今回、「驚きの味覚体験〜ミラクルフルーツとギムネマ〜」という講義を受けて人間の味覚について知識が増え、また試食があり実際に体験できとても貴重な体験ができた。以前から酸っぱいものを甘く変えるミラクルフルーツはテレビを見て知り、一度は体験してみたいと思っていたため今回の講義を受けることができ嬉しかった。ギムネマは初めて名前を聞き、どんなものなのだろうと思った。試食したら、美味しくはなかったが、糖の吸収を抑える効果があると聞き、良薬は口に苦しとはこのことかと思った。
味蕾は成人でおよそ6,000〜9,000個も存在することに驚いた。また、味蕾は舌だけでなく軟口蓋、咽頭、喉頭などにもあり、味は舌だけでなく喉頭などでも判別されていることを初めて知った。炭酸飲料などの爽快感など、喉の奥まで感じることを振り返ってみると確かにそうだと思った。赤ちゃんには、さらに多い約12,000個の味蕾があり、酸っぱいものは腐っている、苦いものは毒があると判断している。成人は扁桃体が発達しており、蓄積された情報から危険なものかを判断をできるが、未発達の赤ちゃんは、舌で本能的に危険なものかを判断しているのだと分かった。だから赤ちゃんは五感で様々なものを察知し判断するために、なんでもすぐ口に物を入れたりするのだと納得がいった。赤ちゃんのうちから味覚形成は非常に大切で、食事の環境や家族が食事をする様子を見て、脳がこれは安全な食べ物、おいしい食べ物だと記憶していくことわかった。
人間は扁桃体が発達し情報を得ることにより危険を回避できるが、その情報を過信し惑わされてはいけないと思った。例えば、「この食品多く摂れば健康になれる。炭水化物抜きダイエット」など一旦流行ると人間は本当に効果があるのかと疑わず、それに流されやすい。実際は必要な栄養素が偏り、結果的に良くない効果をもたらす。みんながやっているものだからと安心、信用せず、自分で正しい知識を得て判断することが大切であり、これから栄養学で学んだことをもとに少しでも誤解を解いていけるアプローチをしていきたいと思った。一方、野生動物は食に関わる外部情報をあまり持たず、味覚嗅覚を介して生命維持に重要な栄養素の選別を鋭く行う能力を研ぎ澄ませており、本能的に必要な栄養素をバランス良く食事をしている。(「人間は脳で食べている」伏木亨著)動物は感性が鋭く人間よりも優れているのではないかと思った。また、今回の講義で動物によって味蕾の数は異なり、環境に適応して味蕾の存在する場所が異なることを知った。ナマズは視界の悪い沼地に生息しているために味覚が発達していて、味蕾は200,000個もあり、ヒゲにも存在していることには驚いた。体内に取り込む前に触れるだけで味がわかるなんてとても便利だと思った。ハエは手に味蕾が存在し、ハエ特有の手をこする動作は味蕾を洗い、感覚を研ぎ澄ますためであり、意味のあることなのだと思った。チョウチョは手と口に味蕾があり、卵を産む際、茎に毒がなく安全であるかを判断するために手にも味蕾が存在する。
味覚修飾植物を利用した糖尿病治療の取り組みはとても画期的だと思った。成分を変えず味覚のみに作用し、甘い物を食べたくても食べられないといったストレスを解消でき、患者の治療のやる気を高めることにもつながるのではないかと思う。今後、期待出来る治療食の一つだと思う。