ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト(ミラクルフルーツ・味覚・ギムネマ・ミラクリン・食育・ミラクルフルーツ)

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■ 参加者の御感想


参加者の御感想

2015/06/02に実施した上越教育大学 教育学部3年の皆さんのレポートです。

講演風景1 講演風景2



Aさん 

 今回、島村先生の講義を聞いて私たちが味を感じる仕組みがよくわかりました。舌には味蕾という味覚を感じるものがあることは初めて知りました。よく今の若者は「味覚音痴」とか「舌が馬鹿になっている」と言われますが、それは亜鉛不足が原因だということがわかりました。私も一人暮らしをしているとついついカップラーメンやコンビニのお弁当などで食事をすませてしまいます。しかし、このような加工食品には亜鉛が含まれておらず、またこれらに多く含まれている添加物が体内の亜鉛を追い出してしまうことがわかりました。このようなことは食育として子どもたちにも伝えなければならないことだと思いました。また、甘味苦味などのうま味を発見したのはすべて日本人ですから、それらのことを誇りに感じ、もう一度和食のすばらしさを見直していきたいと思いました。
 また、ナマズは目が悪いために20万個もの味蕾があることにはとても驚きましたし、ライオンは肉食動物というだけでなく、草食動物の小腸から食べて食物繊維を摂取した後に肝臓、すい臓を食べてビタミンやミネラルを摂取し、それから筋肉食べるという、私たちがライオンのエサとして最もイメージしていた筋肉が、実はおまけに過ぎないということがおもしろいなと思いました。動物たちが生きやすいようにうまくできているなと思いました。こういったことも今まで知らなかったことなので子どもたちも興味をそそられるような内容だと思いました。
 そして、ギムネマやミラクルフルーツのおかげで私たちが救われるかもしれないということもわかりました。まず、ギムネマは腸で糖分を吸収させないというはたらきがあるので糖尿病の人に役立ちます。血糖値の上昇を防いでくれるので糖尿病患者が増加している現代においては朗報だと思いました。次に、ミラクルフルーツです。これは酸味や苦味と合体して甘味を感じる味蕾に入るので、酸っぱい物や苦い物を甘く感じさせる効果があります。なので、糖尿病の方は糖分を摂取するのは控えた方がいいですが、見た目はドーナツでも実はすっぱいドーナツをこのミラクルフルーツと一緒に食べることで、糖分をとらずに満足感を得ることができます。他にもクルクリゴやストロジンなどの植物もありますが、天然のでんぷんから作られるトレハロースも砂糖を使わずに甘みを出すことができるので、こういったものも糖尿病の方には良いと思いました。
 よくゼロカロリーと書かれたゼリーや炭酸飲料なども目にします。これらも糖尿病の方に良いのではないかと思って調べてみると、これらには砂糖が入っていない代わりに人工甘味料が多く使われていることがわかりました。
 このようなことを踏まえると、やはり自然の植物であるミラクルフルーツがどれだけすばらしいものなのかよくわかりました。しかし、まだまだこの存在を知らない人が多くいます。私が介護体験に行った施設でも糖尿病の方は甘い物を食べることが控えられていました。ギムネマやミラクルフルーツが一日もはやく一般的に用いられ、糖尿病の方も甘い物が食べられるという満足感が味わえるようになるといいなと思います。



Bさん 

1.講義で感じたこと、分かったこと、興味を持ったこと
 今回の味覚教育を受けて、初めて知ったことや興味深いことがたくさんあった。私が講義を聞いて驚いたことは、味覚地図は存在しない、間違いであるということだった。いつだったのかそこまでははっきりと覚えていないが、昔、テレビで、「人間が味を判別するのは、人間の舌には味覚地図というものが存在し、そのところどころで感じる味覚が違う。だから苦い粉薬を飲むなら苦味の感じないところに入れればいい。」とやっているのを見た記憶があった。今までそれを信じてきていたので、味は味覚地図ではなく、味蕾で判別されるということに衝撃を受けた。調べてみると、実際には味蕾は全ての味を感じることができるため、どの味も舌の全領域で感じることができる(ただし、味覚が生じる刺激強度の閾値には部位によって差がある)と書かれていた。つまり、先生がおっしゃっていた鍵と鍵穴の関係であるように、味蕾がそれぞれの味を感知し、それが脳に伝えられるということが改めて分かった。

2.味覚修飾植物の今後の展開や味覚について知ることの重要性
 味覚修飾植物の今後の展開として、資料に書かれていた、糖尿病患者や肥満傾向のある方に利用していくことは素晴らしいことだと思った。「糖分は控えめにしなさい、カロリーを抑えなさい。」と、我慢をさせることはその人にとって苦痛であるし、そのような生活を長続きさせることができるかといったら、そんな保証もない。そのような時に、味覚修飾植物を取り入れていくことで、我慢させることなく、飲食ができると思った。
 また、今回のように講義などで味覚修飾植物を利用するだけでなく、小・中・高の家庭科や理科(体のつくりなどの分野)といった通常の授業にも取り入れていき、児童・生徒に体験させることで、より充実した授業になると思った。また、このような植物を今後自分が使っていかない(医療目的で)ためにこれからどのような生活を送っていけばいいか、などと、自分の生活を改めて見つめ直す機会にもなるのでは、と思う。
 味覚を知ることは重要なことであり、楽しみの一つでもあると私は思う。近年、味覚障害を持つ若者が増えているとのことで、その種類や原因はさまざまであると思うが、味を感じることができないということは、本当にかわいそうなことである。もし私が味覚障害になり、自分の好きな食べ物の味が分からなくなったり、みんながおいしそうに食べている姿を見ていたりしたら、悲しくなるどころか、味がしないのなら何も食べたくないとなってしまうのではないかと思った。今後、このようにならないために、自分の食習慣をもっと見直し、日本食の良さについても考えてみたい。

3.自分の意見・感想
 初めて知る事ばかりでとてもおもしろい講義でした。「赤ちゃんが離乳食以降、食べ物をどのように食べていくか。」という問いに対して、「自分を産んでくれた・守ってくれる存在である親の顔を見ながら食べる、そんな親が食べているから自分も食べることができる。」と聞いたとき、人間が感じる「おいしさ」の起源とはここにあったのか、と思いました。将来、私に子どもができた時、多くの食べ物を「おいしい」と思ってもらえるよう、好き嫌いせず、楽しい食事の場を作っていきたいです。

■参考文献、ウエブサイト
検索:「味蕾」
Wikipedia https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%91%B3%E8%95%BE



Cさん 

 私は,味覚障害について,ほかの感覚障害に比べて大したことではないと感じていた。視覚障害であれば世界を何も見ることができないし,聴覚障害であれば音がない世界である。それに比べ,味覚障害であれば日常生活に支障がほぼない上に,そこまで苦痛を伴うものでもないだろう,せいぜい生まれつきの持病くらいだろう,という感覚であった。
 しかし,ギムネマの試食実験を通して,その観点は一変することとなった。感覚だけの食事が,あれほど気味の悪いものとは想像していなかったからである。光がない世界や音のない世界は体験したことがあったが,味のない世界は体験したことがなく,そっけない口の中の感覚は不気味であった。特別支援の授業で「砂を噛む感覚」が例に挙げられたことがあったが,ここまでのものとは思わなかった。チョコレートは油臭いねっとりとしたかたまりに,グミはざらざらした物体に,ガムは強烈なミントと薬品のにおいだけを残した粘土のようであった。味覚障害がどれほど辛いものか痛感した講義であった。
 講義の中では,ギムネマとミラクルフルーツの医療現場での使用が挙げられていた。ミラクルフルーツの甘味を感じる効果は,糖尿病の患者の方にとても有効であると感じた。甘いものを感じられないことがどれだけ苦痛であるかを想像すれば,この用法がいかに心の救いになるかを考えることができる。酸味の多い食材であればあまり糖分は含まず,ミラクルフルーツを口の中で広げるだけ,と手間も多くかからず手軽である。値段に関しては少々気になるところだが,治療費に準ずると考えれば,そこまで重い負担ではない。本来ならば口にできなくなった甘さが戻ってくるのである。患者の方にとってはとても素晴らしいことのように思える。
 また,ギムネマは,特別支援の教育にも用いれば効果的であると感じた。私のように味覚障害を甘く見ているまま現場に出て,適切なサポートができない…といった事例を少しでも減らせればよいと感じる。この体験をすることで味覚障害に関してもしっかりと受け止め,どうしたらストレスに対処できるか,といったケアをしっかりと考えられる場が増えてほしいと考えた。小学生の栄養教育などでも,食と味覚の重要性を認識するとともに,食べられることに感謝する機会になるのではないだろうか。戦争のころの食事の状況の学習などと合わせて,今いかに私たちの国が恵まれていて,そしてそれに感謝しなければならないか,考えられると感じた。
 総合して,味覚の重要性を認識させられた内容であった。私は食が好きである。何の制限もなくものが食べられていること,そして食べ物があるということに,今一度感謝しようと感じた。



Dさん 

 今回の味覚の講義によって学んだことで一番だと感じたことは、体験活動は何事にも代えがた知識を得られるということだ。味覚地図を信じていた私だが、それは実際の体験によって得られた知識ではなく、周りから得られた知識である。そのため、誤った知識として今日までやってきたのだが、間違いだと知ることが出来てよかった。逆に、今回の講義で経験したミラクルフルーツを食べるとものが甘く感じるといったことは、自分が実際に体験したため、正しい知識であるとわかる。少なくとも、私にとっては正しい効果が得られたということが分かる。その状態で、なぜミラクルフルーツを食べると甘く感じるのかに対して疑問を持った。自ら疑問を持ち、それを解決しようと考えることで記憶の定着に効果があると思う。そのため、自発的に疑問を持たせることが教育においても必要だと感じている。だからこそ、体験学習の重要性が際立ってくると考える。
 では、今回の体験学習がどうしてここまで私に効果的だったのかを考えると、それはやはり味覚という点にあると思う。人間の五感に働きかけるものは、当たり前だが感じることが出来る。その結果、自分の体で知識を吸収することが出来る。つまり、本や聞いただけの情報ではなく、新鮮な情報として体へ刻むことが出来るのだ。
 小学校教育において、これほど重要な学習はないと考えている。なぜなら、小学生の時期は教科書を読むだけで知識を理解し、定着させることが困難であるためである。基本的に、理科においても実験という体験を通して学んでいく。中学生以降、理科の実験に対する時間が減っていくのは、習熟度が高くなっていくためである。自らの目で見て、手を動かし、感動することからこそ、小学校時は理解していき、また自ら疑問を持ち、考察への足掛かりとしていくのだ。児童自信が考察することにそこから新たな疑問が生まれてくる。そうすることで新しい疑問をどうすれば解決できるかを児童自信が考える、または教師が補助を行い解決に導いていくことが出来れば、その部分の知識は児童に定着しやすくなる。ただ、児童自信が考察し、疑問を持つということは簡単ではない。そこで、今回の講義のように、五感に訴えかけるような体験を交えた授業を展開することが必要となってくるのだ。また、小学校時の授業は、児童の将来へ関わる場合もある。仮にこの味覚修飾植物に興味を持ち、将来的に医学や植物学へ関わる職に就きたいと思う児童がいた場合、それは実に素晴らしく、教師の仕事の一つを全うしたと私は思う。
 私は自分自身の体について知らないことがたくさんある。今回の講義によって私は一つ自分の体について知ることが出来た。この経験は非常に貴重であり、私も児童と同様になぜミラクルフルーツやギムネマを食べると味覚が変わってしまうのかということに疑問を持ち、それが味蕾をふさぐためだとわかった時の感動は忘れることが出来ない。また、これら二つの植物以外にももっと効果のある味覚修飾植物があるのではないかと疑問にも思った。このように、頭が固くなった大学生であっても先に書いたような思考のサイクルが成り立つと思うと、今回のような体験学習が児童にどれほど効果的なのか、楽しみで仕方ない。非常に私自身のためになる素晴らしい講義だと思った。



Eさん 

 今回、家庭科の授業で島村先生においで頂き、味覚について教えていただいた。中学校や高校でも授業の中で体の構造について学ぶ機会はあったが、舌や味覚について学ぶ機会は少なかった。だからこそ今回の授業で新しく分かることが多く、自分の中に入ってくる一つひとつの知識を感じ、楽しみながら講義を受けることができた。
 この講義で最も印象に残った発見があった。それは、味覚は鍵と鍵穴が上手くはまることで「甘さ」「苦さ」「辛さ」というような感覚が私たちに生まれるということだ。今まで味覚について深く考えたことがなかったから、私は単純に舌の部位によって感じる味覚が異なるのだと思っていた。言い換えれば、“甘さ”は舌の先・“苦み”は舌の奥…というように、「鍵」の部分は舌に味覚ごとにエリアが決まっているものだと思っていた。
 しかし、実際は違った。このことはギムネマの体験の中で知った。先生はまず「ギムネマを口にするとき舌全体にまんべんなく擦りつけて」と言われた。まずこの段階で私は疑問を抱いた。「“甘さ”を感じなくしたいのであれば、甘さを感じる舌の部位にだけギムネマを擦りつければよいのではないか」と私は思った。そう思うのと同時に「もしや舌全体に擦りつけないと“甘さ”を感じてしまうということなのか」とも思った。舌全体に擦りつけるか、一部分にだけ擦りつけるか悩んだ結果、私は舌全体に擦りつけた。私は講義にずんだキャラメルを持参したが、ギムネマを食べた私の舌は本来あるはずのキャラメルの甘みを感じてくれなかった。「ずんだ(枝豆)」の風味しかしなかったことには驚かされた。確かにキャラメルを食べたときのあのザラザラとした舌の感覚やいつもの噛む食感はあるのに、普段のキャラメルではないという感覚が新鮮だった。それは本来キャラメルの中の甘みの成分を受容する鍵穴として機能する味蕾が、ギムネマの効果により変形させられたことにより甘み成分を受容しなくなったことが原因であるということだ。
 この効果は約30分続く。元の鍵穴の形に戻るまでに、それくらい時間が掛かるということだ。味覚は鍵と鍵穴の関係で出来ているということを体で体験した瞬間だった。島村先生がスライドで味覚について説明されたが、その説明を聞いた上でギムネマを体験するとで、より自分の体(味覚)に起きていることが客観的に理解できた。
 今回の講義の中で私は味覚を感じる舌のシステムについてよく理解することができた。舌の特定のエリアに味覚の種類が集中しているものと思っていたため、舌全体に味覚の種類が散在しているということを知ることができてよかった。自分の身体で実際に起きている仕組みが分かることは実に嬉しいことだ。これらのことは自分の中で非常に大きな発見であり、印象に残った事柄でもあった。
 この講義が終わってからも、お菓子やご飯を食べるときに“甘さ”や“辛さ”を感じると「私の味蕾は今日もよく働いてくれているな」と思うようになった。20年間も付き合ってきた自分の身体の働きに改めて目を向けることは今までにあまりなかったように思う。だからこそ今回の講義はそんな自分の身体の働きを意識する貴重な機会となった。



Fさん 

 講義では味覚について詳しく知ることができた。実際に味覚修飾植物の効果を体感した際には驚きを隠せなかった。身近な自分の感覚がどれほど重要であるかを知る機会ともなった。今回、ギムネマとミラクルフルーツを食べて、一時的な味覚障害を体験した。ギムネマは緑色の葉で、一見はごく普通の葉である。食べてみると少し苦く感じたが、それ以外は至って特徴的な味はなかった。島村先生の指示通りに舌全体に擦り付けるようにした。私はチョコレートを食べたが、粘土のような感触で甘味は少しもなく、全くおいしいと感じなかった。逆にミラクルフルーツの錠剤を食べた時は、酸っぱくて舐めただけでも身震いするほどのレモンの飲料が甘く感じた。これはギムネマやミラクルフルーツなどの味覚修飾植物が舌にある味蕾を覆い、味を感じさせなくするためだと理解した。ギムネマであれば、甘味を感じる味蕾に蓋をし、ミラクルフルーツであれば甘味を感じる味蕾に酸っぱいものと組み合わさると甘味を感じるように働きかけるため甘味を感じるのだと知った。この植物はただ、味覚障害の一時体験や不思議な感覚を体験するためだけに研究されているのではなく、医療現場などで生かすために開発が続けられていることを知った。例えば糖尿病患者への適用やダイエットの補助などである。私自身、今回の体験から、味覚の重要性を理解した。近年、若者に多くみられるという味覚障害は食生活が原因であることが分かっている。これは生活を見直すきっかけになると思う。
 島村先生の講義の中で興味深いお話があったため、実際に後日、挑戦してみた。ある炭酸飲料のオレンジとグレープの味が鼻と目を覆うと区別がつかなくなってしまうというものだ。半信半疑で試してみると確かに、甘味とのどごしは同じだが味がほとんど分からなかった。どちらがオレンジの味でどちらがグレープの味かを区別することが非常に難しかった。嗅覚と視覚を使わないだけで、味が大幅に変化することに驚いた。いかに五感に依存しているのか体験的に理解できた。
 今回学んだ、食育分野の知識は家庭科だけでなく理科や生活科、総合的な学習の場面などでも、活用できると思う。また、講義の中に指導のポイントも見受けられた。例えば、実際に感覚機能の麻痺を体験した活動であったり、その説明を漫画や絵などで視覚的に理解しやすい工夫があったりした。学習者全員に内容を理解することが出来るような工夫が見受けられた授業であった。また、体験的な授業は学習者に大きな印象を与え、記憶にも残りやすいと思う。魅力的で印象的な授業展開や構成であった。
 私たちがこれまでの学習したことの中で誤った知識も驚いた。味覚地図は、場所によって、苦みや甘味を感じる部分があるという記憶があった。しかしそれは間違いであることが分かったし、のどの奥にも味蕾が存在していて、そこでも味覚を感じていることが分かった。また、味蕾の秘密がわかると、それに関連する様々な事項についても理由が明らかになるものがあった。例えば、乳児が食べる離乳食が薄味であることだ。これは人の舌にある味蕾の数が関係している。乳児には約12000個の味蕾が存在する。それに比べて成人には6000〜9000個の味蕾しか存在しない。これは視覚の発達に関係しているようだ。成長するに従って視覚が発達し、視覚からの情報で脳が味のイメージを処理するようだ。だから、同じ生き物でも成長と共に味蕾の数に変化があるのだ。濁った川に生息しているナマズには200000個も味蕾が存在するらしい。濁った川では、情報を味覚に頼るために味蕾が発達するのだという。動物は生活の環境に合わせて変体しているので、大変優れていると感じた。
 今までにない体験ができた。自分なりに再度見直し、自分が教員の立場に立った際に、学習者にとって魅力的な講義ができるようにしたい。



Gさん 

 味覚というものに関して、私はごくごく当たり前のものとして、深く考えるということをしたことがなかった。講義の始めにギムネマを舌全体にこすりつけるようにして噛んだ後、甘くておいしいはずのイチゴ味のグミが全く甘さの無い、少しの酸味のみの食べ物になってしまった。甘い物を食べれば甘く感じ、酸っぱい物を食べれば酸っぱく感じるということが当たり前であると思っていたが故に、このギムネマを用いた実験は驚きだった。講義を受けて、分かったこと・納得したことは、人間が感じるおいしさは1種類ではないということである。確かに私たちが求める「おいしい」ものとは、その状況によって変わってくるものだなと思った。勉強をしていてちょっと疲れたな、という時には甘い物をおいしいものと感じ、部活の後などは「炭酸飲料」のようにスッキリするようなものがおいしいと感じる。また、母親が作った料理はとてもおいしいと感じるが、他の人の作った料理は何かが違う、何かが足りないと感じてしまうこともここからきている。この現象が「お母さんの作った○○が一番おいしい!」という言葉に表れてくるのだと思う。
 今回の講義ではギムネマとミラクルフルーツという味覚修飾植物に出会うことが出来た。はじめ、これらの植物が私たちの生活にどのような意味があるんだろう、とやや批判的に見ていたが、島村先生のお話の中に味覚修飾植物の医療への導入が進んでいるという内容があり、とても画期的な発想であると感じた。私の祖父も糖尿病を患っており、祖父の家に行くと「俺はアレだすけ、このお菓子は食べれねーが」と言ったり、スティックシュガーではなく低カロリーのオリゴ糖を使ったりしている。島村先生のお話を聞いて、これならおじいちゃんも実際には糖分を摂取していなくても甘さを感じることが出来るようになると思った。これらの味覚修飾植物は医療や介護の様々な面で、補助的な役割を果たすことが出来ると思うので、さらに医療や介護の現場への導入が進んでいくと、高齢者にとってもより快適な生活が送れると感じた。
 大学生活が始まって、一人暮らしも3年目に入ったが、食生活の乱れというものが顕著に表れていると感じている。風邪をひく頻度がやや増えたような気がするし、体格もたるんできた。これには、食事をファストフードに頼った影響が出ているのだと思う。私自身もハンバーガーが好きで、食べた後は何だか身体に悪いことしたな、と思うのだが、その手軽さと満足感から度々ファストフード店へと足を運んでしまっている。ギムネマの味覚修飾を体験して一番に感じたことは、味を感じないことへの不快感である。おいしいものがおいしく感じなくなる。これは、大変なことであると感じることが出来た。私たちの生活にとって、味覚がどれだけ大きな意味をもっているのかということが分かり、食生活を見直そうと考えるきっかけになった。



Hさん 

 今回の講義で一番印象にのこっていることは、人にとってのおいしさが分類できるということです。人間にとってのおいしいとは、
●生理的欲求に基づくおいしさ
●文化に合致したおいしさ
●情報に基づくおいしさ
●薬理学的なおいしさ
の4つに分類できるということでした。「おいしい」に種類があるなんて考えたことがなかったので、とても興味深かったです。特に、“Aの文化に合致したおいしさ”について、もっと深く知りたいと思いました。決して一般的にはおいしいと言われることのないような料理だけれど、お母さんの作った料理が無性に食べたくなったり、海外に行ったときに白飯が出てくると異様においしく感じたりするのは、このA文化に合致したおいしさだからなのだということが分かって、面白かったです。
 近年、子どもたちの食文化が問題視されています。お店に行ってお金を出せば安くてそれなりに美味しい加工食品やお菓子、ファストフードがすぐに食べられる時代です。幼いころからそのような加工食品やファストフードに頼った食生活をしていると、健康被害や味覚障害になってしまう危険性も出てきます。そして、このA文化に合致したおいしさというのがおふくろの味ではなく、ファストフードの味になってしまう日が来てしまうかもしれないと思うと、とても切なくなりました。
 女性の社会進出も進み、両親が共働きの家庭が増えてきている今日、ファストフードや加工食品に頼ってしまうのはある程度仕方のないことだと思います。しかし、子どもが自ら自分の健康を考えて食べるものの選択することは難しいことです。保護者が子どもの健康を考えて時間があるときは安全な手料理を食べさせてあげるような努力は必要なのではないかなと考えます。子どもたちに望ましい「おいしい」を教えるのも教師の役割になりつつあるのかなと思いました。
 今回、味覚修飾植物であるギムネマなどを試食し、実際に味覚の変化を体感してみて、“舌に意識を集中させて味を感じる”ということを久しぶりにしたように思いました。意識的に味わって食べるという経験をすることは、食事をただのエネルギー補給として考えていたり食欲を満たすものだと考えていたりする人の認識を変えることにもつながると思います。食育が重要視されている今日、この、美味しく食事ができる有難さを感じ、食に対する認識を変えることのできる味覚体験はとても必要なものだと考えます。
 家庭科の教員を目指す身として、とても考えさせられる講義でした。フランスの味覚教育のDVDを見て、ちょうど味覚教育に興味を持ち始めていた時だったので、日本とフランスの味覚教育の違いについても知りたいと思いました。
 とても楽しかったです。ありがとうございました。



Iさん 

 今回の島村先生の味覚体験の講義を受けて、私たちが生きていくうえで必要不可欠な食事の際に「味」がどれだけ大きく関わってきているのかということを改めて考えさせられました。
 現代では様々な食べものや調理方法が存在し、多種多様な味が存在する。私たちは一度食べたものの味は味覚を通して脳で記憶され、二回目以降には一度目に食べた時の味を思い出したり、また他の近い食べ物や料理から味を類推することが出来る。だがギムネマやミラクルフルーツを食べてから特定のものを食べると、味が変化していることに驚く。例えば人はレモンを見た時に、食べてもいないのに口の中で唾液が勝手に出てきて、すっぱいような感覚になる。これは以前にレモンを食べた際に「すっぱい」という強烈な印象が記憶に残っているからである。この時ミラクルフルーツを何の説明もなく舐めさせてからレモン汁を飲むと、想像していたすっぱい味と現実に感じている甘い味との大きな感覚のちがいにきっと驚くに違いない。この体験を通して人は、「ミラクルフルーツを舐めてから、レモン汁を舐めると甘く感じる」という記憶が味と共に知識として定着する。
 人にとっておいしいと感じる場面は4つに分類できるという話を講義の中でされていて、このミラクルフルーツによる体験は「情報に基づくおいしさ」に大きな影響を与えるのだなと感じました。私はこの味覚体験の活動を教育活動に活かす方法として、生活や総合学習の時間の時間を活用した食育教育や理科の授業での実験で使えるのではないのかと感じました。疑問の一つとして、「もしミラクルフルーツを舐めてからだけのレモンの汁しか知らない人がいた場合、その人にとってレモンの汁は『酸っぱい』ではなく『甘い』であるため、レモンの汁を見た際に口の中は唾液が出てこないのか?それとも出てくるのか?」というものである。これは児童に問題として出したら意見が割れそうな面白そうな問題であるが、実際にレモンを知らない人がレモンを見た際、酸っぱいという味を知らないため、口の中で意識せずに唾液が出てくるという反射行動が起きないため、上のような状況でも出てこないのではないかと私は考えました。
 またギムネマやミラクルフルーツなどの味蕾に変化をもたらす植物を用いることによって、疑似的ではあるが味覚障害のある人のような感覚を実際に体験することが出来きるため、問題への取り組みがより具体的になり、活動しやすくなるのでないかと考えられた。
 私は講義を終えて感じたのが、ギムネマやミラクルフルーツのような味覚修飾物質を持っている味覚修飾植物を他にも体験してみたいと感じ、また教育に活かすことによって児童たちにも自分の身近な食事や植物などの理科分野により一層の興味や関心をもってもらいたいと考えることが出来ました。



Jさん 

 今回は、テレビなどで有名な島村先生の講義を受けることができました。普段食べ物を口にした際、甘い・酸っぱい・しょっぱいなどの味覚を無意識に感じていたので、今回のように意識的に感じることが初めてでした。
 講義内容で興味をもった内容はいくつかありますが、私が今回の講義の中で一番印象深かったのは「好き嫌いのメカニズム」です。@の「第一印象」については、見た目などで食べる意欲を減らされることは私の日常でもよくあります。しかし、A雰囲気までもが関係しているのは驚きでした。私は小学生で登山学習をした際、野外炊飯でカレーライスを作りました。飯盒を使ってつくったことから焼き加減が微妙だったり、灰が入り混じったりして決して普段の食事より豪華だとは思えませんでした。しかし、野菜を切ったり火加減を調節したりと皆で協力して作ったからこそ「おいしい」と思えるカレーをつくることができたのかなと今では思います。逆に、大学生になり一人暮らしを始めて、凝った料理を作っても一緒に食べる家族がいないと思うと、おいしく感じることができませんでした。このことが好き嫌いに直接つながるかどうかは分かりませんが、食事の雰囲気は味覚をも変化させてしまうことがよく理解できました。また、好き嫌いについて、私の友だちでニンジンが苦手な子がいるのですが、話を聞くと「親もニンジンが嫌い」とのことでした。このように、ある食べ物に苦手意識をもつ親のもとで育った子どもは同じ食べ物に苦手意識をもつ味覚が形成されるのだろうかと疑問に思いました。
 今回の講義でおもしろかったのはただの座学で受けただけでなく、ギムネマを食べたり、ミラクルフルーツの成分が入った固形物を食べるといった実践的活動ができたことです。ギムネマの実験では、まさかこんな少量の葉で味が変わることなんてあるのだろうかと半信半疑で持ってきたキャンディーをなめました。しかし、あれほど甘かったキャンディーが何の味もしなかったことに大変驚きました。島村先生は、味と味蕾の関係を鍵と鍵穴に例えていました。ギムネマの成分がカギ穴に付着したことにより、キャンディーの甘味が感じられなかったということがこの実験を通して理解できました。
 ミラクルフルーツも同様に、ただ固形の物質を舌でなめただけであれほどすっぱかったレモン果汁がごくごく飲めるほど甘い飲み物に変化してしまい、味覚の面白さを時間しました。このように言葉だけでは理解できない内容も、実践的活動を行うことで正しい知識として脳内に結び付けることができました。なつめやクルクリゴなど機会があったらぜひ実践してみたいです。
 今回の講義は、講義を受ける側での学生の視点でも、教える教師の視点でも、「いかに興味がわくような楽しい授業にするか」という観点でも学ぶことが多くありました。「味覚」と言われても子どもにとって興味はわきにくいかもしれませんが工夫次第でこんなに学びたくなるのだと知ったので今後の自分の学びにもつなげていけたらと思います。素晴らしい講義をありがとうございました。



Kさん 

 今回、島村先生の講義を受講し、味覚の仕組みや、味覚に対する考え方が変わった。受講する前までは、味覚に対してそれほど関心はなかったが、今回の体験を経て、普段当たり前に使っている味覚の重要さ、大切さに気づけた。それとともに、子どもたちにも味覚教育を早期に行っていく必要があると感じた。以下に興味、関心を持ったことについて述べていきたいと思う。
 まず、授業冒頭にギムネマを舌全体に含ませた。その後に、甘いあめをなめても何も甘さを感じなくなった。初めての経験であり、とても驚いた。その後、味を感じることができるのは味蕾のおかげであるということを学んだ。味蕾により、酸味、塩味などの味の判別がされている。どのように味が伝わるのかについて島村先生は、とても分かりやすく例えていた。鍵と鍵穴の関係である。味には、専用の鍵穴があり、鍵穴が埋まると脳に伝えられるということである。この例は非常に分かりやすかったのでしっかりと覚えておきたいと思う。そして、味覚の仕組みについて聞かれたら、この例を使って教えていきたい。
 次に学んだことは、人間、動物は合理的に味覚や体が形成されているということである。味蕾の数は成人で6千から9千個存在している。一方で、赤ちゃんは1万2千個と2倍の数の味蕾を持っているという。この話を聞いて赤ちゃんが、離乳食など味が薄いものを食べるということの理由が理解できた。子どもが、ピーマンが苦手な理由についても味蕾が多いため苦みを感じやすいからだということも分かった。また、動物を見てみても蛇やニワトリは味蕾の数が少ないということも納得できる。味わうことなく飲み込むためである。コアラは常に眠っているというイメージがあるが、これには理由があった。消化しにくい植物で生きていくために体の仕組みを変化させたのである。このように、味覚から動物の特性について考えることに気づいた。自分にとってとても興味深い話であった。
 最後に、人にとってのおいしさとは?ということについて考えてみたい。私たちは、これまで両親や大人の食べている姿を見て育ってきた。親が食べている姿を見て子どもの食生活は形成されていくということを聞いた。子どもの食生活に影響を及ぼしていくということで、学校の給食時の時の先生の姿も関係しているように思う。おいしさの要素の一つに大人の姿があるということが分かった。また、味覚障害についてであるが、ファーストフードに偏った食事になると発生するということを学んだ。しっかりと五大栄養素を中心とした食事をとるように指導していく「食育」の大切さについて痛感した。授業冒頭に甘味を感じなくなった時は、こんな状態が続いたら嫌だと思ってしまった。おいしいと感じられることは幸せなことだと痛感したし、味覚障害を抱える人達の辛さも分かった。将来、教育現場に出たら正しい知識・認識を持ったうえで、島村先生の講義を参考に授業を考えていけたらと思っている。



Lさん 

 今回は、家庭科の授業の一環で味覚についての講義を受けた。ミラクルフルーツを使うと聞いていたが、「あ、テレビで見たことがあるぞ。」というぐらいの知識だった。試したこともないし、どのような仕組で不思議な現象が起きているかはわからなかった。しかし実際に授業を受けてみたら、仕組みが分かっただけでなく多くのことを学ぶことができた。その中でも印象に残ったことを記述していきたいと思う。
 まず興味を抱いたのは味覚を感じる程度だ。私たちは舌やのどにある味蕾で味を感じ取り酸味、塩味、苦味、旨味、甘味を脳で認識しているが、その中で、味覚を感じる度合いに違いがあることを初めて知ったのだ。苦味は食べ物に毒があるか、酸味は腐敗していないかを確かめるために発達した味覚である。いち早くその味覚を脳に察知させることにより、自分を守っているのだ。それを聞いて赤ちゃんの味蕾が多いことや子どもの時に苦味が苦手であることに納得した。しかし、基本的に現代の日本人はその区別をする必要があまりない。歴史的に人類が色々なものを食べ、時には犠牲となって区別してきたからこそ今の自分たちの食生活がある。そのような事実に感謝したい。
 もうひとつは「人が感じるおいしさ」についてである。おいしさは味覚だけで決まるものではないことに学習した。美味しそうな音を聞いたり、においをかいだり、食べ物の色合いをみたり、食感を感じたり、つまり五感(味覚、嗅覚、触覚、視覚、聴覚)で味わっている。世の中の食品の宣伝文句やパッケージはそういったことを大いに利用していることが分かった。さらに、お母さんの思い出の味といった(食文化)や情報などの環境要因、楽しい・明るいという雰囲気によっておいしさが決まる。私のふるさと(栃木県)では「しもつかれ」という郷土料理があるが、独特の酸味があり子どもには不人気だ。今は私もおばあちゃんを思い出しながら美味しく食べられるわけだが、なじみのない他県のひとはおとなであっても食べられないかもしれない。また、アメリカに行った際には「これが人の口にはいるものなのか。香辛料が強いだけで、うまみがない!日本で生まれ育った私は、正真正銘日本人なのだな。」と当たり前のことをしみじみ感じた。まさにおいしさの仕組みを身をもって体験していたのだ。加えてうまみを発見したのは日本人であることを聞いて、和食が無形文化財に登録されたこともうなずける気がした。
 味覚実験では、ギムネマとミラクルフルーツ(ミラクリン)の実験を行った。ギムネマの成分が甘味を感じるセンサーをふさいでしまうという仕組みだ。初めの実験では、思っていた以上に味覚がないことが辛いことかを実感し、味覚障害を持つ知人がいたが、「何を食べても砂をたべているかのよう」と言っていたのを思い出した。若い人の発症が多くなっていることにショックを受けたので、原因・対策の知識を身につけたい。二つ目の実験では、ミラクリンの成分が酸味と結合することによって甘味を感じるセンサーを刺激するという仕組みだ。確かに、味は甘くなり原液よりもだいぶ飲みやすくなった。味としては濃い印象を持った。二杯目を飲んだところ一杯目よりも少し酸っぱく感じた。糖尿病が原因で亡くなった祖母がよく「大福を食べたい」と言っていたのを思い出して、もしその時ミラクルフルーツのタブレットがあったらもっと、生活が豊かになり満足してこの世を去れたのではないか。そう考えると、タブレット化は素晴らしい開発だ。ぜひ、もっと普及してほしい。
 また、今回の講義で学んだこととしてミラクルフルーツの味覚の授業は家庭科という分野だけでなく理科、社会、国語、保健、生活等様々な教科との関連があることが分かった。今後、子どもたちに何かを教えるときは色々な観点で学びがあることを意識していきたいと思う。
 最後に、貴重な時間を割いて、わかりやすく説得力のある興味深い講義をしてくださった島村先生に感謝したい。

■参考
「島村光治のホームページ」 http://www.taste-m.com/index.html



Mさん 

 今回の味覚教育の講義を受けて、自分が今までの学校生活で教わってきたもの、当たり前だと思っていたことが違っていたのだと気づかされることがいくつかあり、とても驚いた。さらに、初めて知ることも多かった。
 まず1つ目に、味覚地図について、小学校でも「甘味は舌の先で感じるものだ。」などと聞いてきた。しかし、味覚地図というものは存在せず、なおかつ、味を感じる味蕾というものは、舌だけでなく、上あごやのどの方にまで広がっているといことを初めて学んだ。味覚地図とは関係なく、味それぞれに味蕾の鍵穴が決まっているということも学んだ。今回の講義を受けて、実際に自分で味覚地図では、酸味や苦味とされる部分に甘いものを置いてみたりして確認してみたいなとも思った。
 次に2つ目に、味蕾の数についてである。人間の味蕾の数は6000〜9000個ということで、味にうるさい人間は多いのだなと感じたが、その後にうさぎや牛にはもっと多くの味蕾が存在することを知り、なぜだろうと不思議に思った。その答えは、草食動物であるため、どの草なら食べても安全かを調べるためであると聞いて納得した。また、ナマズには20万個もの味蕾が皮膚にあるということで、目の悪いナマズが泥水の中でも獲物を見つけられるように、進化したものなのだと感じた。ハエやチョウ等の昆虫は手に味蕾がついており、例えばチョウは産卵する際に、葉に毒がないかどうか確かめるなどそれにもちゃんと意味があるのだと思った。しかし、やはり、自分は人間に生まれてきたので「味覚=舌で感じるもの」というイメージが強い。
 3つ目に、味覚修飾植物についてである。おととし、自分がまだ1年生のときに当時の学部3年生の先輩にギムネマを部活の時間に食べさせてもらったことを思い出した。当時の先輩も島村先生の講義で頂いたものを分けてくれたのである。だから、今回この講義を受けるにあたってとても楽しみにしていた。ギムネマは、甘味の鍵穴にふたをすることによって、甘味を感じさせなくするということは初めて学んだ。チョコレートを持って行ったのだが、人間が甘味を感じることができなくなると、美味しいものも美味しいと感じることができない。これを機会に味覚障害についても考えるきっかけになった。ミラクルフルーツはただ、酸っぱいものを甘いと感じることができるだけでなく、糖尿病の患者さんが、糖分を控えた状態でも甘味を感じることができるなど、医療の現場でも役に立つのだと知って、とても良いことだし、感心させられた。
 最後に、このような講義を、小学校や中学校、高等学校で受けさせてもらえる子どもたちは味、味覚についても興味をもつことができるし、普通に日常生活を送っているだけでは誤ったことを覚えてしまうかもしれないが、その認識を早い段階で改善できると感じた。また、実際にギムネマやミラクルフルーツを試食して、自分で体験することによって驚きの具合も変わってくるし、印象に残る良い経験になると思いました。楽しい講義を有り難うございました。



Nさん 

 「味覚の仕組み」についての講義を受けて、味を感じることは家庭科の枠を超え、食育や医療など様々な分野での活用が可能であるということを知ることができた。まず、今回の講義で印象的であったのが味蕾の数が赤ちゃんから大人へと成長するにつれて減っていくということである。通常、成長とともに様々な器官が発達していくので味覚も同様に成長とともにより複雑な味を理解できるようになると思っていた。しかし、実際はその逆で、人間の味蕾の数は赤ちゃんの時から成人するにつれ12,000個から6,000〜9,000個へと減少していくとのことだった。確かに赤ちゃんの時の方が味に敏感で食べ物の好き嫌いをしやすいというのも納得がいく。教育現場でもこのことを理解しておけば子どもの好き嫌いを減らすことができるはずである。
 まず、食べ物を嫌いになってしまう原因の大部分はそのものを食べた時の第一印象にあると思う。見た目が良くないものは食べたいという感情すら湧かないだろうし、おいしくなさそうだと思って食べたものをおいしいと感じるのは難しいことだと思う。子どもが安心して楽しく食べ物を食べるためにも教師自身が給食という時間を大切にし、給食の時間は楽しいものでおいしそうに給食を食べる必要があると私は思う。子どもは教師のことをよく観察しているので教師の楽しい雰囲気は子どもたちをも明るく楽しい気持ちにさせることだろう。また、すでに好き嫌いがある子に対しては、無理に食べさせるのもよくないのかもしれないと思った。本人に食べたいという感情がない状態で半ば嫌々食べたところでおいしく感じるはずはない。むしろ、無理やり食べさせられたという経験がさらにその食べ物への嫌悪感を増幅しかねないと思う。教師はしっかりと子どもの好き嫌いを把握し、すべての食べ物をおいしそうに食べている様子を子どもに見せることで、子どもの自発的な食べてみようという気持ちを引き出せるような工夫をする必要があると思う。これらの支援は教師の好き嫌いがないということが前提となっているので、好き嫌いがある教師は自分自身も克服する必要があるだろう。私自身好き嫌いはないので、9月の本実習では早速実践していこうと思う。
 またミラクルフルーツやギムネマなどの味覚修飾植物の味覚体験を通して、味覚障害の辛さについて少しだけ理解できた気がする。今回は甘味を感じなくなるだけであったが、それだけでも今までおいしいと思ってきたお菓子がまずく感じてしまった。味覚障害にも様々な症状があると思うが、味が変わって感じてしまうのは非常に苦しいものだと思った。食は生きていくうえで必要不可欠なものであり、だからこそ、人はよりおいしいものやもっと食べたくなるものを追及するのだと思う。食べることが楽しみでないと食欲も湧かないだろうしストレスも大きいと思う。また、最近では若年層での亜鉛摂取不足による味覚障害も増えてきているとのことだったので、学校現場でもこのことは子どもたちに食育の一環として伝えていかなければならないと思った。そのためには、まず子どもに味覚障害の恐ろしさを体験させることが一番だと思うので、今回のような味覚修飾植物を用いてその辛さや不便さを実感させ、味覚障害にならないためにはどうすればよいのか、子どもたちと一緒に考えていきたいと思う。
 最後に、このような貴重なお話を聞くことができ本当に良かったと思う。お忙しい中お越しいただいた島村先生に感謝するとともに、今後の味覚研究へ更なる進展を期待したいと思う。



Oさん 

1.講義で感じたこと、分かったこと、興味をもったこと
 講義で感じた1番のことは、自分が現職派遣教員ということもあり、先生の講演のスタイルである。パワーポイントを用いての講義は大学では最近多くなってきているが、今回のような体験型の授業の楽しさと重要さを非常に感じる授業であった。味覚ということで、いくら説明されても分からない部分が多い中、実際に食べてみることで感じることができた。これはどんな言葉よりも強く、またその驚きを体験することで体に記憶される効果があるように感じた。昨今、体験型授業の大切さが述べられているが、それをまさに体で感じることができた授業であった。2つ目に分かったことは、そもそも味覚を変化させる食べ物があること、味蕾の存在、味覚を変化させる食べ物が実用化されていることなど書き始めたらきりがないほど多くの事が分かった。3つ目に興味をもったことは、今後の実用性に関することである。まずダイエットに使えるのではと思ったのだが、これは少し調べただけですでにサプリメントになって実用化されていることが分かった。その他には子供の好き嫌いをなくすのに何か効果があるのではないかと考えた。これは実用化されてないようだが、根本的に好き嫌いをなくすことはできないかもしれないが、その一歩は味を変えることでできるかもしれないと思った。

2.味覚修飾植物の今後の展開や味覚について知ることの重要性
 味覚修飾植物の今後の展開については、先ほど私が興味をもったことに書いた通り、さらに実用的になっていくと思う。苦い薬を飲むときに飲みやすくするなどもいいかもしれない。他にも様々な可能性を秘めたものだと思う。味覚について知ることの重要性については、恥ずかしながら今まで意識したことがなかったが、極めて重要であることを学んだ。味の楽しさは食の楽しさに繋がり、人々の食生活を豊かなものにし、私たちの生活に潤いを与えてくれるのは間違いないだろう。また味を感じることは、毒の苦さを感じることなど、命に係わる場面があるということは味覚について知ることの一番の重要性であると思う。さらに味を表現することで人間は表現力も豊かになると思う。これも味覚について知ることから伸ばせる力の1つだと思うので、その重要性の1つと数えたい。

3.その他自分の意見・感想
 講義で感じたことでも書いたが、体験を含む授業、マンガの入った生徒の学ぶ意欲を高める資料、そして軽快なトークと先生の講義自体が教師としては勉強になった。

4.参考文献もしくはウェブサイト
・島村先生のホームページ http://www.taste-m.com/index.html
・supplement lab http://www.mit-japan.com/ndl/ndl/gymnema.htm



Pさん 

 まずミラクルフルーツとギムネマの試食は、驚きの連続であった。あんなに甘いはずのチョコレートが甘くないただのドロドロした固体となり味も油っぽさだけが残ったせいで美味しいとは感じることが出来ないほどに変化した。ミラクルフルーツは個人的に、ミラクルフルーツを口にする前のポッカレモンよりは確実に酸っぱくなかったが資料に載っていた漫画のようにものすごい変化があるわけではなかった。
 また味蕾の数の話がとても興味深かった。草食動物であるウサギは17000個、牛は24000個と、毒のある草とそうでない草とを食べ分ける必要がある動物は味蕾の数がとても多い。その一方でライオンは食べることが出来るとわかっている獲物しか狙わない為、味蕾の数は2000個と少なくても十分なのである。さらに人間の成人でおよそ6000〜9000個存在するのに対して赤ちゃんは12000個ほど存在する。それも先程の草食動物の同じで、自分の体に害のあるものとそうでないものとを食べ分けるためなのだと思った。この話を聞いたら、苦い=毒と感じるピーマンなどを栄養があるからと強引に子供に食べさせるのは気が引けるなと感じた。
 味蕾の話とは少し離れたが、ライオンが獲物の食物繊維が詰まった野菜ジュースのようなものが多く含まれる小腸から食べると聞いてライオンは頭が良いなとつくづく感じた。そうなると、ライオンを一概に肉食動物と言えなくなるのでは、とも思った。
 味覚をだます、という面で糖尿病や肥満の人に対して有効に活用できるのではないかと思う。実際そこまで糖分が含まれていない食べ物でもミラクルフルーツを活用することで甘く感じ、患者は甘いものを食べられないというストレスを感じずに済む。
 味覚について知っておくべきこととして、子どもは特に味蕾が多く存在するということは頭に入れておくべきだと思う。幼い子供に味蕾が多いということは、食べ物の好き嫌いは子供のころの思い出が強く影響してくるのだろう。食事中に怒られた、だとか嫌いなものを無理やり食べさせられた、など嫌な思い出と共に食べたものは嫌いになってもおかしくないはずである。それを小学校の教員となる私たちが給食などにおいて子どもたちに嫌な思い出として食べ物の印象を付けるのは容易なことである。だからこそ子供にそんな思い出を残したまま大人になってもその食べ物を嫌いで居続けられることが内容に注意しなくてはならない。もちろん教師という立場だけでなく自分に子供が出来た時にも同じことが言える為、多くの人がこのような知識を持っておくことは重要と言えると思う。
 この味覚教育の講義、本当にどの話も興味深くて退屈することなく話を聞き入ってしまった。
 個人的に面白いなと思ったのはコアラの話である。コアラは他の動物にはもちろん、自分の体にも毒のあるユーカリをわざわざエサにし、その毒を解毒するために何時間もかけて寝る、という話は聞いたことがあった。それだけ聞いたら「コアラってどうしてそんなに間抜けな動物なのだろう」としか思っていなく、何故わざわざ毒のある葉を食すのか、までは知らなかった。しかしその理由はコアラはよく寝る動物なので敵が来たとき素早く逃げることが出来ない為、他の動物に毒のあるユーカリを食べることで自分の身を守っているのだと知ってなるほど!と納得したが、よく考えてみるとユーカリを食べなければ何時間も寝る必要はなく敵が来ても逃げることが出来るのではないか?という矛盾に気づいた。気になってみて少し調べたがやはり、ユーカリでない他の植物を与えてみたところ機敏な動きをし、そんなに長く寝るわけでもない、という調査結果が得られたらしい。とても面白いなと感じた。新しい知識を得ることが出来たし、今後もっと調べてみたいと思った。

■参考文献 http://matome.naver.jp/odai/2140194420390559901