ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト(ミラクルフルーツ・味覚・ギムネマ・ミラクリン・食育・ミラクルフルーツ)

  ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト
島村光治のホームページ ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト
ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト ご質問・ご意見・ご感想・講演依頼
ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト
■ 参加者の御感想


参加者の御感想

2012/05/01に実施した一宮高等学校2年 1〜5、9組の皆さんの感想です。

講演風景1 講演風景2


1組2組3組4組5組9組


■1組

Aさん 

 講義の始まりの方で「ハエや蝶には手に味蕾が存在し、食べ物なのかどうなのか、といったことや、卵を産むことができるかを調べる」という話を聞いて、ミラクルフルーツやギムネマのように味覚の錯覚を引き起こすものをハエや蝶に使用したらどうなるのだろうか、と興味が湧いた。また、味覚に大きく頼っている生き物がいる一方で、蛇や鶏などは味蕾が極端に少ないなど、「味覚」というものは生物に一律に必要なものではなく、特化させたり退化させていたり生物によって味覚に対する重要性が大きく異なることは面白いと感したし、深海の生き物は目を極端に進化させたり、退化させていることには特異な深海の環境が起因しているのに比べて、味覚を進化させた生き物や退化させた生き物は食生活だったり食事方法だったりと、各々の習性に深く関わっている場合が多くて、進化の仕方というものは本当に多岐に渡るのだな、と感心した。
 美食体験はとても貴重な体験だった。「ギムネマに含まれるギムネマ酸が味蕾の甘味を感じる部分に作用して、結果的に人は甘味を感じなくなる」というプリントの記述と、「確かにギムネマを食べた後に甘味を感じなかった」という実体験の二つが合わさることは、科学を感じ、理解し、より高度なものへ昇華していく鍵にもなると思う。そして、この「ギムネマを食べた後」の状態が恒常的なものとなることが「味覚障害」だ、と講義中に教えられることで身をもって味覚障害の恐ろしさやそれに対する予防意識の向上などが自ずと講義を受けた身に起こると思う。そういった点で、「味覚修飾植物」の美食体験はとてもありがたい体験だった。糖尿病患者への味覚修飾植物の適用の一例として挙げられていた「ミラクルフルーツタブレット」を実食した感想としては、タブレット自体が味気なさ過ぎたように思えた。甘味料を使用せずに甘く感じさせる、という目標の根底には、患者に「物を食べた」という満足感を与えながらも体に優しく、というものがあると思うが、その為に必要な「ミラクルフルーツタブレット」があまりに薬剤然としていては、患者としても「治療されている」という気持ちが大きくなってしまうと思う。きれいごとかもしれないが、食事は楽しまなければ食事ではない。もちろん、タブレットに多くの甘味料を使って味を訴えるなどということは本末転倒も甚だしいが。今後の研究、開発に期待しているし、実際に市販されたら是非購入して色々と試してみたいと思う。
 ギムネマもミラクルフルーツも舌全体に付着させる必要がある、という講義を受けて、タブレットや薬の断片などの固形のものではなくてシロップのような流動体のものにしたら、より容易に舌全体に味覚修飾物質を付着できるのでは、と思った。ただ、こうした味覚修飾植物の商品化に関する現状はほとんど認識できていないので、不可能なことかもしれないが。身近な所にも、まだまだ研究し甲斐のあるものは転がっている、といううま味に関する講義を受けて、新しい視点で既存のものに隠れた新しい要素を見つけ出してみたいな、と前向きな姿勢になることができた。



Bさん 

うま味について調べようと思った理由
 SSHの講演会で味覚についての話を聞いて、他の4つの味に比べて認知が遅れ、はっきりと言葉で説明しにくいうま味について興味を持ったため、調べようと思った。

うま味の代表的な成分
グルタミン酸…アミノ酸の一種で、植物に多く含まれる。
イノシン酸…核酸の一種で、動物に多く含まれる。
また、アミノ酸系のうま味成分と核酸系のうま味成分が食品中に混在するとうま味が増すことが知られている。(うま味の相乗効果)
 例)日本料理…昆布だしと鰹だしを合わせる
   中華料理…鶏がらスープとシイタケを合わせる

なぜ日本人がうま味を発見したのか
日本の歴史的背景
かつての日本は農業国であり、野菜を主に食べていた。宗教上の理由から魚や鳥以外の肉食がタブー視されていた明治以前でも肉や乳製品が全く食べられていなかったわけではないが、主役は穀物、野菜といった植物性食材だった。しかし、私たちの体は動物性であり、動物性の食材を本質的に求める傾向がある。
また、鰹だしは植物性の食材を動物性の食材の味わいに変えることができる。したがって、肉が手に入らなかった昔の日本において、動物性の食材の味を味わうことのできる、鰹だしをはじめとした「うま味」の文化が早くから存在していたと考えられる。

体内で重要な働きをするグルタミン酸の例
脳…グルタミン酸は脳に最も多く存在するアミノ酸で、1時間に700gのグルタミン酸の代謝が行われ、情報伝達に役立っている。
腸…エネルギー源としてとりわけ多く消費されており、摂取したほとんどのグルタミン酸は腸で使われている。
このように、グルタミン酸は遊離アミノ酸として体内に多く存在し、必須アミノ酸ではないが重要な働きを行っている。

味覚の今後
味覚に関してはまだ解明されていないことが多く、それだけ多くの可能性が秘められている。例えば、脂っこい食べ物や糖分を多く含んだ食べ物にはやみつきになるおいしさがあるが、味覚修飾物質を利用して食べ過ぎないようにしたり、逆に、糖尿病患者のような甘いものを食べられない人のために甘くないものを甘く感じさせたりといった利用法がたくさんある。
また、味覚だけでなく視覚や嗅覚といった感覚も併せて利用していくことで、私たちの食生活をより豊かなものにできるだろう。

参考文献
「うま味って何だろう」栗原堅三著 岩波書店
「味覚と嗜好のサイエンス」伏木亨著 丸善株式会社
「おいしさを科学する」伏木亨著 筑摩書房
日本うま味調味料協会ホームページ(http://www.umamikyo.gr.jp/knowledge/physology.html




■2組

Aさん 

 私は以前から、詳しくは知らなかったものの、ミラクルフルーツのことは聞いたことがあった。だからこの分野にとても興味があった。
 今回の講演で感じたことは2つある。1つ目は味覚の大切さだ。この度ギムネマの試食で、甘味のないチョコレートを食べ、粘土を食べているような不快感を味わった。私はチョコレートが好物であるため、大きなショックを受けた。それにより、最近増えている味覚障害というのは、このような感じなのだと実感した。
 現在、私を含めほとんどの人は、味が感じられなくなるなんてことは考えたこともないだろう。しかし、味覚障害の原因である亜鉛不足はもはや社会問題になっている。いつ味覚障害になってもおかしくないと考えると、大変恐ろしいことである。食事は生命の維持のほかにも、人に精神の安らぎを与えるという重要な役割を持っている。もし、味覚がなくなったら、その機能を果たせなくなるどころか、食事が苦痛に感じられるかもしれない。大切な味覚を失わないために、もっと多くの人が食生活に関心を持ち、ファストフードやインスタント食品などの偏食を避けるべきである。
 2つ目は、味覚修飾植物の今後の展開への期待だ。私は以前参加したSSHで、色素をがんの治療に応用する技術の話を聞いた。そして、思いがけない物が、人々の役に立つという意外性を学んだ。味覚修飾植物も私は医療に応用できるなんて、思いもよらなかった。しかし、糖尿病患者の治療て使われていると聞き、さらに衝撃を受けた。そして、ミラクリンやクルクリンは、糖尿病患者だけでなく、グレープフルーツや酢などが苦手な人々にも、栄養を美味しく摂取できるので、もってこいのものである。だから、もっと一般にこれらの修飾植物が普及されることを願う。
 今回の講演で、味覚について様々なことを学んだが、これらは島村先生の学生時代の興味がきっかけだと知り、今私が関心を持ったことが、将来何かの役に立つかもしれないという可能性を見いだせた。だから、自分の知りたいという心を大切にして、自主的に気になることは調べるという行動力がつくと良いと思う。



Bさん 

 1.講義で感じたこと、わかったこと、興味を持ったこと
 講義のはじめに味を感じる仕組みを学び、資料のわかりやすい図や説明と先生のお話で今までの知識に加えて味蕾での味の判別は鍵と鍵穴のようであるという事を知った。
 その鍵穴を閉鎖することで味(甘味)を感じなくなったり、酸味が甘味の鍵穴にはまるようにすることで甘味を感じることができるなどという話はすごく単純で本当に人間の体で起きるという実感が湧かなかったが、実際に試食して仕組みもより深く理解したと同時に、人体の仕組みはすごいなと感心した。
 説明と試食を交互に行うそのスタイルが、とてもわかりやすくてよかった。私は元々「食」にとても関心があったので、特に食べ物のおいしさについてや好き嫌いのメカニズムについてはとても興味深い内容で、大学で学びたいと思っていたので、大学の授業を先取ったようで、講義を聞いていてとてもワクワクした。

 2.味覚修飾植物の今後の展開や、味覚について知ることの重要性
 味覚修飾植物の用途を知るまでは、甘いものの味を感じなくしたり、酸っぱいものを甘く感じさせたるするのは使い道がないのではないかと感じていたが、糖尿病などの病気の人々の話を聞いて、なるほどと思った。実際に酸味の強いケーキや食べ物を食べて甘く感じることができるという商品もあって、実用化されて広まっていくといいなと思った。ミラクルフルーツは育成が難しいとのことだが、これからの研究で簡単に作る方法や他の味覚修飾植物を発見したりして、世界に広めていってほしい。
 味覚を知ることによって味覚障害などの病気を予防できたり、美味しさの種類を知ることで毎日の食事がより深いものになるので重要だと思う。




■3組

Aさん 

 今回のこの講義を受ける前、僕は味覚修飾植物について全く知らなかった。なので、そんなものがあるということが信じられなかった。そんな気持ちで今回の講義を受けた。
 最も印象に残っているのは味を感じるしくみについての話だ。以前から舌には味蕾というものがあることは知っていたが、それがどんな働きをするのかは知らなかった。しくみはとても難しそうだったが鍵と鍵穴での例えや映像での説明のおかげでよく理解することができた。そして、その鍵穴を塞ぐことで一定の味しか感じなくなることができると聞いてとても驚いたとともに、それまでの疑問がすっかりなくなった。この講義を受けて、僕は人間を含むその他の動物が味蕾の数によってどのようなメリットやデメリットがあるのかなどについて調べてみたいと思った。現在の時点で、人間は危険の多い赤ちゃんのときが一番味蕾が多い、ナマズは目が悪いのでその分ひげなどにかなり多くの味蕾がある、ヘビは味蕾の数が少ないので獲物を丸のみするということは聞いたことがある。きっと他にも味蕾の数とさまざまな理由が関係しているだろう。そういうことなどにとても興味を持つことができた。
 今後味覚について知ることはとても大切だと思う。特に味蕾について。年をとったときに入れ歯をすると味蕾を塞ぎ、味を感じにくくなる。そのことを知っていれば若いうちから歯を大切にする。また、甘いものばかり食べている子供に甘みを感じなくなる、なつめなどを使うのも面白いと思う。味覚についてよく知っていればいろんなことに役に立つと思う。
 今回教えてもらったことを今後の私生活に活かしていきたい。もし、ギムネマやミラクルフルーツなどの日本での栽培が難しいものが将来、栽培技術の発達や輸入で簡単に手に入れることができるようになれば、より私生活に活かすことができ、より私生活がおもしろくなるだろう。これからは味覚について意識していきたい。



Bさん 

 1.講義を聞いて
 これまで私は、多くの人がそう思ってきたように、舌は味覚地図にある通り、それぞれの味を感じる場所があるというのを信じてきました。しかし、実際にはそうではなく、舌だけでなく上顎、喉にもある味蕾をいう器官で味を判別していて、長く信じてきた味覚地図説は大きな間違いであるという事を知り驚きました。さらに、その味蕾の数は生物の種類や、同じ種類の生物でも成長の度合いによって変わることも教わりました。子供の頃ほど味蕾の数は多く、成長するとだんだんその数は減っていくとのことです。
それでは、なぜ成長すると味蕾が減ってしまうのでしょうか。調べると、味蕾にはショ糖やアミノ酸などによく反応する軟口蓋味蕾と、Naイオンへの応答を抑制するamiloride(アミロライド)によく反応する茸状乳頭味蕾とがあり、ラットやマウス、マーモセット(霊長類)で調べたところ、出生直後は軟口蓋味蕾の方が茸状乳頭味蕾より精度が優れているが、加齢に伴い軟口蓋味蕾が著しく減少することがわかりました。つまり、軟口蓋味蕾が初期の成長に重要な役割を果たしていて、成長するに従って不要となり減少する可能性があるという事だそうなのです。

2.味覚について知ることの重要性
 ギムネマやミラクルフルーツを使うことの意味はどこにあるのか。そのことには私もとても興味がありました。講義の中で、近年増加しており社会問題となっている糖尿病や、肥満症の患者の人たちの役に立つという事を聞いて納得しました。ミラクルフルーツを食べることで、食べ物を甘く感じさせ、甘いお菓子などを食べなくても満足感を得るというのです。さらにそれだけではなく、味覚障害の疑似体験をして、その感覚を理解することにおいても活躍します。ただ「食べ物の味が変わって面白い」ではなく、その感覚に苦しんでいる人々の気持ちがわかるというのはとても貴重な体験になります。そのような味覚修飾植物は、これからの医療の現場で活用されることが期待されています。

 3.感想
 「甘い」という事が感じられなくなるってどんな感じだろう。今回の講義のことを先生から知らされた時、私は最初にそう思いました。苦味が感じられなくなってレモン汁が平気で飲めるようになるというのも、とても信じられませんでした。また、それにはどのような利点があるのか、どんなことの役に立つのか、見当もつかなかったのです。しかし、講義で試食したギムネマやミラクルフルーツの効果は、思った以上のものでした。本当にチョコレートの味はまるで感じなかったし、レモン汁は甘く幾らでも飲めそうな感じがしました。
 島村先生は私たちと変わらないくらいの年齢の頃から味覚修飾植物の研究をしていらっしゃり、講義の内容もわかりやすく聞きやすく、興味を持って最後まで受講することができました。味蕾の役割、構造、味覚修飾植物のことや活用など、どれも他人に話して自慢したくなるような知識ばかりでした(講義の日、部活の同級生にギムネマの葉を渡して食べてもらい、私たちを同じ体験をしてもらったところ、とても喜んでくれました)。先生のように興味を持ったことに打ち込み、それを広め社会に役立てていくという事はなかなかできることではありません。しかし、人と違うことをやってみせる、成し遂げようとする精神はこれからの私たちに大切なもので、今回の講義で感じたそのことを忘れずにいようと思います。

 4.参考
 成長に伴う軟口蓋味蕾の発達と機能の変化:http://kaken.nii.ac.jp/ja/p/06671865




■4組

Aさん 

「味覚情報とミラクリン」講義を受けて
 味を感じるには、食べ物が唾液と混じり水溶液になることが必要である。水溶液となった物質は口の中にある乳頭に取り込まれ、その中にある味蕾で味が判別される。たとえば、甘柿と渋柿がわかりやすい例である。どちらも作られている成分は同じであるが、甘がきには渋い味の成分のまわりにコーティングがされているので、味わっても苦味成分が水溶液とならず、苦味を感じない。
 また、味にはそれぞれ専用のカギ穴があり、そのカギ穴が埋まるとスイッチが入り電気信号として脳に伝えられる。これは、嗅覚と同様なのだなと私は感じた。一年生の時SSHで私は東大農学部の研究室で実験をし、講義を受けた。そのとき、においの成分もそれぞれ専用のカギ穴があり、におい成分は鼻水に溶け込んだ後、嗅覚受容体に結合し、電気信号として脳に伝えられると言っていた。また、そこの研究員の一人からこの鼻水に溶け込む前のにおい成分と鼻水に溶け込んだあとのにおい成分に変化が起きているという研究結果が出てきたということをきいた。私は、嗅覚と味覚の性質がとても似ているように感じられたので、味覚も同様にして唾液成分に染み込むまえの味成分と唾液成分に染み込んだ後の味成分も変化しているのではないかと思った。
 かつては味覚地図というものがあって、それぞれ味を感じるところが違うとされていたが、今では場所に問わず、舌全体で味を感じるとされている。また、味を感じることができるのは、舌だけではない。たとえば、のどの奥では二酸化炭素に反応しやすい味蕾細胞があり、炭酸水を飲んだ時に喉の奥がスーッとするのはこの細胞が反応しているからである。
 この味蕾細胞は生命の生存のために様々な動物に活用されている。たとえば、赤ちゃんは味蕾細胞が多い。これは赤ちゃんが危険な食べ物を飲み込まないためである。また、ナマズには体表に味蕾細胞がついている。これは、沼地で生息するため人間のように視覚で物を判断することは困難な環境にあるので、味覚によって敵の居場所を判断したりして身を守っているのだ。
 この講義で実際にミラクルフルーツとギムネマを食べる実験を行った。ミラクルフルーツは酸っぱいレモンヨーグルトやグレープフルーツジュースが甘く感じられた。私は、酸っぱいものが苦手で、ふだんこれらのフルーツは避けていたので実際に食べやすく食べられたので驚いた。でも、ギムネマの方がもっと衝撃的だった。ギムネマは甘い食べ物が甘くなくなるという作用があるのだが、実際ギムネマを摂取したあと、砂糖をなめてみるとまるで砂のような味がしてどちらかというとまずかった。
 味は誰もが楽しむことであると思うので、この味覚の研究は非常に重要なことだと思った。また、これは医療にも応用できるという事実が今後医療関係の仕事を携わりたいと思っているわたしにはよりいっそう関心をもたせた。たとえば、甘いもののとりすぎで糖尿病で困っている人には、ギムネマのような味覚修飾物質を摂取させることによって、体調の改善を促進させることができる。また、私のような酸っぱいものが苦手な人でもミラクルフルーツのような味覚修飾物質を摂取することによって、楽に酸味のある食べ物に含まれる栄養分を摂取することができる。
 私はこの味覚研究がもっともっと進んで、より健康な人間の育成と医療現場に応用されることを期待している。



Bさん 

 この講義を受けて、まず初めに味覚地図が間違いであるという事を知って驚いた。それまで自分はその味覚地図というものを多少なりとも気にして酸っぱいものを食べることもあったので、もっと早く知っていればと思った。それと、味蕾が水溶液となった物質の味を感じるという事から「良く噛んで食べると味が出る」というのは本当の事だと思った。また、人間以外の動物に関する味蕾の数も教えてもらったが、自分としてはその動物が進化の過程で味蕾の数が、どのように変化したのか、また、最近の人間の食生活は、昔とは異なるので、人間も今と昔では味蕾の数や舌の感度が変わっているのではないかという考えが浮かんだ。生物の体はどうも環境などに対応して変化する事があると聞くので、このように考えた。また、ミラクルフルーツやギムネマなどは、どうして存在するのかと考えると、ミラクリンは、近くに酸っぱい食べ物があり、使われる事があるのかもしれないが、ギムネマに関しては、なぜ存在するのか見当がつかない。もしかしたら、ギムネマの種が甘くて、それを守るためなどと推測できる。あと、実験はしなかったが、クルクリゴという実に含まれるクルクリンの水を甘く感じさせるという作用に興味を持った。
 味覚修飾植物は人間にとっては病気の予防、治療などに使われたり、娯楽として使われる機会が多くなると考えられる。個人的にはミラクルフルーツの大量生産が実現すると嬉しい。味覚についての正しい知識を身につければ、それ自体が病気の予防にもなると思われる。特に最近食生活の乱れが見られている中では、重要な事と考えられる。まだまだこれから熱帯植物で新たな効果を持つものが新しく世の中に貢献するかもしれないし、そうなる事を願う。
 今回の講義は自分にとって単に味についての知識が備わっただけではなく、講義の仕方という点で勉強になった。所々にとてもわかりやすい例が盛り込まれていて、話に引き込まれていった。例えば、甘柿は渋柿は味覚の成分が全く同じであり、甘柿は単に苦味の成分がコーティングされているから甘い。というものや、ファンタグレープとファンタオレンジも味は同じであり、嗅覚や視覚などを遮断すれば全く同じものであるなどという例がものすごくわかりやすかった。また、嗅覚と視覚を遮断するといえば、昔、めちゃイケで嗅覚と視覚を遮断し、味覚・触覚・聴覚だけで何を食べたのかを当てるというコーナーがあったが、その時は舌で味を感じているんだから、そのくらいわかるだろうと軽く見ていたけれど、実際は結構難しいのだと今になってよくわかった。




■5組

Aさん 

 今回の島村先生の講義から、味覚について一段と興味を持つ事ができました。
 まず初めに味を感じる仕組みについて、人間が感じる味覚には甘味・塩味・酸味・苦味・うま味があり、それぞれに味を鍵に例えると、それぞれの味専用の鍵穴があり、その鍵穴が埋まったとき電気信号が脳に送られ味を感じるのだそうです。その鍵穴の役割を果たしている味蕾です。人間は味蕾を舌だけでなく、上顎、鼻、そして喉にも持っています。この事を知って、よく「のどごし」というものは、喉を通過する時の味なんだと初めて知りました。次にその味蕾の数について、成人ではおよそ6000個〜9000個の味蕾を持っています。島村先生の質問の中に、赤ちゃんと成人ではどちらが多くの味蕾を持っているかというものがありました。僕は成人の方が生きている年数が長いのだからもちろん成人の方が多く持っているのだろうと予想していました。しかし、答えは赤ちゃん。なぜかというと、赤ちゃんは経験が少なく、味覚によって危険なものを判断しなければならないために、味蕾は多くなければならないという事でした。こういった必要に応じた味蕾の数の変化は動物にもいえる事で、視覚がほとんど役に立たない濁った水中に住むナマズは味蕾を20万個も持っており、味覚によって危険を察知するそうです。対照的に、獲物を丸呑みにして全て消化してしまうヘビにはほとんど味蕾は必要なく、味蕾の数はとても少ないそうです。このような人間を含む動物の適応能力の高さに改めて感動を覚えました。
 もう1つ強く関心を持ったものに、好き嫌いはどうやって形成されるのかについてです。島村先生曰く、好き嫌いのメカニズムには、第一印象、雰囲気、経験、この3つが大きく関わっているそうです。僕は初め、第一印象は怖いや汚い、変わっているなどと感じて嫌いになる事は理解できたのですが、雰囲気、経験が好き嫌いに関わっている事がよくわかりませんでした。ですが、自分の嫌いなものを食べた時を思い出してみると、周りの友達も同じものが嫌いで、美味しくなさそうに口に運ぶ様子を見ながら食べていた事や、家族で「あまり美味しくないね」などと良いながら食べている事が多い事に気がつきました。確かに先生の言うように嫌いな食べ物は雰囲気が悪い環境の中で食べる事を多く経験していると実感しました。したがって、嫌いなものを作らないためには雰囲気の良い中で食べるという事を多く経験する事が大切だと学びました。僕が将来親になった時は、今回学んだ事を活かして、好き嫌いを少なくできる環境を作ってあげたいと思います。
 最後に、今回の講義の主題である味覚修飾植物は、近年急激に増加している糖尿病患者などがミラクルフルーツなどの味覚修飾植物によって酸っぱいものを甘く感じる事ができたりと医療分野での発展に期待するとともに、上に記したような好き嫌いを無くす手助けにもなり得る事ができると思うので、これからもっと味覚修飾植物が注目され、普及していってほしいです。



Bさん 

 正直、自分は初め、味覚についてあまり興味がなく、味覚の研究なんて何の意味があるのだろう、うまいものはうまいでいいじゃないか。と思っていました。しかし、講義を受けて、味覚の分野は研究しがいがあって、しかも社会に貢献するとわかり、とても興味を持つ事ができました。
 味覚は人間が生きるために備わっている。元は酸味、苦味は人間にとって有害な口にしてはいけないものと捉える。という味覚の価値を聞いて、味覚は大事なのだなと再確認しました。
 味覚の特性の使用例として、リカちゃん人形の靴は、子供が口に入れてもいいように、苦く感じるように作られているという例は、なるほどと思いました。
 人にとっての美味しさとは、のところでは、よく聞く「空腹は最大の調味料」「おふくろの味」などの迷信かと思っていた事が、科学的に分割・証明されていてとても面白かったです。
 自分がとても興味深かったのは、ギムネマで味覚をなくしてしまった事です。あの、疲れたり興奮した脳を癒してくれる、甘いチョコレートが口の中でただの泥のような物質になってしまった時は、とてもショックでした。「味覚障害の症状の疑似体験である」と聞いて、味覚がわからなかったら生きる楽しみがなくなる!と思い、自分は味覚障害にならないために、ファストフードにあまり頼らず、ちゃんとした亜鉛のある日本食も食べようと決意しました。
 そして、味覚修飾植物の医療的利用については感動しました。味を甘味を無くすギムネマはダイエットに、酸っぱいものを甘くするミラクルフルーツは糖尿病患者に、と意外と思いつかなかった使用法で社会に貢献していて、驚きました。特に、糖尿病患者のための酸っぱいスイーツは開発が早く進んでほしいです。
 この味覚の分野は面白く、まだまだ発展すべきものであり、素晴らしいものだと確認できて、味覚をもっと日常的に意識していきたいと思いました。




■9組

Aさん 

 小さい頃、私はピーマンがにがくてにがくて大嫌いでした。でも最近になって突然食べられるようになり、とても驚きました。驚いただけで、特に調べたりはしなかったので、なぜ食べられるようになったのかは知らないままでした。しかし今回の講演を聞いて、ようやく理解する事ができました。辛いものを食べた時に、口の中がビリビリする理由も知る事ができたので、とても良かったです。リカちゃん人形を舐めた子供が顔をしかめる理由もわかりました。さらに、ヒト以外の動物では、動物によって味蕾の数が違ったり、舌だけでなく、手にあったり、人の中でも赤ちゃんの方が多くて、大人になるにつれて数が減るという事も、亜鉛が不足すると新しい味蕾が作られなくなり、味がわからなくなる事があるという事、亜鉛の大切さも知る事ができ、自分は本当に何も知らなかったのだなと痛感しました。講演を通してこれからは疑問に思った事や知りたくなった時は、意欲的に、積極的に調べたりして、少しでも新しい知識を得ようという気になりました。子供の味覚についてももっと知りたいと思え、この講演は本当に良いきっかけになりました。今のうちにたくさん学ぼうと思います。



Bさん 

 今回の島村先生の講義があると聞いたときは、今まで自分がどうやって味を感じているのか考えたことがなかったし興味を持つこともなかったので、話を聞いてもおもしろいのかなと思っていました。でも実際講義を受けてみると、初めて聞くことばかりで勉強になりおもしろくお話を聞くことができました。この機会がなかったら、きっとこれから先も味覚の仕組みのことを知ることはなかったと思うのでお話を聞くことができてとてもよかったです。
 味を感じる“味蕾”という場所を初めて聞きました。舌だけで味を感じていると思っていたのに、実際は舌全体に7割、残りの3割は上あごとのどに味蕾があると知ったときはいつもご飯やおやつを食べている時に感じる味は舌だけじゃないことを知りました。また味蕾の数が成人より赤ちゃんのほうが多いし、動物でもウサギより牛のほうが多かったりして生き物によって味蕾の数が違い、その生き物に必要な分の味蕾がついているんだと思いました。ナマズには200,000個も味蕾が存在して、しかも味蕾がひげやからだにあり水を伝わって敵や獲物の味を感じていること、ちょうちょは手で卵を産みつける場所に毒がないかどうか感じるために手に味蕾があるとは思ってもいなかったのでびっくりしました。
 私はこの講義のなかでミラクルフルーツとギムネマを食べる実験を一番楽しみのしみにしていました。ミラクルフルーツなんて今まで聞いたことがなかったし、ギムネマはただの葉っぱにしか思えなかったのでどんな味がするのかワクワクしていました。ギムネマをかじるとギムネマ酸という配糖体が糖分の吸収を妨げて甘みを感じなくなり、ミラクルフルーツを食べるとミラクリンというタンパク質がすっぱい物を甘く感じさせることができるなんて自分で食べてみるまで信じられませんでした。ギムネマを食べてみたらとっても苦くて口の中に入れているのがつらかったです。ギムネマを食べてたあとに砂糖を舐めてみたらさっきまで甘くておいしかったはずの砂糖が苦くてまずい砂糖に変わっていたのでギムネマ酸の力にびっくりしました。
 ミラクルフルーツのタブレットはおいしいのかなと思って口に入れたのですがあんまりおいしくなくって、本当にこれですっぱいものが甘く感じることができるのかとさらに不思議に思いました。でもミラクルフルーツを食べる前はすっぱすぎてちょこっと舐めるのが限界だったレモンヨーグルトがミラクルフルーツを食べた後だと甘くておいしいレモンヨーグルトになっていて感動してしまいました。
 ミラクルフルーツは糖尿病患者の方にギムネマを過食症の患者の方にといった医療に応用する事ができると先生はおっしゃっていましたが、私も実際食べてみていつもはおいしい砂糖でもギムネマを食べた後だと食べたくないと思ったし、すっぱすぎて普通のままだと絶対食べることのできないレモンヨーグルトでもミラクルフルーツを舐めたあとは甘くておいしくなっていてもっとたくさん食べたいと思えたので、治療の1つの方法として将来利用されるようになればいいのにと思えました。そのためにも1人でも多くの人にミラクルフルーツが広まることが大切なのかなと思いました。