ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト(ミラクルフルーツ・味覚・ギムネマ・ミラクリン・食育・ミラクルフルーツ)

  ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト
島村光治のホームページ ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト
ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト ご質問・ご意見・ご感想・講演依頼
ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト
■ 参加者の御感想


参加者の御感想

2013/05/02に実施した岐阜市立女子短期大学 食物栄養学科2年の皆さんのレポートです。

講演風景1 講演風景2



Aさん 

 私は、今回の講義を終えた事により、私の理想とする栄養士に確実に近づく事が出来た。
 私は食を通して人を思い、助け、常に食を提供する相手の感情を、共有出来る栄養士を目指している。そのため、今回の島村先生の講義でギムネマを食す事により、味覚障害を模擬体験でき、味覚障害者の感情を共有できた事が、さきに述べた最大の理由である。
 味覚について知る事の重要性は、栄養士就職を目前としている私にとって増しており、今回の体験をリアルに伝え指導していく事が私の描く栄養士像への一歩であると考えている。
 何にも劣らず、ギムネマ体験が衝撃的であり、味を感じられることのありがたさと、感じられないことへの恐怖を痛切に感じた。同時に、栄養指導で味覚障害を予防することが出来るならば今回の自身の味覚体験をリアルに伝える事は、文面で指導していくより、はるかに説得力があるものだと考えた。
 そこで、味覚障害者を防ぐための指導として、今回の味覚実験を伝える他に、何が実践できるかを検索した。
 味覚障害の原因として第一に薬剤性、第二に突発性味覚障害、次いで全身疾患、心因性と統計がでている※1。第三位に起因している全身疾患は、栄養管理で予防することができることから、栄養指導により味覚障害を防ぐ事ができると考える。
 さらに、亜鉛不足も原因の一つであると考えられている。亜鉛摂取を促すと共に、血液中の亜鉛を吸着してしまう食品添加物や防腐剤の摂取制限を考慮した献立作成、栄養指導を実践していく事により、味覚障害予防に繋がると結論づける。
 また、気になった原因の一つに、心因性があった。これは、人の感情により味覚が感じられなくなったり、感じられるようになったりする障害である。栄養指導の過程に、メンタル面での指導も重要視されている事から、味覚障害者の心理への対応も重要性を帯びていると考える。
 以上のことから、今回の味覚体験をリアルに伝えたうえで、全身疾患予防にあたる具体的栄養指導を実践し、かつ患者に寄り添いメンタル面でサポートしていく事が、栄養士として実践できる事であると結論づける。
 今回の体験で、授業の一環としてはもちろん、人として味覚という分野に大変興味を持ち、検索するまでに至ったので感謝申し上げる所存であります。

※1「味と匂いのシンポジウム論文集」富田寛 1989年



Bさん 

 昨年受講した解剖生理学実験で味覚に関する実験をしたが、今回の特別講義では、そのときの内容とリンクしている部分があって理解を深めることができた。例えば、実験では基本味についてどこまで味を感じ取れるかという閾値を調べたが、酸味と苦味、特に苦味についてはかなり濃度を低くしても感じ取ることができた。そのときは「苦味はかなり薄めても感じることができる」くらいにしか思わなかったが、今回の講義で、苦味=毒物のシグナルであって、体に害のあるものに対して素早く反応するために舌が敏感になっているのだということがわかった。
 ギムネマの試食体験では味覚障害の疑似体験をしたが、もし自分が甘味を感じなくなってしまったら食べる楽しみがなくなってしまい、食べることが苦痛になるのではないか、と怖くなった。味蕾は舌にしか存在していないと思っていたが、「味蕾は舌全体に7割、その他は上あごやのどにも存在している」という話があり、確かにギムネマで舌は甘味を感じなかったが、飲み込むときに甘味を感じたので納得できた。また、ミラクルフルーツの試食で感じた強い甘味は、パルスイートのような人口甘味料を食べたときの甘味と同じような印象を受けた。
 講義を通して特に興味深かったのは、脳の扁桃体という部分で価値判断をしていること、好き嫌いのメカニズム、おいしいと感じるのに味覚だけでなく視覚など五感すべてを使っているという話だった。
 外食をしているとき、始めはおいしく食べていても、ふと「この野菜はどこから来たものなのだろう」と考えると不安になってあまりおいしく感じなくなってしまうということがあったが、様々な情報が味覚に影響を与えていたのだろう。好き嫌いに関しては、何故食べられなくなったのかと振り返っても決定的な原因は思い足らず、第一印象や雰囲気から何となく「嫌だな」という思いが残ってしまって、拒否してきたのだと気づいた。
 日常的にこのような経験をしていても、その仕組みや理屈についてこれまで深く考えたことはなかった。栄養士として働く上で、様々な年代の人を対象とし、病気やアレルギーなどそれぞれの人が抱えている問題に対処しなければならない場合、味覚に関して何となく経験上知っているというのではなく、きちんと仕組みを理解していることで栄養士としての活動の幅が広がると感じた。例えば、高齢者で義歯のために味覚が鈍くなり食欲が落ちている人に対して、味を濃くするのではなく、料理の見た目や食事の雰囲気を演出することで、おいしいと感じ、食べる楽しみを持てるような工夫ができるかもしれない。好き嫌いのある子供に、嫌いなものを「食べてみようかな」という気にさせるポジティブな情報を与えて好き嫌いを克服してもらえるかもしれない。
 栄養のバランスを考えるだけでなく、食べる楽しみにつながるような活動のできる栄養士になるためにも味覚について理解を深めることは重要だと感じた。



Cさん 

 食事は生き物にとって生きていくうえで欠かすことのできない営みであり、私は毎日の食事で当たり前のように味を感じておいしさを感じてきました。また今までの人生の中でレモンは酸っぱいものであり、チョコレートは甘いものであるというのが当たり前の感覚でした。しかし今回の講義を通して、食品本来の味を感じられることへの喜びや有難さを初めて感じることができました。味覚障害という言葉は知っていましたが、私は普段正常に味を感じることができているし、まわりにもそのような病気の人はいなかったため、これまで味覚障害という病気を身近に感じたことはありませんでした。しかし実際に自分の舌で味覚障害の状態を体験することができ、いつも大好きなチョコレートが甘くないことが衝撃的でした。それまで気にしたこともない味覚障害という病気が恐ろしく感じました。講義終了後に頂いたギムネマを使って、家族にも同じようにチョコレートで試食をしてもらいましたが、チョコレートがまずいと言ってとても驚いていました。私なりにどうしてチョコレートの甘さを感じなくなったのかを説明してみたところ、母も兄も不思議そうに聞いてくれました。自分の舌で身を持って体験をすることは、人の話をただ聞くよりも効果的であり、多くの人が味を感じる舌の仕組みや味覚障害に興味を持つようになると思います。ファストフードや加工食品に頼りがちな近年の食生活は、味覚障害患者を増加させる大きな原因となっているため、多くの人々がそのような食生活に危機感を抱く必要があります。私自身、現在は実家を離れて一人暮らしをしているので何かと加工食品に頼ることが多い食生活を過ごしていましたが、講義後から加工食品ばかりを食べることに少し抵抗を感じるようになり、自分で作って食べる頻度を増やそうと心がけるようになりました。今後は加工食品やファストフードは適度に利用しつつ、魚や日本茶などの日本食は亜鉛が豊富なだけではなく健康のためにも良いので、それらを多く取り入れた食生活を送っていこうと思っています。このように、今回の味覚体験を通して自分の食生活を見直してみようと思ったのは私だけではないはずです。ギムネマを使用することによってだれでも簡単に味覚障害の疑似体験ができるので、ギムネマはとても画期的な味覚修飾植物であると思います。これからも多くの人にギムネマを使った味覚体験をしてもらい、正常に味を感じられることへの喜びや有難さを感じてほしいと思います。
 またギムネマと同じ味覚修飾植物であるが、全く異なる効果を持つミラクルフルーツは栄養士として働くことを希望している私がとても興味を持った物質です。糖尿病患者や肥満者が急増した現代において、栄養士はそのような方たちには低カロリーでかつ、その他の栄養面を考慮した献立を作成しなければなりません。しかし、お客様がおいしいと感じることができ、またお客様に喜んでいただけるものを提供することがとても大事なことです。そのため、甘くないものが甘く感じられるようになるというのはとても画期的なことです。今後ミラクルフルーツが多方面の現場で活用されることをとても期待しています。



Dさん 

 高校生の頃の授業で、舌の位置により、味の感じ方が違うと習っていた事いましたが、今回の講義では、それが覆されました。確かに、当時使っていた教科書を見ると、なぜそういう事が言えるのか、書いてありませんでした。私に不足しているものは、疑問を持つことだと思いました。
 ミラクルフルーツを食したことにより、酸味の強い食品が甘くなりました。甘味は、低温になると、感受性が低下しますが、体温付近の温度が一番強く感じることができます。ここから、酸味の強い食品を、体温付近の温度にするとすれば、甘味をより一層感じられるのではないかと考えます。
 味には相互作用があります。塩味と酸味で、抑制効果がありますが、ミラクルフルーツを食したあとに食べたとすれば、どう作用するのかと考えました。また、酸味と甘味においても抑制効果が働きます。これらをミラクルフルーツを食したあとに食べると、塩味と酸味は、塩味と甘味で、対比効果になり、酸味と甘味は、甘味と甘味で効果は働か無くなるのではないかと考えます。これ通りになるとすれば、とてもおもしろいです。
 また、私は昔好き嫌いが多かったのですが、今は自分でも不思議なほど減りました。講義から、味蕾が少なくなったのだということがわかりました。確かに、幼少期に嫌いだったものは、コーヒーや、苦い野菜などが多く、まさに自分が異物を飲んだら困るという指令が働いていたのだと考えると、人間は本当によくできていると感じます。このお話の前の予想では、好き嫌いの多い人は味蕾が多いと思っていましたが、それもあると思います。人間でも3000もの差があるので、好き嫌いの3つのメカニズムが主ですが、味蕾の数も含まれてくると考えます。
 講義を聴き、人間として、味を感じ、おいしいと思うことができることは、本当にありがたいことだと改めて感じることができました。「いただきます」は、食品そのものや、その食品作りに携わってくれている方に感謝するものだとは考えておりましたが、そこに、自分が健康に食事を楽しめることへの感謝もプラスされました。食事は、楽しく食べたほうが良いということは科学的に根拠があるということから、まさにその通りです。一人暮らしを初めて1年が経ちましたが、未だに一人での食事は家族や友人と食べているときより美味しさが半減します。
 将来、私は栄養士になる予定です。食事の楽しさを知っていただくことが、一番重要だと改めて思いました。美味しく食べられることで、初めて食事の意味を成すと思います。小さい頃、無理して嫌いなものを食べましたが、メカニズムに基づくと、きっとそれが好き嫌いの原因になっている方が多いと思います。栄養素をとることだけでなく、美味しさも同じくらい意識して、栄養士としての仕事に励みたいと考えます。



Eさん 

 味覚については1年生のときに既に実験しており、味は舌全体で感じるという結果が出ていた。そのため今回ギムネバとミラクルフルーツの味覚体験をして、その実験が正しかったことが分かった。
 ギムネマは、舌に上手く擦りつけられなかったところ以外は、砂糖は甘みを失ったじゃりじゃりとしたものに、ミルクチョコレートはカカオの味が強いビターチョコへと、どちらも甘味を感じられないものに変わった。ミラクルフルーツは、レモンとグレープフルーツの酸味を甘味に変えた。ミラクルフルーツは、酸味が合わさることで甘味を感じるという仕組みが面白いと思った。ギムネマは甘味を感じることができない味覚障害の人の体験ができるため、これを用いて味覚障害の方々を対象とした研究や食品開発に役に立つのではないかと思った。
 講義で最も興味を持ったことは、人の味蕾の数である。成長期が終わる18歳頃が最大ではないかと思っていたため、赤ちゃんのときが一番多いということには大変驚いた。しかし考えてみると、高齢になると味が感じにくくなるという話と繋がるということに気付いた。人は成長するにつれて様々な食品の味を覚えるが、赤ちゃんの頃は味に関する知識がないために、嫌だと感じたものは吐き出す。特に苦味成分は害があるものだと判断されて吐き出されるため、製品にも利用されていると聞いて驚いた。
 また、人の味覚は成長するとともに変わる。子どものころは食べられなかったものが、成長するにつれて食べられるようになるものは多い。特に苦味が強いものは、子どものときは吐き出してしまうことが多いが、大人になるとその苦味を好む人が多くなる。多くの子どもが苦手とするピーマンが食べられるようになったり、コーヒーやビールを好むようになったりすることも味覚が変化したものによると考えられる。子どもの頃の味覚の形成は、将来の好き嫌いに大きく関わるといわれるが、私は好き嫌いがほとんどないため、多くの食材を食べさせてくれた母に感謝したいと思った。
 このほか、甘柿と渋柿の成分は同じだということや某飲料会社の炭酸飲料のカラクリに驚かされ、食べ物をよりおいしく感じさせるためには五感を利用するとよいということを知った。炭酸飲料については機会があれば試してみたいと思った。
 今回の講義では、ギムネマやミラクルフルーツといった普段はあまり耳にすることがないものから、人や動物の味覚についてなど幅広いことについて話を聞くことができた。味覚について知ることで、栄養士としてだけではなくても、よりおいしい料理を提供することができるようになると思った。90分という短い時間であったが、とても充実した内容であった。講義を受けて、食物栄養学科であるにも関わらず知らない情報があったため、もっと色々なことに興味を持ち勉強していきたいと思った。



Fさん 

 一年生の後期の生理学実験という授業で、味覚地図は存在するのかという実験をししました。実験後に結果を検討したり本やインターネットで調べたりしましたが、これといった実験結果や理由が得られず曖昧に終わっていたので、今回の講義は私にとって非常に興味深いものでした。また、以前辛さは味覚の一つだと思っていたので、先生がテレビで「辛さは味覚ではない。痛みだ。」と解説されていたのを聞き、とても衝撃を受けたことを思い出しました。
 先生の講義で、小・中学校で習った味覚地図は存在しないことや、味には専用の鍵穴がありその鍵穴が埋まることで味を感じること、味覚には脳が深く関わっていることがわかりました。唾液と食べ物が混じり水溶液にならないと味は感じられないことや、味蕾は舌全体に7割、残りの3割は上顎と喉にあると知って驚きました。ギムネマの試食では、舌全体に味蕾があることを実感することができました。動物や年齢によって味蕾の数や存在する場所が異なっていることや環境によって変化してきたことを聞いて、味覚はおいしさを感じるためのものだけではなく、生物が生き残るためのものでもあると思いました。
 ギムネマの試食では、チョコレートを初めておいしくないと感じました。この試食で味覚障害を疑似体験することができたので、味覚障害の恐ろしさを身を持って感じました。今回の講義で、味覚障害は体験してみないと恐ろしさがわからない病気だと思いました。また、ギムネマは栽培が難しくないと知ったので、これから一人でも多くの人が味覚障害を体験して予防できたら嬉しいなと思いました。
 ミラクルフルーツを試食した後に、レモン汁やグレープフルーツジュースが甘くておいしいと感じたのにはとても驚きました。先生がおっしゃっていたように、糖尿病患者の人にはとても有益なものであると思ったし、医療現場で活用できるものであると知ったときには、味覚修飾植物は素晴らしい発見だと感動しました。甘いものが好きな人には、日常的に服用することで、糖尿病や肥満の生活習慣病を予防することにも役立つと思いました。味覚修飾植物は非常に有効なものだと感じたので、もし私が病院に就職して管理栄養士として働くことになったら、是非ミラクルフルーツを活用したいと思いました。
 先生が、味覚の仕組みを図などを使って視覚的に説明してくださったので、すぐに味覚のことを理解することができました。また、全ての人に試食があったので印象に残りやすかったし、家族にも説明しやすかったです。また、今のところは、ミラクルフルーツ、クルクリゴの酸っぱいものを甘く感じさせるもの、ストロジンの冷水を甘く感じさせるもの、ギムネマ、なつめ、ケンポナシの甘味を感じさせなくするもの、の主に3種類の味覚修飾植物が発見されているということを知りました。さらに多くの種類の味覚修飾植物(例えば、酸っぱいものや甘いものをしょっぱいと感じさせる味覚修飾植物)が見つかれば、高血圧や心臓病、肝臓病などの患者さんに有益なものになるだろうと思いました。これから、味覚修飾植物がより多くの人々に実用されて、より多くの人々の役立てるものになればいいなと思いました。

参考資料:http://www.taste-m.com/, http://www.w-agri.biz/wms/



Gさん 

 島村先生の講義を受けて、私は今まで知らなかった味覚のしくみを理解することができた。味覚の受容器は味蕾で、味と味蕾は鍵と鍵穴のような関係である。その味蕾は料理人など味覚が優れている人に多いと思っていたが、赤ちゃんが12000個と成人の約2倍以上も味蕾が多いことを学び、驚いた。また、料理人たちの味覚が優れているのは味蕾で判断した味を脳に伝える早さが一般の人よりも優れており、訓練をすることでより味の判別ができるようになることがわかった。
 私は生理学・解剖学実験の授業で実際に味覚感受性の部位差を調べ、実際に班で五味の味覚分布図を作ったがどれも個人によってバラつきがあり、結論として味覚には個人差があるとしていた。今回の講義を聞いて味覚地図そのものが間違いであると知り、以前の味覚分布図の実験結果の意味を本当に理解することができた。
 私は幼い頃ナスが苦手だったが、ある日突然食べられるようになり、今では一番好きな野菜となっている。好き嫌いは第一印象、雰囲気、経験のよって左右すると聞き、昔はナスの紫色で長いところが苦手で、家で育てているのを収穫した時にヘタのトゲが刺さったという苦い思い出が原因だったなと改めて思った。私はナスを肉のはさみ揚げに調理したら食べられるようになり、頭の中を変えることと思い切って食べてみること即ち自分が直そうとすることはとても重要だと思った。
 今回の講義の中で特に私は2つの味覚修飾植物による味覚変化の実験が一番興味を持った。1つめに、ギムネマの試食ではチョコレートが甘さを感じず油っぽく、砂糖がただの砂みたいな食感のみで驚いた。また、野菜ジュースを飲んでも甘味を全く感じなかった。これはギムネマ中のギムネマ酸が甘味の鍵穴に蓋をした状態になるため、甘味をだけを感じなくなることがわかった。2つめに、ミラクルフルーツの試食ではいつも酸っぱいはずのグレープフルーツジュースとレモン汁入りヨーグルトの両方がとても甘く感じた。これは、ミラクルフルーツ中のミラクリンが酸と合わさって甘く感じることを学んだ。また、ギムネマとミラクルフルーツを同時に食べたとき、甘味も鍵穴に蓋をするギムネマが勝つということもわかった。
 今回の講義を通して、今までの自分の知っている味覚の知識の間違いや、知らなかった味覚のしくみを学べてよかった。また、実際に味覚修飾植物の試食をして自分の味覚で変化を味わえ、とてもいい経験になった。味覚修飾植物を使って、将来たくさんの人が幸せになってほしいと思った。例えば、糖尿病の方へ糖分を使わない酸っぱいお菓子を作り、ミラクルフルーツのミラクリンと食べれば甘いものを食べた気になってもらうことができる。また、私はギムネマを多くの若者に食べてもらい一時的に甘味を感じない体験をしてもらい、味覚がなくなる悲しさを知ってもらいたいと思った。現在若者に多い味を感じない味覚障害という病気にも目を向けてもらい、自分の食生活を振り返って見直すきっかけになるのではないかと考える。今回の講義で学んだ知識と体験を栄養士として働くことになったときに生かしていきたい。

参考文献
・講義配布資料
・大学課程の生理学、株式会社南江堂、山本敏行ほか著、2011年発行



Hさん 

 今回の講義では、ギムネマとミラクルフルーツのタブレットを用いた味覚体験をした。味覚修飾物質という言葉自体を聞いても全くイメージはつかなかったが、実際に体験してみると思わず感嘆してしまった。それらの体験を通して感じたことや、味覚修飾植物の今後の展開などについてまとめる。
 まず、ギムネマでは、甘味を感じなくなりチョコレートの食感と苦みだけが残り、ビターチョコレートとも何か違う不思議な味わいだった。また、ミラクルフルーツでは、酸味の強いグレープフルーツの果汁やヨーグルトの味が甘く感じられた。これらのことから、食品のおいしさは、その場の雰囲気や心理状態、見た目などにも左右されるが、おいしさの要因のなかで味の占める割合は大きいと改めて感じた。また、味覚地図が嘘であるということも体験的に学ぶことができた。この講義を受ける前に、生理学の授業で味覚の実験をした際、それぞれの味を強く感じる場所は確かにあったが、別の場所でも微かに味を感じた。ギムネマを噛んで舌全体にこすり付けたのは、点在する甘味用の味蕾のためであると理解することができた。本来感じるはずの味ではなく別の味を感じるというのは驚きであり、とても新鮮だった。
 味覚のことを知ることは、私たちの生活に密接に関わることだ。味はエネルギーを要求したり、身体を守るためのシグナルであったりするが、幼児は特に味蕾が多くそれを強く感じる。それを知り、考えながら食事をさせる人は少ないのではないかと思う。そのため、子供が食べないのを好き嫌いだと判断し、無理に食べさせる事態が起こったりする。子供にとって、食品の第一印象、その後の食経験は重要であり、悪い印象・体験があると後々それを引きずる傾向があると考えられる。さらに、幼児でない私たちにとっても味覚とは重要なものである。普段何気なく食事を味わい、食べているからこそ、味を感じなくなったり、疾患のために塩分や甘味をひかえ薄味の食事をする生活は想像が及ばない。食の多様化により様々なものを味わえる現代では、食品の選択の幅は広がっているが、食習慣の乱れなどの要因により、それらの状態に陥ったりする。慣れ親しんだ味で食事をできないことはその人にとって大きなストレスとなる。そういった意味でも、味覚のことを理解することは、それらの予防にも繋がるのである。
 糖尿病や高血圧など、食事療法上、何等かの味の制限を受ける場合、このミラクルフルーツが活用できる。食事前に患者がタブレットを摂取する方法から、料理自体に混ぜ込み普通に食事をとることができたら、さらに良いのではないかと思う。これは、個人のQOLの向上にも大きく寄与すると考えられる。患者に食事を提供する栄養士にとっても、あまり味付けを変えず、それを利用することができれば、作業効率も上がり良いことだと思う。それらを実現するには、個人の感度の違いや他の調味料との配合、利便性など様々なことを考慮にいれながら開発していかなければならないが、それが完成されれば、医療現場のみならず、私たちの食生活にも大きな変化が起こると考えられる。これからも、調理に関わるものとしてアンテナを張り、最新の情報に注目したいと思う。

参考文献
Healthクリニック:http://www.health.ne.jp/library/taste/



Iさん 

 今回の講義を受けて味覚について理解することができた。1年生で味覚に関する実験を行ったがはっきりとした結果が出ず、文献検索やネット検索でも確かな情報を得ることができなかった。それから気になっていたため今回の講義で事実を知ることができ大変うれしかった。中でも私は味を感じるセンサーである味蕾は成長とともに減少することや味覚で生物学的シグナルを判断することを知って人間の体の精巧さに驚いた。実体験として昔食べられなかったものが今は食べられるため味覚によって自身の成長を感じることも面白いと感じた。
 ミラクルフルーツやギムネマなどの味覚修飾植物の存在は聞いたことはあったが、実際に実物に触れ、試食するのは今回が初めてだった。体験する前のイメージよりもさらに強く味が変化したことに大変驚いた。そして糖尿病の方の食事に利用することについて興味を持った。臨床栄養学の講義などで糖尿病患者への食事指導について学んでいるが、糖分を制限することが原則となっている。講義の中で学ぶ中では深く考えていなかったが実際の現場で糖分を制限することはおそらく大変難しいことである。私自身も甘いものが好きであるため我慢することのつらさは想像できる。また我慢し続けることで制限が取れたときに大量に糖分を摂取してしまい、より悪化してしまうことも考えられる。そこでミラクルフルーツを用いることで糖分を摂取しないで甘みを体感することができたら、患者の精神的ストレスを大幅に解消でき治療の効率も亢進すると考えられる。現在の食事療法では糖分を制限し、塩味やうま味で補うことが基本であるため甘味を体感できることは画期的である。さらに薬ではないため副作用の心配もなく安全である。島村先生の開発されたタブレットがさらに普及してたくさんの糖尿病患者さんが救われる日が来ることを楽しみにしている。そして私は食品会社に就職したいと思っているためいつか味覚修飾植物について学んだことを生かせたら良いと思う。
 ギムネマなどはすでにダイエット食品として扱われていることは聞いたことがあった。しかしそれらの多くは100%の成分ではないことは知らなかった。おそらく多くの消費者は事実を知らずに効果を信じてしまっていると考えられる。正確な情報を得て、より良い効果を消費者が得られるように、私たち栄養士がまず様々な知識を持ち発信していける立場になれるよう努力していきたいと感じた。
 栄養士として社会に出る前に今回の貴重な体験ができて大変勉強になった。味覚修飾植物以外にも医療の現場などで活躍できる食品はあると考えられるので調べてみようと思う。今回の講義で自らの知識を増やす重要性も理解でき、今後の学習姿勢を変えるきっかけになった。貴重で有意義な講義をありがとうございました。

参考ウェブサイト
イー薬草・ドット・コム:http://www.e-yakusou.com/sou02/soumm206.htm