私は今回の講義で、ミラクルフルーツとギムネマの存在を初めて知りました。どちらの植物も日本で簡単に手に入るものではなく、ミラクルフルーツについては実がつくまでに7年もの歳月がかかることを知りました。実際に試食をしてみると、想像以上の味の変化にとても驚きました。特にギムネマの味覚体験では、うまく舌全体に葉をこすることが出来ていなかったようで、舌の端の方では砂糖の甘さも感じ、口の中で味の比較が出来、味の変化をより強く感じることが出来ました。また、このような味の変化を実感できるのは味覚が健康である証拠で、とても幸せなことなのだと思いました。
味を感じる味蕾は赤ちゃんには12,000個あり、大人になるとさまざまな味を経験し学習して知識が増えるため6,000個に減ることが分かりました。赤ちゃんの味蕾の数の多さを考えると、離乳食が薄味なことにも納得が出来ました。また味蕾は舌だけではなく、上あごやのどにもあり、例えば炭酸飲料を飲んだ時にのどがスカッとするのは味蕾が関係していることが分かりました。
現在、味覚の種類は甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の5種類があり、うま味については1985年に世界に認められるまでは日本独自のものであったことを知りました。味覚には経験と学習が大きく関係していることが分かりました。例えば食事中に怒られたり、むりやり食べさせられたり、食べたら食中毒や嘔吐をしたなどの経験が好き嫌いに繋がります。またバーベキューは普段よりも手抜きの料理なのに楽しくおいしい思い出として残ることから、食事の雰囲気が好き嫌いにも影響があると分かりました。さらに子どものときは苦い味と感じていたピーマンやコーヒーなども、大人になると苦味がおいしく感じるようになります。子どもの頃は成長に必要なカロリーを摂取し、経験と学習から大人になると身体を維持するのに必要なものを摂取するようになると分かりました。食べ物だけではなく味覚を利用したものでは、リカちゃん人形の靴にはわざと苦味成分が塗ってあり、子どもが誤って口の中に入れてしまったときでも吐き出すような工夫がされています。
例えば、ステーキ店で料理が鉄板に乗ってアツアツの状態で運ばれてきます。すると音、におい、湯気、切る、食べるといった五感を使って、食を楽しむことが出来ます。このように五感を使うことは、人間にとってのおいしさに繋がります。また人間の脳の扁桃体という情報を司る部分は、よく発達していて、人間にとってのおいしさに影響していることも知りました。
今回の講義で、味覚についてさまざまな知識を得ることができ、また実際にミラクルフルーツとギムネマを通して味の変化を体験してみて、味覚や食について深く考える良い機会になりました。同時に、より多くの人に味覚について興味、関心を持ってもらい、味を感じることが出来る幸せについて考えてほしいと思いました。これからは保育者として、子どもたちやその保護者、現場の先生たちに今回学んだことを伝えていくことで、食育の必要性やあり方について考えを深めていきたいです。