島村先生の「驚き味覚体験」の講義を聞き、まず驚いたことは人間が味覚を感じる味蕾はソムリエでもシェフでも私たちも変わらないということでした。私はやはり、そういった職業の人たちは私たちが感じることが出来ない味まで分かると思っていたので感じている味自体は私たちと変わりがないことには驚きました。さらに、その味蕾の数もウサギや牛の方が人よりも多く、ハエやチョウなどは舌ではなく手に味蕾がついていると知りびっくりしました。
また、味覚はどの場所でどの味が感じやすいかの味覚地図で判断するのではなく、味蕾に甘味や苦味などの専用の鍵穴のようなものがあり、そこに水溶液となった物質の中にある対応した鍵である甘味や苦味が入ってはまることで脳に電気信号として伝わるというのも感心しました。
何かを食べるという行為は動物においては生きていくために必要なことであり、その上で草食動物は毒である草などを食べられるようになって他の動物から身を守っているということは何となく知っていましたが、肉食動物は別に肉がメインで食べているわけではなく動物の小腸を食べ消化しにくい野菜を摂り入れ次に内臓などのビタミン、ミネラルを摂ってお肉である筋肉を食べるという流れがあることが面白いと思いました。こうして動物たちは生きていく上で役に立つものをおいしいという風に味覚を感じていることはすごいと思いました。けれども、私も同じように人は好き嫌いをもっているためにあまり食べないものもあるのは不思議だと思っていました。この講義で人がおいしいと思えるのは動物たちと同じような生理的欲求に基づくものだけでなく、小さいころから慣れ親しんだ文化的なおいしさだったり、安全や健康などの情報が味覚に影響を与えていたり、『脂』や『香辛料』などの薬理学的なおいしさがあり良くも悪くも人間が多種多様なものを食べるようになった経緯が分かり面白かったです。
私は初めてなすを食べたときに色が黒くて食感がドロドロというか水っぽくて味がしなかったので今も嫌いで食べたくないと思っていましたが、食べてみて克服していこうかなと思いました。
そして実習ではギムネマの実験から始まりました。ギムネマは小さな葉で味は少し苦く、味蕾の甘味を感じるところをふさいで甘味が感じなくなるというものでしたが、本当に甘味を感じませんでした。砂糖はただの砂のようになり、チョコレートに至ってはネチョネチョとしていて甘味だけが感じないのでただただ苦い物体となり軽く吐き出しそうになるくらいまずく二度と口にしたくありません。ミラクルフルーツはタブレットになっていて、少し変な酸味があり酸味と結びついて甘味を感じるようになるというものでした。こちらはヨーグルトにポッカレモンをかけたものとグレープフルーツジュースで実験しましたがびっくりするくらい甘かったです。グレープフルーツジュースの方は少し苦味を感じて少し変な味に感じましたが、ポッカレモンが普通のジュースのように甘く、ゴクゴク飲めてしまいました。ギムネマの実験のときは正直こんな驚きは体験しなくてもいいなと思っていましたが、ミラクルフルーツではこんなに素晴らしいものがあるのかと感動しました。
現在、多くの国で糖尿病の患者が増加していて、病気ではなくても果物を食べない人がいる中で味自体は本来のお菓子や果物とは違っても、そのもの自体を食べるということができるという応用を期待したい。また、亜鉛不足による味覚障害の問題もあり、きちんとした食事をするという問題にも目を向けていきたい。