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■ 参加者の御感想


参加者の御感想

2015/11/12に実施した半田高校1年 6組の皆さんのレポートです。

講演風景1 講演風景2



Aさん 

 この講演で自分が思ったことを3つ書きたいと思います。
 1つ目は人間が味を感じる仕組みは自分が知っていたものよりもはるかに詳しく、そして分かりやすい説明だったという事です。自分が知っていたのは味覚地図で、これまで信じていました。しかし、この講演を聞いた後には「人の味蕾という器官を用いて、唾液と食べ物が混じり水溶液になった物を取り込み、味として感じられる」という説明ができるまでに変わりました。そのようになったのは間違った説を信じていたショックと新しいことを聞くという好奇心からだと思います。さらに、味蕾という器官が人間にとって必要であることと、舌の上だけではなく喉や上あごにあることもしっかり覚えておきたいです。
 2つ目はギムネマやミラクルフルーツのような味覚修飾植物の存在を初めて知ったことです。参考資料の漫画のようなことになるのかという疑問が最初に浮かびましたが、それと同時にこんな実験を行うのかという期待も出てきて、わくわくしていました。いざ実験してみると味の変化にとても驚きました。これは楽しむだけのものではなく、医療の観点からも応用が可能であることを知り、納得しました。
 3つ目は2つ目と少しかぶりますが、ギムネマやミラクルフルーツを有効活用する方法をもっと見つけることです。味覚障害の予防な教育に使ったり、糖尿病患者に役立つ方法をもっと研究してほしいです。
 最後にこの講演を聞いて一番感じたこと、それは「人間の味覚などの五感はとてもすごく、なくてはならない」という事です。この講演の事を忘れずに将来、学んだ事を活かしていけるようにしていきたいです。



Bさん 

 私は味蕾の数の違いが単なる知能指数によるものだと思っていましたが、ナマズなどのように生活環境によりその数が異なるという事を知って驚いた。また、好き嫌いが幼いころに受けた印象によって決まるとは知らなかった。
 味覚修飾植物の展開についてですが、ここ数年、日本では成人型2型糖尿病をはじめとする疾患が増加傾向にあります。また、欧米から取り入れられた食習慣により、肥満が社会問題となっています。ただ糖分の摂取を控えるというだけでは、彼らが辛いと思うので、先生が栽培を確立されたミラクルフルーツをはじめとする味覚修飾植物は医療面で需要が増していくと思います。ただ、東南アジアや西アフリカなどの原産のやめ、日本では自然に栽培できず、現状では環境、コスト的に安定した供給は難しいと考えます。また、酸っぱいお菓子のレシピ開発やそれに対応する病院、施設での普及を今後考えていくべきだと思います。
 今回、先生の講演を聞いて思ったことは、味覚の研究から見える日本の未来です。現在、日本の食料自給率は先進国の中でもかなり低い位置にあります。また、日本特有の食文化であるバランスのとれた食事(一汁三菜など)が欧米の食文化によって失われつつあります。そのため、栄養バランスが偏り、肥満や栄養素の欠乏などが問題になっています。そこで、味覚修飾植物を使って塩分の摂りすぎを防いだり、子供の好き嫌いの改善などに生かせると思います。マグロにアボガドでトロの味など、味覚修飾ではないですが、高価な物でも一般の方が買える安価なもので再現し、食を楽しむことができるようになるという技術が増えることを期待しています。そして、味覚修飾植物研究の発展、味覚研究の発展が進むような環境を国が整備していってほしいと思っています。これらの整備によって日本の食文化や正しい味覚教育の世界基準となることを期待しています。

■参考文献:家庭の医学 成美堂出版 2010年



Cさん 

 普段なかなか聞くことのできないお話を聞くことができました。ありがとうございました。
 さて、この講演会は「味覚」がテーマでしたが、正直、僕はそれについて深く考えたことは今までなかったと思われます。人が食べていくことは当然だからでしょう。当たり前であることを考え直すという機会はなかなかありません。そういう点からも今回の講演は当たり前の中にある当たり前でないことを見直すきっかけを与えてくださったと思っています。
 島村先生の講演会は実際にギムネマの葉やミラクルフルーツを用いたりするなど、全員体験型であったのが、何よりも良いと思いました。今までの講演会というのは、正直、話が難しかったり、長かったり、興味が湧かなかったりと、そこまで講演会自体に楽しいイメージがなかったのですが、島村先生の講演会は違いました。
 深く内容を理解できたからこそ、自分の中で様々な考えを巡らせていました。特にミラクルフルーツの味覚を変える効果や用途について、味覚はもちろん食全般に関しても考えを改められるものがありました。ミラクルフルーツの効果自体にも感心しましたが、むしろそれよりも味覚に関する研究が医療に使える可能性があるという事に驚かされました。味覚と医療、一見何も関連していないように思えるものがつながっていることは、とても素晴らしいと思います。今後も味覚に関する様々な技術が向上し、身近な生活にはもちろん、個人的には国際的に好影響を与えていってほしいと思います。
 味覚について「知り」、その応用方法を「考える」ことにより、味覚に関するあらゆる価値観を得ることができました。今後の生活において、所々で味覚の知識を思い出して行動することはもちろん、分離している2つの要素を新たにつなげられるような仕事をしてみたいと思いました。



Dさん 

 「ミラクルフルーツ」というものは、テレビで紹介されていたのを見たことがあり、今回の講義のタイトルを聞いてから非常に楽しみにしていました。テレビの放送では、タレントさん達がミラクルフルーツを食べた後にレモンを「甘い甘い」といって大量に食べていて、「なんだか恐いな」と思っていました。しかし、実際に体験させていただいて納得できました。あのリアクションほどひたすら甘いわけではありませんが、酸っぱい物が甘酸っぱく、レモンがみかんになった様ですごいと思いました。
 また、味覚の仕組みについて知らないことばかりだったので、詳しい説明で学ぶことがたくさんありました。幼い頃は苦い食べ物や苦い食べ物が嫌いで食べたくありませんでしたが、今ではほとんど平気になって、好きになった食べ物もあります。「大人になったんだよ」と親からは言われますが、なぜ大人になると平気なのか、我慢強くなっただけなのかなどと思っていましたが、今回の講義によりこの疑問が解決しました。
 味蕾の数が多い赤ちゃんのために味の薄い離乳食があること、お年寄りの方が濃い味を好むこと、すべて納得できてすっきりしました。だから、味蕾も未来もたくさんある子供たちの好き嫌いもある程度は仕方がないのかなと思いました。それに、辛さは痛みを感じているものだと聞いて、驚きました。私は辛い物が好きなのでよく食べるのですが、胃の事を考えて食べようと思うようになりました。
 私は味覚について詳しく知ってこのように考え方が変化したり、発見することがありました。島村先生にはよりたくさんの場所でこういった講演を続けてもらいたいです。



Eさん 

 小学校の頃、半田市主催のサマーアタックに参加し、島村先生の講義を聞いたので先生の講義は2回目になります。その時もギムネマやミラクルフルーツを食べて味の変化に驚いたのですが、仕組みは覚えていなかったので、今回なぜ味が変わるかについてはっきりと分かって楽しかったです。
 味蕾のお話では、鍵と鍵穴の関係に例えることで分かりやすく理解できました。味蕾自体は0.08mmと小さいですが、6千〜9千個もあるので、口の中は味蕾で埋め尽くされていると思いました。味蕾の数の質問で、私は「舌の広い人が味蕾の数が多い」と思っていたのですが、赤ちゃんと聞いて、赤ちゃんは舌が小さいので、舌の大きさは関係しないことが分かりました。ナマズは体に触れただけで味が分かるように味蕾が20万個もあると聞いて驚きました。そんなにあって便利だなと思いましたが、濁った場所に住んでいるから目が悪いという理由があり、面白いと思いました。ヘビの2個には本当に驚きました。
 また、辛さは味覚じゃないという事を初めて知りました。それと同時にうま味が味覚であることに驚きました。辛さについては小さい頃、唐辛子を触っていて、手がとても痛くなったので、味蕾ではなく神経を刺激する、すなわち体性感覚であるということは「なるほど」と思いました。
 医学的な話として、「味覚障害」の事を知ることができました。誰でもなりうる可能性があると分かり、食べ物を美味しく食べるためにも、今のうちからしっかりと亜鉛を含む食材を食べようと思いました。
 貴重なお話をありがとうございました。



Fさん 

 私は講義を聞いて、味覚地図が間違いだという事を知りました。それまでは特定の味を特定の場所で感じていると味覚地図に疑問を持っていたが、特に調べもせず信じていました。味は実際には口の中全体で感じていることをとても分かりやすく説明して下さり、理解することができました。また、味を感じる味蕾が舌だけではなく、喉や上あごにあることにも驚きました。よく「喉越しが良い」などと聞きますが、本当に喉で味を感じていたんだなあと思いました。
 私は味覚修飾植物について、ミラクルフルーツは名前を聞いたことがありましたが、その他のギムネマやクルクリゴなどは全く知りませんでした。私はミラクルフルーツの大きな種を品種改良によって小さくすることはできないかと思いました。そうすることによって実の部分をおおきくさせ、新しい甘味材としてよりたくさん収穫することとなると思うからです。食生活の変化により、肥満の人が増えた現在、酸っぱくてカロリーが低いお菓子を食べた満足感が大事になってくると思います。
 講義はとても分かりやすく、聞いていて面白いな、もっと知りたいなという気持ちが湧いてきました。意外と知らない味覚について知ることができて、有意義な時間を過ごせたことをとても嬉しく思います。