がしない、面白い」と感じるだけでなく、自分の持つ「味覚」を失わないようにしようという意識を持つことが出来、自分の食生活を見直すきっかけになると思います。
 今回の講義を受け、味覚教育は家庭科だけでなく他の様々な教科との関連性があることに気がつきました。例えば、上顎やのどにも味蕾が存在し、舌のみで味を感じているわけではないということを学んだことにより、上顎の味蕾の大切さが分かります。そして入れ歯を付けることは上顎の味蕾を塞ぐことになるため、入れ歯を付けていない状態よりも味覚を感じる力が必然的に弱くなってしまうということに気づかせ、入れ歯を付けなくても良いように自分の歯を大切にすることを学ばせることが出来ます。これは保健体育の「病気の予防」の単元に結びついており、虫歯予防について、味覚と関連して学習させることができると考えました。その他にも、講義で紹介されていた「ギムネマを一人一つ育てる活動」をすることは、植物の育ちに必要なものを考えたり植物の成長の様子を観察したりする活動が出来ることから、理科の植物に関する単元や生活科の授業にも関連させて学べると考えました。
 味覚修飾植物がもっと知れ渡り、出まわるようになればそれを使うことで多くの人が助けられると思います。例えば、「苦手な食べ物があるがその食べ物は栄養や健康を考えるととても体に良いものなのでぜひ食べられるようになりたい。」と感じている人です。無理して自分の苦手な味の食べ物を食べなくても、味覚修飾植物を使えば違った味でその食べ物を食べることが出来るため、それによって健康的な食事を摂ることが出来るようになります。その他にも講義でも紹介されていたように、糖尿病の人や甘いものを控えている人向けに「甘くないケーキ」と味覚修飾植物を提供することで、糖分が低いケーキでも満足しておいしく食べることができるようになり、糖尿病の予防やダイエットに効果があると思います。その他にも様々な効果が期待できると考えます。
 今回の講義で実践的に学んだことを教育現場で子どもたちに伝えていけるよう、これからさらに学びを深めていきたいです。ありがとうございました。



Bさん 

 食べ物の好き嫌いのメカニズムで、食べ物の第一印象で60%の人が嫌いになるのはわかるが、雰囲気で好き嫌いがわかれるとは驚きだ。怒られたり、嫌な思いをした後の食事はまずいと言うが、そういうときこそ食事をして元気を出す人もいるので、あまり雰囲気で好き嫌いがわかれるとは思えなかった。
 辛味が味覚ではないことは驚きだ。辛味は体性感覚であり、味蕾ではなく、神経を刺激しているということなので、痛みと同じ分類なのだと思った。自分は辛い食べ物が好きなので、自分の神経を刺激して美味しいと感じているとわかり、少しショックを受けた。43度以上だと辛さが増すということなので、辛いものは熱いうちに食べるようにしたい。
 味蕾は、大人よりも子供のほうが多い。子供のほうが好き嫌いが多いのは、味蕾が多いため、味覚に敏感になっているのだと思った。逆に大人になって嫌いな食べ物が食べられるようになるということは、味蕾が少なくなって、味覚に鈍感になったのだと思った。味蕾は舌にしか存在しないと思い込んでいたが、喉や上顎にも存在していることを知り驚いたが、ハエや蝶には手に味蕾があり、いろんな生物がいるものだと感じた。味覚は、食べ物に含まれる毒物を見抜く役割があるので、触覚で毒を見抜ける鳥や蛇には味覚がない。しかし、毒キノコやフグなど毒がある食べ物ほど美味しいとも聞いたことがあるので、人間の味覚はまったくあてにならないのだと思った。
 味覚は、その人の食生活に多大な影響を与えている。普通は自分の好きなものだけ食べたいと思うはずである。しかしもし好きなものが食べられなくなった場合、その人はかなりのストレスを感じることであろう。味覚修飾植物は、そういったストレスに悩まされる人たちを救うことができる。現に、肥満や糖尿病の人への対策として、糖分がなくとも甘みを感じられるようにミラクルフルーツなどの活用が進められている。この先、新たな味覚修飾植物などが発見されたり、研究が進んだりすることで自由に味覚が変えられる未来もそう遠くないように感じる。そうすれば、不味い薬をおいしくすることができるため、子供も飲みやすくなるし、普段私が飲んでいるかなり不味いプロテインも、きっとすすんで飲みたくなるような美味しいプロテインになるであろう。宇宙や軍隊などで食べられているであろう栄養と日持ちに特化し、美味しさを捨てた食糧も、きっと今後は美味しいものが作れるようになるに違いない。味覚を変えられるようになれば上記以外にもたくさんメリットがあるだろう。
 テレビなどでしか見た事がなく、一度は食べてみたいと思っていたが、自分には一生無縁で食べることがないだろうと思っていたミラクルフルーツなどを食べることができて、この大学にきてよかったと感じた。今でもギムネマの効果の衝撃は忘れられない。こんなに楽しく学べる授業は大学に来て初めてだった。



Cさん 

 おいしさの多様さに驚いた。お腹が空いていたらおいしいとか、鼻が詰まっていたら味が分からないなど、その程度の認識しかしていなかった。自炊も結構しており、おいしいものを作るためにいろいろと工夫をしているつもりだったが、根本的なところで相当てきとうだったのだと思い知らされた。
 いろいろと専門的な話もあったが、一番面白いなと感じたことは、持っている情報によっておいしさが変わるというものだ。高い値段の料理だとそれだけでおいしそうに見えるという現象は、実際に脳がおいしいと判断していたのかと驚いた。実際の味に関係なく、先入観でうまい、まずいを判断している部分が私たちの中にあるのかと思うと、自分の体の適当さにあきれるような思いもしてくる。
 好き嫌いについての話も有意義だった。第一印象、雰囲気、経験の三つともに身に覚えがあった。特に経験については、今まで培ってきたものなのでそう簡単にどうにかできるものではなく、現在も苦労している。この齢になってようやく好き嫌いを直そうと思い、何とか食べられるまでになったが、当分好きにはなれそうもない。努力の仕方としては、小さく刻んでチャーハンなどに混ぜてしまったり、似たような食品で食べられるものをよく食べたり、最終的にはとりあえず我慢して食べてしまったりなどだ。今回の講義で聴いた限りでは、有効かどうかは分からなかったが、直そうという意識が大事だそうなので、ほどほどに続けていこうと思う。
 最後に、衝撃的だったギムネマとミラクルフルーツの感想を書こうと思う。私は以前に、この二つの植物の名前を聞いたことがあった。それがテレビだったか、本だったか忘れたが、その時はそういうものもあるのかと割とあっさりした感想を抱いていたように思う。しかし、今日実際に食べてみて、思った以上に強烈な感覚を味わってしまった。一つの味が消えたり、違った味を感じるということが、こんなにもおかしな気分だとは思わなかった。特にギムネマは、甘み以外の味覚は普通に感じるので、特に変な感覚だった。甘いお菓子を食べているのに、完全に塩味でしかないのだ。味が薄いだとか、変わった味だとかそういうレベルではなく、端的に言って不味い。本当に貴重で面白い体験をさせてもらったと思う。自分が今当たり前に、おいしいと知覚し幸せに感じることを大事にしていきたいと心の底から思った。



Dさん 

 私は講義を受けて初めてミラクルフルーツやギムネマのような味覚を変える植物を知りました。ギムネマを舌にこすりつけてからダースのホワイトチョコを食べると甘かったはずのチョコが塩味の柔らかい粘土のようになって同じ食べ物だと思えませんでした。また、ミラクルフルーツは酸っぱいはずのレモン果汁が甘くなり、とてもおいしく飲めました。講義の後にトマトを食べたのですが、トマトも甘くて食べやすかったです。話を聞くだけではなく自分で実際に体験した方が興味を持ち、理解も深まると思うので、体験学習の重要性を改めて感じました。島村先生は味蕾での判別方法を、鍵と鍵穴の関係に例えていたので、仕組みを初めて聞いた私でも分かりやすかったです。味蕾は舌全体に7割、残りの3割は上あごと喉に存在していると島村先生はおっしゃっていました。私は味を感じるのは全て舌だと思っていたので、まさか上あごと喉でも味覚を感じることが出来るとは思っていませんでした。また、私はなぜ子どもは好き嫌いが多いのかというのを疑問に思ってきたけれど、子どもの方が味蕾の数が多いという話を聞いて、それと関係があるのではないかと感じました。子どもの頃の味覚形成が大事だという話を聞いて、偏食の人は子どもの時に味覚形成が上手くいかなかったからそうなったのではないかということも考えました。
 人にとっての味覚の話では、5つの基本味の他に辛みと渋味・えぐ味の話が出てきました。辛みは「体性感覚」といい、味蕾を刺激しているのではなく、神経を刺激して起こっているそうです。また、渋味・えぐ味は苦みと口の中の感覚が合わさったものであり、生理学的には1つの味としては存在しないそうです。味蕾以外でも味を感じることができるので、人間の体は不思議だと思いました。酸味と苦味は味の中でも舌の感度が高いので、それが酸味や苦味への苦手意識に繋がっているのではないかと思いました。
 味覚修飾植物の今後の展開について、糖尿病患者への効果や肥満への効果などについて話を聞きました。私の祖母は糖尿病で亡くなりましたが、生前「甘いものが食べたい」と話していたと母から聞きました。ミラクルフルーツがあれば祖母の願いを叶えられたかなと思いました。ミラクルフルーツをタブレットにしたことによってたくさんの人が手にすることができるようになったと思います。それは本当に素晴らしいことだと思います。今の世の中、多くの人が添加物や加工物に対して良い印象を持っていないと思います。人が人工的に作っているのではなく、自然に存在している植物だからこそ、服用してくれる人もいると思います。糖尿病や肥満への効果だけでなく、子どもたちの好き嫌いにも役立つのではないかと思いました。トマトの酸味を苦手としている子どもは多く、その酸味を少しでも減らすことが出来れば苦手意識は少なくなるのではないかなと思いました。
 今回の講義を聞いていて驚きの連続であったし、知らない知識が頭の中に入っていくという感覚が久しぶりだったのでとても充実していて楽しい時間でした。味覚について知る機会は少ないけれど、自分の体と密接に関係していて、誰もが興味を持てる分野だと思うので、将来教師になった時に子どもたちに話してあげたいです。ありがとうございました。



Eさん 

 今回、この講義を受けて印象的であったことは3点ある。1つ目は赤ちゃんと大人での口の中の構造の違いだ。味蕾の数が赤ちゃんのほうが多いこと、動物のほうが多かったり、少なかったりすること。これは、それぞれの環境の違いによるものだ。生きていくうえで、やはり食べることは重要な活動だ。栄養分をどのようにとるか。これは人は口からとるのだが、危険かどうか判断できるかできないかで味蕾の数が変わってくることは興味深かった。やはり、赤ちゃん、小さな子供は、判断するのは、経験が少ないので、頭で考える能力は低い。体で生まれたときから備わった能力で生き延びることができている。つまり、大人になるまでに、食育をきちんと行って、人の体にとってどれが危険で必要なのか教え込む必要があるように感じた。
 2つ目はおいしいと思うことは、これは生きることに必要と感じているから、危険物ではないからである。好き嫌いがこれにからまってくる。私自身、嫌いなものが多くあり、理由はと聞かれても味だの、食感といったものである。一度嫌だと思ってしまうと体が拒否するのだろうなと思った。また、教師になる者として、子どもにどのようにして好き嫌いをなくすことができるか考えたとき、おいしいと思えるような、経験をつませることが重要なのではないかと思った。
 3つ目は、現代社会の問題だ。味覚障害になる人が若者で増加している。これはファストフードや加工食品による食生活の乱れによるものである。そういった親が増えれば、子どもも自然と栄養が偏った食事になってしまう。学校では、給食というものがある。子どもが好き嫌いで残すこともあるが、なるべくいろんな料理を食べる経験をするべきである。また、ただ食べさせるのではなく、なぜ様々な料理をたべ、栄養を取る必要があるのかを教える必要がある。
 このようなことに足して私は興味を持った。また、今回のメインである味覚修飾植物であるミラクルフルーツとギムネマはこういった3つの点に関して、効果的な教育をすることに用いることができる。食べることは当たり前で、自分が食べたいものだけを摂取すればいいという考え方を変える起爆剤になるように考える。私自身、大学生になって食生活が乱れており、体重や体調にでてきている。毎年風邪を引くようになってしまった原因の一つに食生活が関係しているのではないかと思った。それほどに、私たちが生きる上で、食事は欠かせないものである。9月に実習があり、私は5年生の米、味噌汁などをあつかう食生活の単元を行う。導入として自分の食生活について触れるつもりだ。今回の講義で受けたことを活かした授業づくりを行いたい。そのためにも、食生活について自分自身のことから改善して、良い食生活について考えていきたい。



Fさん 

 人間の味覚のメカニズムについて、私の習ってきた説明が違っていたことが分かりました。舌には甘味、酸味、塩味などの味を感じる場所がそれぞれ決まっており、その部位に食物などが触れることによって人間は味を感じる、というのが私の学んでいたことです。しかし、講義の説明では、舌には味覚を受け止める味蕾が存在し、甘味などそれぞれに対応した受容体がその中で味を感じる、舌の場所によって特定の味を感じるわけではないということでした。このことを知ったときとても驚きましたし、何故誤った理論がここまで存在していたのかという疑問を持ちました。舌の特定の部位で味を感じると舌に幅広く分布する味蕾で感じるというのは、全く違うものだからです。科学技術の進歩や生体の研究が進むにつれ、従来通説とされてきたものが、ある日突然否定される。ここでは、過去の知識に囚われず常に新たな情報を得てその整合性や正当性を考えることが重要だと実感しました。
 話は変わりますが、味蕾の数が動物種によって異なることや、人間の味蕾も年齢によって変化するということには興味深く思いました。自分の兄弟の幼児期から小学校低学年の頃を思い返すと、日常的によく何かを口に含んでいた姿が思い出されます。その時は、これが幼児の一般的な姿なのだと、何故かは考えようとしなかったのですが、その答えを講義で知ることになりました。それは、幼児という知識が少なく環境の判断ができない状況で、味覚という一番敏感な感覚器官を使って周りを調べているということです。味蕾の数から、動物など自分の置かれている環境や生態に合わせた発達が見られ、とても面白く感じました。
 講義での味覚修飾植物の体験、学んだことは今まで私の得ていなかった、知らなかったことばかりでした。貴重な時間だったと共に、今回の講義を改めて見直し、深めていきたいと思います。
 味覚修飾植物や味覚について知ることは、家庭科において求められる食育に密接に関係すると思います。普段何気なく食べているものに対して、どうしてこのような味がするのだろう、何がこのような味をもたらしているのだろう、といった疑問を喚起し、自分の食について見直す機会となるからです。
 例えば、家庭科の授業において味覚のメカニズムや種類を学ばせるとします。そうすれば、お菓子などといったジャンクフードについて、脂という人間が感知できる味覚以外のものによって脳が麻薬成分を出し、それらを美味しいと認識させていることが知識として分かるようになります。ここで、食物の本当の美味しさや栄養価、自分の食生活について考えさせることに繋がるのではないでしょうか。味覚という人間の主要な感覚器官について知ることは、生命維持に密接に関係する食に対しての望ましい態度や行動を育むことができることから重要だと思います。

 ■参考文献
「うま味の生理学」https://www.umamikyo.gr.jp/knowledge/physology_print.html



Gさん 

 この講義を受けて、人間だけではなく生物が生命を維持するための仕組みは本当にすごいなと思った。今までおいしい、まずいなどとしか意識したことがなかったが、赤ちゃんなど弱い者が味覚に敏感になっていたり、補給すべき栄養の物がおいしく感じるようになっていたりと、どの生き物も生命を維持し子孫を残すために味覚が大きな役割を果たし、うまくできていることが分かった。そのことから、「ピーマンが嫌い」など子どもの好き嫌いも、納得できる部分があることも分かり、味覚の発達の観点から見ると食べられなくて当たり前の物もあるのかなと思った。そして味覚について学習したり好き嫌いのメカニズムについて学習したことで、今大人になった自分もあまり好きではないものも、意識次第で克服できるかなと感じた。このことは子どもにも言えることであり、「意識次第で食べられるようになるかもしれない」ということを知るだけで、好き嫌いを克服しようというきっかけになる可能性もあると考えた。
 今回体験したギムネマやミラクルフルーツ以外にも、味覚に影響を与える植物が多くあることに驚いた。そしてそれをうまく利用して味を変え、体にいい栄養素を摂取している民族もいるという知恵に、なるほどと思った。糖尿病の患者さんの甘いものの摂取に関しても一部で活用されているとのことであったが、多くの場面で活躍が期待されている、まだこれから多くの可能性を秘めた植物だと感じた。教育の役割として、このことを子どもたちに広めていったり、まだ研究途上にあるこのような未知の植物に興味をもち今の学習に取り組んでくれる子が増えたらいいのかなと思う。
 今回味覚について知ることができたことで、先生や親になる上で活かせる点が多くあった。好き嫌いに関わって、そのことへの理解や食事の雰囲気を大切にすることなど、この先意識して過ごしていきたいと思う。
 また、今回この講義の内容も大変興味深いものであったが、講義自体も私は教育大の学生として学ぶ点がたくさんあった。自分がもともと食や食科学に興味があったことも影響したかもしれないが、今回の講義はなるほど、という発見の連続であり、驚きに満ちたものであった。子ども相手の授業でも、本来子どもにとって今回のような発見と感動のあるものではなければならないと思う。今回の講義を参考に、体験を入れながら新しい発見にあふれた授業を展開できる教師を目指したいと思う。



Hさん 

 私はこの授業を受けて、初めて学ぶことがいくつかあった。その中で最も興味深かったのは、動物の種ごとに食物を摂取する構造が大きく異なっていることである。例えば、味蕾については、草食動物は毒のあるものを食べてもすぐにわかるように人間に比べて味蕾が多い、逆に鳥や蛇など物を噛む体の構造になっていないものは味蕾が少ない、などいうように大きく異なっているようだ。また、腸の構造も消化に時間がかかる動物、例えば草食動物などほど長くなる、というように違いがあるようだ。動物はより自然の中で生きやすいように体の構造を変えながら進化してきたことが、これらのことからわかる。
 他にも初めて知って驚いたものはいくつかあったが、このような知識を集めることは、学校で教えていくうえで様々な場面で役立つのではないか、と考えた。
 まず、授業で子どもたちに授業の内容に興味を持たせるのに使えるのではないかと考えた。先ほど挙げた動物の消化構造と種の関係性は、理科教育における生物分野、その中でも人間の消化器官の構造、草食動物と肉食動物の違いなど、導入部で用いることで子どもたちの興味を惹きつけることができるだろう。また、食育教育を行う際には、講義に出てきた苦手な食べ物と食生活の経験を結び付けて話すことで、子どもたちが嫌いな食べ物をなくす第一歩になるだろう。保健体育の授業で生活習慣病と食生活を絡めて話すことで、より病気の怖さを実感させることかできるだろう。他にも様々考えられるが、淡々と知識だけを教えていくのではなく工夫を凝らして教えることで、より子どもたちは授業の内容を楽しく学ぶことができ、知識も深まるだろう。
 加えて、今回の授業はこれからのキャリア教育に役立っていくのではないか、と考えられる。島村先生の行った研究は過去に一度も行われてこなかったものであり、これからの味覚教育研究の基盤となっていくだろう。それほど大きな成果を上げたものではあるが、これからの時代において今まで誰もやってこなかった新しい試みを行うことが重要になってくる。そのことを子どもたちに伝えるうえで、島村先生の研究と、そこにたどりつくまでの軌跡を伝えることで、子どもたちの職業についての視野を広げ、職業を決定する上でとても役立つと思った。そのような点で、キャリア教育に用いることができると考える。
 以上のことが、今回の授業を受けて考えたことである。自分を理科が好きであるので、自分が教育実習をやる際には授業内外問わず、様々なところで得た知識を使っていきたいと思った。他にも、どのようにして今回のことを教育に組み込むことができるのかを、考えてみたい。



Iさん 

 味覚教育に関して、今まで学校で何か授業を受けてきたという記憶はありません。何かのテレビで見たので、講義でお話しがあったことは知識として知っていたこともいくつかありました。例えば、味蕾によって人は味を感じていること、その味蕾と味は鍵と鍵穴の関係であること、そしてミラクルフルーツが医療現場で活用されていることなどです。他にも辛さは体性感覚であることも聞いたことがありました。しかし、例えば人間の味蕾は喉にもあることや、のどの味蕾はCO2を感じやすいこと、草食動物は毒のある草を避けるために味蕾が多く、肉食動物はそもそも食べるものしか狙わないために味蕾の数が少ないことなどは詳しく知らなかったので驚きの連続でした。動物の話の中で特に驚いたことは、ライオンなどの肉食動物は草食動物の内臓から食べることです。肉しか食べないから健康に悪そう、などと冗談交じりに友人と話していたことがあったのですが、まさか内臓に含まれる野菜を吸収しているとは思っていませんでした。動物の生命にかかわることもほとんど知らずに生きてきた自分が恥ずかしくなります。
 ところで、後半に「好き嫌いは第一印象が60%」とお話しされていました。そして、怒られたことなどが影響して嫌いになる可能性もあるということでした。これは教育者にとって大きな問題となると思います。すなわち、給食指導では食べる雰囲気も大切ということです。5月の教育実習で給食指導の難しさを学んできました。学校の先生によって様々なルールがあります。学級の数だけ給食のルールがあると言ってもいいかもしれません。私が担当させていただいたクラスは楽しそうにみんなで輪になって話しながら食べるクラスでした。しかし隣のクラスのように黙々と食べているクラスもあります。自分が教員になったときにどのような教育効果を狙ってどのように給食指導をしていくのか、全く思い浮かばないのですが、今回学んだ雰囲気を大切にするということは給食指導の大きなヒントとなりそうです。また、味を感じられるのは当たり前のことだと考えがちです。しかし全ての人間が味を感じられるわけではないと学びました。食べ物への感謝の気持ちを大切にして給食指導に当たりたいです。
 さて、ギムネマやミラクルフルーツを食べた感想を述べていきたいと思います。最初に食べたギムネマですが、いかにも葉を食べていると感じました。よくある葉の味だったので、本当に味が変わるというのは驚きです。栽培が簡単ということだったので、もしチャンスがあれば教育実習で活用したいと考えています。また、ミラクルフルーツですが、本当に酸っぱいレモン汁が飲めるようになったので本当に驚きました。ただ唇を切っていたので、とても染みて痛かったです。痛いけれども甘いという不思議な感覚でした。
 科学の進歩が医療に大きく貢献している、という話はよく聞きます。しかし、自然のものであるミラクルフルーツが医療現場で活用されているというのは斬新なことだと思いました。今後はこのような味覚修飾植物は学校現場でも活用されていくのではないでしょうか。例えば食育です。これは家庭科の授業になると思いますが、普段食べているものと違う味になる体験を通して、味の感じ方や、味を感じるという行為そのものについて考える機会になると思います。ギムネマを栽培するということになれば家庭科ではなく理科になりますし、ミラクルフルーツが医療現場で使われていることを知れば総合学習の福祉の学びになります。その後児童に活用方法について話し合わせてもいいのかもしれません。このように、味覚修飾植物は普段とは味について考える絶好の機会になるのでぜひ小学校現場で活用してみたいと思います。



Jさん 

 今回の講義では、味を感じる仕組みについて学習することができた。味を感じるのは舌に存在する味蕾の働きであることは知っていたが、味蕾それぞれに認識出来る味が一つに決まっていること、味蕾は舌だけに存在するのではなく軟口蓋、喉頭蓋や食道にも存在していることは初めて知った。動物にとっての味覚と人にとっての味覚の違いについて、動物にとっての味覚とは生きていく上で役に立つものがおいしいであるのに対して、人間にとっての味覚とは人類の歴史の中で獲得されてきた経験と歴史である。人類も生き物であるため生きるために食べるという点は動物と変わらないが、動物との違いは味にこだわるという点である。これはとても興味深く、人類の進化の一つであると思う。人類には基本味である、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の5つがあるがそれぞれに生物学的意味が存在している。成人は五感、知識や経験を使い味というものを認識することも出来る。幼児は味覚に頼り味を認識することしかできないため、成人よりも幼児の方が危険を判断するために味蕾が多いということのも納得がいく。
 現在は糖尿病などの病気で糖や塩分を制限した食事をとる必要がある人たちがいる。普段の食事を行っていた人が塩分を抑えた食事を一週間続けるというのは、食事が物足りなく感じるだけでなく、おいしくないと感じたりストレスになったり食事の楽しみが奪われてしまうということも考えられる。食事というのは人間の生活の楽しみの大きな部分を占めていると私は考える。そのため味覚修飾植物というのは味覚をだますことができるため、糖や塩分摂取してはいけない場合であっても実際に摂取することなくその味を味わうことが可能で満足感を得ることが出来る。まだ発見されていない味覚修飾植物というのも存在するようなのでこれからより発展し、医療の分野やスポーツ選手の減量などに活用出来たらと思う。
 味覚について学ぶことは重要である。味覚について知るということは、自分の食生活についても見直すことにつながる。どうして健康に悪いと言われているファーストフードやスナック菓子がおいしいのか。子どもが興味を持つきっかけとなる。そこから食品についての見方、考え方を持ち情報に左右されず自分で判断できる消費者になることにもつながるため、味覚について学校などの授業で触れてもいいと思う。
 味覚について学習するということは家庭科の授業でもなかったように感じる。栄養素の学習の時に味覚と関連して学ぶと面白いのではないかと思う。何の栄養素があるかわからなくても味をヒントに考えることも出来る。家庭科のだけでなくとも理科の授業や保健の授業とも関連させることが出来る。理科の授業では、人間の体の仕組みや草食動物と肉食動物の体のつくりの違いなどで活用することが出来る。保険では生活習慣病の部分と関連させることが出来る。このように味覚のことだけ教えるのではなく、様々なことと関連させていくことで記憶にも残るだけでなく、味覚の大切さや多くの関連があることを知ることが出来る。今回の講義も体験型ということで私たちの記憶にもずっと残り続けるだけでなく身を持って体験した驚きや感動より主体的に学ぶことが出来ました。体験型の授業の良さを改めて認識することが出来ました。



Kさん 

 今回味覚教育の講義を受けて、身近に感じていた味覚についても知らないことがたくさんあるということが分かった。私は特に以下の3つのことが印象に残った。
 1つ目は、味蕾の数は生物によって異なるということである。それぞれの生物が生きていく上で最適な状態になっているということを知り、とても興味深かった。味蕾の数が生物の特徴に細かく適応しているということは、全ての生物にとって食べるということはそれだけ大切なことで、生きていく上で欠かせないことなのだと考えた。野生動物は何でも食べるイメージがあり、特に草はどれを食べても同じように感じるのではないかと思っていた。しかし、自分の身体に有毒なものは味蕾で判断していることが分かり、味蕾の働きの重要性を強く感じた。
 2つ目は、子どもの頃の味覚の形成が非常に重要であるということだ。食べ物の好き嫌いは小さい頃の経験が大きく影響するのだと分かり、食事場面の重要性を感じた。これは家庭だけでなく、幼稚園や保育園での働きも重要になってくると考える。小さいうちから食事は楽しいと感じさせることで、食に対して良いイメージを形成できると感じた。幼稚園や保育園では、箸の持ち方や食器を持って食べることなど基本的な食事のマナーも教え始める。それらももちろん大切なことだが、教育的な面に縛られて子どもが嫌な思いをする食事の時間にはしたくないと思った。楽しく食べつつ「こうやって食べたらもっと気持ちよく食べられるんだよ」ということを伝えていけるようになりたいと感じた。また、離乳食以降は親や保育者がおいしそうに食べている様子を見ると、子どもも安心して食べられるというお話があった。「おいしいね、楽しいね」ということが子どもに伝わるような食事の時間を大切にしたい。さらに、子どもの時と大人になった時の味覚は変わってくると思うが、そのことを理解していれば、子どもが食べれなかったときに「なんで食べれないの?」と怒ることは減るのではないかと考えた。このような面からみて、将来教育に携わろうとしている私たちが味覚について知ることはとても大切だと感じた。
 3つ目は、私たちの味覚は様々な情報に影響されるということだ。見た目によって食欲のそそられる程度が変わってきたり、安全や健康などの情報が脳内の味覚処理に影響を及ぼすという話を聞いて、自分にもかなり当てはまると感じた。健康に良さそうな情報が書いてあるとつい手に取ってしまうことはよくあるが、それが正確な情報かどうかはあまり気にしていなかったと思った。様々な情報に影響されすぎないためにも、正しい知識を身に付けておくことが必要だと学んだ。また、体の五感をフル活用して食べる方がよりおいしく感じるのもこの働きによるものだということが分かった。見た目、におい、音など味覚以外の感覚も食において重要なのだと改めて感じた。
 上記の3つのこと以外にも興味深い内容がたくさんあって、もっと詳しく知りたいと感じた。将来私自身も、子どもたちに味覚について楽しく知ってもらい、食への興味関心を高められるような授業ができたら良いなと思った。また、味覚についての学習をする中で食の大切さや楽しさも伝えられたらより良いと考えた。まだまだ味覚について知らないことはたくさんあると思うので、さらに知識を増やしていきながら、自分自身も食を楽しむことを大切にしていきたい。



Lさん 

 子どものころの味覚の形成が非常に重要だということを学びました。私は幼いとき、嫌いなものを「どうしても食べなさい」と怒られることがよくありました。怒られたくないからとりあえずは口に入れますが、いつもティッシュにくるんでポイしていました。わが子に必要な栄養素を取って健康に育ってほしいと考えるのは当たり前ですから、あの時のお母さんを責めるわけではありません。しかしこの講義を受け、食事中の雰囲気も食べ物への子どもの印象を変える1つの要因であることを学んだ今だからこそ、「食べろ」と言うのなら、「食べられる」ような工夫をするべきだと思いますし、それでも無理なら無理やり食べさせる必要はないと思います。私は教員になったら食育に力を入れたいなと思っています。食べることの意味、命への、また作ってくれた方への感謝、食事のマナー、自分の健康のこと、日本や世界の食の事情など…。これらを子どもたちに伝えたいと思うなら、まず一番初めにやるべきは、子どもたちに「食べることは楽しい、美味しい、幸せ」だということを実感してもらうことだと考えます。ただいただきます、ごちそうさまと言えばいいのではない、ただ残飯を出さなければいいのではない、もっと深く食について考え、学んでもらいたいと考えたときに、一番の根幹でその思考を支えるのは、「食べることは楽しい、美味しい、幸せ」だと感じた自分自身の経験なのではないでしょうか。食へのポジティブな気持ちが関心を生み、学びをさらに深めてくれると感じました。人はジャングルの中に生まれてきたと仮定されていて、苦味は毒物のシグナル、酸味は腐敗物のシグナルなどと本能で決まっているにも関わらず、経験と学習によってその苦味や酸味でさえも楽しむことができるようになりました。そうであるならば、なおさらその人間にだけ与えられた楽しみを教師や親の立場で奪いたくないなと思いました。
 今回の講義を受けて感じたことは、驚きの味覚体験〜ミラクルフルーツとギムネマ〜という授業で多くの教科・領域の学習が可能だということです。味蕾の数から考えるそれぞれの生物の生態を考えることは生活や理科、味蕾は上あごにも存在し入れ歯になると味覚が弱ってしまうという事実からは、自分の歯について考える保健体育に、人にとっての味覚や食べ物について考えることは家庭科や総合的な学習の時間につながると思います。教とうことができません。味蕾の数からその生物の生態などに広がったように、まずは題材について知識を広め、疑問に思ったところを徹底的に調べることでその教材に深みが出ると考えました。
 私はこの講義を受けるまでミラクルフルーツやギムネマという言葉を聞いたことがありませんでした。甘みや酸味を消すことがどんな役に立つのか、イメージもできませんでしたが、糖尿病の患者さんへの食事や、苦い薬が飲めない高齢者の方への対応などの活用方法を聞いてすごく納得できました。しかし、ミラクルフルーツは果実がなるまでに7年もかかること、ギムネマについても苗は日本でほとんど販売されていないことなど、課題も多く感じます。今後大量に生産することができれば、これからますます利用できる場面は増えるように思いました。



Mさん 

 最初に「すっぱいものを甘くするフルーツがある」と聞いた時、イメージがわかず、どういうことなのだろうと思いました。また、そのフルーツと教育はどう関係するのだろうと、疑問に思いました。しかし講演を終えた今、謎も解け、将来のためにも講演を聞けて良かったと感じています。
 まず驚いたことは、味覚地図は間違いだということでした。これまで学校でも、舌の場所によって味を感じるところが違うと習いました。家で、「先端は甘みを感じるのか」といって、舌の先端に甘いものをつけたりしてみた記憶があります。きっと私みたいに、味覚地図を信じている人も現在多くいると思います。これは間違いだということが広まらなければならないと思いますし、教育者として、正しい知識を広めていきたいと思いました。
 動物の味覚は、生きていくことに直結しているのだと分かりました。人間が舌以外に味蕾があったら困りますが、手に味蕾があったり、味蕾の数が多いから毒を見分けられたりなど、また、味蕾を無くして自身を軽くしているヘビなど、生きるためのものとして味蕾を捉えているのはすごいと思いました。そのことに関係して、赤ちゃんは、危険を察知しやすいように、味蕾が多いという話も印象に残りました。ピーマンを嫌いな子どもが多いのも、苦みは毒のサインと感じ、味蕾が多い子どもだからこそだと考えると、単に残さないように食べなさいと言っても難しいのかなと感じました。リカちゃん人形の靴が苦くされているのも、そういうことだと知ることが出来ました。小さい頃に、苦いとあったのでなめたことがあり、本当に苦いなと思ったことがあるのを思い出しました。大人になるにつれて味蕾が減るということですが、どんな風に減っていくのか、気になりました。私は1ヶ月前に、悪くなった納豆を食べてしまい、感染性胃腸炎にかかりました。そのとき、納豆がとても苦く、食べながらおかしいなと思いました。もったいないからと全部食べてしまったのですが、あのとき、体は、苦いから毒かもしれないとサインを送っていてくれたのだと思うと、味覚ってすごいなと感じます。食中毒になった物も嫌いになるという話もありましたが、本当にあれから好きだった納豆が食べられなくなってしまったので、栄養価値を改めて知り、食べられるようになりたいと思っています。また、味覚とは少し関係ないかもしれませんが、体に害のある可能性のものほど感度が高いという話で、塩酸などのにおいは、人間にとって、おかしいなと思うにおいです。味覚だけでなく嗅覚も、危険のシグナルを送ってくれるのだと考えると、体の仕組みのすごさを改めて感じます。
 味覚修飾植物が糖尿病の患者にとって良いものとなることは、すごく良い発見だと思いました。ただ、ミラクルフルーツがタブレット化されたこと、それによって糖尿病患者が甘みを感じられることがあまり世間に広まっていないと思うので、もっと広まれば良いと思います。また、糖尿病患者だけでなく、ダイエットや、甘いものを控えるように言われている一般の人もタブレットが手に入るようになったら良いと思いました。そして、甘さをなくすギムネマも、なにかそういった活用がされていったら良いなと思います。今回の講演を聴くまで、味覚がこんなにも重要な役目を果たしていることを知りませんでした。食事のときに怒られながら食べたものは嫌いになるということから、給食指導では気をつけなければならないし、楽しい雰囲気で食事をする大切さを感じました。自分が子育てをするときに、自分の子どもの好き嫌いをなくすためにもこの知識が役立ちそうだと思いました。赤ちゃんは離乳食以降、親の顔を見て食べるという話も、なるほどと勉強になりました。
 楽しく、勉強になるお話でした。ありがとうございました。



Nさん 

 講義を受けて、たくさんの新しいことを学ぶことができ、どれもとても興味深いものだったが、その中から印象に残ったものを取り上げたい。
 私がこの講義を受けて、最初に驚いたのは、これまで私たちが学んできた味覚地図に誤りがあったということだ。これまでの味覚地図では、舌の手前が甘味、奥が苦味、横側が酸味、甘味と酸味の間が塩味とあったが、味を判別することができる味蕾は舌だけではなく、上あご・のどにもあることが分かった。炭酸飲料を飲むと、のどでおいしさを感じるということも、この説明を聞いて納得がいった。味蕾についての中で興味をもったのは、生き物によって味蕾のある場所や数が異なるということだ。成人には約6000〜9000個、ライオンは約2000個、ウサギは17000個、牛は24000個、ナマズは200000個の味蕾がある。ウサギと牛が成人やライオンよりも味蕾の数が多い理由は、草を食べる際に毒草を判別できるようになっているからである。ナマズは目が悪いが、水中で敵を察知するために、全身に味蕾があり、そこで敵を察知している。また、蛇や鳥は獲物を丸飲みにするため、味蕾の数が少ない。ハエや蝶の味蕾は、卵を産むときに毒のない葉を探すために、手に味蕾がある。ヒトの中で比べると、赤ちゃんが一番味蕾の数が多い。その理由は、赤ちゃんには物を口の中に入れて、それが安全かどうかを判断する習性があるからだ。例えば、りかちゃん人形の靴の部分には苦味成分が塗られているため、赤ちゃんは害のあるものだと思ってすぐに口から出す。これらのように、生き物による味蕾の違いやその理由を知ることができて、面白かった。
 「味蕾での味の判別方法は、鍵と鍵穴の関係に例えることができ、食べ物の成分が鍵で味蕾が鍵穴である」という仕組みを知ってからミラクルフルーツを試すと、実際に口の中で何が起きているのか分かりやすかった。ギムネマの体験も納得がいきやすかった。私は最初、ミラクルフルーツやギムネマのような味覚修飾植物は、不思議な遊び道具の1つであったり、実験道具であったりするのかと思っていた。しかし、講義の中で、ミラクルフルーツは糖分接種を控えている患者さんに、甘味を楽しんでもらうという形で、医療現場で使われていることを知り、そのように社会の中で応用されているのかと認識を新たにした。と同時に、医療現場で活躍している味覚修飾植物のこれからの発展に期待をしたいと思った。
 私は、味覚について知ることは、自分自身の健康を守るために重要なことであると考えた。講義の中であった、酸味は腐敗物や熟していない果実のシグナルであり、苦味は毒物のシグナルであるということは、大人である私たちであれば認識できていると思うが、小さい子どもにはまだ分からないかもしれない。これらのシグナルのことを小さいうちから理解していれば、体に害のあるものを食べずに済み、自分の身体を守ることにつながると考えた。
 また、今回は家庭科の授業として島村先生に来ていただきお話していただいたが、家庭科だけでなく、理科や保健の授業の中でヒトのからだを学習する単元でも活用することができるのではないかと考えた。
 約1時間半という短い時間でしたが、とても内容の濃い講義でした。興味深い内容ばかりで、とても面白かったです。今回体験したことや学んだことは、私の中で記憶に残ると思います。この記憶を大切にし、教師になった際に「こんな経験をしたことがあるよ」「こんなことを学んだよ」と子どもたちにぜひ教えてあげたいと思いました。また、島村先生が味覚修飾植物の研究を始めたきっかけも教えていただいたので、もし私が今後関わっていく子どもたちの中に疑問を持っている子がいたら、その子の疑問を大切にし、思う存分たくさん調べてもらいたいと思いました。



Oさん 

 本講義では、全体を通して驚きの連続だったが、私が一番興味を持ったのは、「人にとってのおいしさとは」の項目である。その中でも、特にBについては今まで想像もしていなかったので、とても驚いた。ここから、人間の味覚の発達について考えられた。
 人間の好き嫌いは、第一印象や雰囲気、そして経験が影響される。経験というのは例えば、子どもの頃はコーヒーや抹茶などの苦いものが嫌いであったが、大人になると好んで摂取するということである。これは、人間がはじめは“苦みは身体にとっての毒である”認識しているが、経験(もしくは学習)を重なるにつれ、すべてが“苦み=毒であるわけではない”、ということを理解するためだ、ということが分かった。
 味覚修飾植物は今後、ダイエット(例:甘みを感じさせにくくして食欲を減らす)や医療分野(例:甘みを感じやすくすることで、糖尿病患者に健康で満足のいく食事を提供し、生活習慣の改善を図る)での活躍が期待されている。その他にも、子どもをはじめとした様々な人に、味覚についての疑問や興味を持たせ、味覚について知ることを促す手助けにもなるだろう。
 “食”は“生きる”ことである。味覚について学ぶことで、「健康に役立つ食とは何か」を知り、健康と生きる喜びを手に入れるために一歩である。“自らおいしさを手に入れる力を育み”、健やかな身体づくりを促進する。
 ミラクルフルーツについては、これまでにもテレビで見たことがあった。しかし、認識としては、「何を食べても砂糖のように甘くなる」と思っていた。だから、本講義で甘くなる仕組みを知り、実際に試してみて、ミラクルフルーツについて正しい知識と経験を持つことができて良かったと思う。これまでの大学の講義ではあまり食育についてのイメージはわかなかったが、本講義やこのレポートを通して、食育の大切さを知り、そして教師がそれについての知識を持っていることの必要性を考えることができた。今後の講義や実習などを通して、さらに発展させていきたい。

■参考文献
・miiku日本味覚協会
〜食育の原点は味覚から。「おいしさ」を伝えるプロになる〜 http://miiku.jp/



Pさん 

 これまで私は味覚というと食を楽しむものであったり、おいしいものを食べて満足したりなど、他の視覚や聴覚、嗅覚や触覚に比べて人間にとってそこまで重要でないように思っていた。しかし今回の講義を通して、味覚も他の五感のように生き物にとって自分の身を守るために存在しているのだということを学ぶことができた。ヒトは味覚を通して自分に必要な栄養を摂取し、そして、腐敗したものや毒物など体内に入れると悪影響を及ぼす物質を拒絶するための働きをももつ。ヒトの中でも特に赤ちゃんの頃は味を感じ取るセンサーの役割をもつ味蕾が成人よりも3000〜6000個多く存在する。赤ちゃんがなんでも口の中に入れるのは、脳に知識が少ないため敏感な口の中で物質についての情報を得ようとしているのである。また、ヒト以外の生き物にとってとっても味覚は大切な感覚であり、例えばナマズは視界の悪い環境の中で生きてゆくためにヒゲと体の表面に味蕾を集中させ、水を通して危険を察知したりエサを確保したりしている。さらに、止まっているハエを観察すると手をこすり合わせている様子を見ることができるが、ハエは手のひらに味蕾があり、こすり合わせることで味蕾の掃除をしているのである。このように、生き物にとって味覚は大切な感覚であり、生き物によって味蕾の数や集まる位置が違ってくることも分かる。それぞれの生き物がそれぞれの環境の中で生き残っていくために適切な箇所に味蕾が存在しているのだ。
 これらの事柄だけでも、味覚について学ぶことの重要さが分かるが、このことに加えて、味覚の機能を維持することの大切さも学ばなければならないと思う。特に私たちは将来、子供たちに何かを教える立場になる。そうなった時に味覚についての知識があるのとないのでは子供に教えるときの説得力に差が出てくるのではないか。仮に、子供たちに「しっかり歯磨きをしなさい」と言うときに「虫歯になるよ」と理由をつけるのかそれとも「将来入れ歯になったら味覚が鈍って食事が楽しめなくなるよ」というのではこどもたちの歯に対する意識も全然違ったものになってくると思う。他にも、現在若者に増えている味覚障害を防ぐためにも味覚について学ぶ重要性はとても大きいと私は考える。
 最近では味覚修飾植物が発展していることも学んだが、私はミラクルフルーツというものが存在していることを今回の授業で初めて知った。こんなにも医療に役立ちそうなものの知名度が低いことに驚いたが、これから生活習慣病の増加に伴ってその知名度も高くなるだろう。しかし私はそんな時こそ味覚について学び、自分の健康についての意識を高めることでミラクルフルーツの出番を少しでも減らせることができればと考える。
 今回の講義を通じ、味覚について学ぶことができたのは本当に良かったと思う。そしてそれ以上にわたしは教師になる上で知識量というものが大切なってくるということを改めて感じることができた。何かを教えるときに中心となる事柄に加えてその周辺についての知識があることによってメインの事柄がより深みを増してくると私は考え、だからこそ教師は常に勉強し続けなければならないと強く感じることができた。そのためにも、情報に溢れる現代社会において正しい情報を見極める能力というものが私たちにとって大切になってくるのではないだろうか。



Qさん 

 私自身、食べることが大好きで、味覚についてはとても興味のある分野であるのと同時に、それについての知識が極めて少ない分野である。というのも、今までの生物の学習で味覚についての学びはしてこなかったからであり、味覚地図くらいしか学んでこなかった。しかし、この講義では味覚地図が間違いであるという話もあり、自分は味覚についての知識はほとんどないのだということをあらためて感じた。味を感じるしくみについて、乳頭の中にある味蕾で味が判別されるというのも大きな驚きであった。まず、味蕾という言葉を初めて聞いた。味蕾で判別されたものは電気信号として脳に伝えられる。味は脳で感じているというのはイメージがわかないが、人間の体の仕組みというのはよくできているとあらためて感じた。脳での味の認知の仕組みを見ると、扁桃体で価値判断をしている。人からおいしいと聞いたものはおいしく感じたり、オーガニックと聞くとおいしく感じたりするのは気のせいではなく、科学的に証明されているものなのだと知ることができた。そして、生き物によって味蕾の数が違うということにもとても感心した。味蕾のある場所を見たとき、最初はなぜ喉に味蕾があるのだろうと疑問に思ったが、二酸化炭素をそこで感じていて、「のどごし」を感じるのはそのためなのだとわかった。
 人は、経験と学習によりうまみの相乗効果を利用したり、その他の工夫を凝らしたりと、おいしさを追求してきたことがわかる。味というのは五感を使って感じるものであり、味覚だけでなく嗅覚、触覚、視覚、聴覚、環境(雰囲気・心理状態)などを使って究極のおいしさを生み出している。飲食店は、商品の味はもちろんだが、その他のところでも努力をしておいしさをお客様に提供しているのだろうと考えた。自炊をする際にも、食べる環境、お皿や盛り付けを工夫することでおいしさは加算されるのだと感じた。また、工夫を凝らしても、生理的欲求、文化、情報、薬理学的に基づくおいしさを考えると、何をもっておいしいと思うかは断言できなく、その時々によって変わるのだということも同時に感じた。
 次に、味覚修飾物質について書く。ギムネマを舌にこすってから甘いものを食べると甘く感じなくなるという実験にはとても驚いた。それに加えて、体内への糖の吸収が抑えられるというのにはより感心した。ミラクルフルーツも酸っぱいものが甘く感じることができ、とても驚いた。これらの味覚修飾物質の今後の展開についてだが、私は、ダイエットや糖尿病の治療に関してとても役立つのではないかと考えた。ギムネマが糖の吸収を抑えると聞いたとき、糖を多く含む食事の前にギムネマを胃に入れれば食べたことをなかったことにしてくれるのではないかと考えた。そして、ふと今自分が飲んでいる「カロリミット」のことを思い出した。カロリミットとは、食事の前に飲むと糖の吸収が抑えられるというCMでおなじみのダイエットサプリである。その成分を見てみると、なんとギムネマが入っていた。すでにダイエット食品に使われていたのである。気になった私は、ほかにもギムネマが入っているサプリはあるのかと調べたらたくさんのサプリがあり、中でもファンケルからは「ギムネマ」という名前のサプリも販売されていた。ギムネマが多く入っている順にランキングがつけられているサイトもあった。今ギムネマはとても注目されているのだとこれらの結果から感じることができた。ミラクルフルーツについては資料にも書いてあったが、甘味剤として役立つと思った。今、低カロリー食品には甘味料が多く使われている。しかし、甘味料は体に悪いとされているので、安全で安心できる新たな甘味料が求められている。ミラクルフルーツは安全だと認められているので、これを甘味料代わりにできたら肥満や糖尿病で悩んでいる人にとって大きなメリットとなるだろう。そしてすでにこれらは糖尿病患者に適応されていることを知った。また、ミラクルフルーツの錠剤はネットで購入したりすることもできるが、値段が高い上に素人では効果的な使い方がわからない人も多いだろう。いろいろな方法で、もっと世の中に普及することが望まれていると感じた。
 今回の講義は本当に興味深かった。今まで味覚についてきちんと学んだことがなかったため、いろいろなことが一気に解決した気がした。食についての関心がより高まった。味覚というのは一番身近にあるにも関わらず知らないことが多すぎる分野である。もっと味覚についての教育が求められると感じた。そうすることで食べることの楽しみが増し、食に関心をもっと持つようになるのではないか。今の若者は食についての関心が特に少ないように思う。ファストフードやラーメンだけでなく、3食のバランスのよい食事を楽しみにして、ゆっくり味わう時間が必要なのではないか。その気持ちを養うために、今回の味覚について知ることなど、食育をすることが求められると考えた。将来自分が教師になった時、食育に力を入れていきたい。



Rさん 

 まず、惹かれたのがなんといっても講義の組み立てでした。最初に味覚の衝撃体験をさせることによって、自分が先生の講義を聞く姿勢が整っていました。このような体験授業は私たち大学生でも、新鮮な驚きをもって受けることができるので子供たちにこんな授業ができたのであれば、子供たちは自分の興味がそそられるまま主体的に活動をしてくれると感じました。
 この講義を通して、私が新しく知ったこととして、味覚地図が間違いであるということがあります。私は舌が感じることができる味覚の場所があるということを知って、それが信じられず、実際に舌のどの部分でこの味を感じるかという実験をしたことがあります。ずさんな実験でしたので、甘いもの、酸っぱいもの、苦いもの、しょっぱいものを舌で転がして、一番味を感じるところを調べるというものでしたが、中学生くらいの時期でしたので、まだまだ幼く先入観もあり確かにこの味覚地図のとおりに味を感じることができたような気がしていました。このような体験があったので、私は味覚地図を信じてきました。先生の講義で、味覚地図を間違いと言われたときに驚きを感じるとともに、これは子どもたちへの動機づけになるのではないかと自身の経験から感じました。私のように、味覚地図の知識があり先入観を持っている子どもにこうした自分の知識を覆される経験をさせることによって、新たな興味をわかせることにもなり、アクティブラーニングの導入にもなると感じました。
 食育が必要とされる現代の教育において、味覚に対する知識と指導は必ず必要になってくるものです。今回紹介してくださったギムネマやミラクルフルーツも味覚を変えることで、子どもたちに面白い体験をさせるだけではなく、医療などへのつながりも合わせて子どもたちにしっかりと身になる指導ができるように知見を広げていきたいと思います。
 この講義を通して、知識の大切さと体験的な学習の重要性を再認識することができました。食育や家庭科の教育に限らず、アクティブラーニングにつなげられるように今後も学び続けていこうと思います。
 貴重な講義をありがとうございました。



Sさん 

 私は今回の講義を通して、味覚と生命維持に関わりがあることを初めて知りました。今までは何かを食べたり飲んだりしたら味がするのは当たり前で、特に深い意味はないと思っていたからです。だから生き物によって味蕾の数が違うこと、人間は大人になるにつれて味蕾の数が減ることも初めて知ったけれど、生命維持活動である食と味覚がつながっていると分かりとても興味がわきました。また、味覚地図が間違いということも衝撃でした。授業でも習ったことがあったからです。しかし、今まで辛い物や苦いものを口にするとき、少しでもそれらの味を紛らわそうと舌で味わう場所を変えたことがありましたが、特に変化を感じず、おかしいなとは思っていました。だから今回の講義で味は舌全体で感じるものだ、と聞いて納得することが出来ました。他にもミラクルフルーツを食べることによって、すっぱいヤシの酒や発酵したパンを食している国があると聞き、自分とは異なる食文化への関心も高まりました。
 また、味覚修飾植物の今後については講義でもあったように肥満改善のために非常に役立つと思いぜひ研究が発展してほしいと思いました。私自身食べることが好きで、その中でも甘いものは特に好きなので時々食べ過ぎてしまうことがあります。だから味覚修飾植物が甘味剤として広く使われ、カロリーを抑えられるのならば、肥満を意識しているけど食べたいとか、実際肥満だから控えなければだけど食べたい、いうストレスの解消になると思うし、また、体にも良いのではないかと思いました。また、私自身がそうだったように、食は人にとって欠かせないものであるから、味覚の不思議を扱う授業は子どもたちの多くの関心を集めると思いました。家庭科や理科の分野だけではなく、肥満や糖尿病といった医療現場での観点からすれば保健体育でも扱えるし、味覚修飾植物の原産地といった観点からは社会科につなぐこともできると思います。そして不思議体験の根本にある味覚についても、深く知ることで、そこから他分野へつないで多くの事の関心を高められると思うので、子どもたちが学ぶ内容としては重要なものであると考えました。
 もともと私は味覚というものに興味があったので、今回多くの初めてのことを学べて益々味覚への関心が高まりました。特に好き嫌いや人にとってのおいしさについては、これから教育者として子どもたちに関わるうえで大切だと感じました。味の感覚は人それぞれだし、同じものを感じることはできません。でも仕組みを知っているだけでもアプローチの仕方が変わるだろうし、少しは「おいしく楽しい食」を提供できるかもしれません。また食育が推進されている現代だからこそ、将来教えるとしたらどんな内容がいいのだろうか、何を伝えればいいのだろうかと考えることが度々ありました。そして今回、食べ物中心ではなく、味覚について知ってもらうことも食育の新しい切り口として面白いし、味覚は自分の体のことだから身近な教材として興味を持ってもらいやすいかなと考えました。今回学んだことは本当に面白くよりよい食生活にも役立つと思うのでぜひ子どもたちにも教えてあげたいです。



Tさん 

 島村先生の講義を受けて興味を持ったことは、ヒトの五感についてです。今回は味覚に注目して学習することでヒトの体の仕組みを学ぶことができました。講義を受けてはじめて知ったことがいくつかありました。
 1つは、味覚地図は間違っていると言うことです。味覚地図というものはどこかで見たことがあり強く印象に残っていました。そのため、苦手なものを食べるときに意識することもありました。しかし、ギムネマやミラクルフルーツを使って味覚体験をする際にしっかりと舌全体にギムネマの葉やミラクルフルーツのタブレットをこすりつけていないと甘さや酸っぱさを感じました。このことから味覚地図は間違っていることを身をもって体験することができ、今までの考えが間違えだったという驚きにより味覚に対しての興味が湧きました。ギムネマやミラクルフルーツによる不思議体験を通した味覚教育は子供から大人まで楽しみながら学ぶことができる教材になると思うのでどこかで機会があったら使っていきたいです。また、今回教えていただいた2つの食べ物以外にも何種類かの味覚修飾植物が存在するようなので体験してみたいです。
 もう1つは味を感じる仕組みです。味を感じるためには食べ物と唾液が混じり水溶液になることが必要で、乳頭に取り込まれ味蕾で味が判別されると言うことで、味蕾とはどういったものなのか詳しく説明していただいたので味蕾の数によって味の感じ方が変わってくると言うことがよくわかりました。味蕾での味の判別方法を「鍵」と「鍵穴」の関係に例えられていましたがとても簡潔で分かりやすいと思いました。児童・生徒に説明する際にも何かに例えると難しいことでも理解することができると思うので教育の仕方として参考にしていきたいです。赤ちゃんの味蕾の数が成人に比べて多い理由は、赤ちゃんはモノを判断する際に口に入れて判断するため体に悪いものを口に入れてしまった時にすぐに対応できるためと知って、ヒトの体の仕組みはさすがだと思いました。年齢によって味蕾の数が違うことも味覚の不思議であり、奥深いところだと思うので、他の動物ではどうなのかを機会があったら調べてみたいです。また、ヘビやニワトリには味蕾が2・3個しかない理由も論理的に説明してくださったので納得することができました。
 今回は、家庭科の授業の一環と言うことで味覚についての知識を得られることができてよかったです。味覚に焦点をあてて学習することは今までになかったので知らないことがたくさんありました。普段当たり前のように美味しいものを食べて当たり前のように過ごしているが、もっと味覚に関心をもって過ごせば「食」に興味をもち、残しものなどが減るような気がします。また、味覚だけでなく他の感覚についても知っているようで詳しくは知らないと思うので勉強してみたら面白い気がします。自ら学ぶ機会を作り、子どもたちに伝えることができるような教師を目指したいと思う講義でした。



Uさん 

 この講義を受けて感じたことは、味覚は五感の一つであり、普段の生活の中であまり意識されないことであるが、ギムネマやミラクルフルーツを授業に取り入れることによって、身体の仕組みや不思議、食べ物などにも興味を持つきっかけとなるのではないかということだ。
 私自身、今回の講義で初めてギムネマとミラクルフルーツという名前を耳にし、実際に口にするという体験をした。これまでに味覚に対して意識を向けたのは、同じ系統の味で濃いものを先に食べてしまって、その後に薄いものを食べてしまって、その味がはっきりと分からなかった時である。それに加えて、ラーメンなど味が濃くてしょっぱいものを食べた後に、アイスなど甘いものが食べたくなってしまう時である。普段は味覚が機能していることが当たり前であって、ギムネマやミラクルフルーツによって味覚が変化することに関して最初は疑いを抱いていた。
 まずギムネマを体験して、確かに甘みを感じなかったが、私はそれでも信じなかった。何故なら、言い聞かせることや思い込みによって、そう感じていると思ったからである。しかし、味蕾という味を感じる仕組みを知り、人間の味蕾の数や他の動物との比較をすることで更に味蕾に関する理解が深まり、一時的ではあるが味覚が変化したことが容認することができた。続いて人間の身体の仕組みの本能的な部分を学んだ。確かになぜ味覚は甘味、塩味、酸味、苦味などを感じるようにできているのかという根本的なところについて考えたことはなかった。知らないことや深く考えてみなかったことを専門家に教えてもらったことによってより印象に残っている。こうして今、パソコンと向き合い、文字を打ち込んでいる最中もこの講義を鮮明に思い出すことができる。うま味は日本人が発見したこと、辛味は味覚で感じるものではなく体性感覚であること、渋味とえぐ味は苦味と口内感覚が合わさったものであることなどいくつもの驚きが重なって記憶に強く残っている。授業の最後にはミラクルフルーツの体験をして、酸味が甘味に感じられた。実際に体験することで全身を使い、頭にも強い刺激を受けた。
 味覚修飾植物の今後の展開については栽培環境が整備され、大量生産が可能になり、経済面にも大きな負担にならなければ単なる「美味しい」とはひと味違った味覚教育の実現に近づくであろう。学校現場にも導入されることになれば、家庭科の教科目標にもあるように体験的な活動を通して学ぶことができる。味覚について知ることの重要性は、大いにあると今回の講義を通して強く感じた。前述のように味覚は五感の一つである。身体の機能について学ぶことによって子どもが自身の身体を大切にしようとする思いが芽生えるかもしれない。また、ギムネマやミラクルフルーツを通して、植物や化学などに興味を持ったサイエンスキッズの増加につながるかもしれない。最後に、授業展開の仕方の中で、特に実際に食べるという体験を取り入れた活動は今後教師になる上で参考になる実践例であった。



Vさん 

 私は今回の講義を聞いて、味覚に対する知識はかなり向上したと思う。とは言ってももともと、味覚に対して自ら興味を持って本やネットなどで調べたり調べた経験があまりなかったため、テレビ番組などで取り上げられているものを見ただけで味覚については何となくわかっているつもりになっていた。そんな自分にとって、今回の講義は新たな発見の連続であり、講義は最初から最後まで私の好奇心を刺激してくるものであった。
 そんな講義の中で、私の印象に最も強く残ったのは、やはりギムネマやミラクルフルーツの効果を体験したことだ。まずギムネマを食べたのだが、この衝撃は大きかった。私はこれまでの人生で味覚障害になったことがない。何かを食べた時に何かしらの味があるのは当たり前のことだと思っていたし、用意したチョコボールは甘いものだと思っていた。しかし、ギムネマを食べてから食べるチョコボールは、周りにぐにゃぐにゃしたものがついたピーナッツだった。先生もおっしゃっていたが、味覚障害の疑似体験を「甘さ」にだけ限定して行ったのだ。味覚障害のつらさのすべてが分かったというわけではないが、そのつらさの一部は知ることができたと思う。味覚障害に限らず、体験してみないと分からないことは多いし、自ら体験したことほど記憶に残るものはない。このギムネマを使って味覚障害を体験し、その原因の一つである食事について考える教材として使えると思った。
 ミラクルフルーツのタブレットを食べると、さっきまではすっぱくて少しずつしか飲めないと思っていたレモン汁が甘く感じられた。これを体験してみて思ったのは、先ほどのギムネマが教材として使えるなら、ミラクルフルーツは医療現場で使われる場面の方が多いと思った。先生もおっしゃっていたように、糖尿病などで糖分の摂取を控えなければならない人がどうしても甘いものを食べたくなってしまった時に使うというのが最もいいと思った。
 私たちが普段の食事で感じる「おいしさ」が分類できるという話も印象的だった。中でも「情報に基づくおいしさ」の話が個人的におもしろかった。この話を聞いている時に私は、これは人間特有のものだなと考えながら聞いていた。(実際、扁桃体は温血動物になってから発達したらしい。)コーヒーが苦いもので子どもはよく嫌うが、大人になってコーヒーについての知識が増えることでその苦さを美味しく感じるようになるという話が私にとって分かりやすい例だった。今回の講義でも触れていたように、味覚の中で苦味は本来体が毒だと認識するグループである。その苦味をおいしく感じられるようになるということは、情報に基づくおいしさの力の強さをよく表した例と言えるのではないかと思った。先生は「ワインソムリエは普通の人より味蕾が多いか。」という切り口から、味が分かることはそれについての知識が影響しているという話をしていたが、それも知識による影響が分かるいい例だと思った。
 今回の講義を受けて、私の中で味覚に対する興味が膨らんだと思う。自分が普段食べるものに関心を持ち、よく知ろうとすることは食育の面から考えても大事なことである。味覚という切り口から食育の問題に踏み込む授業を作ってみたいと思った。

■参考文献 www.hugly-lovely.jp/kiso/second01.php



Wさん 

 我々は、味覚を当たり前のように感じてしまっているから、そのメカニズムがどうなっているかといったりすることは、あまり考えたことがなかった。今回の講義では、それらが明らかになったように思う。例えば、我々が感じている味にはそれぞれ度合いがあるということだ。酸味や、甘み、塩味などを脳で認識しているが、その中で苦味や酸味というのは最も感度が高い味のようだ。苦味は食べ物に毒が含まれているかどうか、酸味は腐っているかどうかというのを教えてくれるシグナルの役割を果たしており、いち早く脳に察知させることで、我々の身を守っているのだ。これを聞くと味蕾の数が成人に比べて、赤ん坊のほうが多いという話にも合点がいく。赤ん坊は自分を守る術が少ないため、防衛策として成人に比べて味蕾の数が多く存在しているということだ。
 もう一つ印象に残ったのが扁桃体の持つ機能についてである。扁桃体は、我々の脳の側頭葉の奥に存在する神経細胞の集まりであり、大脳辺縁系の一部であると考えられているらしい。扁桃体は、味の認知において価値判断をする機能を司っており、例えば震災の風評被害を受けた野菜や果物はおいしくないと判断したり、行列のできるお店はきっと美味しいだろうと感じているのはこの扁桃体が原因であるのだ。我々人間は、食べることが好きという人がいるぐらい食に親しみを持ち、楽しんでいる動物である。それができるのは、この扁桃体のおかげであるのではないかということを今回の講義で強く感じた。
 今回、ギムネマとミラクルフルーツを使った体験をして、我々が普段味を感じることのできるということが大切なことと味覚修飾植物がすごいものであるということを知りました。味覚障害というのが、名前は聞いたことがあったけど、実際にどんなものであるのかというのは文章だけではなかなか理解できないことなので、今回の体験でその状態を一時的に体験することができ、どんな気持ちで障害を抱えているのかというのが少しわかった気がする。
 また、医療現場にも活用されていることが印象に残りました。糖尿病患者に対する低カロリーで健康な甘味剤として使われていることはもちろん、これらを摂取することで、健康的に満足感を感じることができるというのはすごいことだと思います。栄養を摂取しながらも、満足感を得ることができるということに味覚修飾植物の持つポテンシャルの凄さを感じました。
 加えて、味覚修飾植物を使った教育の影響が与える効果についても、ミラクルフルーツを使った体験などをすることで、食育や科学に興味を持ったり、味覚の仕組みについて知ることができるので、学校教育においても推し進めていく事ができればいいのではないかと感じた。
 今回の講義を受けて感じたことは味覚のことはもちろんなのだが、その他のことで2つすごいと感じたことがある。
 1つは先生の講義の仕方である。今回はパワーポイントを使った講義であったのだが、それらは今日の大学の授業ではよく見る光景である。だが、今回の講義ではそれにとどまらず、実際に味覚修飾植物を体験するという形式の講義は楽しく記憶にも残る講義であった。文章だけ読んでも、どうしても感じにくい部分を、体験を通して補うことができ、それを体で感じて共有することができるのは、教員志望の私にとって参考にしたいやり方であるように感じた。また、マンガを取り入れた資料やユーモアも含めた軽快なトークは何度も講演活動をされているということで、洗練されているように感じた。
 2つ目に感じたことは、先生の探究心に関して、である。講義の中で先生は高校生の頃に読んだ本の中でミラクルフルーツのことを知り、興味を持ったことがキッカケで研究を始めたらしい。当時の日本ではミラクルフルーツの存在は未知だったのだが、研究を続けた結果、現在では医療現場にまで取り入れることができるようになった。最初は、興味を持ったから始めた研究が、人のためになったというのは素晴らしいことであるし、不断の探究心が実った形であるように私は感じた。私も臨床心理学のコースに所属しており、来年には卒業研究をしていく立場の人間である。臨床の論文は誰かの為になるような内容ということが根本としてあり、今回の講義にはところどころ関連があるような気がした。研究には、再現性、新規性、妥当性というのが観点になっているが、探究心を持って私も取り組んでいきたいと今回の講義を聞いて感じた。
 このような貴重なお話を聞くことができて本当に良かったと感じている。貴重な時間を使って講義をしてくださった島村先生に感謝してこのレポートを終えたいと思う。

■参考文献
・本時の配布資料
・扁桃体 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%89%81%E6%A1%83%E4%BD%93
・島村光治のホームページ http://www.taste-m.com/index.html



Xさん 

 私は、「家庭科」の授業ということで講義を受けましたが、この講義は様々な教科、領域、分野と関連していて、自分の考えを「教科」という制限で縛ることなく、自由に広げることができました。その中でも、自分が一番考えさせられたのは、自然の偉大さについてでした。講義では、味蕾の数、味の感じ方などについて話を受けましたが、それを人間だけでなく、他の生き物とも比べるという時間がありました。そこでは人間と他の生き物での違いについて知ることができました。しかし、そこではただ単に違いについて知るということだけでなく、なぜそのように違いが生じているのか、その生物学的な理由についても学ぶことができました。自分はそのように表面的な知識ではなく、その先、背景まで教えていただいたことで、さらにその内容について興味、関心をもち、考えることができました。また、この点では理科の内容や、人間の体のつくりなどとの関連性があると思いましたが、家庭科の授業に限らず、どの教科でもこの講義のような、生徒の考えを広げられるような授業の工夫はとても重要なポイントであると思いました。
 今回体験したギムネマの実験、ミラクルフルーツの実験は今までに体験したことがなく、さらにその効果を非常にはっきりと感じることができたという風に思いました。このことから、それらの植物は、現代、社会問題となっている肥満や、糖尿病などの生活習慣病の治療に役立てられるということに実感を持つことができました。また、学校現場においてもこのような体験は非常に効果的であると思いました。例えば、家庭科の「食」に関する授業で用いることで、自分に身近な食べ物にどのような成分が含まれているのか、自分の味覚を使って実際に体験することができると思います。そうすることで児童の興味、関心を刺激し、より学習に意欲的になることが期待されます。どちらにせよ、このような植物を積極的に実用していくことは非常に有効なものであると、身をもって考えることができました。
 私はこの講義を、純粋に楽しむことができました。味覚に関する非常に興味深い知識に加え、ギムネマ、ミラクルフルーツの実験など、内容は盛りだくさんでしたが、最初から最後まで集中を切らさず、授業に意欲的に臨むことができました。自分もこの先、このような授業展開ができるよう、工夫をしていきたいと思いました。また、味蕾(未来)の多い子どもたちのためには、このような体験的学習が非常に効果的であると思いました。ただ面白かっただけで終わらせるのではなく、この講義、経験を自分のために活かしていきたいと思います。