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■ 参加者の御感想


参加者の御感想

2012/04/27に実施した岐阜市立女子短期大学 食物栄養学科2年の皆さんのレポートです。

講演風景1 講演風景2



Aさん 

 私たちが普段感じている食べ物の『おいしさ』は、味覚・嗅覚・触覚・視覚・聴覚という5つの感覚と外部環境、食環境、生体内部環境とが組み合さって、初めて感じることが出来るものだということを知った。
 また、味を感じるには食べ物が唾液と混じり水溶液になることが必要だということを知って、私は唾液とは食べ物の消化のためだけに存在すると思っていたので、味を感じるためにも使われているということに驚いた。
 私は今回の講義で「ヒトは見た目に弱く、青色の食べ物だと食欲がわかない」という話を聞き、食欲と色彩の関係についてもっと詳しく知りたいと思い、調べてみた。食品の中でも赤やオレンジ、黄色などの鮮やかな暖色は食欲を増進させる色で、ヒトはこのような色を見ると食欲を喚起される。これに対し、紫や黄緑色、青系統の寒色は食欲を減退させる。しかし、日本人にはあまり受け入れられない紫色や青色系統のカラフルな食べ物も、アメリカ人は好んで食べるという。これは、アメリカには青や紫を使ったデザートがあり、そのような色彩の食べ物をよく目にしているからである1)。つまり、食欲色は食文化の影響を後天的に強く受けるので、地域や世代によって大きく異なるというのだ。私は青色の食べ物は、単に見た目が気持ち悪いから好まれないのだろうなと思っていた。しかしそれは、私たち日本人が食事の中で青色の食べ物をあまり目にしないからだということを知り、たしかにダイエット番組などで目にする青いご飯などは、自然には存在しないし、見慣れていないから気持ち悪いと感じるのかと納得した。また、このようにヒト(動物)が暖色系の彩の食べ物に対して好ましい感情を抱くのは、遺伝的な要因も関係があると考えられる。
 動くことのできない植物は、動物に実を食べて遠くへ運んでもらうために、種子が発芽能力を持つとその実を赤く甘くする。それまでは青くて、食べてもたいていはすっぱくてまずい味で、赤くなると甘くておいしい。このような色とおいしさの関係を、動物は進化の過程で身につけ、遺伝情報に組み込んだ2)というのである。
 今回調べてみて、食欲と色彩には遺伝的要素から文化や生活まで、様々な要因が関係しているということを知り、食べるということに視覚はとても重要な役割を果たしているのだな、と感じた。
 私は今回の講義でギムネマという植物の存在を知った。最初食べたときは甘かったチョコレートが、ギムネマの葉を口にした後に食べると、まったく甘くない。大好きなはずのチョコレートを「まずい!」と思ってしまった。またテレビでミラクルフルーツの実験をしているのを見て、私も試してみたいと思っていたので、今回実際にタブレットを使うことができて、酸っぱいものが甘くなるという不思議な体験ができて嬉しかった。実験をするまえは「どうせ少し変わるくらいだろうなぁ」と思っていたので、植物の力でこんなにも簡単に味覚が変化してしまうということを知って、ヒトの味覚とは繊細なものなのだなと感じた。この2つは肥満や糖尿病などの生活習慣病の予防や、そういった病気の患者さんの食生活を豊かにするために使用できると思う。そういった病気を患われる方々は、きっと食べることが好きで、甘いものなども好んで食べていると思う。自分の好きな食べ物を我慢することはとてもつらいし、ストレスにもなる。なので、例えば、甘いものが欲しくなったらミラクルフルーツを使ってレモン汁を飲む。そうすれば甘い味を楽しめるし、ビタミンCなどのビタミンも摂取できる。またギムネマの葉をかじれば、今回私が感じたように、甘いものでも甘い味がしなくて「まずい!」と感じると思う。なので、食べたい、という気持ちが弱くなるのではないかと思う。
 今回は特別にマビンロウのタブレットも頂いた。マビンロウとは中国特産の植物で、現地の少数民族の間では昔からその果実の種を、口を潤わせたり、すっきりさせたりするために食べる習慣があったようである。
 今回マビンロウのタブレットを実際に使用してみたが、自分が思っていたよりも水が甘く感じられ、少し驚いた。しかし、牛乳や野菜ジュースを飲んでも甘くならなかったので、それはその飲み物自体の味が濃いからなのかな、と思った。年をとり、唾液の分泌が少なくなると虫歯や歯周病になりやすくなってしまう。これを防ぐためにマビンロウを利用してはどうかと私は思う。マビンロウ自体にも口を潤わせたり、すっきりさせたりする作用があるようだが、これをなめてから水を飲むと甘く感じられるので、普段あまり水を飲まないお年寄りでもおいしく水分摂取ができると思う。
 今回の講義で様々な味覚実験をさせて頂いたが、この実験がうまくできたのは、私の味細胞がきちんと生まれ変わり、働いてくれているおかげであることを忘れてはいけない。私は、大学生になり一人暮らしを始めてから、インスタント食品やファーストフードを口にする機会がとても増えた。このような加工食品には、味細胞を形成するのに必要な亜鉛が含まれていない。よって、このような食生活を続けていると亜鉛不足による『味覚障害』を引き起こす可能性が高くなってしまう。
 自分の食生活を振り返ってみると、味覚障害の原因を自ら作っているということに気が付き、もっと魚や肉、野菜など様々な食材を使った手料理を作り、豊かな食生活を送りたいと強く感じた。
 今回の講義で、食べ物を食べて「おいしい」と感じることができる喜びを改めて認識した。栄養士としての勉強をしていくうえで、食品の栄養価や機能性を知り、理解していくことはとても大切である。しかし、食品の味を感じるための味覚や、「おいしい」と感じるための要因についてよく知ることも、「食」に関わる職業である栄養士には必要だと思う。今回学んだことを生かして、栄養士としての知識をもっとつけていきたいと感じた。

参考文献
1)色のおもしろ心理学2 ポーポー・プロダクション著 ソフトバンククリエイティブ株式会社(2007)
2)「おいしい」となぜ食べすぎるのか 山本隆著 PHP研究所(2004)



Bさん 

 私は、島村先生の講義を受講させていただいて、味覚に対する考え方が変わりました。
 まず、私が驚いたのは、味覚地図は間違っているということです。今までは、味は舌でしか感じることができないと思っていました。それは、解剖生理学実験の授業で味覚の実験をした際、事前に調べておいた味覚地図の通りになると思い込んでしまっていたからです。軟口蓋や咽頭、食道にも味蕾があるということは、飲み込んだ後も実は味を感じているということになります。そのことを初めて知り、自分が思っているより、味は長い時間をかけて広い範囲で感じることができるのだと思いました。
 さらに、人間にとっての味覚とは「経験と学習」であるというお話から、口から入る情報だけでなく、嗅覚で感じる香りや、視覚で感じる色や形、外部環境といった様々な要因がおいしさにつながっているということを学びました。そのことから、次のことを考えました。私の大好物はお刺身ですが、私の友達の中にはお刺身が嫌いという人が多く、どうして大好物なのか聞かれても説明することができませんでした。しかし、講義で学んだことを根拠にして、説明できそうな気がします。私は3歳の頃から、毎年、家族旅行で海に行っていました。宿泊する宿に入ると玄関には、生簀に入った魚が元気良く泳いでいました。だから、夕食にお刺身として出される魚は新鮮だということが分かっていました。その結果、お刺身は美味しいと感じたのです。また、家族で楽しく会話しながら海の料理を食べたという思い出が、好き嫌いのメカニズムとも一致しているので、私はお刺身が好きなのだと考えました。
 これらのことから、「味=舌」ではなく「味は全身で感じるもの」ということが分かりました。
 次に、とうがらしを触ると熱くなるということについて、理解が深まりました。私はお寿司屋さんでアルバイトをしており、片付け中にガリの汁が手について「どうして熱くなるのだろう?」と疑問に思っていました。しょうがのジンゲロンやショウガオールといった辛味物質が神経を刺激するから熱くなるということが分かりました。
 ミラクルフルーツやギムネマといった味覚修飾植物は、今後、様々な分野で役立てられると思います。ミラクルフルーツはスポーツ選手の疲労回復にも役立つのではないかと考えます。酸味の代表的物質であるクエン酸は、運動との関係でも注目されています。疲労物質として乳酸があります。血中乳酸濃度は、運動後、徐々に低下すると言われています。しかし、運動直後にグルコースだけを摂取するよりも、グルコースとクエン酸を同時に摂取することで、血中の乳酸濃度の比較的速く低下させられます。酸は嗅覚への刺激が強いので、酸っぱい食品を摂取することは、甘い食品に比べて困難です。しかし、ここでミラクルフルーツが利用できると考えます。
 ギムネマは、糖尿病や肥満で食事制限をされている方に役立つと考えます。甘い物はついつい食べ過ぎてしまうという傾向があるので、ギムネマを使用すれば、甘さを感じなくなり、食べるのを止めることができるからです。しかし、味を感じることも大切だと思うので、毎食時に使用するのではなく、間食防止に使用すれば効果的だと感じます。
 私は、島村先生の講義で「味を感じるありがたさ」を学びました。ギムネマを食べた後にチョコレートを食べると、ただの油の塊のように感じて、チョコレートの味を楽しむことができませんでした。逆に、ミラクルフルーツを食べた後にレモン汁を飲むと、甘さを感じることができました。食品の味を最大限に楽しむためには、味だけでなく視覚や嗅覚、触覚など、全身で感じることが大切だと思いました。
 家に帰ってから、マビンロウの実験をしましたが、水が甘く感じて、コップ4杯も一気に飲んでしまいました。マビンロウは、苦い薬を飲む際に利用できるのではないかと考えました。子供は苦い薬を飲むことが苦手ですが、薬を飲む用のゼリーがあることを思い出しました。その商品は、フルーツ味のゼリーに薬を混ぜて飲むというものです。マビンロウで水が甘く感じたら、苦い薬も少しは楽に飲めるのではないかと思いました。また、災害にも利用できると考えました。東日本大震災の際には、水しか飲めないという状況の地域がありました。水の味しか感じることができない時に、マビンロウで甘味を感じることができたら、少しは被災者の方に喜んでもらえるのではないかと思いました。
 多くのことを学ばせていただき、本当にありがとうございました。学んだことを生かして、「栄養価だけでなく味について語れる栄養士」になりたいと思います。
◆参考文献
・食品学総論、種村安子、株式会社東京教学社、2001年
・スポーツと健康の栄養学、下村吉治、株式会社ナップ、2002年



Cさん 

 今までいろいろな講師の方がみえてお話を聞きましたが、今回の講義が私は一番興味を持つことができ、またとてもわかりやすく、新たな発見が多くありました。私は就職活動があった為、講義の後半には参加できませんでした。
 私はミラクルフルーツを聞いた事がありましたが、「味覚修飾植物」という言葉も聞いた事がなかったし、他あと5つもあることに驚きました。そして、なぜ味覚修飾植物というものが存在しているのか・熱帯林に存在しているときには実際どんな動物が何のために利用しているかということに疑問を持ちました。
 味蕾の数の説明はとてもわかりやすかったです。今まで、調理の授業で離乳食の勉強をしている時に「なんで赤ちゃんはそんな味に敏感なのだろう」といつも思っていたので、赤ちゃんはなぜ味蕾が多いかという話の時におっしゃった「人間はジャングルに生まれたという設定で生まれてくる」という説明がとても理解しやすかったです。そのお話の続きで、蝶は手で味覚を感じるお話や、ナマズの目が見えないから味覚が優れているというお話はとても興味深かったです。この世で一番味覚が優れている動物は何なのかとても気になるし、私の予想では深海魚かなと考えています。
 動物にとっての味覚のお話も今まで聞いた事のないお話で、聞いていてとても新鮮でした。今まで、なんでライオンは肉の部分しか食べていなくて、食物繊維もとっていないのに便秘にならないのかと疑問を持っていましたが、今回のお話でやっと理解ができました。また、コアラがユーカリを食べるというのも、ちゃんと考えあっての事だとわかり、自然はうまくできているとつくづく実感しました。
 私は、よく鼻が詰まるので味覚障害になります。確かに苦手なものを食べる時、昔から「鼻をつまんで食べれば大丈夫」とよく言われます。でもなんで鼻をつまむだけで味がわからなくなるかとても不思議でしたが、「味覚は五感を使って感じるもの」と教えていただいて、人間の味覚はひとつ欠けるだけでもだいぶ変わってしまうのでとても繊細だと思いました。
 私はよく食べます。私は、おなかいっぱいにも関わらずいつも冗談半分で「別腹〜!」と言い訳しながら食べていました。でも今回のお話で本当に別腹はあるんだという事がわかり、妙な安心感を得ました。また、別腹は人間とサルにしかないという豆知識も学べました。
 ギムネマの試食では、ギムネマを食べた後の砂糖よりも、チョコレートの食感が衝撃的でした。さらさらの泥をなめているような、バターをなめているようなとても不思議な食感で気持ち悪かったです。後半のミラクルフルーツを用いたレモンヨーグルトやグレープフルーツジュースが甘くなるという実験には参加できなかったので家に帰ってから実験してみました。自宅には、ポッカレモンと無糖ヨーグルトはありましたが、グレープフルーツジュースはなかったのでオレンジジュースで試してみました。するとどれもとても甘くなり、つい食べ過ぎてしまいました。オレンジジュースは、100%なのに100%ではない甘いオレンジジュースの味がしました。家にある他の酸っぱい物といえば酢だったので実験してみたところ、少し甘く感じた気がしましたが、酢は酢のままでした。また、マビンロウを用いる水が甘くなる実験は、飲み物が豊富な自宅近くのファミリーレストランのドリンクバーで実験してみました。水はガムシロップのように甘くなり、コーヒーはガムシロップ入りのコーヒーのようになり、紅茶もコーヒーと同じような結果になりました。甘いものを飲むとどうなるかも気になったので、カルピス・コーラ・オレンジでも試してみたがそんなに変わりませんでした。この試食を通して「味覚」味を感じるということはどれほど素敵な事で、また人が食事を楽しむという上でどれだけ大切な事かを実感できました。
 味覚修飾植物の使い道はたくさんあると思います。今まで発見されているのは酸っぱいものを甘くしたり、甘いものの味をなくしたりというものばかりなので、他に苦いもの甘くするような植物があればもっと幅が広がります。(例えば苦い薬が飲めない幼い子供に使えば、薬を楽しんで飲めるようになるかもなど。)味覚修飾植物の無限の可能性に期待しています。
 今回は貴重なお話ありがとうございました。



Dさん 

 島村先生の講義を聞いて、味を感じることには様々な意味や重要性があることが分かった。味を感じるということは、単純に食べ物の美味しさを感じるだけでなく、美味しいと思うものには体に必要な栄養素などが含まれていたり、動物では生きていくために必要不可欠なものであったりと、思った以上に深い意味があることに興味を持った。
 また、ギムネマを使用した疑似味覚障害体験では、味を感じることの大切さや、食品にもいろんな味が混ざっているということが、普段は甘いと感じられるチョコレートから苦味を感じたということから分かり、食品の面白さを感じることが出来ました。味覚障害を持っている人は、きっと食べ物の美味しさを感じることが難しいだろうと思ったので、栄養学を学んでいる者として亜鉛の摂取を促すなど、味覚障害になってしまう人を減らせるようにしたいと考える。
 味覚修飾植物は、一時的だが味を変えることが出来るため、糖尿病患者や肥満傾向の人、エネルギー制限をしなければならない人、糖分を控えたほうが良い人などに利用することが出来る。また病気の人だけでなく、生活習慣病の予防にも利用できるのではないかと考える。そのためには味覚修飾植物の大量栽培が必要であるため、はやく日本の技術が進歩し、薬ではなく食品で健康増進を図れたら良いと思う。
 味覚について知ることは、より一層食への興味を持ってもらうだけでなく、食育の点からも重要であると考える。味を感じることがどんな意味を持つのかということや、好き嫌いのメカニズムを学ぶこと、実際に味覚修飾植物を使っての実験などで味覚について学び、食に興味を持ってもらえれば、好き嫌いの軽減に繋がったり、食生活の見直しのきっかけになったりと、食への楽しみに繋がるのではないか。その結果として、食生活の改善や、生活習慣病のリスク軽減なども見込めるのではないかと考える。
 講義の最後にいただいたマビンロウは、かなり水から甘味が感じられた。私は水を飲むと気持ち悪くなることがたまにあるのだが、マビンロウを使用したことで、いつもよりすんなり水を飲むことが出来た。よって、私のように水を飲むことが苦手な人にマビンロウを使用することによって、薬を飲む際など気軽に水を飲むことができるようになると思う。また、小さい子にうがいの習慣などをつけるとき、水から甘味が感じられれば進んでうがいをしてくれるようになるのではないかと考える。ほかにも、水まんじゅうなどの水分を多く含んでいる和菓子などには、マビンロウを使用することによって甘味料を減らし、低カロリーな和菓子を作ることができると考える。マビンロウを使用した低カロリーな和菓子は、ミラクルフルーツを使用したお菓子のように、糖尿病患者の方たちなどに気軽に食べていただけるのではないかと思う。
 味覚修飾物質は医療現場や食育の現場など様々な分野で役に立っていることが分かった。今回の講義を通して、普段テレビでしか見たことないようなミラクルフルーツなどの実験を体験することにより、食に対する興味だけでなく、味覚修飾植物への興味も非常に高まったため、今後も自分で味覚修飾植物について調べ実験を行うなどして、知識を深めていきたい。
参考文献
食品・医薬品の味覚修飾技術 内田享弘 シーエムシー出版 2007年9月
日経メディカルオンライン http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/hotnews/archives/420164.html(参照:2012/4/27)
ミラクルフルーツが全てわかる。http://www.miraclefruit-wiki.com/(参照:2012/4/27)



Eさん 

 1年生の後期の生理学実験では、舌上に5つの基本味の物質をのせることによって舌上での感覚の変化を調べるという味覚の実験を行った。私の実験班では、味覚の発表という機会をうけ、他班に比べると味覚の内容について深く知る機会があったと思う。しかし、発表の準備段階でわかったことは、味覚には個人の経験や食習慣が関わっており、また、5つの基本味の中でもどの味の感覚に長けているかということには個人差があるということであった。実験によって味覚の分布図とは異なることも確認できた。しかし、味覚の個人差については深く追求して知ることができなかった。今回の授業では、生物の間での味蕾の数の差とその理由を知ることができて、味蕾というものが生物にとってどれだけ重要な役割をしているのかを知ることができた。美味しいものを味わって食べるためという生活の向上という点よりも、幼児やナマズのように生きるために必要なアイテムとして味蕾を使用する生物もいるということがわかった。また、ライオンなどの肉食獣が小腸を初めに食すということは今まで考えたこともなかったので、とても興味深かった。彼らにとってのごちそうとは、草食動物たちの肉だと思っていたので、肉食獣は効率よく草と肉のいいバランスを摂取しているのだと感心した。
 今回の講義では実際に味覚体験をすることができ、改めて味覚の不思議を堪能することができた。ギムネマという植物は初めて見聞きし、葉1枚であんなにも味覚がわからなくなってしまうのだと思った。それと同時に味覚障害などで味覚が感じにくいという人は楽しい食事が行えないのだと知ることもできた。普段の授業の中で、塩分控えめの食事の提案などの課題を行うことがあるが、実際にはあまり薄味の料理を食べるという経験はないので、数値だけを考慮していては、患者にとって満足してもらえる食事を提案することは難しいということを改めて感じた。実際に体験してみないとわからないことなので、ギムネマの実験を通じて体感することができて本当によかったと思う。また、ミラクルフルーツの実験では普段は酸味が強くて食べにくいレモン果汁も、甘くなったことから、意識の問題だけではなく、成分として味が変化するということを身にもって実感することができた。資料にも掲載されていたが、食べ物の味を変えずに味覚を変えるという物質の働きは子供の好き嫌いを一次的になおしたり、食物の従来の利用方法とは異なる味として広い場面で楽しむということが可能になると思う。
 今回のミラクルフルーツの実験で初めて自分の味覚をもって不思議体験をして、見た目はただの葉のように見えるが、利用方法によっては将来、とても役にたっていくであろう植物や果実の存在を知ることができた。日本では栽培されることも少ない植物や果実ではあるが、今まで研究してこられた方々に代わって、私たちのような若者がこれらの有効性を知り、これらの有効的な使い方を考えていければいいのではないかと思った。研究者の先生方が何年もかけて、ミラクルフルーツを気軽に利用できるというタブレット化をの実現を可能にしたのだから、時間はかかるかもしれないが、更に気軽に利用できるように、普段の食生活で利用していきたいと思う。
 今回は、水が甘くなるというマゼンロウタブレットの実験も行わせてもらうことができた。初めて聞く名前と耳を疑うような効果で実験することがとても楽しみだった。実験してみるとタブレット自身が少し甘く、水を飲んでいるときもタブレットの味が口の中に広がるような印象を受けた。水の味というのは普段から意識したことはないが、ヨーロッパなどの海外の水は飲みにくいというような話を聞いたことがあるので、海外で水を飲むときに使用すると飲みやすくなるのかと疑問に思った。水を飲んだ後に、他の飲料も飲んでみたが、お茶を飲んだ時はやはり、いつもと少し異なって甘く感じることができた。マゼンロウタブレットについて詳しくは知らないが、やはりタブレットはすぐ効果を失うのではなく、ある一定の時間に効果を得ることができ、タブレットを摂取した後味によって味覚の感じ方が変化してるのではないかと思った。
 このタブレットの活用方法としては、幼児が薬を摂取する際にこのタブレットを事前に舐めてもらい口の中が甘くなった時に水で薬を飲んでもらうなどといった、苦い物が苦手な幼児対象に使えるのではないかと思った。最近ではコンビニなどに売られている水などにも風味がついたものも多く、普通の水よりも、風味が少しついた水の味を好む人がいるということが商品化によって明らかにされていることがある。このことも考慮すると、今はマゼンロウタブレットはタブレットであるが、これが水溶性になれば、水の風味づけのために用いることもできるのではないかと思う。基本的に水は無味という概念があるが、これを用いれば、風味のある水を使用した多数の食物ができると思う。また、その水の甘味は砂糖などに比べると低いかもしれないが、もし、マゼンロウタブレットの甘さが持続するものだというのならばお菓子の隠し味や、砂糖より低エネルギーの甘さとして、多くの人の間で用いることが出来るのではないかと思う。
 今回の特別講義で上記にもあるが、身をもって不思議な体験をすることができ、また、新たな味覚に対しての知識を知ることが出来た。自分たちが文献を調べてわかる範囲ではやはり曖昧な部分や憶測をもとに考えるということが多いので、島村先生のように実際に実験を通してデータを収集なさっている方の話を聞くということが如何に大切で、自分たちの知識を深くしていただけるのかも身にもって実感した。ただ面白いというのではなく、今後これをいかに使用していくかということを考えることも大切なので、これからもどのように身近なものとして利用できるのかを考えていきたいと思う。



Fさん 

 私は昨年、ある講義の中の自由研究で「おいしさ」とは何か、というテーマで発表をしたことがあり、今回の講義ではその時に調べたことをもう一度振り返ることができた。また、初めて知った内容もたくさんあり、「味覚っておもしろい、不思議だな」と思った。
 動物にとっての味覚のお話では、肉食のライオン、ほかの動物にとっては毒であるユーカリを食料とするコアラなどを例に、動物の味覚は生きていくうえで役に立つものがおいしい、ということを初めて知った。味覚障害については、亜鉛を多く含む海藻類や貝、丸ごと食べる魚など、日本食に多く含まれる食材が多いことを知り、味覚障害を起こさないためにもこれからは日本食に目を向けるとよいと思った。最近では、食の欧米化や加工食品、ファストフードなどの増加によって若者に味覚障害が多く、そうならないためにも味覚について知るということは重要であると感じた。
 今回の講義のなかでも私が特に興味を持ったのは、ギムネマとミラクルフルーツについてだ。私はこの二つを初めて食べてみて、甘さを感じなくなったり、酸っぱいものが甘く感じたりと、不思議な味覚体験をした。ギムネマは初めて聞いた名前だったし、ギムネマ酸という配糖体が糖分の吸収を妨げ、砂糖は砂のように、チョコレートはよくわからない食感に感じられて、決しておいしいとは言えなかった。甘いという味覚は大切だということをあらためて感じた。ミラクルフルーツの試食でも驚きうの体験をした。ジュースは大量の砂糖を入れたように甘く感じ、ヨーグルトもさらにおいしく、甘く感じられた。どうしてこのように感じるのか、という説明をしていただき、味覚は面白いと感じた。
 今後はミラクルフルーツを使って、糖尿病などの食事制限のある人々の食事に利用できるのではないかと思った。酸っぱいケーキやゼリー、クッキーなどを作り、ミラクルフルーツを食べれば、砂糖がなくても甘く感じることができるので、糖尿病の人々が制限をあまり気にすることなく甘みを感じることができる。また、ギムネマは糖分吸収を阻害するため、肥満の人々が摂取すれば減量に役立つのではないかと考える。どちらも多く流通していないため、さらに多くの人々にこれらの味覚修飾植物の良さや効果、また、味覚について知ってもらうことで、広く医療現場などに役立ててもらいたい。
 今回の講義で、自らギムネマやミラクルフルーツを食べて味覚の変化を体験することによって、味の変化に対して驚くとともに、さらに味覚に対して興味を持つことができた。また、講義の最後には水を甘く感じるタブレットもいただき、半分残してあるので甘いものがほしいときに使ってみたい。楽しみながら味覚のことを知ることができる講義だったため、以前よりも味覚に興味を持ち、味覚についてくわしくなることができてよかった。