普段チョコレートやアイスクリームなどが大好きな私ですがその大きな理由が甘いからです。ですが今までどこで、どのようにして甘く感じるのかということにはまったく疑問をもっていませんでした。今回島村先生の講演を聞き、味覚のしくみについてこんなにも奥が深かったのかということに気付かされました。
今回は特に印象に残ったことをまとめようと思います。
1.味は水溶液にならないと伝わらないこと
私は味を感じるのは味蕾であることは、知っていました。しかし味蕾が働くには鍵となる味が、水溶液の状態でなくてはならないことを知り、驚きました。
島村先生が例として柿の話をなさっていましたが同じ成分をもっている食べ物であっても水溶液になるかならないかで、味の感じ方がかわるのならば、これから苦味を水溶液状にしない食品をつくれるかもという品種改良に対する興味も出てきました。
2.年齢、動物の種類により味蕾の数が変わること
味蕾の数は島村先生の話やこのグラフのように、大人より乳児の方が多いことがわかります。私は大人になっていくにつれて体の発達とともに味蕾が増えていくものだと思っていたので、このことに驚きましたが、知識がまだ少ない乳児に食べるものが安全かどうかわかるためという理由を聞き納得しました。また、ナマズも味蕾が多いのですが舌ではなく、体全体(特にひげ)ついていることで餌の位置を正確に割出せるそうです。味蕾はただ味を感じさせるだけだと思っていましたが、生物が生きていくために重要なものだとわかりました。
3.ミラクルフルーツとギムネマの実験
この講演の中で一番楽しかったのはやはりこの実験でした。味覚が植物を食べるだけで本当に変わるのかと疑わしい目で実験しましたが、本当にかわってびっくりしました。味覚が変わる理由として甘味の鍵穴にギムネマ酸が蓋をするそうですが、ギムネマ酸は他にも効果があるそうなので調べたところ、小腸での糖分の吸収を抑える、インスリンの上昇を抑制、便秘の解消などとても健康によいことがわかりました。ミラクルフルーツは、なにもかも甘くなると勘違いしていましたが、この植物に含まれるミラクリンは酸っぱいものとしか結合しないとしりました。またミラクルフルーツは、栽培が難しいと聞き実がなるまで7年間も待ち続け、さらに保存しやすい形にするまで工夫を重ねた島村先生の研究に対する意欲を見習いたいなとおもいました。
引用資料:岩堀修明「図解 感覚器の進化」講談社ブルーバックス2011年