ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト(ミラクルフルーツ・味覚・ギムネマ・ミラクリン・食育・ミラクルフルーツ)

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■ 参加者の御感想


参加者の御感想

2012/05/08に実施した上越教育大学教育学部3年・大学院の皆さんのレポートです。

講演風景1 講演風景2


大学3年大学院


■大学3年

Aさん 

・講義で感じたこと、わかったこと、興味を持ったこと、その他自分の意見・感想
 今まで、ミラクルフルーツについては、テレビで見たことがあって存在だけ知っていたけれど、ギムネマについては存在も知らなかった。今日の講義を聴くまではただ単に、なんとなくおもしろいなと思っていただけだったけれど、今回主にこの2種類のものについて学習して、考えがより深まり、さらにその奥に興味を持つことができた。
 まず、味の感じ方を変えさせる成分が人間によって創られたものではなく、すでに自然界で育っていた植物がもつものであるということに興味を持った。現地の方たちの使用方法は紹介していただいたので知ることができたが、どうしてその植物はそのような効果をもちあわせていたのか、とても気になった。私が知っている植物であるナツメで考えてみたときに、一番に思いついたのは、甘い実を食べようとする動物や昆虫の味覚を変えることで、実を守ろうとする過程で進化したのではないか、という考えであった。しかし、あくまでも私の考えであるにすぎないため、調べてみようと思う。また、実際に実家にナツメの木があるので、帰省した時に葉を食べてみて試してみようと思う。そして祖父母や両親、姉妹に試してみたり教えてあげたり、説明までできたらなおいいと思った。
 そして二つ目は、味が変わる仕組みについて、今までは興味もなかったし、「どうせ難しいからわからないだろう」という先入観があって、特に学ぼうという思いを持つことはなかったが、今回とてもわかりやすく解説してくださり、理解できたからこそ、その仕組みについて興味を持つことができた。今までずっと誰に教えられたかもわからないような味覚地図といわれるものを信じて生きてきていたため、鍵と鍵穴の関係で味を感じる仕組みを知った時は、少し驚いたが、言われてみればそうだな、とも思った。難しいであろう舌の構造を簡略化した図に表しているこのような説明の仕方は、私たちにもわかりやすかったし、小学生や中学生にもわかりやすく、理科や家庭科、保健体育など、食と健康についての学習ではとても役に立つものだと思った。味覚体験をさせてあげられればなおさら、私のように学習への意欲や興味、関心は高まるだろうと思った。

・味覚修飾植物の今後の展開や味覚につい知ることの重要性
 私自身が味覚修飾植物を実際に試してみて、最初に思ったことは、「これさえ食べていれば甘いものを食べたいという欲求を抑えることができるであろうし、甘いものを食べていながらも実際の糖分の摂取量を抑えることができるのだろうな」ということだった。私は糖尿病でもないし食事制限されているわけでもないが、実際に食事を制限されている方々にとってみれば、摂取してはいけないものを摂取しないで、それと同じ味覚でものが食べられるということは、とても効率的で幸せなことではないかと思う。患者が我慢することへの負担を考慮してみれば、ギムネマやミラクルフルーツなどの味覚修飾植物を医療の現場で活躍させるべきだと考える。さらに、医療現場だけでなく、普段からこれらを取り入れた食事方法が普及すれば、それに関した病気も減るため、予防にもなると考えられる。これらのことを踏まえてみれば、未来を支えていく子どもの意識の中に食や健康への大切さを植え付け、これらの存在を伝えることも大切なことであると思う。



Bさん 

1.今回島村先生の講義を受けて、ミラクルフルーツの存在を初めて知ることが出来ました。自分が味覚をどのように感じているかなんて今まで考えたことがありませんでしたが、舌に存在する味蕾で味を感じているということがわかった。また、味と味蕾というのは、鍵と鍵穴の関係にたとえることが出来、ひとつの味蕾に一つの味を感じることが出来るというものである。また、喉や上あごにも味蕾が存在しており、味を感じているのは舌だけではないという子が分かりました。また甘味、塩味、酸味、苦み、うま味というのは未来で感じるものであるが、辛みは味蕾で感じているのではなく、神経が刺激され痛覚で感じているということが分かりました。そして、味蕾の数は成人よりも赤ちゃんの方が数が多く、驚いたことは、私は一般人よりもソムリエの方が味蕾の数が多いものであると思っていましたが、味蕾の数はソムリエも一般人も数は変わらず、訓練によってのみ感覚が研ぎ澄まされるということが分かりました。

2.味覚修飾植物はこれから注目度がどんどん増してくると思う。それは、島村先生も仰っていましたが、近年の糖尿病患者の増加が問題視されており、糖分をとりたくてもとることが出来ない患者さんに対し、このような味覚修飾植物を使うことによって少しでも甘味を感じてもらい満足感を得てもらうことが出来る。糖分が全く含まれていないケーキを作り、味覚修飾植物を食べることによって甘いケーキを食べることが出来たという気持ちにさせてあげることが出来たら多くの患者さんのストレスを解消させてあげられると思うし、我慢をしなくてもよくなるのではないかと思いました。また、私はこの講義で味覚について興味を持ち、このあとに食堂に行ったときに味覚について知る重要性を痛感させられました。食事を摂取する前に授業中に一人一枚ずつ配られたギムネマを舌によくすり合わせてから食べました。それで、ごはんと酢豚を食べることにしました。いざ食べてみると甘味をほとんどというか全くと言っていいほど感じなくなっていました。初めのうちは不思議な気持ちでわくわくしていましたが食事が終ったあとには味を感じることのできない自分に苛立ちさえ感じ始め、ストレスとなっていました。この体験を通して味を感じることのできる素晴らしさと幸せを感じることが出来ました。

3.今回島村先生の講義を受け、授業の初めは面白い研究をなさっていると思いましたが、授業の終わりには医療現場や人の役に立とうとなさっていて素晴らしい研究をなさっていると思いました。私は社会系コースに所属しており、卒論の研究は歴史に関することで言ってしまえば自己満足で終わってしまいますが、私も島村先生のような人の役に立つような研究に挑戦したいと思いました。このようなミラクルフルーツなどの味覚修飾植物を使った講義は、どの年代の人に行っても楽しく参加することが出来ると思いました。ぜひ、私も教師になって現場に出た時は児童生徒の興味を引くことができるようにミラクルフルーツを使った授業を展開したいと思いました。そのときは、ただ楽しいと感じてもらうだけだはなく、味覚を感じる仕組みや素晴らしさを考えてもらうような内容の授業をしていきたいと思いました。やはり講義や授業というのは聞いている側の好奇心や興味を喚起させるような内容でなければならないと思うので、どの教科でも現場に出た時それらを喚起させられるように意識していきたいです。



Cさん 

 今回の授業を受けたことは、現場に働き出したときの非常に良い参考となった。家庭科での授業を行うにあたっての参考、自分自身の知見の深化、興味関心の深まりを認識することができた。以下に、その具体的な内容を示す。
・味覚に対する理解・関心の深まり
 これまであやふやな理解をしていた、味覚に対する知識理解が関心とともに深まった。特に驚いたのは、舌は場所ごとに各種味覚を感じているわけではない、ということだ。これまでの常識を覆された事実だった。しかし、説明を聞いていると納得することが出来た。炭酸飲料や辛いスープを飲んだときに口ではなく、喉から辛さや炭酸の発泡を感じることができるのは、味覚があればこそである。従来の科学では、私のこれまでの認識通りのことであったが、科学の進歩によって、新しい見解が生まれ、それが自然と常識と変わっていく。一部の専門分野に限られていたことなのかもしれないが、時代と常識の変化を身近に感じることが出来た。
 生き物によって、味覚の感じ方、感じる意義が異なることを初めて知った。人間が持ち得ている味覚は、単純に食料の摂取と毒作用の有無を認識するためと思っていたが、それ以外の動物では、それぞれ別々の味覚の必要性や意義があることを知らなかった。特に驚いたのは、ライオンとハエの事例だ。ライオンが獲物を捕らえたときに最初に食べるのは、筋肉や脂肪だと勝手に思い込んでいたが、小腸から食べるということは初めて知った。これまで動物のドキュメントなどを取り扱った番組は多く見てきたがそのような情報を聞いたことがなかったため、非常に新鮮だった。また、ハエのように、口ではなく、手に味覚があることは非常に興味が沸いた。手をごますりするように動かす動作に意味があるとは思っても見なかったため、驚きと納得が起こった。
以上のような特徴的な驚きと納得を持った理解をすることができた。これらの驚きは授業の際に児童に対しても同様の驚きと納得をさせることができることと期待している。
・教材としての味覚
 上記のとおりの関心を持った理解から、教材としてどのような指導が考えられるか示す。島村先生がおっしゃったように、味覚についての教材として非常に適した教材であることはいうまでもない。食育の中で味覚の重要性を伝えるだけでなく、児童の好き嫌いを克服するきっかけにもなると考えている。好き嫌いのメカニズムは第一印象と雰囲気、過去の経験が作用している。それをまずは認識することが、克服するために必要な要素であると考えている。私自身、小さいころはピーマンとナスが食わず嫌いだった。ピーマンは苦味が、ナスは不健康そうな色にしか見えないことから食わず嫌いであった。しかし、バーベキューでの楽しい雰囲気の中食べさせられたピーマンは不思議とまずくは感じず克服するきっかけを得ることが出来た。また、ナスについても料亭で食べたナスの天ぷらのおいしさから克服のきっかけをつかんでいる。これらは、自分の中の考え方が変容してきたを示していることに気が付くことが出来た。この体験を児童に伝えることで好き嫌いを克服する教材としての可能性があることがわかった。
 以上のことを勉強・考察することが出来た。今回の授業を受けたことで、私自身の勉強、そして、将来子どもたちに指導するときの教材としての有効性を知ることができた。是非とも教師となった際に、家庭科の授業の中で教材として扱いたい。



Dさん 

1.私は今まで、味覚の仕組みについて考えたことがなかった。今回の講義を受けて、「なぜ今まで味覚の仕組みについて考えたことがなかったのだろう?」と思い返してみると、「味覚というのは食べ物の味を受け取ることであって、受け取る側である私が操作できることではない」と勝手に考えてしまっていたからである。味覚の仕組みを知りそれをうまく操れば、食べ物自体の味を変えなくても違った味が感じられるということが分かり、とても驚いた。味蕾での味の判別は、食べ物の成分を鍵とするならば味蕾が鍵穴の関係であるというのは分かりやすく、なるほどと思った。しかし、あの一枚の葉っぱとタブレットだけで自分の舌が操られてしまったのだと思うと、なんだか不思議な気持ちがする。そして、このような体験を含んだ講義はとても印象に残りやすいし、衝撃を受ける。もし今後もっと手軽に入手できるようになれば、これらの植物を用いて授業を行い、味覚について子どもたちが関心をもつようになるきっかけにしたいと思った。

2.講義の中で、「これがミラクルフルーツをタブレットにしたものです。」と言われとても驚いた。保存・運送が困難なミラクルフルーツを、タブレットにする技術が発展していることに感心したのである。それは島村先生の研究の成果であり、ミラクルフルーツのような味覚修飾植物の重要性が少しずつ認知されている証拠であると思う。私もこの講義を受けるまでは味覚修飾植物について何も知らなかったし、知ることができて良かったと感じている。私たちが毎日感じている味覚について、何の疑問を持たずに生活していたことが今となっては不思議である。
味覚修飾植物がより身近なものになり、手軽に入手できるようになれば、糖分を摂れない人でも甘いと感じるものを食べることができる。またギムネマを用いて甘さを感じなくさせることで、甘い物を欲するのを抑制することができる。これが実現すれば大きな効果が予想できるし、私も日常生活で活用していきたい気持ちである。味覚修飾植物にもっと多くの人の関心が集まれば、研究にも多くの人が関わるようになり発展につながると思う。まずは、味覚についてより多くの人が関心を持つことが重要だと感じる。

3.ミラクルフルーツを舐めた後に酸っぱいグミを食べてみると、ただの甘い甘いグミになってしまい、友達と大笑いしてしまった。あのタブレット1つで自分の味覚が変わったというのは信じられないようなことだが、それが味覚のおもしろいところだな、と思った。
 島村先生のお話の中では、人間以外の動物の味覚についても説明して下さり、何も知らない私は驚いてばかりだった。ライオンがシマウマなどの動物の小腸から食べるということにも衝撃を受けたし、コアラがユーカリを食べる理由も知ることができた。「生きていく上で役に立つものがおいしい」というのが動物にとっての味覚であり、そうでないのは人間だけだ、というのが今回の講義の中で強く印象に残った。それを思うと、料理を作る時に塩・こしょうなどの調味料を使い、味を調整しようとしているのがなんだかおかしな行為であるかのように思えてくる。人間の味覚というのは、複雑で謎が多いものだな、と感じた。また、現段階ではまだ入手が容易でないギムネマとミラクルフルーツを試食するという貴重な経験ができたことを嬉しく思う。本当にありがとうございました。



Eさん 

1.講義で感じたこと、分かったこと、興味を持ったこと。
 この講義では多くのことに興味を持ちましたが、その中で最も興味を持ったのは、「人間にとっての味覚とは『経験と学習』である」ということです。その中でも、基本味によって舌の感度が全然違うことに驚きました。人体に危険性のあるものほど早く脳に伝達される必要があるため、生体防御的に苦みや酸味の対する舌の感度が高いことに納得できました。それは、自分の身を持って経験したことがあるからです。牛乳を飲んだ時いつもと違う酸っぱい味がしたため、反射的に吐き出そうとした経験は、人にとっての味覚の原理に当てはまっていると思います。
 また、好き嫌いのメカニズムに興味を持ちました。好き嫌いは、ただ好みの味かそうでないか、味覚で決まると思って今明日が、食べ物に対する第一印象や、食事の雰囲気、経験などが味覚の形成に影響することに驚きを感じました。私は少し前までニンジンが苦手でした(ちなみに、母親も私以上に苦手です)。しかし、今は好きとまではいきませんが、食べられるようになりました。そのきっかけは、部活の後に部員と食べに行ったご飯屋さんで、自分の好きなラーメンを食べた時、その中に結構厚く切られていたニンジンを食べたことです。部活後でお腹がすいていて、偶然一口めにニンジンを食べて‘おいしい’と感じました。それまでずっと苦手だったニンジンが思わぬ形で克服できました。それ以来、自炊する時もニンジンを買って食べるようになりました。これは、空腹だったため、最初に食べたものをおいしいと感じたり、部員と楽しい雰囲気で食事ができていたりしたことが影響したのかもしれないと講義を聞きながら思いました。味覚の形成は調味などにより感じた味だけでないことがわかり、教員を目指すにあたり、給食の時間のあり方を考える上で大切であると思いました。

2.味覚修飾植物の今後の展開や味覚について知ることの重要性
 味覚修飾植物が糖尿病の人のために貢献できることを知り、味覚修飾植物の可能性はまだまだありそうなことに感動しました。人間にとって‘食べる’ということは、生きるための基盤であり、ただ栄養を摂取するだけでなく、食べることでストレスを発散することや、甘いものを食べてリラックスすること、人と食べることでコミュニケーションをとることなど様々な効果があります。そんな‘食べる’ことを楽しむために、味覚の仕組みや味覚障害、味覚修飾植物について知ることが重要であると思いました。

3.その他自分の意見・感想
 私は、テレビ番組を通して何度か見たことがあるため、以前からミラクルフルーツの存在と効果を知っていました。そこではやはり、レモンを食べており、‘ミラクルフルーツを食べた後にレモンを食べると甘い’と言っていました。そのときから自分でもミラクルフルーツを食べてみたいと思っていたので、その夢がこの講義で叶いました。そのため、とても興味を持って講義を拝聴することができました。味覚修飾植物には甘味誘導をするミラクルフルーツだけでなく、甘味阻害をするギムネマがあることがわかりました。そのため、これから他の味覚修飾植物も発見されるのではないかと思うとわくわくします。
 また、この講義のように実際に味覚というものを体験することで、興味を持って、主体的に味覚について知ることができるため、子どもが‘食’について学ぶ上でとても有効な授業形式だと思いました。



Fさん 

1) 講義で感じたこと、分かったこと、興味を持ったこと
 味蕾を持つのはもちろん人間だけではなく、多くの生物が持っているのだろうとは思っていましたが、まさかその味蕾が口の中だけではなく、蝶・ハエの手やナマズのひげ・体表にまであるなんて驚きました。しかもその味蕾の持つ働きが、例えば蝶の場合であるならば、卵から孵化した幼虫が最初に食べる葉が安全かどうか確認するためであると聞き、味蕾が様々な働きを持つことに興味を持ちました。また私自身のからだ(人間)で言うと、今までは味を感じるのは舌だけだと思っていましたが、上あご・のどにまで味蕾が存在し、味わうことができるということは初めて知りました。しかも舌以外の場所に、全味蕾の約3分の1が存在すると知り、意外と数が多いのだなと思いました。だから入れ歯をした人が、のどの上あごの味蕾がうまく機能しなくなり、味を感じにくくなってしまう、というお話があったのかと気づきました。舌以外に存在する味蕾の働きの中で、私が特に興味をもったのは、のどに存在する味蕾です。この部分の味蕾は、二酸化炭素(炭酸系)を感じやすいそうで、ビールののどごしを感じるのはこの味覚だと聞き、意外なところで味わっていたんだなと思いました。
 講義を聞きながら、耳が痛くなってしまったのは「人間とサルだけが、別腹と言うものを持っている」とお話しされた時です。それ以外の生物はお腹がいっぱいになると、目の前に獲物がいても食べないのだそうです。その理由も納得できる内容で、改めて食物連鎖のこととか、生物界の厳しさを考え直しました。また、人間と同じような別腹の持ち主がサルであることが、とても面白く感じられました。

2) 味覚修飾植物の今後の展開や味覚について知ることの重要性
 授業中にも先生が話されていましたが、糖尿病の患者さんに対する糖分摂取の制限のために大きな役割を担うことになると思います。特にミラクルフルーツは甘みを引き出してくれる味覚修飾植物として、糖分・甘みを抑えた食品でもおいしく食べられるようにどんどん開発されると思います。さらにギムネマは、舌だけでなく、腸でも糖の吸収を抑えてくれるので、肥満が問題になっている現代には、活用できる機会が多いのではないかなと思います。味覚修飾植物を利用して食教育を行うことで、味覚についての新しい発見・感動・理解を生み出し、食生活を見直すきっかけを与えられると思います。ファーストフード・ジャンクフードが多く出回り、味覚障害に罹る若者が多くなっている現代だからこそ、もう一度自分たちの食生活を振り返り、食べることとその意味についてもう一度考え直す機会になると良いと思います。味細胞は1週間程度で生まれ変わり、その生成には亜鉛が必要で、亜鉛が多く含まれている食品は海藻・そば・・・・である、という内容を私は初めて知りました。このように自分の体に関することでも知らないことはたくさんあり、そのために何も改善できない、ということもあると思います。そのようなことがないように、味覚・食生活について学習していくことは大切だと思います。

3) その他自分の意見・感想
 人間の味覚についてのお話で、特に印象的だったのは「辛さ、というのは味覚ではなく、からだの感覚(体性感覚)であって、神経を刺激して辛さを感じるものである」という内容です。この前タイに旅行してきたときに、現地で本場の辛い料理を多く食べていたらやはりお腹を壊してしまいましたが、その時にトイレに行ったらおしりまで痛くなったのを思い出しました。これは、辛さが体性感覚であるがためのことなのかなと思いました。

4) 参考文献もしくはウェブサイト
・島村光治先生のホームページ http://www.taste-m.com/index.html
・広辞苑
・百珈苑 http://sites.google.com/site/coffeetambe/coffeescience/physiology/taste/welldown



Gさん 

1、講義で感じたこと、分かったこと、興味を持ったこと
今日の島村先生の講義をお聞きして、今まできちんと学んだことのない、味覚に関して、様々なことを知ることが出来ました。まず、味を判別するセンサーである味蕾についてです。それ自体初めて知りましたが、そのついている場所が、人と他の動物で異なっているという事がとても印象的でした。ナマズやチョウなど体の表面やひげ、手に味蕾がある生き物も、敵や餌を察知するため、卵を産む葉に毒がないか確かめるためなど、そこには重要な意義があることが分かりました。人間を含むどの動物も、生きていくために様々な感覚を持っていますが、その割合はその生物そのものの生態や生活環境によって大きく変わるのだと改めて思いました。もし人間の味蕾が手にあったら、握手しただけで相手の皮膚の味が分かってしまい、大変なことになるなあ、などと考えてしまいました。自分の生活する環境に合わせて、鋭くするべき感覚とそうでない感覚を選別し、発達してきたのだろう、と考えました。高校の頃に生物Uまでは学びましたが、味覚の面から考えたのは今回が初めてだったので、新鮮な視点に注目することが出来ました。

2、味覚修飾植物の今後の展開や味覚について知ることの重要性
味覚修飾植物を私は今日初めて知りましたが、食品の味付けを変えずに、舌の方に工夫をして味覚を変えるというのは、とても画期的なものだと思いました。先生がお話していた、糖尿病患者への活用や肥満や生活習慣病の予防のための活用など様々な可能性を秘めているという事が分かりました。私は、その中でも特に、味覚教育への活用はとても効果的だと思います。大学生である私自身も、自分の味覚が変わることにとても驚き、今までよりずっと味覚に対して関心が高まりました。小中学生であればなおさら、何か感じるものが心の中に残るのではないか、と考えました。例えば、いくら言葉で「味覚障害というものがある」「味覚があるというのはありがたいことである」という話をされても、実感として理解することは出来ません。しかし、実際にギムネマを食べ、甘みを感じなくなるという体験をすることで、「味覚がなくなるってこういうことなんだ」ということが強烈に記憶に残ります。それは確かに、子ども達の味覚への興味をかきたてる教育となると思います。また、島村先生のホームページにQ&Aがありましたが、今のキレやすい・授業が集中して聞けない子どもたちにも、味覚教育から働きかけられるものがあるということを、私も考えてみたいと思います。脂肪分や糖分の多く含むお菓子やジュースを多く取りすぎ、ビタミンやミネラルが足りていないというお話がありましたが、それが理性を働かせ、我慢する事が出来なくなる、ということは着目すべき問題だと感じました。食や味覚について知り、改善していくことで、学校生活全体の質が向上すると思います。それによって、授業中の集中力はもちろん、人間関係を形成する力を育成することにつながっていくと思いました。より良い味覚教育は、学校教育の様々な側面に影響を与え得ると考えます。

3、その他の自分の意見・感想
 味覚は、舌で感じるだけでなく、見た目を楽しんだり、食事の雰囲気を楽しんだりするという事を改めて感じました。自分が将来教員になったら、子どもたちが和やかな雰囲気でおいしく給食が食べられる、学級づくりを目指していきたいと思いました。

4、参考ウェブサイト
ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト 島村光治のホームページ http://www.taste-m.com/



Hさん 

講義で感じたこと、分かったこと、興味を持ったこと
 今までの学習で各器官のはたらきなどについては勉強し、それなりの知識もあったが、舌の仕組みについてはほとんど知らなかったので、新しく得ることばかりであった。味を感じる仕組みでは味蕾が大切であり、味の判別方法は鍵と鍵穴の関係であるということが分かった。興味を持った点は、まず動物によって味蕾が様々であるということだ。人間の成人は6000〜9000個だが、赤ちゃんの時から比べると減少する。生まれたばかりの頃は知識がなく、いろいろなものを口に入れてしまうため、敏感に反応するようになっているということに驚いた。知識の習得によって味蕾の数が減少するという仕組みをよくできているなあと思った。また、ヘビやニワトリは丸飲みをするので味蕾は少ないが、その分触覚に優れているということや、ハエは手に味蕾があり、こすり合わせて食べるものの安全性を確かめるということなど、それぞれに役割があるということがおもしろいと感じた。そして、人間にとっての味覚は経験と学習であるということにも興味を持った。情報や過去の経験によって味覚に変化が起こったりするということは、自分自身経験があるので、とても身近に感じて理解しやすかった。例えば、ファーストフードの看板は赤系が多いということや、BBQは雰囲気が楽しいからおいしく感じることや、果物狩りで洗って食べようとはしないということなど、たくさんおもしろいと感じ興味を持った。今まで味覚についてあまり知らなかったこともあって、講義全体を通して興味を持つことができた。

味覚修飾植物の今後の展開や味覚について知ることの重要性
 私は食について興味があるので、味覚修飾植物の話を聴いた時に、いろいろなことに役立つのではないかと思った。最初に思ったのは、ダイエット食品として役立つのではないかということだ。資料にも、糖尿病などの生活習慣病の治療にも役立つ期待について書かれていた。当然、甘いものを食べて余分な糖分を摂るよりも、甘く感じるお菓子を作るほうがいいと思うし、甘いものを我慢してストレスに感じなくていいということは人間にとっていいことである。また、リカちゃん人形の足には苦み成分が塗ってあるという話を聴いた時はとても驚いた。これは幼児教育を専攻している私にとって、とても勉強になることであった。味覚について知ることで、赤ちゃんの誤飲による窒息死などの軽減も可能だと思った。普段食べるということは欠かせないことであるので、味覚について知ることが重要だと感じた。

その他の自分の意見・感想
 授業での島村先生のお言葉で特に印象に残っていたのは、“味を感じるのはありがたいこと”ということだ。普段の自分を振り返ってみると、よく味わって食べていたか、食べ物に感謝できていたか、反省する点が多く出てきた。あまり意識しないが、食べ物をおいしいと感じるためには、まず舌が正常に機能することが欠かせないことである。それを知らずにいた時と今とでは、感謝の気持ちの深さも増し、よく味わうようになり、私の中で変化が現れた。健康でいることをとても幸せなことだと思う。それを崩さないために、あまり添加物の多いものを摂らないようにすること、食材そのものの味を味わっていくことが大切だと感じた。また、情報による味覚の変化として、例えばコマーシャルであまり健康にはよくないと思われる食べ物を人気タレントが宣伝していることは大きな影響を与えることだと思った。子どもは特にそういったことに左右されやすいので、注意が必要だと感じた。

参考文献もしくはウェブサイト
味覚と健康はどうつながっているの?  http://touch.allabout.co.jp/gm/gc/324134/



Iさん 

 この講義において、まず味蕾の話がとてもおもしろかった。炭酸を飲んだときに喉がスカッとするのは味蕾があるからというお話は衝撃的だった。あのスカッという感覚は炭酸による刺激の一種だと思っていたが、味であるということが分かった。また、目が悪いナマズには200,000個もの味蕾があるというお話から、味覚という感覚が果たす役割は大きいのだと感じた。私は日々の生活の中では、視覚と聴覚が最も重要なのではないかと思っていたが、視覚が発達していないナマズや、知識のない赤ちゃんにとって味覚は非常に大切な感覚であると分かった。また「おいしさ」には経験が大きく関わるというお話が興味深かった。おいしいという感覚はその食事を構成している食材自体の善し悪しに関わるのだと思っていたが、文化や情報に影響されているのだと分かったので自分がおいしいと思う食べ物についても再度考えてみたい。

 味覚修飾植物というものがあることを初めて知り、味が変わる体験を通して様々なことを考えた。先生がおっしゃっていたように、糖尿病の患者への適用を今後さらに進めていくべきだと思う。病気の治療にもちろん薬は必要だが、それ以上に食生活の改善が必要であるからだ。例えばお酢は体に良いと言われているが、酸味が強く飲みにくいので、ミラクルフルーツを利用すればかなり飲みやすくなる。だが、生活習慣病の人に対して甘いものを制限するためにギムネマを利用する際、その人の好物である甘いものを苦くすることによって「食の楽しみ」を奪ってしまうことのないよう配慮していくことが必要である。今後、味覚修飾植物が広く知れ渡り、生産拡大と共に価格も下がり、やがては店頭に並ぶなどして消費者が手に取りやすくなることが望ましい。また味覚について知ることで、自分の食生活について考え直すきっかけになる。味覚は「経験と学習」によって大きく左右されるものであるから、自分の味覚が間違った情報によって操作されていないかや、味覚障害の傾向がないかなど日々の食事を見つめ、体も心も満足するものは何か考えていく必要がある。

 今回の講義において「情報に基づくおいしさ」・「薬理学的なおいしさ」という二点について自分なりに考えた。風評被害や行列のできる店が人間の「おいしい」という感覚に大きく影響するということは、舌で感じる味以上に脳内の味覚が大きく作用しているということだ。理想は自分の味蕾だけで味を認知することであるが、様々な情報が行き交う現代において、それは非常に難しいことである。ファーストフードにはまってしまう原因は薬理学的なおいしさであり、それは自然のおいしさではなし、体にも良い影響を及ぼさない。動物にとっては生きる上で役立つものがおいしいことを考えると私たちは余計な「おいしさ」をつくり出したのかもしれない。しかしこれも食の楽しみの一つとも言えるので、この問題は今後も考えていく必要があると思う。本講義の全体的な感想としては、味覚修飾植物を使ったとても楽しい授業であった。講義を聞くだけでは実感が伴わず知識として定着しづらいが、今回のように体験的活動が多いと実感と知識がしっかり結びつくと思う。次々に私たちの知らない新しい事実を先生が教えてくださり、驚きの連続だった。のどにも味蕾があることなど、無意識に抱いていた常識を覆すことが多く講義に引き込まれた。当たり前の事実を述べるだけではなく、あまり知られていない事実を言い、そこから講義の本筋につなげられると、子どもの興味を引く授業になるのではないか。 今回のような講義は、食について考える良いきっかけになるので、私自身が教師になった際にはもちろんのこと、世間全体でも多く採用され実践されていくことが望ましい。



Jさん 

1、今回の講義ではたくさんのことを学んだ。舌の仕組みから味覚障害、味覚修飾植物など。味蕾の数が成人は6000〜9000個であるのに比べて赤ん坊は12000個であることや、他の味と違って辛味は味蕾を刺激しているのではなく、神経を刺激しているということや、渋味・えぐみは苦みと口の中の感覚が合わさったもので、一つの味として存在しないということに驚きを感じた。また苦い味がどうして大人になるとおいしくなるのかというと、苦味自体は毒のシグナルとして頭に入っているが経験と学習により苦味がおいしくなるという理由には驚きと感心、納得した。さらに、ファストフードや居酒屋の看板が赤い理由は、食欲をそそる色であるから。先生がおっしゃった「いくらが青く着色されたら食欲が衰退するだろ。」というのを聞いて納得できた。普段ならあんまり気にしないことであったが、言われてみればとても気になってしまうことで、今回の講義ではとても楽しくそれらのことについて学べた。またギムネマ、ミラクルフルーツの試食体験は非常に楽しく、興味を持つことができた。そして体験を伴う授業のすごさを改めて実感した。大学生であれだけ惹きつけられる授業だったのだから、小学生・中学生なら言うまでもない。自分も是非見習って実践したいと思った。

2、今回味覚について学んだことによって、好き嫌いのメカニズムやおいしさの種類を理解できた。これは今後非常に役立つと私は思う。なぜなら、好き嫌いのメカニズムを分かっているなら、どうすれば嫌いを減らし好きを増やすことができるのかということであり、自分の生徒にも、子供にも応用できるまたおいしさの種類を知っているなら、おいしいと感じないものでも、そのどれかの種類の特徴を添加することにより、おいしくないものをおいしいものにすることができるかもしれない。これは非常に素晴らしいことであると思う。味覚修飾植物では、今後の医療的展開が期待されると思う。ミラクルフルーツは糖尿病患者やメタボ対策に非常にうってつけだと思った。それだけでなく、給食などでも活躍できるのではないかと思う。すっぱいものが食べられないという子供に最初にミラクルフルーツを食べさせるのである。そうすることで、その食材を無理なく食べられることができ、栄養バランスも難なく均等にとることができると思う。さらには、ミラクルフルーツを使っての苦手な食べ物を克服させることができるかもしれない。最初はミラクルフルーツをがっつり使って味を全く変えてしまい、そこから徐々にミラクルフルーツの濃度を薄くしていき、慣れさせ、最終的に食材そのものの味で食べさせるのである。本当に少しずつ変えていけばうまくすり替わって食べられるようになるのではないかと思う。をまだまだ未知の使い方がある味覚修飾植物の今後に大いに期待である。

3、今回ギムネマ・ミラクルフルーツをプリント上で見たとき、はっきり言って全く信用していなかった。周りも「ほんとかよ?」とか「ありえなくね?」とか半信半疑であった。しかし、実際試食したことにより一変。みんな「すごいすごい。」ととても感心をよせていた。そこから惹きこまれるように授業を聞いていた。やはり授業に経験を織り交ぜるのは本当に大切なことだと思った。実際に体験させる授業を自分も教師になったらしてみたい。また、先生の話し方も非常に見習うべきものだと感じた。話し方や、間、視線など先生を見て話を聞いているとなんだかとても聞きたいと思えてくる。話を聞いてもらう話し方はなかなか出来るものではなく、是非吸収したいものだと思った。



Kさん 

 今回の講義を受けて、味や味覚に関する、いままでは知らなかったさまざまなことがわかりました。
 まず、この授業を受けるまでの私は、人は味をどこで感じているのか、どのように感じているのかよくわかっていませんでした。授業で間違いとして紹介された古い味覚地図を信じているくらいで、ただ漠然と、「味は舌で感じているんだろうな」くらいにしか考えていませんでした。だから、授業冒頭で、ギムネマを上あごにしっかりこすりつけずに舌にこすりつけただけでチョコを食べて、「味はうすれたけどまだ甘く感じる。ギムネマあまりきかないんだな。」と考えました。今回の講義を受けることで、私たちが食べ物を食べて味を感じるのは舌に味蕾という器官があるからであること、味蕾には甘味を感じるもの、塩味を感じるものなどがそれぞれあって舌に点在しており、それは舌だけでなく上あごやのどにもあることなどを知ることができました。そして、そのことを通して、授業を受ける前までもっていた味覚に対する間違った認識を正し、漠然としていた味覚や味に対する認識を、用語的な知識も交えて、より確かなものすることができました。また、ギムネマを使ってもほんのりと味を感じたのは、ギムネマを上あごにもきちんとこすりつけなかったからだと気づくことができました。
 今回の授業の中で紹介されていたギムネマやミラクルフルーツなどの味覚修飾植物ですが、その特性に応じてさまざまな使い方ができるな、と感じました。その使い方の例として真っ先に思いつくのが、授業の中でも紹介されていた、糖尿病患者の方がすっぱい大福やケーキを食べて甘く感じるようにできる、という使い方ですが、他にも、例えばもし、ギムネマが甘さを感じさせなくするように、苦味を感じさせないようにする味覚修飾植物があれば、苦い薬を飲む前にその植物を口内にこすりつけることで、苦味を感じることなく苦い薬を飲めるようにすることができるかもしれないな、と考えました。(手間がかかってあまり実用的ではありませんが・・・)また、味覚について知ることは、とても意義のあることだと私は考えます。味覚は、私たちの生活に密接に関わっている事柄です。授業の中でも取り上げられていた、人が味をどのようにして感じているのか、人にとっての味覚にはどのようなものがあるか、好き嫌いとはどういうメカニズムによるもので、直すにはどのような条件が必要なのか、などのことは、私たちの生活に非常に密接に関わっている事柄で、それらのことについて知っておくことは損ではないと思います。また、これも授業の中で取り上げられていたことですが、味覚障害は、私たちの普段の何気ない食生活で陥ってしまいかねない病気で、味覚について知る中でそのことについて知れば、「普段の食生活をもう少し考えようかな」と反省することにもつながります。味覚についての知識は、このように普段の生活の中で役立てられることであふれていると私は考えます。
 今回の授業を受けることができてよかったな、と私は思っています。まず、第一の理由は、(これが1番大きいのですが、)単純に授業がおもしろかったからです。ギムネマやミラクルフルーツなどを用いながらなされる、先生の長年の研究を基にした授業は、非常に内容が濃く、興味深いものでした。また、第二の理由は、今後教師になり、授業を展開していくことになったときに、ちょっとした場面で今回学んだことを取り上げられれば、子どもたちを楽しませてあげることができるな、と感じたからです。そうすることによって、子どもたちの知りたいという気持ちを少しでも喚起できればいいな、と思います。今回学んだことをこれで終わりにするのではなく、今後に役立てていきたいと思います。




■大学院

Aさん 

 私は今まで味覚修飾植物という名前すら耳にしたことはなかった。ただ、「食べるとすっぱいものが甘くなる実」などなんとなく知っているに過ぎなかった。それはメディアから知ったに過ぎず、情報に信憑性があったかは疑問である。
今回の講義では、ギムネマやミラクルフルーツを使用することによって私たちが味を感じるためには味蕾の存在が不可欠であるということを知った。味蕾は味を感じるセンサーのようなもので、これにより、私たちは「おいしい」とか「まずい」という判断をしていることになる。成人と比べ、赤ちゃんは味蕾が多いというのも頷けた。私たちは経験と学習により、食べても大丈夫かどうか判断している。しかし、赤ちゃんはまだその経験も学習も積んでいない。だからこそ、口に入れた瞬間の味覚で判断するしかない。この応用と言えるのが、リカちゃん人形の靴である。小さな靴は子どもが誤飲する可能性があるが、苦い成分を塗ることによって吐き出すように作られている。自分で判断できるようになったところで味蕾が減っていくというのは、人間の体はよくできていると感心した。また、私が驚いたのは、「辛味」という味覚は存在しないという点である。今まで辛いものは苦手だったが、それは神経に対する刺激が苦手だったということになるのだろうか。
好き嫌いのメカニズムも非常に興味深かった。まず、小さいときにその食材に対するトラウマを植えつけなければ、好き嫌いは減るのだということである。また、大人になったときに、子どもの頃は苦手だったものが好きになるというようなことはよく耳にしていたが、その理由について知って面白いと思った。私たちは知らぬ間に学習し、その味覚が毒のシグナルをもっていたとしても、きちんと毒でないと見極めることができるようになる。
私は静岡県の出身であり、やはり、くろはんぺんなど地元の味が非常においしく感じられる。文化というもので、人の味覚はそれぞれ違う。また、情報に基づくおいしさには納得させられた。有名なお店や行列ができるお店はなんとなくおいしいと感じる。しかし、それは味という観点からだけではなく、そのお店の雰囲気であったり、他の面から見た部分もおおいに関係しているのかもしれないと思う。おいしさというものに対する基準は誰にも決められないのかもしれないと思う。
ミラクルフルーツは今後が期待される植物だと私は思う。特に興味深いと思ったのは、糖尿病患者に対する甘味である。人は食べることで幸福感を味わうことができるといえる。だからこそ、満足感という意味では、応用することで救われる人々が多いと考える。
私はダイエット食品などにも興味があり、ついつい表示に騙されてしまうようなことが多くあった。しかし、今回講義を受けてみて、ダイエットに興味があるとされている食品のことについてしっかり知識がない限り効果はもたらされないと知った。表示されている情報を鵜呑みにせず、きちんと見極めて使用していくことが必要だと思う。
また、こういった味覚修飾植物は、食育分野において今後利用される機会がより多くなっていくと考えられる。特に子どもたちにおいては、今回の講義のような実際に体験することで学ぶという方法は非常に効果的である。いつか自分が教員になったとき、このような体験をさせてあげられたらいいと思う。ただし、もしもこのような授業を行うとしたら、必ず全員に体験させることが必要である。一部しか感動を味わえないのなら、授業自体の意義がなくなってしまうといえる。学習に対する平等性は確保されなければならないと思う。貴重な体験をありがとうございました。



Bさん 

・講義で感じたこと、わかったこと、興味を持ったこと
 今回の講義内容の味覚についての内容は、非常に興味を持ち、これまでの講義内容の中で興味がわいた授業内容だった。鍵穴である味蕾自身が専用の鍵穴を存在していること、未来が喉に存在していること、うま味を日本人が発見したことなど興味を引く内容だった。
 わかったこととしては、人にとっておいしさとは生理的欲求や文化、情報などから得られることである。空腹な状態で食事をすると何でもおいしく感じることが生理的欲求に繋がり、おふくろの味や慣れ親しんだ味はおいしく感じたことは人だけの特権なのだとわかった。人としてその特権を味わいながら、生きていきたいと思う。

・味覚修飾植物の今後の展開や味覚について知ることの重要性
 授業で取り扱った内容であるが、味覚修飾植物として糖尿病患者、肥満の人へのダイエットに繋がるのではないかと考える。
 糖尿病患者、肥満の人へ同様のことが言える暴飲暴食の予防の効果が高くなるのではないか。また、健康補助、病患者への投与など幅広く使用していけば今後の展開も大きく変わるのではないかと考えられる。
 また、ミラクルフルーツやギムネマに代わる新たな味覚修飾植物の応用が重要ではないかと考えられる。人体に影響がない植物を使用することで、ミラクルフルーツやギムネマ以外の味覚修飾物の数を増やすことで需要の面でも変わると私は考える。また、その今後の取り組み次第で医療場面、そのほかの場面でも大きく影響していくのではないかと考える。

・その他自分の意見・感想
 その他自分の意見、感想としては、教育場面で使用できないかと感じた。子供たちの多くは食に対して好き嫌いが多くある。しかし、現在の流行、兆候から見ると大人になってから食べれるようになるから後回しにすることがあるのではないかと考える。
 しかし、成長段階である子供たちは免疫も弱く、強い体を作らなければならない年代であることから、好き嫌いをなくし、丈夫な体を子供のころに確立することで大人へ成長するのではないかと考える。そのことから、家庭科、保健領域に味覚修飾植物を取り入れて食の好き嫌いをなくすよう努力をする必要であるのではないか。そしてその一部の役目を担うのが、味覚修飾植物なのではないかと私は考える。
 また、食事の大切さを学ぶことが出来るのではないかと考える。
 貧国の子どもたちは「食べたくても食べれない子供」が多くいるが、日本はそれを考えずに好きなものを好きな時、好きな量を食べることが出来る。しかし、好き嫌いをしてしまい、その残ったものはゴミになり廃棄してしまうことが多い。よって、「食べたくても食べれない子供」がいることを伝え、好き嫌いをなくすことを繋げるために味覚修飾植物が必要であると私は考える。
 よって私は教育場面でも使用できないかと考える。



Cさん 

1,講義で感じたこと、分かったこと、興味を持ったこと
 味覚についてただ漠然とした知識しか持っていなかったので、実演を含めた講義は非常に参考になり、また楽しかった。まず、驚いたのは「辛さ」が味覚ではなく「体性感覚」であるという点である。先生の講義を受講しなければ、味覚であると勘違いしたままだったに違いない。
 味を感じる味蕾が喉にもあり、それによって人がいわゆる「のどごし」を感じていることも非常に興味深かった。人間も舌だけではなく、様々な部位から味を感じているのだと思った。
 好き嫌いのメカニズムはこれから自分が教師になった時、給食指導等で非常に役立つと思った。嫌いなものはどうしても無理やり食べさせてしまいがちだが、それはむしろ子どものトラウマになる可能性が高く、褒めておだてて食べさせるのが正解だというのはとても参考になった。

2,味覚修飾植物の今後の展開や味覚について知ることの重要性
 今回の講義を通じて、味覚修飾植物には無限の可能性があると思った。人工甘味料のアスパルテームはカロリーがなく、砂糖の約200倍の甘みを持っているが、その健康リスクも少なくない。しかし、ミラクルフルーツはそれ自体がまったく自然のものであり、酸っぱさを甘みに変えてしまう。その安全性が完全に証明されれば食品業界にとって一つの革命が起きるといっても過言ではない。危険な人工甘味料やカロリーの高いもの以外から、甘いものを取れるようになるのである。夢の様な話だ。また、そうなればどこかの企業がミラクルフルーツの新しい利用法を見出し、新たな潮流が生まれ、我々には想像もつかないような変化が起こるだろう。
 さらに、まだまだ世界には我々の知らない味覚修飾植物が数多く存在すると思われる。これらの研究が進めば、もっと我々は豊かな生活を送ることができるかもしれない。可能性に底のない、素晴らしい分野である。

3,その他自分の意見・感想
 自分が高校生の時、生物の授業で担当教諭が冷凍のミラクルフルーツを用意してくれたので、ミラクルフルーツを使った実験に参加したのは二度目だ。二度目であっても、酸っぱいものを甘く感じると言うのは本当に不思議である。当時はミラクルフルーツがようやく認知され始めた頃で、教諭はその入手に大変な苦労をしたようである。こんなに素晴らしく可能性があっても、安定供給ができないのなら意味が無いな、と当時の私は思った。しかし、今は島村先生によって、手軽で安価なタブレットが完成している。なぜ、マスコミはもっとこれを取り上げないのか。なにか複雑な利権争いが絡んでいるのかと勘ぐりたくなるほど、不思議である。ミラクルフルーツを知っていても、そのタブレットが出来ていることを知っているのは、本当に僅かな人だけであると思う。これは非常にもったいないと思った。
 貴重なお話をありがとうございました。先生の細やかな気遣い(先にギムネマを試し、最後にミラクルフルーツを試す。食べ物の恨みは恐ろしいので、全員に食べさせる。など)に感動しました。ただでさえ面白い講義が、更に面白く感じました。今回は本当にありがとうございました。

4,参考文献
THINKER:http://thinker-japan.com/aspaltame.html(参照:5月16日)
味覚障害 原因と治療法:http://imhokuro.web.fc2.com/immikaku/(参照:5月16日)



Dさん 

 私は、ギムネマやミラクルフルーツについて知識はおろか名前すら聞いたことがなく、また味覚についても意識して考えたことがなかった。今回の講義で、“人にとってのおいしさ”について改めて考えるようになり、おいしいと感じるようになる時期のことをもっと知りたいと考えた。
 講義やインターネットから、人間は一般的に嗅覚や触覚と違い味覚に関しては生まれつきの要素は少ない(1)と考えられており、成長過程のなかで人それぞれの好みの味・苦手な味がうまれてくるのである。例えば、「赤ちゃんにしょっぱいものをあげてはいけない」とよく言われるが、離乳期の頃から味覚のベースが徐々に生成されており『経験と学習』の中で個人差がうまれることに気付いた。特に育った環境から受ける影響は大きく、フランスとアメリカの子どもの比較を研究した中でも油っぽい食べ物や甘い食べ物を好み、野菜が嫌いだという共通点が分かったほか、国による好みの違いなども明らかにされている(2)。また、“故郷の味”や“お袋の味”が我々日本の中にも存在することから、国に限らず地域や家庭においても同様に考えられるだろう。
 ところが他の動物を考えると、ライオンのように食べる順番が生きていく上で役に立つものがおいしいとされている。動物の本能による味覚と比べると、人間はいかに贅沢に生きているのだろうと感じた。それと同時に味覚の豊かさや味わう素晴らしさを知っているのも人間であり、私たちはより舌で繊細に感じながら食を楽しむべきである。それを改めて感じることが出来たのはギムネマであった。
 ギムネマ酸は甘味を感じさせなくなる作用があり、私は甘党と呼ばれるほどではないが普段から好んで甘いものを食べているのだが、講義でギムネマを噛んだ後チョコレートの味がわからなくなった時は本当にショックだった。なぜなら自分の味覚は当たり前のように存在し、舌が植物成分によって簡単に狂うことなどあり得ないような気がしていたからである。こんな簡単に私が生まれてから信じてきたものが崩れるのかと思うと、五感について絶対の自信や信頼性が少し薄れるような感覚になった。また、このような植物が世間一般に知られていないことにも驚き、例えば、糖尿病・肥満予防や虫歯予防等の健康効果も期待されて(3)いるように、今後この成分を生かした医療技術などの開発がより行われていって欲しいと感じた。
 さらに後半ではミラクルフルーツについて学び、これも特に糖尿病など医療関係を中心に広まっていってほしいと切に願うほどの価値あるものだと感じた。講義の後、本当に甘味だけになるのか試してみたくなり、たまたま持っていたアセロラジュースで試してみたが、本当にとても甘い感じがした。しかしよく考えるとアセロラに酸っぱい成分(又は酸味)があるような気がしていたが、実際あるのかは確認できなかった。何より、自分の味覚に自信が持てなくなった直後のことなので、味に対する自然な感想に疑問を抱いてしまった。それ程までに今回の味覚修飾植物から受けた衝撃は大きく、今後何かを食べたり飲んだりする場合に“味蕾”について思い出さずにはいられないだろう。そして味覚だけでなく、五感を常に意識しながらこれからの日々の生活を様々な角度で観察していきたい。

参考文献:
(1)、(2)JOMF
http://www.jomf.or.jp/html/childcare_pdf/13.pdf

(3)J-medical
http://www.j-medical.net/h/h_gymnema.html



Eさん 

 島村先生の講義を聞いて、味を感じる仕組みについて詳しく知ることができた。特に味蕾で味を感じる仕組み、また、その味蕾が舌だけでなくのどや鼻腔など、様々な場所にあることも驚いた。今まで私は舌で味を感じるものだと思っていたので、目からうろこの思いだった。鼻に洗顔料が入ったときに苦く感じる理由を、この授業を通して知ることができた。またそれぞれの味蕾が一つの味にしか対応していないのは意外だった。鍵と鍵穴の関係という説明は分かりやすく、直感的にどうような構造になっているのか想像することができた。目で光を感じる際にも青、赤、黄それぞれ一つにしか対応していない感覚器官があるのを以前知り、衝撃を受けた。そのことを考慮に入れて考えると、人間の身体はひとつひとつが特化した機能しか持たず、同時に処理することができないので処理効率がかなり悪いことになるのではないだろうかと講義をきいて感じた。我々が考えているより、人間の体はかなり不便にできているのかもしれない。さらに赤ちゃんの頃から大人の身体になるにつれて味蕾が減ることで、好きな味が変わるという説明も納得がいった。子どもの頃に苦手だった味が大人になっておいしく感じたりすることが、このように身体の仕組みから説明ができることに驚いた。私は、レバーやホルモンなどの動物の内臓系のたべものがどうにも苦手であったが、高校生を過ぎた頃になって急に美味しく感じるようになった。講義で好き嫌いの話のときに出たように雰囲気が良かった、悪かったなどのこともなく、また久しぶりに食べたレバーの味も記憶どおりだったが、自分でも意外なことに不思議と美味しいと感じることができ、それから動物の内蔵は好みの味になってしまった。この経験は以前から不思議に思っていて、なぜ美味しく食べることができたのか疑問だったのだが、この講義を聞いて納得することができた。
 また、味覚修飾植物についてだが、ギムネマやミラクルフルーツを用いた経験はとてもおもしろかった。ギムネマによって甘みが感じなくなり、チョコレートを食べた時にバターの味を感じ取ることができたのはおどろいた。このギムネマは糖尿病、肥満の治療として研究がされているようであり、ラットをもちいた実験ではギムネマに含まれる成分の一つが、糖尿病ラットの血糖値を優位に下げるという結果が出ていた。また同研究で他の幾つかの成分が、腸による糖の吸収を抑える働きがあることを確認しており(杉原・野島・木村・松田・村上・吉,1997)、糖尿病患者、また肥満体型改善への応用の可能性を感じた。また、最近ではギムネマの成分を錠剤にしたサプリメント等も多く発売されているようであり、今後メディア等の露出が多くなればダイエットや糖尿病改善、予防に一般的になるかもしれない。
 ミラクルフルーツでは島村先生が世界初のタブレット化に成功していたが、ミラクルフルーツの消費量を抑え、効果を調節した錠剤を作ろうとする研究もあるようである(津村,2005)。これらの研究が進めば、ミラクルフルーツなど、味覚修飾植物を使った糖尿病、肥満等の改善に役立つだろう。

参考文献
・杉原義享・野島博士・木村郁子・松田久司・村上敏之・吉川雅之 (1997). ギムネマ葉含有成分Gymnemic acid Wの血糖値下降作用 和漢医薬学大会要旨集, 14, 120.
・津村哲司 (2005). ミラクルフルーツの錠剤食品への応用 瀬戸内短期大学紀要, 36, 21-24.



Fさん 

1.講義で感じたこと、分かったこと、興味を持ったこと。
 ギムネマとミラクルフルーツの試食という驚きの味覚体験を通して、今まで特に気にしていなかった味覚に興味を持った。講義では、味を感じる仕組みや、味覚の役割、好き嫌いのメカニズム、味覚障害について知ることができた。味は、味蕾で判別され、味と味蕾は鍵と鍵穴の関係になっている。私は、以前、漫画で味覚地図を見て信じていたので、それが間違いだったと知って驚いた。のどにも味蕾があるというのも知らなかった。ミラクルフルーツ実験の時に、舌では甘く感じたレモンがのどを通る時には酸っぱく感じ本当なのだと実感した。また、生きていく上で役立つものはおいしく感じるという話があった。味覚というのは、嗜好のものという意識が今まであったのだが、生きるために重要な感覚だったのだと分かった。偏食は駄目だが、美味しい物を楽しく食べることが大切なのだ。また、楽しく食べるということは、好き嫌いを無くすためにも必要なものだと分かった。
 人は味覚を経験と学習によって覚え、そのために赤ちゃんには成人より多くの味蕾があるということだった。だから、子どもの時に豊かな食の経験をしておかないといけない。文部化科学省は、近年、偏った栄養摂取、朝食欠食など食生活の乱れや肥満・痩身傾向など、子どもたちの健康を取り巻く問題が深刻化していること等から食育の充実を求めている1。私は、今まで食育ということについて関心はあったが、そこまで深く考えていなかった。今回の講義を通してその重要性を理解できた。教育実習や教員になった時は、給食指導など食育について意欲的に取り組みたい。

2.味覚修飾植物の今後の展望や味覚について知ることの重要性
 講義の中で味覚障害の疑似体験になるという話があった。今の学校教育でも、空腹体験や睡眠不足の体験を保健の授業で取り入れている学校がある。そのように、味覚修飾植物で味覚障害の疑似体験をすることで、子どもたちに味覚や食べるということについて興味を持たせることができるのではないか。
 また、今回の講義で味覚についての知識を得たことで、小さい頃から「ご飯はおいしく楽しく食べた方がいい」や「好き嫌いせずに色々なものを食べた方がいい」など言われてきた理由がわかった。味覚について知ることは、家庭や給食の時に言われていることの根拠を知って納得することで、より実践意欲が湧くという点で重要である。また、教員が知ることで、嫌いな食べ物を克服させるための指導法など、子どもへの接し方が変わるだろう。

3.その他自分の意見・感想
 ギムネマとミラクルフルーツの試食は、本当に驚きの味覚体験だった。ギムネマにより大好きなミルクチョコレートは乳臭さと苦味で美味しくなく、ミラクルフルーツでレモンはジュースのように甘く感じられ、講義の後に口にしたオレンジジュースは甘すぎて飲めなかった。物の味を正常に感じられるというのは当たり前のようだが、実は幸せなことだとわかった。大学時代、駄目だと思いつつも一人暮らしでよくコンビニ弁当を利用していた。しかし、今日のミルクチョコレートの味を思い出すと、そのような生活には戻らないと強く思うことができた。亜鉛をしっかりとり、バランスの良い食事を心がける。

4.参考HP
1.文部科学省「学校における食育の推進・学校給食の充実」
http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/syokuiku/  2012年5月11日



Gさん 

1. 今回の講義で扱った、味覚についての基本的な知識や味を感じる仕組みは、今までの講義の中で最も意欲的に取り組むことができた。自分の身近な生活習慣である食という観点を扱っていたのと同時に体験活動を足していくことで、さらに学習が深まったように感じる。また、人間よりもウサギや牛やナマズの味蕾数の方が多いというのは意外だった。ウサギや、ナマズは決まったものしか食べないイメージがあるので、味覚があまり発達していないのかなと思っていたが、逆に非常に発達しているという事実は非常に興味深く、他の動物が食べ物を食べるときにどういう風な気持ちでいるのか知りたいと思った。そして、この講義の中で一番興味を持った点は、味を変更させても人体への影響は少ないという点である。味が変わっているのにも関わらず、体はその食物の栄養素を得ることができるという事実は非常に興味深い。自分のイメージでは、味が変わっているのだから、体は「別のものを食べている」という感覚になり、元々の食物とは違った影響を体に与えると思っていた。この事実は、ダイエットや病気で食事制限がある人などにも応用できるのではないかと思った。

2. 味覚修飾植物の今後の展開としては、授業でも取り扱っていたように、ダイエットや健康補助、病気の患者への投与など、幅広い展開が考えられる。他には、実現可能かどうかは分からないが、海外の発展途上国などの子どもたちに味覚修飾植物を食べてもらうことにより、少しでも多くの味を感じていけるようにすることは、試す価値があるかもしれない。味覚について知ることは、同時に自分が食べている食事、ひいてはその栄養に興味を持つことにつながっている。栄養や食事をいきなり学習しても難しいことが多く興味を失ってしまうかもしれないが、味覚と言う身近なところから取り組めば、段階的に教えていくことができるので、興味を持ったまま続けることができるのではないか。

3. 味覚修飾植物は、学校教育の場面で有効に活用していくことができるのではないかと考える。教科としては、やはり食物を扱うので家庭科になると思う。第一に考えつくのは、子どもの好き嫌いを直すことである。食べ物に対する経験が少ない子どもは、苦い食べ物に対して苦手意識を持っている場合が多い。その中には、食わず嫌いな子どもも多数存在する。そこで、苦い食べ物を甘く変えてしまい、第一印象を変えることにより、好き嫌いを克服していけるのではないかと考える。第二に、舌(味覚)に注目してもらうことにより、人間の体の機能自体に興味を持つことができるのではないかと考える。自分の体に興味を持つことができれば、保健における体の学習や、理科における動物の体などとも連携していけるのではないだろうか。そうすることで、それぞれの教科における指導がより充実していけるのではないかと考える。第三に、味覚について学ぶことで、給食の時間や日々の食事の大切さを同時に教えていけるのではないかと考える。朝食を抜いてしまう子どもが多い中で、食事の大切さを学ぶことは、子どもにとって、朝食の重要性を理解しやすくなるのではないか。もし、自分が教師になれた暁には、味覚修飾植物を生かして、これらの活動を行ってみたいと考える。



Hさん 

 今回の講義ではまず味を感じる仕組みとして「味蕾」という器官があることがわかった。授業で教わったかは定かではないが、苦味や酸味などを感じる味覚地図がそれぞれ偏って分布していると思っていたが、それが実は間違いだということを知ったこと、また舌以外にも味蕾があることを知り驚いた。それらの味覚は鍵穴に例えられ、食べ物が唾液と混じり水溶液となったものがそれぞれの鍵穴(味蕾)にはまり電気信号として伝わるという例がとてもわかりやすく理解できた。動物や昆虫などにとって味覚とは危険を察知したり、おいしく感じるものが必要なものといった種の保存のためのものであるが、人間はある種嗜好品として食べ物を楽しむ場合がある。なぜなら基本的には酸味や苦味は毒物や腐敗物のシグナルとして察知するために味覚の感度が高くなっているが、コーヒーの苦味や酢、また味覚ではなく痛覚を刺激する辛味など、生物学的意義とは結びつかないようなものを好む人が多いからである。つまり人間にとっては味覚とは生物的欲求に基づくおいしさ(不足した栄養素はおいしい)だけではなく、文化に合致したおいしさ(食文化の違いによる好み)や情報に基づくおいしさ(安全性や風評被害など)といった経験と学習に基づいたものである。近年はファストフードや加工食品に依存した食文化から「味覚障害」という病気が若者に多くなっている。これは味細胞が1週間程度で生まれ変わりそのときに亜鉛が使用されるのだが、上記の食品に頼ると亜鉛不足が起きやすいからである。亜鉛を多く含む食品に日本食に分類されるものが多いため、日本食が味覚という面からも見直す有用性があると言える。
 味覚修飾植物の今後の展開や味覚について知ることの重要性については小学校学習指導要領解説-家庭編において食育の推進を挙げており、ギムネマなどから当たり前に感じていた「味」という感覚を直接的な体験を通して実感し、問い直すことは食に関心をもつことや、食に感謝する機会に多いに役立つと思う。また幸か不幸か、先進諸国では飽食状態になり味の質を追求したことから糖尿病や肥満・ダイエットに悩んでいる人が数多くいる。彼らに対しミラクルフルーツなどの味覚修飾植物によりストレスレスで糖分摂取の充足感を味わえることになり、医療現場などでの利用にも役立つと言える。特に私たちが頂いた、島村先生が開発したタブレット型ミラクルフルーツは、課題であった保存も容易でありより臨床現場の実用性がある。
 今回の講義の感想として、私は家庭科という教科が好きではないというより大して興味がありませんでした。実際、私が児童生徒だったときに担当した教員は家庭科の授業をただ熟している感じでしたが、島村先生はまず自分がミラクルフルーツを探すために果樹園に片っ端から連絡してみるという熱い物語を話していただいたのが私の中では一番感動した部分でした。それからギムネマとミラクルフルーツを食し、上述したような体験を通して食に関心を持つことがまさに自分自身に当てはまりました。授業後、興味を持ったので島村先生のWEBページを拝見しましたが、そこで初めて「果物」と「野菜」の違いを知りました。また私は学部時代に発展途上国論担当の先生のゼミに所属しており、スターバックスやネスレの扱うコーヒー豆が不当な労働の下栽培されたり、中間業者が多額の中間マージンを奪っていくことを知り、食を通した消費の在り方も見つめなおす必要があると思います。また今回授業後島村先生のWEBサイト拝見後、食に関してネットサーフィンしていたらマクドナルドの製造に関しての情報や動画を観てから、マクドナルドのハンバーガーが食べれなくなってしまいました…。 私たちはもう少し身近に当たり前にある「食」に意識を持つべきだなと思いました。



Iさん 

1.講義で感じたこと、分かったこと、興味を持ったこと。
 味を感じる仕組みについて、自分が中学生の頃だったと思うが、資料の図3で示された味覚地図を教わった記憶がある。その時も実験を行ったため記憶に残っているが、今回の講義を受けるまで間違った知識を持っていたことが恥ずかしい。そして、今回ウェブサイトで調べてみたところ、この間違った味覚地図を未だ載せているURLがあることが分かった。更に、広辞苑の第四版で調べてみたところ、旨みが味覚に含まれていない。子どもたちが情報機器を利用する頻度が高くなった今、正しい知識を学べるようにすることが子どもにとって大切であり、そのためには、教師側が正しい知識を持ち、また新しい知識を更新し続け、理解し、そして教え伝えることが重要だと感じた。
 そして、人にとっての味覚は、経験と学習によるものであることという先生の見解が大変興味深いと感じた。人間が進化する上で、動物のように生きていくために必要なものがおいしいと感じるものという本能的な概念から、脳に味を記憶し、そして味を楽しむ能力が備わったためだと考えた。小学校教員を希望している自分にとって、味覚学習は人類の進化と繋げて考えることができ、理科の授業だけでなく、社会の授業にも関連すると感じた。

2.味覚修飾植物の今後の展開や味覚について知ることの重要性
 未蕾について知ることにより、なぜ赤ちゃんが酸っぱいものや苦いものを吐き出すのかを理解できる。そして、赤ちゃんの頃の経験はその後の味覚発達に大きく左右するため、より離乳食や幼児食の重要性を考えるきっかけになる。最近、離乳食をレトルトで済ませたり、大人と同じ物を与えたりする親が増えているという記事を読んだことがあるが、味覚障害の若者を増やさないためにも、本人はもちろんのこと、親も責任を持って食生活を見直す必要性を感じた。
 そして、味覚修飾植物は、糖尿病患者や肥満患者の生活習慣改善の一環として用いられているとあったが、他にも、摂食障害で苦しむ若者が増えてきている昨今、例えばギムネマを使用し甘味を感じずに糖分を摂取することもできると考えた。味覚は脳内物質と密接に関係しているため、色々な場面で味覚修飾植物を活用できると感じた。

3.その他自分の意見・感想
 味覚の発達について、今回講演で詳しくお聞きすることができ、食生活の見直しの必要性を一番考えさせられた。加工食品などに頼り過ぎると、味細胞の生まれ変わりに必要な亜鉛不足を引き起こすことは、特に頭に入れておきたい。この内容は、子どもの味覚発達に深く関わるため、ぜひ乳幼児の健診時の離乳食相談にて学びたい内容だと、一児の母として思う。

4.参考文献もしくはウェブサイト
新村出編 岩波書店『広辞苑 第四版』1992年
http://www.taste-m.com/
http://bunseiri.michikusa.jp/Mikaku.htm
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%91%B3%E8%A6%9A



Jさん 

1.講義で感じたこと、分かったこと、興味をもったこと
 食べ物というと、どうしても食物そのものや見た目、料理、栄養素などに目が行きがちだが、今日の講義を受けて、食べ物の前に「味」「味覚」という大切な感覚を忘れていたことに気付かされた。また、何より「味覚」が食育にも大きく生かせるということも分かったことは大きな収穫だった。好き嫌いのメカニズムは、これまでは何の根拠もなく口にしていたが、味覚が大きく関係していた。これからは自信をもって子どもたちに説明したり、家庭を巻き込んだ食育に積極的に取り組んだりしていきたい。
 人間や動物の進化にも大きく味覚は影響を与えており、その生物にとって生命を支える大切な感覚器官であることには驚きだった。人は案外、日々味覚に関してその感度や意義、基本味について無関心である。グルメというと、お金をかければおいしいものが食べられるとか、あまり手に入らない貴重なものを食べることとか、一流シェフが料理したものを食べることとかを考えがちだが、結局人の味蕾の数は変わらず、むしろ味蕾を鍛えている人、味に敏感な人、そして味蕾の数の多い赤ちゃんや幼児の方がグルメだと言えることが分かった。動物の方が自分の命を支えるために、味蕾・味覚を様々に効果的に活用しながら生きているということでは、人よりグルメなのではないだろうか。辛味・渋味・えぐ味はこれまで基本味の中に入っていると思っていたが、そうではないことも分かった。
 若い人に多いと言われる味覚障害は、日本人が洋食を好んで食べるようになったことも関係しているのではないだろうか。小学校での子どもたちの給食の様子を見ていると、本当に偏食の子が多いことに驚く。成人病なども味覚に関することが多いように思う。もう少し私たちは味覚に関してアンテナを高くしていく必要がある。
 味覚修飾物質については始めて知った。ギムネマについては、ダイエット食品として知ってはいたが、薬としての扱いがあるということは知らなかった。味覚修飾植物は、ただおもしろいだけのものではなく、きちんと使えば医療現場で大いに効果があるということを知り、もっと知りたくなった。なかなか育てるのが難しいものだが、昨今の漢方医学の注目とともに、この味覚修飾植物についてももっと研究が進み、日常的に使えるようになれば良いと思う。

2.味覚修飾植物の今後の展開や味覚について知ることの重要性
○ 味覚修飾植物の今後の展開
 味覚修飾植物は、いろいろな可能性を秘めている。近年、成人病の問題が注目されている。特に肥満や糖尿病については社会的にも大きな問題になっている。これらの人たちには、低カロリーで安全な甘味剤が必要とされている。糖尿病患者には、生活習慣改善の補助に使える可能性がある。味覚修飾植物は、酸っぱくて糖分のないものが甘く感じるので、糖尿病患者の甘いものを摂りたいという欲求は満たされる。糖分は摂取しないので、体にも良い。味覚修飾植物を適用しても、すぐに効果が出るわけではないが、医療現場での活用は考えられる。このように、甘味誘導物質が新しい甘味剤として利用される可能性はあるが、そのためにはミラクリンやクルクンの安定性や大量生産系の確立が必要であり、今後の研究が期待されている。
 また、味わうことは五感を総動員する。よって、味覚修飾植物のミラクルフルーツやクルグリコ、ストロジンなどを使って、糖分はないが甘く感じるお菓子を作れば、糖分は摂らずにお菓子を食べたという満足感を感じることができる。人工的に作られた薬ではなく、自然の植物から摂ることができるということで体への負担も少ないので、肥満や糖尿病を抱える人はもちろんのこと、健康を維持したい人や子どもにも大いに受け入れられるのではないかと考えられる。
 他には、レモンがエコノミー症候群の予防に効果があるということから、レモンを摂取しやすくするために味覚修飾植物を使用する、あるいは長距離走者のビタミン補給など、多くの可能性が考えられる。
 教育分野においては、食育、理科教育等でこれらの植物を用いた授業を行うことで、食や科学に興味をもつ子どもたちが多くなると考えられる。

○ 味覚について知ることの重要性
 人間にとっての味覚とは、『経験と学習』である。食べ物の「好き嫌い」や苦みが大人になるとおいしく感じるわけなどは、この味覚の『経験と学習』によるものである。まず、食べ物の「好き嫌い」であるが、これは@食べ物に出会った第一印象、A食する時の雰囲気、B食べた経験、によるものが大きい。好き嫌いを直すための条件としては、@調理方法を変える、食べ物のことをよく知るなど、頭の中の考え方を変えること、そしてA本人が直そうと思うこと、の2つが挙げられる。これらのことから考えると、やはり子どもの頃の味覚の形成が非常に重要であり、この際にきちんとした味覚が形成されないと、奇食に走る可能性もある。また、苦味が大人になるとおいしく感じるのは、苦味(キニーネ)自体は毒のシグナル、つまり命に関わるものとして、人間は生まれつきちょっと食べただけで舌が感じて分かるようになっているが、全てが毒ではないことを経験や学習により知っていく。そうすることで、大人になる頃には、例えばコーヒーやビールなどの苦味がおいしく感じるようになるのである。9〜12歳には味覚は決まってしまうので、味覚について正しい知識をもち、子どもたちに伝えていくことは重要である。
 近年、若者の間に急増している「味覚障害」という病気についても、加工食品やファストフードなどの摂りすぎにより発生しやすくなると考えられている。毎日の「食」が、味覚についても大きな影響を及ぼし、ひいては自身の健康をも左右するということを知っておかなくてはならない。

3.その他自分の意見・感想
 最近の子どもたちの食生活の謎を、味覚について知ることで、少しなりとも解明できたように思う。昔から言い伝えられたこと(「3歳までにいろいろなものを食べさせた方がよい」「大人の味」…等)について、きちんとした理由があることが分かり、今後は子どもたちに「食」についての正しい知識を伝えていけそうである。五感をフルに生かすことで、もっと人生を楽しめるような気がする。普段の生活の中の何気ない「?」にもっと敏感になって、いつまでもいろいろなものに興味をもち探究する心をもっていきたいと思う。

4.参考文献・ウェブサイト
・ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト www.taste-m.com
・eミラクルフルーツ www.oomuraengei.com
・佐藤昌康『味覚の生理学』朝倉書店 1991
・栗原堅三『味覚・嗅覚』化学同人 1990



Kさん 

1.講義で感じたこと、分かったこと、興味を持ったこと。
 私は下の先に甘味を感じ、下の奥の方で苦味を感じているという「味覚地図」をずっと信じていました。今回の講義の中で、味にはそれぞれ専用の鍵穴があり、その鍵穴に合うと電気信号として、脳に伝えられるということを知り、驚きました。また、この味蕾は舌の全域にあるのと同時に、喉にも味蕾があることにとても興味を持ちました。薬を飲むときに舌だけでなく、喉の奥の方も苦いと感じるのは、喉の味蕾が反応しているからなのですね。味蕾を持つ生物の中でも、鳥やヘビには味蕾があまりないということが講義の中でありましたが、鳥がよく誤食をして死んでいるのは味蕾が少ない上に、脳自体も小さいので、間違った物(毒物など)を食べ、死んでしまうことが多いのだろうか…と思いました。このような誤食をしないためにも、判断能力がまだ乏しい赤ちゃんには、味蕾が多く、一瞬の味の判断で自分の身を守れるようになっているのでしょう。また赤ちゃんがオモチャなども誤食しないよう、オモチャの表面に苦味成分が塗られているということに、納得がいきました。成長するにつれ、味蕾の数が少なくなっていくのは、成長すると判断力もついてくるので、味蕾が減っていくということですが…もし、大人になった今、味蕾が赤ちゃんの時と同じ数だけ持っていれば、美味しいものにもっと感動できたかもしれないと思い、とても残念に思いました。
 子供の頃には「美味しい」と思えなかった「苦味」も、コーヒーやビールなど、苦い味のする食品を今は美味しいと感じ、食べています。お寿司ではさび抜きしか頼まなかった子供の頃とはうってかわり、今はサビ入りでないと、お寿司を美味しく食べられない自分がいます。「苦味」は毒のシグナルであると、先生はおっしゃっていましたが、全てが毒でないと、成長の中で学習し、「苦味」が一層美味しく感じられるようになるということが分かり、自分の経験上からもとても納得できました。

2.味覚修飾植物の今後の展開や味覚について知ることの重要性
 味覚修飾植物は、味覚修飾物質をもち、食べ物の味を一時的にイタズラして、味覚を変えてしまう植物のことです。これらの植物には、酸っぱい味を甘味に一時的に変化させてしまうミラクルフルーツなどがあります。甘味を感じてもらうなど、糖尿病で甘いものが食べられない人に、食へのストレスを減らすことが出来る画期的なものであると思います。人の中には「食」を生きがいとしている人も多く、その中には「病的な理由」などで食べられない物が多い人もいます。味覚障害者の方にも有効的に使えるものだと思います。現代病とも言われる「糖尿病」など、甘い物を多く摂取してはいけない人には、救いの手のような味覚を変化させる特別な植物なのではないでしょうか。また、今後の現代人は生活習慣病や肥満が増加し、ダイエットや治療目的でこれらの植物が活躍する日はそう遠くないでしょう。
 味覚について正確な知識を身につけることで、今後生きていく上で必要不可欠な「食」について再度見直すことが出来ると思います。また、「9歳までに味覚が決まってくる」など、味覚をしっかり学ぶことで、子供たちにどういう物を食べさせたらいいのかなど、今後の成長に関わる重要な知識も身につけることが出来るのではないかと考えます。

3.その他の自分の意見・感想
 今回の講義は目から鱗の内容ばかりでした。ミラクルフルーツのことは、テレビ番組の「所さんの目がテン」で見たことがあり、存在は知っていました。実際に口にしたのは初めてです。私の味覚は正常であり、食に対してあまり不満をもったことはありません。しかし、なんらかの理由により、様々な味覚を求めることが出来ない方のことを考えると、これらの味覚修飾植物は、無くてはならないものなのであると思いました。



Lさん 

 味覚について今まで、特に深く考えもしなかったが、今日の講義を通して、少し興味を持つことができたと思う。まず、すっぱいものを食べるとストレス解消になるということを初めて知った。自分はすっぱい物が好きで、よくシゲキックスというすっぱいお菓子を食べていたので、知らず知らずのうちにストレス解消をしていたのかと思った。また、体内で欠乏した栄養素はおいしく感じるという説明を聞いた時、なるほどと納得してしまった。なぜかというと、久しぶりに炭酸飲料水のCCレモンを飲むと、とてつもなくおいしく感じるからである。これはきっと、自分の体内にビタミンCが欠乏しているからなのである。コアラの話では、一日に20時間寝る理由が初めて分かった。コアラが好きなユーカリの葉には毒があってこの毒を中和するために睡眠を多くとっていることにはとても驚いた。赤ちゃんの話でも、成人した人より赤ちゃんの方が味蕾が多いことに驚いた。赤ちゃんはそこにある物が、食べられるか食べられないかの知識がない。そのため食べられるかどうか口に入れてみて確かめてみるのである。そして、この味を感じるセンサーの役割を果たす味蕾で判断するのである。成長するにつれ、経験を積んでいき、そこにある物を見れば食べられるかどうかは分かるため、味蕾の数は減少していくのである。
 今回の講義で初めてミラクルフルーツを試食してみて、この味覚修飾植物は教材として授業に使えると思った。例えば、小学校の理科の授業でミラクルフルーツを子ども達に食べさせれば、味覚のしくみや、ミラクルフルーツという植物についての授業ができ、またそれと同時に、食育についての授業も出来るのである。これは、学校の授業で現在問われている教科の横断がミラクルフルーツを使えば出来るということである。つまり、ミラクルフルーツという植物は、理科の教科と、食育についての授業で家庭科といった二つの教科の横断が出来るのである。しかも、こないだ体験したミラクルフルーツを食べる授業は、実際にやってみるととても面白い。ミラクルフルーツを食べる前は、とてもすっぱかったレモン汁が、ミラクルフルーツを食べた後では、レモン汁が甘く感じた。こういった味覚の変化は小学生にとっては大変興味深いものであると思う。大学院生ですら、面白いと感じたので小学生には必ずうけると思う。またギムネマの試食もとても驚きだった。ギムネマを食べてからチョコレートを食べると全く甘さを感じなくなったのである。個人的にはチョコレートは大好きなので、甘味がなくなったものが、こんなにおいしくないのはとてもショックだった。この効果の持続時間は30分くらいで、ギムネマの葉っぱに含まれるギムネマ酸が糖分の吸収を妨げることにより、甘味を感じなくさせるのである。
 近年、味覚障害という食べ物の味が感じなくなる病気が急増している。データによると、毎年日本で、24万人の人が味覚障害を発症しているといわれている。味覚障害が増えているのは、現代人の亜鉛不足が原因だとされている。味細胞は1週間くらいで生まれ変わるのだが、その時に亜鉛が必要となる。亜鉛がないと味細胞が新しく生まれ変わることができないのである。カップ麺やインスタント食品、ファーストフードばかりに頼ると、味覚障害になってしまう可能性が高い。この味覚障害を防ぐためには、亜鉛が多く含まれる食品を食べれば良い。亜鉛を多く含む食品は、お茶や、そば、貝類、海草、丸ごと食べられる魚などが挙げられている。自分も一人暮らしなので、よくカップ麺やインスタント食品を食べてしまうのでこれからは味覚障害にならないよう気をつけようと思った。
 今日の講義を通して、好き嫌いのメカニズム、嫌いな食べ物の克服の仕方、味蕾という言葉、味を感じる仕組み、人にとっての味覚が甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の5種類だということが分かった。また辛味は、体性感覚といい、味蕾を刺激しているのではなく、神経を刺激して起こることも学べた。一番大切だと思ったのはギムネマやミラクルフルーツといった味覚修飾植物が、小学校の横断的な授業をする際の教材として使えるということが分かったことである。この味覚修飾植物を使っていつか必ず小学校で授業をしたい。



Mさん 

 今回「驚きの味覚体験〜ミラクルフルーツとギムネマ〜(植物を通じて味覚のしくみを理解する)」と題した授業を島村光治先生からご教授いただき、味覚のしくみはもちろん、その面白さや味覚修飾植物の可能性など知らなかった多くのことを学ぶことができた。【1.味を感じる仕組み】では、味を感じるセンサーの味蕾という器官があり、口にしたもの(鍵)が甘味・苦味といったそれぞれ専用の味蕾(鍵穴)と合致するというイメージで味を判別することが分かった。それまで私は、どのような媒体から覚えたのかわからないが、舌にはそれぞれの味を感じる部分が決まっていると誤解していた。またその味蕾が成人と赤ちゃん、また牛やハエ、チョウなど年齢や生物によって味蕾がある場所やその役割などが、生きていくうえで欠かせない機能として進化していったことに驚かされた。【3.人にとっての味覚】では人間には5つの基本味が存在し、5感をフルに使った「経験と学習」を積み重ねて形成されていることが分かった。それに関連して赤ちゃんの味蕾が成人よりも多いことも、苦みと酸味に対する「経験と学習」がほとんどないために、危険と察知し吐き出すことに人間の神秘と味覚の面白さを感じた。そして【8.味覚修飾植物の応用法】では、ミラクルフルーツやギムネマなどを使用した今後の活用性について学んだ。このことが私にとって今回の講演で1番興味・関心を持った項目である。食育はイメージしやすかったが、医療分野での活用法には驚かされた。糖尿病患者さんの生活改善の補助やエコノミークラス症候群患者さんのレモン摂取の補助などが挙げられる。そして教育に関して味覚修飾植物を使用して味覚障害の疑似体験をすることによって、普段当たり前のように感じている味覚のありがたさを直接的に理解することができ、それらを通じて何気なく行っている「食べること」への意識を高め、普段の食生活の改善につながるという有意性がある。関連して先生のホームページにあるQ&Aに「キレやすい子ども」についての質問があり、その回答として「食生活が原因である。人間の理性を司るビタミンやミネラルが全く不足しており、我慢することができない」とあり、これを見るといかに食事というごく当たり前の行為が、人間(人格)を形成することに大きく影響しており、子どもへの食育、特に「食べる感覚を、調和のとれた状態で発達させる」味覚教育がとても重要であると思った。
 変化が激しい社会状況に伴い、朝食の欠食や炭水化物の摂取量の減少、偏食、孤食など子どもたちの成長・健康に大きな影響を与える食生活にまでマイナスの変化をもたらせ、問題視されている。そんな中で、今回の講演のような体験を伴った味覚教育は子どもたちの「食」の重要性を改めて実感させ、また食生活の改善につながる有意義な機会であると思った。また平成17年に食育基本法が、平成18年には食育推進基本計画が制定され教育現場でも、子どもたちが「食」への関心を深めさせ、正しい知識と食習慣を定着できるような積極的・持続的な活動がなされるべきだと思う。

<参考文献>
1)島村光治:2010年度の講演の紹介と小学生への味覚教育アンケート結果―味覚修飾植物を用いた味覚教育―.日本福祉大学健康科学論集 15,17-25(2012)
2)島村光治先生のホームページ http://www.taste-m.com/
3)文部科学省ホームページhttp://www.mext.go.jp/



Nさん 

 「味覚修飾植物」という言葉を、今回の講義で初めて耳にした。そして、その奇妙な力に非常に驚いた。最初は半信半疑であったが、甘いはずのチョコレートやクッキーが、味のない粘土やパサパサしたただの乾いた物質のように感じるのである。思わず自分の味覚がおかしくなってしまったのではないかと感じてしまった。
 また、味蕾の存在も初めて知った。味と味蕾は鍵と鍵穴のような関係にあることも大きな驚きであった。味蕾の穴があいているところが、ギムネマを噛むことでフタをした状態になり、甘いチョコレートやクッキーが甘味だけ差し引いた味になってしまうとは、何とも不思議な感覚であった。全くおいしくなく、「甘味を感じること」がこれほど味覚に大きな影響を与えているとは思いもしなかった。そして同時に、舌で食べ物を味わって食べられることや、舌が味覚を正常に感じることができる普段の状態が、とてもありがたいものであると感じた。
 味覚修飾物質の今後の展望であるが、味覚修飾物質は非常に大きな可能性を秘め、使い方によっては今後の私たちの生活に非常に有効なものとなるのではないかと思う。例えば今回の授業で使用したギムネマは、肥満問題に対しては甘味を持つ食品への食欲減退効果が期待される。また、糖分吸収抑制作用もあるとのことから、血液中の血糖値を下げ、糖尿病のコントロールにも有効である。肥満予防、医療現場での活用など、ギムネマを始め味覚修飾物質の応用方法はあらゆる場面でありそうだ。その中でも私は、特に食育の分野において、味覚修飾物質の果たす役割は大きいのではないかと考える。
 現代、偏食やバランスの悪い食事を摂る子どもたちが多く、食育は非常に重要な問題となっている。私自身、教育実習やボランティアで小学校や中学校に訪問させてもらった際、朝食を摂らない子どもの多さや、給食で好き嫌いの多い子どもたちの実態を目の当たりにした。また、ファストフード好きの子どもたちが予想以上にたくさんいたことにも衝撃を受けた。「休日は家族でファストフード店へ毎週行く。1日に2回行くこともあるよ。」と言った子どももいた。そういったことを含め、食育の一層の推進と必要性を身をもって感じた。
 実際、そういった乱れた食生活・バランスの偏った食事が原因で、味覚障害に陥る若者が増えているという。そこでギムネマを使用して、おいしいものを食べてもおいしいと感じることができない苦痛や、食べ物をおいしく食べることができないと楽しく食事ができないことなどを子どもたちに自分の体で体感させる。それらによって、子どもたちに食の異常を警告し、正しくバランスのとれた食生活を促すことができるのではないだろうか。今回のような味覚修飾植物での実験を、自分で確かめ、実感することができるのも、味覚が正常に機能しているからである。「おいしいものをおいしいと思えること」など普段当たり前のことでも、どれほどありがたいことであるか今一度よく考えなおす良い機会となるのではないだろうか。
 私自身、ギムネマやミラクルフルーツを使った体験学習ができたことで、自身の食生活や味覚がある喜びについて深く考えることができた。非常に有意義な授業であった。

【参考URL】
給食・食育 http://www.kyohyo.co.jp/log/kyushoku.htm
島村光治 http://www.ruralnet.or.jp/ouen/meibo/347.html