私は今までミラクルフルーツとギムネマという食べ物を見たことも聞いたこともなかった。人間は味蕾という舌の感覚受容器で味を感じている。味蕾で味というものを電気信号として脳へ送ることは知っていたが、舌以外に喉にも味蕾があることは初めて知った。講義が始まって少ししてチョコレートを食べたがその時に喉でも確かに甘さを感じたな…と思い出し納得することができた。また、他の動物にも味蕾がありウサギは約17000個、ウシは約24000個、ナマズは約200000個ある。この中でもナマズの味蕾は他の動物よりもはるかに多かった。その理由は、ナマズは沼に生息している。そのため目が悪い生き物である。そのような環境で生息するためナマズには体の表面(皮膚)にも味蕾があり、その味蕾で近くのエサや敵の味を感知している。このようにその動物にあった味蕾の数が与えられているのだと知り、動物の体はその動物の住む環境にあった作りをしていてすごいなと感じた。ナマズ以外にも舌以外の場所に味覚を持つ生き物がいる。それは、蝶やハエである。蝶もハエもどちらも手に味覚を持っている。蝶は手の味覚を使って卵を産む場所に毒がないかを確認し、ハエは手に味覚があるためよく手を擦って味を感じている。一方で蛇などは味蕾が少なく2,3個しかない。蛇は基本獲物を丸呑みするので味蕾の数が少なくなっている。このように動物によってさまざまな場所に味蕾があることがわかった。また、人間の赤ちゃんも特殊である。人間は成人では約6000〜9000個の味蕾を持つ。しかし、赤ちゃんでは約12000個もの味蕾を持つ。これは赤ちゃんが食べ物を食べてもいいものかどうかを判断するために味蕾の数が多くなっている。味蕾の数を多くすることで毒があるものかどうかを判断しやすくしている。それだけでなく苦味や酸味は毒がありそうな味であり、そういったものは味を他の味覚よりも感じやすくなっている。しかし、そういったものを食べ続ける経験などによって苦味や酸味は食べても大丈夫だと脳が学ぶ。その結果美味しく感じるようになる。よく「大人の味」という言葉を耳にするが、あれは言葉の意味そのものだったのだと知った。
味覚実験では、1つはギムネマという植物を食べて甘い食べ物を甘く感じなくなるという実験をした。最初は葉っぱ1枚で味覚はなくなるのか少し疑問を抱いていた。しかし、実際にギムネマを食べてからチョコレートを食べてみると全く甘みを感じなくなっていた。これはギムネマに含まれる成分が甘さを感じる味蕾の穴を塞いでしまったからだ。私は実際に味覚障害になるとこのような感じになるのかと疑似体験ができとても貴重な体験ができた。ギムネマを食べた後はチョコレートを美味しいとはとてもじゃないが感じることのできない味に変化した。近年若者の味覚障害が増加している。この疑似体験から自分の食生活をもう一度見直したほうがいいと改めて感じた。
二つ目の実験ではミラクルフルーツという果物のタブレットを食べ、すっぱいものを甘く感じる実験を行った。最初にタブレットを舐める前にレモン汁を舐めたがとてもすっぱかった。しかし、タブレットを舐めた後にレモン汁を舐めると少し酸味は残っていたがとても最初より甘く感じた。これはレモンの酸味をミラクルフルーツの成分がコーティングしたことによって甘く感じるようになった。あれだけすっぱいものの味も甘くなることを知り、とても驚いた。
今回の驚きの味覚体験〜ミラクルフルーツとギムネマ〜の講義を聞き味覚をどのように電気信号にして脳に伝えるのかを理解することできた。味蕾の数の話では動物によって味蕾の数が変わり、舌以外にも味覚を持つ動物がいることを知った。とくにナマズの味蕾の数、味蕾のついている場所には驚いた。また、味覚は見ためによっても美味しく感じたり美味しく感じなかったりすることを知り見た目も大事なのだと学んだ。実験で使用したミラクルフルーツは糖尿病などで甘いものを食べられない人に対しとても重要なものだと感じた。そのためミラクルフルーツの需要がもっと必要だと私は思う。ミラクルフルーツをもっと活用すれば糖尿病で苦しむ人の気持ちを少しでも楽にできるだろう。
■参考文献
島村光治:驚きの味覚体験〜ミラクルフルーツとギムネマ〜(講義でいただいた資料)