ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト(ミラクルフルーツ・味覚・ギムネマ・ミラクリン・食育・ミラクルフルーツ)

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■ 参加者の御感想


参加者の御感想

2014/05/20に実施した上越教育大学 教育学部3年の皆さんのレポートです。

講演風景1 講演風景2



Aさん 

 私は小さい頃からあまり嫌いな食べ物がなく、甘い物、酸っぱい物、辛い物が大好きである。だから食べること自体が生活していく上で楽しいことであり、「味覚」について深く考えたことがなかった。今回の授業で、最初にギムネマを食べて、その後に大好きなチョコレートを食べる実験をしたとき、自分の大好きなチョコレートでも甘みがなくなると、こんなにもおいしくないもの、粘土のような食感になってしまうことを知り、驚いたと同時に、甘みを感じることができないとこうなってしまうのだと体感し、おそろしいことだと思った。このような体験から、私は「味覚障害」に関して興味をもった。味覚障害になってしまう原因は、この講義を受ける以前の私は、生まれつきの病気で、直すことが難しいものなのだと思っていた。昔、テレビで、小さい頃からジャムパンしか食べることができない男の子を特集しており、他の食べ物を食べると吐いてしまうので、小中高のお弁当は毎日お母さん特製のジャムパンだったという内容であり、衝撃を受けたので今でもよく覚えている。この男の子の事例のようなことが味覚障害だと思っていたので、今回の先生の講義で味覚障害に関する認識を新たにすることができた。特に驚いたことは、現代の日本人の食生活が関わった味覚障害である。加工食品やファーストフードに偏った食事をすることで亜鉛を食事で摂取することができなくなり、また、添加物が体内の亜鉛まで外に追い出してしまうことが原因で味覚障害を引き起こしてしまうという内容であった。加工食品やファーストフードは体に良くないことは知っていたが実際にこのような障害を引き起こしてしまう危険性があるということまでは知らなかった。そして、逆に日本食は亜鉛を多く含んでいる、体に良い物ばかりだということを感じて、日本食のすごさを実感し、日本食をもっと食べるようにしたいと思った。このようなことを学び、わたしは家庭科の栄養素の授業をもっと良くするための手立てとして、味覚教育が大変有効であると感じた。
 具体的には、人間の体に必要なものは五大栄養素であるということを習った後に、たださまざまな食品の栄養素の分類をして終わる授業では、子どもたちの記憶に残らず、暗記型の授業で終わってしまい、「栄養素をバランスよく食べることの重要性」が希薄になってしまうと考える。よって、私は人間の体に必要なものは五大栄養素であるということを習った後に、今回の講義の内容である、味覚を感じるメカニズムや味覚障害について学ばせて、加工食品やファーストフードの危険性を感じることが子どもたちの記憶に残る授業になると思う。また、授業の最初に今回の講義のようなギムネマの実験を行い、子どもたちに体験してもらうことで更に理解が深まり、とても楽しい授業になると思う。
 今回の先生の講義を通して、味覚に関して学ぶことはとても面白いなと感じた。まだまだ講義の中で興味をもった内容は、ミラクルフルーツを利用した低カロリースイーツなど、たくさんあったが、味覚教育の可能性を深く考えられたことがとても良かった。味覚修飾植物の発展がとても楽しみである。楽しい授業をありがとうございました。
 参考: 講義で配られたプリント(驚きの味覚体験〜ミラクルフルーツとギムネマ〜)



Bさん 

 講義全体を通して味覚についてよく分かり、おもしろいと思った。今回の講義を受けるまで味覚に対して特別に興味を持っていたわけではないが、講義を聞いて味覚の重要性や不思議さなどたくさん興味が湧いた。
 まず、興味を持ったことの一つは「子どもの頃からの味覚の形成が重要である」というところである。小さな頃には子どもは自分自身で食べるものを選択できないため、大人の支援が不可欠である。大人がいろいろな味、食感、温度のものなどを子どもに与え、子どもが食べられるようなきっかけを作ることが大切であると思った。たとえ最初はたくさん食べられなくても、子どもが様々な味についての感覚を知ることができるような環境を作ることが必要である。また、子どもが食事を楽しいと思えるような工夫(「おいしいね」、「いっぱい食べられたね」などという言葉かけ、見た目もきれいで食べたくなる料理など)も子どもが食べようとする意欲につながっていくと考える。まずは少しずつでも、食べることで味覚が刺激され、味覚が形成していくための基礎が養われるのではないかと考える。大人になっても、いろいろな食材がおいしいと感じられるようになるためには、小さな頃から大人の支援が大切なことであると改めて感じた。
 そして次に、驚いたこととしては近年多くの若者が味覚障害となってきているということである。私たちは当たり前のように毎日何かを食べ、味を感じて過ごしている。好きなものはおいしい、また食べたいと感じるし、逆に苦手なものはやはり、たくさんは食べたくないなという感じである。そう感じられることは当たり前のことではないのだと知り驚いた。食べているものの味を感じられないというのは、毎日食事をとる私たちにとって大きなストレスにつながるのではないかと思うし、本当につらいものであると思う。味覚障害は日々の食習慣によって発生しやすくなるということは、食習慣に気を付けることで発生する可能性を下げることができる。したがって食生活には十分注意しなければいけないと分かった。
 三つ目に、ギムネマやミラクルフルーツなど味覚修飾植物の今後の展開についてであり、医療の現場での活用については特に興味を持った。人間は甘いものが食べたいと思うときがあるだろうし、そのようなときに甘いものを食べられないのはストレスを感じるであろう。食べることは毎日行うことなので、食に関してつらいなと思うことがあると、食生活は楽しいものではなくなってしまうと思うし、逆に食べることが楽しいと感じられていれば生活はより楽しいものとなるのではないか。そんなときに、このような味覚修飾植物があると食の制限などで苦しんでいる人々にとって生活がより良いものとなるのではないかと感じ、多くの人に広まっていくといいなと思う。
 最後に、私は講義の中でギムネマやミラクルフルーツによって味が変わるということを体験できたが、それは「舌が健康である」ということであり、ありがたいことなのである。当たり前に感じていることに感謝し、これからも自分の舌が健康でいられるように日々の習慣に気を付けていきたいと思う。そして将来教師となる立場として、子どもたちの食についても意識し、食や味覚の大切さなどについて伝えていきたいと考える。座学で、「好き嫌いせずに食べよう」とか、舌で味を感じるメカニズムなどについて教えるだけよりもギムネマやミラクルフルーツを実際に子どもたちに経験させて、味覚について身を持って知ることができるよう工夫したほうが、子どもにとって興味がわくものだと思った。今回学んだことをこれからの自分自身の生活にも、将来の目標にも生かしていきたいと思う。



Cさん 

 この講義は、たいへん印象深いものとなった。その理由は、授業者である島村先生の講義の組み立てが上手いというところにある。
 まず、冒頭に出てきたギムネマによる体験だ。これにより甘いものが甘いと感じられなくなった。人生初の体験であり、衝撃を受けたため、その後の内容についてよく頭に入ってきたのだと考えられる。味を感じるためには、味蕾という箇所が関わっており、味成分に対して鍵と鍵穴の関係になっているということ。味蕾(鍵穴)は、甘い、苦い、酸っぱいなどさまざまな形があり、味成分(鍵)が合わさると、味を感じるという仕組みだと学んだ。そしてギムネマは、甘い箇所の鍵穴を塞ぐという説明を受けた。実際に自ら体験をした後この説明を聞いて、さらに分かりやすい例えということもあり、なるほどと素直に納得することができた。やはり、体験をするということは、とても大切なのだと考えた。そのときには既にこの講義に惹きこまれていた。納得した後の説明だから、この後の補足説明に気が付けば聞き入っていた。味蕾は成人に比べて、赤子のほうが多いということや、チョウの味蕾は手についているなど、頭の中に残っている。他の動物がどのように味を感じているのか、どの味を好むのかについても興味を持った。
 次に、身近なものを取り上げた説明だ。ギムネマから次の説明までの流れが非常にスムーズに行われていた。先ほど私が、他の動物に対して興味を抱いたと述べたが、島村先生の授業では、その後すぐに他の動物について触れた説明をしてくださった。私たち授業を受ける側が、授業を感じていて真っ先に興味や疑問を抱くのは、身近な事象である。すぐさま取り上げてくださってありがたいと感じた。一番私の中で印象に残っている説明は、「人にとっての味覚」の分野で、人間にとっての味覚とは『経験と学習』であると述べたときに取り上げた、ステーキ屋の演出の説明である。ステーキ屋は、五感すべてにはたらきかけるように演出していると聞いたときに、なるほどと感じた。そこから、教師も授業で演出するのには五感にはたらきかけることがポイントなのだと解釈した。
 最後に、講義の終末部でのミラクルフルーツの登場である。ミラクルフルーツについての説明を受けて、ものすごく興味が湧いたところで、実際にミラクルフルーツを使用した。説明を受けて、ミラクルフルーツを使ったらどんな味がするのかと考えに考えてから使用することによって、より印象に残った。ミラクルフルーツの効果はもちろん、なぜ酸っぱいものが甘くなるのかという講義内容も非常に強く印象に残った。興味を持ったものに対して、人間は思考する。その特性を上手く生かしていると感じた。
 講義の構成について、多くを述べたが、もちろん講義の内容も素晴らしいものであった。ギムネマやミラクルフルーツのような味覚修飾植物があれば、医療面や教育面など、さまざまなフィールドに貢献することができる。糖尿病患者のためのデザート、好き嫌いを克服する授業、味覚障害についての理解など多くの効果がみられるだろう。今後、多くの人がこのような機会に触れてほしいと考えた。



Dさん 

 今回の講義でミラクルフルーツとギムネマを用いて実際に味覚体験を行うことは多くの人に味覚についての興味と関心を刺激するものだと感じています。ミラクルフルーツによってすっぱいものが甘く感じる仕組みのことは知っていましたが、ギムネマの働きによって甘味を感じなくなるというのは体験してみて驚きました。講義を聞いて味覚に作用する植物が他にもあることを知り、それらについても実際に体験してみたいと思いました。先生の今後の展望として糖尿病や肥満への対策として、ミラクリンやクルクリンを用いた新しい甘味剤の利用について述べられていましたが、実際に利用されることになれば精神面でのストレス解消にも大いに期待できるのではないかと考えています。人が味を感じなくなれば食べ物のおいしさも伝わりませんし、楽しさや安心感も失われてしまうのではないでしょうか。そう考えると糖尿病や肥満の方でも甘味を感じることができるようにする対応はぜひとも広まっていってほしいと思っています。他にも、授業の教材としてミラクルフルーツやギムネマを用いて内容を考えていきたいと思うようになり、新たな視点から授業を作っていくきっかけとなりました。
 ミラクルフルーツについて書かれた雑誌を小学生の時に読んだ記憶があったので、これは先生の分野と関係しているのではと思い調べてみたところ、先生のホームページのメディア紹介の中の「2002/9/18:学研 3年の科学 」で掲載されていたものでした。当時読んだ記憶では、まだミラクルフルーツがタブレット化しておらず実をなめて実験していましたが、実をなめるのとタブレットをなめるのとでは味覚変化に差は出るのだろうかと興味を持ちました。小学生の時にミラクルフルーツについて知り、いつか実際に体験してみたいと思っていたので今回の講義で実際に体験することができて本当にうれしかったです。またいつか体験できる時があればミラクルフルーツの実をなめて味覚体験を行いたいと思っています。雑誌にミラクルフルーツのなめた感じについて書かれていてそちらについても興味がありタブレットとは違いがあるのかを感じてみたいです。雑誌は10年ほど前に読んだきりですが大体の内容は今でも覚えていたので、味覚実験は子どもたちが体験するとかなり印象に残り、子どもたちはこの経験を様々な分野で活用していきたいと思うのではないでしょうか。味蕾で味を感じる仕組みや味を感じなくなる仕組みなども図で鍵穴のイメージで示されると大変理解しやすくていいと思います。味覚修飾植物の応用としてこれから新しい甘味剤として利用されていくことを応援しております。この度は大変興味深い内容について講義してくださりありがとうございました。

参考文献
島村光治のホームページ http://www.taste-m.com/media00.htm



Eさん 

 島村先生の講義を受けてまず驚いたことは、味覚を狂わす味覚修飾植物であるギムネマやミラクルフルーツ(今回はタブレット状のもの)の存在である。自分自身、恥ずかしながらこれらの存在に関しては全くの無知であった。これらギムネマやミラクルフルーツは、人間がまだジャングルにいたときから養われてきた味覚やそれを感じる味蕾の機能を狂わせてしまうというものだ。そこで重要になるのが味覚というものであるが、これは既知の通り、食べ物を食べたときに「甘い」「酸っぱい」「しょっぱい」「苦い」と感じるものであり、本来動物である我々が、食べ物が腐っているか(酸っぱい)、毒があるか(苦い)などを感じるためのものである。同時に人間が「おいしさ」を感じるときは、本能的には欠乏した栄養素を食べたときに感じるもの(生理的欲求)である(人間に関してはこのおいしさは「経験」や「情報」、「文化」的背景に裏打ちされる場合もあるが、大元は生理的欲求による「おいしさ」である)。これらの感覚は舌や上あごにある「味蕾」という器官で感じ取られるのだが、この器官の機能を狂わせてしまうものが、今回の講義で扱われたギムネマ、ミラクルフルーツである。このように一見なんの意味もない「味覚を狂わせてしまう」という機能を持つ味覚修飾植物には、今後一体どのような役割が与えられていくのだろうか。
 近年、糖尿病などの生活習慣病患者が増加してきている。ミラクルフルーツを摂取することにより、糖分がないが甘く感じるような食べ物をつくり糖尿病患者に与えることによって、彼らにお菓子を食べていないにも関わらずお菓子を食べたような感覚を与えることができるのではないだろうか。また糖尿病患者だけでなく、生活習慣を改善しようとしている人たちにも対しても有効な活用ができるのではないだろうか。いずれにせよ、今後これら味修飾植物などは医療現場など様々な分野での活躍が期待されるだろう。また私は理科教育について研究をしているので、小学校における理科での活用もここから考えていきたい。小学校の理科での活用としては、6年生の「動物のからだのはたらき」や5年生の「植物の発芽と成長」など植物の分野や動物の器官を扱う分野で活用できるのではないかと考えられる。理科の学習は体験学習とそこから生じる「どうして?」「どうやって?」が重要になってくる。今回の講演で行ったような体験学習を実際の授業でも行うことができれば、子ども達に学習する分野への興味を湧かせることが出来ると思われるし、学習に入っていきやすくなるように思われる。理科に限らず、家庭科、保健体育などでも今回の教材を活用することができるだろう。
 先に人間の味覚は、「経験」によるものもあるという話しを記した。味覚はその食べ物が生きていくために食べることが出来るかどうかを判別するためのものでもあるということも先に記した通りであるが、人間は様々なものを食べていく成長の過程で徐々に味覚が変化していく。例えば、小さい時に苦くて食べられなかったピーマンを大人になったらペロッと食べられるようになったり、苦くて飲めなかったビールを飲めるようになったというものがある。これらはすべて経験によるものである。大人になっていく過程で体に良いということがわかり自然とピーマンを食べられるようになる。酔えることがわかってビールを飲めるようになる。これらは経験によって味覚が変わる例である。経験を積み、味覚を養うために赤ちゃんは味蕾をたくさん持っている。この時期にいかにして味覚を養わせるかも問題である。赤ちゃんから味覚の基礎は9〜12才で出来上がるので、それまでに子ども達にどのような経験をさせてあげるのが重要なのかを今後考えていく必要があると感じた。味覚について理解することで、人間の体の器官の仕組みを理解し、本当のおいしさへの関心が高まると思われる。このことをいかに養わせるか、学校現場でどのように活用するのかを今後考えていきたい。



Fさん 

 今回の講義では、味覚に焦点を当てて、詳しく学ぶことができた。味覚について真剣に考えたことがないというのは自分だけではないと思うが、こんな面白そうなことを研究している人がいるということを知ることができただけでも講義に出てよかったと思った。まず、味蕾という単語自体、聞いたことがなかったし、そもそも味を感じるメカニズムもまるで知らなかったのだなと、少し恥ずかしい気にもなった。先生が、ものの味を甘く変えてしまうという不思議なミラクルフルーツに興味を持たれ、研究されるうちに、そのミラクルフルーツと反対といえるような性質を持つギムネマにも出会われたというのは、すごい出会いだと感じた。もしミラクルフルーツかギムネマのどちらかでも存在しなければ、講義内容のような、誰でも味覚に興味を持つことができるような画期的な実験はできなかったと思う。それに加え、味覚の研究という面からみても、進度に大きな違いが生まれたのではないか。また、それらの味覚修飾植物の今後の展開としては、私としては、全国的な電波を使って、もっとたくさんの人に存在を認知されるべきであると思う。今回、講義を受けてよかったと思ったし、これを知らない人がいるなんてもったいないと感じたからだ。また、全国的にこの内容が認知されれば、ミラクルフルーツのタブレットは、少し味を付けたりして商品として加工すれば、甘いものを食べてはいけないけれどなかなかやめられない、という人に向けて大ヒットするのではないかと思う。そうなれば当然ニュースにもなり、今まで何とも思わず生きてきた人たちの、味覚に対する興味関心が増していくきっかけになるのではないか。今回講義を受けさせていただいた中でも面白いと思ったのは、人間以外の動物をみていくと、味を感じるための味蕾が、必ずしも口の中にあるというわけではないということである。もし人間の味蕾が口の中以外にあったらと考えると、それだけで今の人間の生活は冗談抜きで180度変わってしまうのではないかと思う。今まで当たり前に感じていた、味覚というものの見方が大きく変わるきっかけになった講義だった。知らない人にはぜひ聞いてもらいたい話ばかりの講義だと思ったし、機会があればぜひまた違うお話も聞きたいと思った。



Gさん 

 島村先生の講義では、鍵と鍵穴の法則で味を感じるという仕組みが分かった。それは、舌の味蕾という味を感じるセンサーで味を判断しているわけだが、鍵と鍵穴でいうと、甘味、うま味、塩味、酸味、苦味は鍵にあたり、味蕾が鍵穴にあたるものということである。鍵穴と同じ形の鍵でしか反応できないので、例えば甘味の鍵が苦味の鍵穴に入ることはできないため、それぞれの味はそれぞれに反応する味蕾があるということである。しかし、授業で私たちが味の実験でギムネマやミラクルフルーツはどう説明されるのか。それは、チョコレートが甘くなくなって油っぽいものにさせるギムネマは、口の中でその成分が行き渡ると、甘味を感じる鍵穴に、甘味の鍵と同じ形のふたを先にしてしまうので、後から甘いものを食べて本物の甘味の鍵がやって来ても、甘味のセンサーは反応できなくなるのである。また、酸っぱいものが甘く感じるミラクルフルーツは、ミラクルフルーツの成分と、酸味の成分が組み合わさり、甘味と同じ鍵の形になったものが甘味の鍵穴にはまり込み、甘さとして反応するので酸っぱいものが甘く感じるというものだ。
 味覚修飾植物の今後の展開や味覚について知ることの重要性に関しては、授業のなかで、甘いものが甘く感じなくなるギムネマ、そして酸っぱいものが甘く感じるミラクルフルーツが、味覚修飾植物と呼ぶことを学んだ。それらは糖尿病患者の治療ではないけれど、生活習慣の改善につながるということが今後の味覚修飾植物の展開であろう。ギムネマは甘いものが甘くなくなるので、糖尿病患者が甘いものを美味しく感じなくなり、甘味摂取を抑える効果が期待できる。一方、ミラクルフルーツは酸っぱいものが甘くなるので、甘いものが食べたくなってもミラクルフルーツを食べてから酸っぱいものを食べれば甘味を感じることができるという効果がある。授業でも説明があったように、それが糖尿病の治療そのものではないので、糖分の摂りすぎを抑えることが目的である。たしかに、その効果は十分活用できれば、糖尿病患者の治療の助けになると思います。糖分を多く摂ってしまうのは、その人にとって甘いものが美味しく感じるからであると思う。だから、味覚修飾植物を活用することで糖分摂取量を抑える効果があるということを理解してギムネマやミラクルフルーツを活用するのと理解せずに利用するのとでは、意識の上で全く違うことになると私は思う。もし味覚を感じる仕組みを知らなければ、例えば小学生の糖尿病患者がその仕組みを知らずにギムネマを食べていて、甘味が感じられないからお菓子を食べ続けてしまうことも考えられる。そのため、味覚について知るということは自らの健康のためにも大事なことだと思う。
 もう一つ具体例を挙げると、私が高校の時の家庭科の授業で味覚について学習した際に、うま味が減塩を助けることを学んだ。その授業では2つのみそ汁を作り、1つはシイタケの出汁が入っているもので、もう1つは出汁が入っていないものだった。それらのみそ汁を味見してみると、2つのみそ汁に入っている味噌の量は同じだったのに、出汁が入っているものの方が明らかに味が濃かった。うま味の成分が塩分を引き立たせる効果があるからである。出汁が入っていないみそ汁はあまり味がしなかったので、どのくらい味噌を入れれば美味しくなるか少しずつ味噌を増やしていったところ、結構な量の味噌をとかさなければいけない結果になった。塩分を抑えたければ、出汁を入れると良いということを学んだ。
 このように味覚についての知識があると、必要に応じて糖分を抑えたり、減塩したりと、健康的な食生活を送ることができると私は考える。一人の人間の味覚はその人の家庭にもよるものだけれど、家庭の味によっては塩分濃度が高い食事に慣れている人もいる。しかし、味覚についての理解があれば、正しい知識をもってより良い食生活に改善することができると思う。したがって味覚について知ることは、健康的な生活につながる身近で大切なことであり、この講義を受けて味覚についての知識を持つことができて良かったと思う。今後、この講義で学んだ味覚についての知識を活かして生活していきたいと思う。



Hさん 

 今回、島村先生の講義を受けてもっとも感じたことは、子どもたちに食の楽しさや味覚の不思議さなどを伝えたり、教えたりする責任は保護者だけではなく教師にもあるということだ。私たちは食べなければ生き続けることができないが、生きるためだけに食べるのであれば、おいしいものである必要はないのではないかと感じた。しかし、私たちが人生をより豊かにするにはおいしいものや好きなもの、そして苦手なものを克服して食べる必要があると私は今回感じることができた。なぜそう感じたかは、動物と人にとっての味覚が異なることが印象に残ったからだ。動物にとっては生きていく上で役に立つものがおいしいとみなされるが、人は必ずしもそうではないところがとても興味深かった。嫌いな食べ物がどんなに体にいいと言われても「まずい」と感じたら食べられないことに現れていると思った。人が食べ物をおいしいと感じるメカニズムを学んでみて、確かに自分も4つのおいしさのメカニズムに当てはめて食べていることに気付いた。その中で学校教育にもつながるのは“情報に基づくおいしさ”だと私は感じる。他の3つのおいしさは、幼いころからの家庭環境や生理的欲求、物理的な問題なので、一番操作しやすいのは“情報に基づくおいしさ”だと思った。
 では、学校でどのようにおいしさや味覚について子どもたちに教えていけばよいのか。島村先生の講義のように実際に身を持って経験することはとても大切であるし、何より印象に残り、楽しめると思った。人は様々な味覚を感じることができるが、どうやって味覚を判断しているかを子どもたちに伝えるには、自分の舌を鏡でよく見てみたり、様々な味を味わったり、そしてイラスト等で理解させていけたらよいのではないか。また、健康等の情報があると人はおいしく感じたり、より多く食べたりすると学んだが、学校の給食や調理実習を取り上げてみたいと思った。なぜ協力して自ら作った料理はおいしく感じるのか、加工品と子どもたちが調理したものを比較して食べてみて経験したら、子どもたちも気づくと思う。そこで、食べることだけでなく作ることや協力することにも楽しさを見出せるのではないか。給食においては、必ずしも子どもたちの好きなものが出るとは限らない。しかし、どうして食べきることが大切なのか。誰のおかげで毎日給食を食べることができるのか。このような味覚以外の学習もできるので、そこで教師が食についての重要性を感じられるような食育をしたら、子どもたちが苦手な食べ物を食べようとする気持ちが生まれるきっかけになると思う。操作をしやすいからこそ、教師の一言によって悪影響を及ぼしかねないので、食育は言葉の使い方に十分配慮しなければならないと思った。
 私はギムネマもミラクルフルーツも存在を今回の講義で初めて知ったが、医療での応用がされていると聞いてとても感動した。自分は臨床心理学コースに所属しているが、臨床心理の立場から味覚について考えると、不快な経験で嫌いになった食べ物(ここでは不快な味と感じたこと)をギムネマやミラクルフルーツを用いて食べるのはどうなのか興味を持った。嫌いな食べ物は見るだけで嫌と感じてしまうことがある。しかし、味を変えることで見た目を嫌だと感じながらも食べることができた経験は快感情となり、ギムネマやミラクルフルーツを摂取する量を減らして、反復していくうちに食べられるのではないかと感じた。
 味覚とは関係ない感想だが、島村先生の探究心は自分も見習わなければならないと思った。不思議に感じたことに対して、とことん追求する姿は研究者として大切な姿だと思うので、自分も研究したいことに対してもっと貪欲になっていかなければならないと思った。



Iさん 

 非常に驚きを感じた講義だった。普段あれほどおいしいと思いながら食べていた甘いお菓子がおいしく感じなかったのだ。不思議に感じたが講義を聞いて納得できた。ギムネマによって甘味を感じる味蕾にふたがされて甘さを感じなくなったことがよくわかった。そんな効果のあるものが存在していることは初めて知ったことだったのでとても面白いと思った。興味が持てる内容の講義だったなあと思う。
 味ということに関して人間はすごく変わっている動物なのだと思った。草食獣や肉食獣などの人間以外の動物はおいしさを感じるのは生きていくうえで必要なもの、役に立つものにおいしさを感じて食べている。それに対し人間は栄養もたいしてないようなものにおいしさを感じたり、食べ過ぎると体に害があるようなものにおいしさを感じたりすることがある。また、生物学的意義では腐敗物を表す酸味や毒物を表す苦味に対しても問題なく食べておいしいと感じることがある。さらにはうま味も発見し、さらにおいしさというものを追及している。これらは動物的にとても特殊なものだと思う。動物にとっての食や味は本能的なものからくるものに対し、人間は本能だけでなくより娯楽としての要素が強くなってきているように感じる。また人間は食べるときのシチュエーションによって味を変化させることがある。他の動物なら関係ないことでも人間には影響する。たとえばライオンがシマウマの肉を食べているときに周りにハエが飛んでいたとしてもおいしいと感じながら肉を食べているだろう。しかし、人間だと周りにハエが飛び回っている状況だとおいしいものもおいしく感じないだろう。嗅覚、触覚、視覚、聴覚、そして味覚の五感を総動員しておいしいを感じるのは人間ぐらいだろう。味覚の話を聞いていると人間のおいしさに対する特殊さを強く感じた。また人間は味にとても強いこだわりがあるとも思った。経験や学習などと味覚が関係しているのはとても面白いことだと思った。これほど味覚に対して興味を持ったことはなかったからとても楽しめた内容だった。,br>  味覚修飾植物はやはり甘いものを食べてはいけないのに食べてしまうような人にとって良いものだと思う。ギムネマなど使って継続的に甘いものを食べるときに使っていけばおいしくなかったという経験からギムネマがなくても甘いものを避けるようになるかもしれない。そういった避けたいけど食べてしまう状況の人に使えるといいと思う。また、甘味だけでなく他の味覚にも作用するものが多く見つかればより可能性は広がっていくと思う。病気に対する有効な治療法の一つにもなっていくかもしれない。味覚修飾植物が健康と食に対する大きなポイントになることは間違いないと思う。また味覚についていろいろなことを知れば自分の食習慣を見直すことにもなり、より健康的な生活を送ることになっていくと思う。味というアプローチから自分の食習慣も見直していこうと思った。



Jさん 

 私は普段何気なく食べ物を食べその味を堪能してきた。それは自分が生まれてからずっと続いてきたことであり、それが当たり前のことだと思っていた。テレビなどで味覚障害についてのある程度の知識は知っていたものの、私自身が味覚障害になったことがあるわけではないので実際にどのようなものかはわからなかった。今日の講義で普段食べている甘いものの味を確認した後ギムネマという甘さを感じる味蕾をブロックする働きを持つ葉を食べ、また甘いものを食べその時の味を確認するという体験があった。この体験をする前にあらかじめどのような状態になるかは先生のお話と資料からわかっていたものの、私の中ではどこか「こんなに甘いものの甘さを感じることが出来なくなるなんてありえないだろう」と思っていた。そのため実際にギムネマを食べた後甘いものを食べた時は本当に驚かされた。普段はあんなに甘いと感じていたものの甘さが一切感じないのである。甘くておいしかったチョコレートがねばねばした泥のようなものに感じたし、クッキーはただパサパサした変なものにしか感じることが出来なかった。ただ1枚の葉を小さく切ったものを食べただけなのにこんなにも変わってしまうのだなとおもった。それと同時に味を感じることの出来ない味覚障害を持ってしまっている人たちはとてもつらい日常を送っているのではないかという疑問も生まれた。私たちはお腹がすいたときに「食欲」という欲求を持ち、欲求を食べ物を食べることで満たす。その時食べるものが自分の好きな味であればあるほど欲求もより満たされる。この時に私たちは「食べること」の喜びと楽しさを知れるだろう。しかし今日の講義で甘さの感じられないつまり味が感じられないものを食べているとき私は喜びと楽しさを感じるどころか逆にストレスと悲しみを感じていた。「早く口の中にある味のない物をなくしたい」という感情を持っていた。私の場合この状態はギムネマを食べ、その効果がある時間だけで済むため、ストレスを多少感じながらも仕方ないという気持ちでいられた。だが味覚障害を持っている人はどうだろうか。お腹がすき、食べ物を食べようとしてもそれの味を感じることが出来ず、今日の私の体験で言うところの「泥の様なもの」をお腹が満たされるまで食べなければならず、食事という本来ならば楽しいことがただ味のしないものを食べ続ける作業に変わってしまい、「食事」自体に何も楽しみが見いだせなくなってしまうだろう。もともと食べ物の味を知っていて何らかの事象のせいで味覚障害になった人ならなおさらつらいと思う。
 味覚修飾植物や味覚について知ることは肥満が社会問題になっている近年でいかに低カロリーで甘いものを食べるかなどの健康問題を知ることにつながると思う。糖分をとらずにお菓子を食べることができストレスをなくし満足感を得ることができる。これは人の精神面にも深くかかわることだと思う。
 この授業の内容はとても興味深い内容であったためこれからも調べ、知識を増やしていきたい。楽しい授業であった。



Kさん 

 今回、ギムネマとミラクルフルーツを使った味覚のしくみを理解する講義を受けて、味を感じるしくみをしっかりと理解することが出来ました。今まで講義の中で出てきた「味覚地図」は見たことがあったが、「味蕾」という言葉は聞いたことがありませんでした。なので、今回正しい味の感じるしくみを知ることは良かったです。自分たちが生活していく中で「食」という分野は生きていく上で必要不可欠なものです。また、「おいしい」と感じることは、幸せな気持ちにします。このように、生活と食は密接したかかわりを持っています。その中で、自分の体がどのようなしくみで味を感じているのかを知ることは必要なことだと感じました。また、この味蕾は人間ならあまり差がないことを知りました。これは少し意外で、「味覚音痴」や「味の違いが分かる」、「味に敏感」など普段の生活から同じものを食べても、味など違いを感じているから、人によって少しは違うものなのかと思っていました。
 今回の講義では、ギムネマを使って、甘さを感じさせなくさせ、ミラクルフルーツを使ってすっぱいものを甘く感じさせる実験を行いました。最初、ギムネマの葉とミラクルフルーツの錠剤を見た時に「こんなもので、しかもこんな少量で味覚が変わるのかな?」という気持ちでいっぱいでした。しかし、ギムネマを噛んだ後にチョコレートを食べたら、本当に何も味がせず、油のかたまりを噛んでいるようでした。自分は甘いものが好きなので、余計に気持ち悪く感じました。今回はギムネマの効果が切れれば、甘さを感じることが出来ますが、味覚障害になると、このような感じになるのかと考えたら、大変な病気だと感じました。頭では甘いものだと分かっていても、味を感じないということは想像できないほど苦しいのではないかと感じました。そして、その後に行ったミラクルフルーツのすっぱいものを甘く感じさせる実験を行いました。これも多少のすっぱさを感じましたが、甘く感じました。ミラクルフルーツは現在、糖尿病の方が糖分を取らずに甘い思いが出来るということを目標に共同研究しているということを聞きました。このような植物の力を利用して、少しでも医療の力となり、食事制限などが楽になればいいなと思いました。
 今回はこの実験以外にも好き嫌いのメカニズムにも触れました。自分は生野菜があまり好きではありません。しかし、母などに聞くと、昔はあまりそうでもなかったと聞きます。しかし、今回の話を聞いて、好き嫌いは意識的なものが大きいことが分かりました。子どもの頃は食べていたということはどこかの時期で意識してしまったということであると思います。今後は少しずつでも嫌いなものも意識を変えて食べていきたいと思いました。
 今回の講義を受けて、新鮮な驚きや発見を経験出来ました。今回は自分で試食し、体験できたからこそ感じることが出来たのだと思います。今後、自分が教師になった時に「食」に関連して、味覚体験などをぜひ子ども達にもさせたいと思いました。味覚体験を通して、味覚の大切さや、メカニズム、味覚障害についてなどを子ども達に感じて、考えてほしいからです。「食」について食文化などが変わり始めている現在、このような学習機会はより大切にしていかなければならないと思います。その時はまた島村先生にお願いしたいなと思いました。今回の授業で学んだことを自分が教師になった時に少しでも伝えていければいいなと思いました。



Lさん 

 今回の講義で新たに学んだことがたくさんあった。そしてそこに、たくさんの驚き発見があった。特に印象に残っている3点について感想を述べさせていただく。
 まず一つ目だが、この講義で初めて知った「味蕾」という言葉についてである。味を感じるセンサー(=蕾)と先生はおっしゃっていた。この味蕾で「甘い」だったり、「しょっぱい」などの感覚得るということを知った。舌だけで、口にしたものの味がどんな味なのか分かるのかと今までは思っていたが、これは上あごや喉にもあるというため、上あごや喉でも味を感じるという。それが分かったのは最初の飴の実験の時である。ギムネマを口にし、舌になじませた。そうすると、甘いはずのチョコが全く甘くなく、美味しくなかった。しかし、舌の上では甘くないものが、喉を通る際甘くなった。これはギムネマを喉に浸透していなかったから、かつ喉にも味蕾があるということ。このことを自分で、実際に経験した後、先生が喉にも味蕾があるとおっしゃっていたので、とてもいい学習になった。もし、このような実験をしなければ、味蕾は喉にもあることを印象に強く学べなかったと思う。
 二つ目は、動物の味覚についてである。ソムリエなど、小さいころに良いものを口にしていると、成長してから味にうるさくなる、という話を聞いたことがあったため、ソムリエの味蕾が多いと思ったが、人間は断然にあかちゃんが多いという話が意外で面白かった。しかし、色々なものを口にする人間は、草を食べる動物よりも味蕾の数はあきらか少なかった。その理由がとても面白くて印象に残っている。草食動物は、草を食べる。その草に毒があるかないか判断するために、たくさんの味蕾があるという。コアラは、ユーカリ(毒がある)を食べる。他の動物はそれを食べないから、近寄ってこない。だから運動が苦手でもコアラは争う必要がないためいい、という話を今日聞いてなるほど!とものすごく納得することができた。チョウは卵を葉につけるため毒の判別は重大であるというのも面白い。一方肉食動物は、味とかではなくエネルギーになるものから食べていくという話も非常に興味深かった。そうしてひきつけられている中、とどめに「動物の味覚は、生きていくのに役立つものがおいしい」という言葉。もう感動した。もっとほかの動物はどこに味蕾があり、なぜそこに味蕾があるのか調べたくなった。人間の生態だけでなく、動物の味覚にも色々なものがあるんだな、奥が深くて非常にいい学習になった。
 三つ目は、好き嫌いのメカニズムである。私はナスが大嫌いである。それは、私が幼稚園生の時、母が作ったマーボーナスの見た目がお世辞でも綺麗とは言えないものが夕飯に出てきた。その際に、これは食べ物ではない!と思い、そこからナスがずっと嫌いである。そして、今日このメカニズムを聞いてこれだ!と思いました。やはり、このようなもので成り立っているんだ、というのを今日学べました。単純ですが、将来自分に子どもができたら、料理を頑張って、ファーストインパクトをよくしようと考えました。また、それを直すために、今までの印象やステレオタイプをやめて、自分で今度ナスを使って料理してみようと思った。
 先生の講義のおかげで、以上のことだけでなく、味覚に関することをたくさん学ぶことができた。将来教師になるにあたり、豆知識の話としてすごく有効活用できると思う。理科で、5感を学習する時、味覚についてものすごくひきつけられる話ができそうだな、と思った。先生が今日話していた「辛い」というのは味蕾ではなく、皮膚で感じているという話など、子ども達は大好きだと思うし、印象に残り、とてもいい学習ができると思う。今日の先生の講義の話、身をもって経験したことは一生忘れません。教師になってから大切なこと、人間として知っておくべき話をたくさんしてくださり、本当にありがとうございました。



Mさん 

 今回の講義を通して、味覚の大切さを学んだ。私は甘いものが好きで、珈琲にも砂糖をたくさん入れて飲んでいた。しかし、今回の講義の始めにあったギムネマを食べてから甘いものを食べてみて、こんなに甘みがないと甘いものは食べてもおいしくないのかと初めのうちは感じた。しかし、島村先生から講義の中で、人間の味覚の甘味の部分は感度が低く、甘味料をたくさん入れないと甘いと感じないということを知り、味の種類によって感度が違うという内容はとても興味をもった。また、苦みや酸味は体にとって毒であるというシグナルになるから感度が高いということも、普段は何気なく食べているが、そういう違いがあったということを知ることができて、新たな発見であった。講義を通して、自分の食べ物の捉え方が変わった。講義を終えてからは、少し甘さが物足りないと感じても、感度が低いということを知ったので、このくらいの甘さでちょうどいいという風な考え方になった。人にとっての味覚は経験と学習であるということを講義の中で先生がおっしゃっていましたが、私もまさにギムネマから経験し、学習して味覚が変化したと思った。また、小腸が下に食べ物を押し出すことによって起こる別腹の原理を知って、食後に甘いものを食べたいと思ったときには、別腹の原理が働いているのだと思い、まだ食べ物が食べられるのではなく、無理矢理食べられるように体がしているのだと考えるようになり、もっと食べたいと思わなくなった。今まで21年間生きていて、味覚に騙されながら食べたいものを食べたい甘さにして食べたい量を食べていた。しかし、自分は味覚に操られていたと気づいた。また、自分の食の趣向を今一度考えたい時などにはとても味覚について知ることは大切であると感じた。
 今回の講義では、ギムネマ以外にミラクルフルーツの味覚体験もしたが、味覚の面白さも感じることができた。酸味の入った飲み物がミラクルフルーツによって甘いと感じるようになることを経験して、ミラクリンという糖タンパク質が酸味とくっついて甘味の鍵穴にはまって甘いと感じる原理を知り、今までは味覚はとりあえず味を感知している部分というふうにしか考えていなかったが、味覚と食べ物には密接なつながりがあることを考えさせられた。
 私は今まで味覚障害について理解していたが、その原因がわかっていなかった。糖尿病ネットワークのホームページによると、糖尿病予備軍の人は減少傾向であるが、糖尿病の人は増加傾向にあるようである。ミラクルフルーツはタブレットが誕生しているので、ミラクルフルーツを使った医療が可能なのではないかと考える。また、糖尿病にならない前に、味覚について考える機会を与えるべきであると考える。また、なってしまっても深刻な状況にならないように、味覚を騙して改善することができるのではないかとも思う。人の役に立つ方向に普及していってほしい。
 今回の島村先生の講義は、とても興味の魅かれる内容であった。実際に味覚の不思議を体験することで食に対して新しい考え方をもつことができた。ただ食べておいしいとかまずいだけではなく、おいしいと感じる仕組みを理解することで食に関して私のように考え方が変わったり、食の生活習慣がいい方向に向かっていくこともあったりするのではないかと感じた。

参考
・CiNii論文:2010年度の講演の紹介と小学生への味覚教育アンケート結果―味覚就職植物を用いた味覚教育―
http://research.n-fukushi.ac.jp/ps/research/usr/db/pdfs/00123-00004.pdf

・糖尿病患者さんと医療スタッフのための情報サイト 糖尿病ネットワーク
http://www.dm-net.co.jp/calendar/chousa/population.php



Nさん 

 今回のこの講義を受講して、味覚について知ることの大切さを学ぶことができた。子どもの時に味覚が形成されるということが分かったので、この時期に発達段階に応じて、最も適度な分量の味付けのものを食べる必要があると考えた。幼い時から、味付けの濃いものを食べていると、味覚もそれに応じて発達していくため、薄い味付けのものに物足りなさを感じ、大人になると、味覚障害や高血圧といった症状が出るのではないかと思った。
 上越教育大学の学生は学部1年生の時から小学校や中学校実習に行くが、その時の給食の味付けが薄いと漏らしていた人がいた。小学校、中学校のほとんどが給食であるため、毎日食べる給食は味覚形成に大きく関わってくるものだと考えた。今、私は講義で、「食」に関して調べており、その中の「日本の学校給食」について取り上げ、調査している。昨今、あまりよろしくない献立の給食が出されている。すべての地域に当てはまるものではないが、「食べ合わせがめちゃくちゃ」「給食として出されるのはおかしい」と考えさせられるものばかりである。例えば、「きつねうどん」「いちご蒸しパン」「牛乳」という組み合わせの給食がでた学校がある。「よくかんで食べましょう」と学校で指導されることが多いが、うどんと蒸しパンでは噛みごたえがなく、この指導はあまり適切ではないと考える。また、蒸しパンは甘いイチゴ味であるため、「お菓子」という領域である。この組み合わせに違和感を覚えないとなると、うどんに甘いパン、飲み物に炭酸飲料やスポーツドリンクを選ぶような大人へと成長してしまう。学校の味覚指導として最も重要な給食が、味覚を麻痺させるようなものが多くなってきているのである。そのため、若者の間に味覚障害という症状が出てきていると考える。味覚について知ることはこうした病気の予防、「食べる」ことの楽しさを学ぶうえでとても重要なことである。また、幼少期は「味蕾」と呼ばれる味を判別する器官がとても発達している。赤ちゃんは1万2千個もの味蕾をもつとも言われている。また、9〜12歳で味覚の基礎が出来上がるとも言われている。そのため、幼い時から味覚指導を大切にし、正しく行わなければならないと考える。
 しかし、糖尿病や肥満といった症状がある人には、味覚を一時的に変化させるという方法が医療現場で適用されている。「ミラクルフルーツ」という、酸っぱいものを甘くするもの。「ギムネマ」という、甘味を感じさせなくするもの。これらを用いて糖分を取らずに甘いものを食べたという満足感を味わうことができる。これにより、我慢することで溜まるストレスや、リバウンドというマイナスの症状を抑えることができる。そのため、そういった効果が期待できるこれらの「味覚修飾植物」は、今後、生活習慣病の抑制と、味覚指導にかなり効果を発揮すると考える。今回の講義で、そういった効果を持つ味覚修飾植物に興味を持った。
 また、今回の講義では実際に全員がギムネマとミラクルフルーツの効果を体験することができた。実際に体験できたため、講義の内容の理解がはやくできたと思われる。「ギムネマは甘味を感じさせない。」と言われただけでは、あまりイメージがしにくいが本当にそうであったということを身をもって知ることができた。教師になった際にぜひ活用したいと思った。



Oさん 

 今回の講義では、今まで知らなかったことをいろいろと知ることができた。中でも一番驚いたのが、味覚地図が間違いだということである。私が子どものころは、家庭科の授業かテレビか何かで、舌のどこの部分でどんな味を感じるかという味覚地図があるということを学んだ記憶がある。しかし、今回の授業でそれは全くの間違いであると知って本当に驚いた。味を感じるのは味蕾であり、鍵と鍵穴の関係で味が判別できると知った。味蕾の数は生き物によってばらばらで、人間の大人では6000〜9000個の味蕾が存在するが、赤ちゃんでは12000個と多く、ナマズに至っては200000個もの味蕾が存在すると聞いてそんなにも違いがあるのだと感動した。ナマズはにごったところに住んでいて目が悪いため、体中の味蕾を使って、敵の味やえさの味を感じ取っているのだとわかった。また、人間は扁桃体が非常に発達しており、情報に左右されやすかったり、価値判断をする能力が他の動物よりも高いのだと知った。他の動物では、自分が生きていくうえで役に立つものがおいしいものとなる。例えば肉食動物のライオンなら、小腸の野菜ジュースのような成分を食べ、次にビタミンやミネラルが含まれる内臓を食べ、最後に筋肉を食べる。生きていくうえで役に立つものがおいしい、つまり、他の動物はおいしいものから食べるのだなと思った。他にも、豆知識のような情報をいろいろ学ぶことができた。ハエが手をこするのは味蕾の掃除をしているからであるだとか、蝶も手に味蕾があり卵を産むときにその葉に毒がないか確認しているのだとか、蛇や鳥は食べものを丸のみするため味蕾が非常に少ないのだとか、聞いていて「へえ〜」と思う場面がたくさんあった。別腹が人間とサルにしかないという話は特に驚いた。脳から「食べたい」という指示が出ると、胃が頑張って少しだけ押し出しそのぶんが入るという仕組みも初めて知った。また、辛味は体性感覚で、味蕾ではなく神経を刺激して起こるということも初めて知った。辛味も5種類の基本味の中にあると思っていた。しかし先生の話を聞いて、確かに辛い物を食べた後は唇が痛くなったりするし、途中で味噌汁を飲んだりすると辛さが増したりするな、と思った。
 私は好き嫌いが少ない方なのだが、それは食事の時間に、親がおいしそうな顔をして食べていたからかもしれないなと思った。人間は扁桃体が非常に発達している、言い換えれば情報に左右されやすいのである。おいしくなさそうに食べているところを見れば、脳が「あれ、おいしくないのかもしれない…」と認識してしまう。自分が親になったときや、教師になって子どもと一緒に給食を食べる場面では、「きちんと食べなさい」と言うよりもまず自分がおいしそうに食べることが大切なのではないかと思った。
 味覚装飾植物は今後、ダイエットの支援や糖尿病の予防に多く用いられてくるのではないかと思う。ギムネマは甘味を感じさせないだけではなく、腸の中でも糖分を吸収させないということから、インドでは昔から糖尿病の予防として使われてきたと講義で聞いた。このことについて少し興味がわいたため、ネットでも調べてみた。『ギムネマ茶でダイエット(http://hitosere.net/04.html)』というサイトには、ギムネマ茶の作り方について記載してあった。目安として、1リットルあたりに5グラム程度の茶葉を入れ、煮出しを行うだけでよいらしい。しかし、ギムネマ茶は非常に苦いため、毎日飲むといった継続は難しいという欠点もある。自分が継続して飲みやすいように、茶葉の量を調整したり、他のお茶とブレンドしたりする工夫も必要である。また、ギムネマだけでなくミラクルフルーツも、糖尿病の予防に効果的である。ミラクルフルーツの酸味を甘味に変える特徴を活かして、酸っぱいお菓子の開発が行われている最中である。ミラクルフルーツを食べた後は、酸っぱいお菓子も甘いお菓子に変わるため、糖分は取らずに甘いお菓子を食べた気分になれる。この研究がもっと発展していくと、将来、糖尿病に悩まされる人が減っていくのではないかと期待している。
 味覚について知ることは重要だと思う。例えば、ギムネマの葉を噛んで甘味のない世界を実際に体験してみることで、味覚障害を疑似体験することができる。実際に味のない世界を体験してみることで「このようにはなりたくない、味覚障害にはなりたくない」という意識も生まれるのではないかと思う。また、味蕾の存在を知ることで、よく噛んで食べてみようという意識も生まれるのではないかと思う。
 今回の講義で自分が知らなかった様々なことを知ることができた。自分自身、これから味を意識して食べてみようと思った。将来、食育にもうまく活かしていけたらと感じた。
 本当におもしろくて飽きない講義でした。ありがとうございました。