ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト(ミラクルフルーツ・味覚・ギムネマ・ミラクリン・食育・ミラクルフルーツ)

  ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト
島村光治のホームページ ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト
ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト ご質問・ご意見・ご感想・講演依頼
ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト
■ 参加者の御感想


参加者の御感想

2011/5/20に実施した岐阜市立女子短期大学 食物栄養学科2年の皆さんのレポートです。

講演風景1 講演風景2



Aさん 

 今回の講義を受けてヒトの不思議を改めて理解することができた。
 味とはわずかな量の化学物質に対して生ずる感覚である。現在は種々の味のうち「甘味・苦味・酸味・塩味・うま味」の5つを「基本味」と称している。味を感知している器官は「味蕾」という味細胞の集合体である。実際に私たちが食物の味として感じているものは、適当な割合で組み合わされた五基本味に、においや食感・温度も加わった複雑な感覚である。また、味覚はほかの感覚と比べて個人差が大きく、年齢・性・一日のうちの時間・食生活などそのほかの条件によって感受性が大きく変わってくるものである。

 今回の講義で動物はそれぞれ味蕾の数や位置の違いを知って驚いた。赤ちゃんが一番味蕾の数が多いのは自分を毒性のものから守るためであり、人間は生まれたときから自分を守る機能がきちんと備わっているのだと改めてすごいと思った。私は資料に載っていた動物以外の味蕾の数や位置について気になったので調べてみた。
 魚類は普通味蕾の数が200くらいであるが、濁水の中で生息するコイやナマズは、味蕾を体表全体に分布させ、餌の小魚を全身で探知している特殊例である。ヘビなどの爬虫類や鳥類は食べ物を噛まずに丸飲みしているので味を感知する必要がなく、味蕾もない、または少ない。哺乳類の中でもやはり丸飲みするクジラ、単孔類、貧歯類(ナマケモノなど)は味蕾が少ない。肉食哺乳類は、無数の見た目は違いのない草の中から毒になるものと身体に必要な栄養とを判別するために味蕾が非常に発達している。ヒトは、肉食獣と草食獣の中間ぐらいの味蕾の数である。乳児期は舌だけでなく唇、口蓋、食道、あるいは内臓の一部にまで味蕾が広がっているが、成人では舌以外の味蕾は減っていく。老人はさらに全体に味蕾が著しく減少し、味に対する感度も低下する。高齢者が塩辛い味を好むのもこのためである。同じヒトでも年齢によって味蕾の数が大きく変化することがわかった。
 近頃、若い人で味覚障害の人が増えている。これは加工食品やファーストフードに頼りすぎた現代社会の風習が原因でもある。亜鉛不足で味覚障害になってしまうのだが、亜鉛を多く含んでいるものは現在日本人があまり口にしなくなった日本食に多い。これから、もう一度日本食・食生活について見直し、少しでも味覚障害の若者が減るといいと思った。

 今回の講義で初めて味覚修飾植物のミラクルフルーツとギムネマを食べてみて、人間の舌や脳を錯覚させる植物があるのだと知った。実際に自分で体験することで、味覚修飾植物を食べる前と食べた後で、食材の味がこんなにも変わるのかという驚きがあった。今回の講義で食べたミラクルフルーツの錠剤は食べやすいと思う。こうやって誰にでも食べやすく加工する手段も必要だと思った。現在では、日本で味覚修飾植物(ナツメ・ケンポナシを除く)を育てるのが難しいため大量生産は厳しいと言われているが、やはり糖尿病患者やその他の病気などに多少なりとも利用できる可能性がある味覚修飾植物を将来的にはもっと医療の現場で使用することができるようになるといいと思う。



Bさん 

 食べ物を美味しくいただける幸せを実感した講義でした。普段、当たり前のように食事をとり当たり前のように想像通りの味わいを感じていました。今回の試食で想像を覆す味を体感した事で、改めて食事を美味しく味わえる大切さを痛感しました。
 人は生きる為だけでなく、楽しむための付加価値を求めます。それが五感によって感じる成分の味や食品組成などからくる感覚機能だと思います。五感の中で最も大きく美味しさにかかわるのは味覚です。味覚の感度はかなり敏感なものだという事は解剖生理学の実験で理解しました。
 味の伝達経路に重要な役割を発揮する味蕾の数は年齢とともに減少していく理由も分かりました。食事を何回も摂る事で食べ物の味が想像でき、安全、危険の有無を判断する材料が経験から得られるため不要な味蕾は淘汰される為です。人間は、生まれた時は未熟な器官、構造ですが成長とともにしっかりとした機能を備えた身体となります。それとは逆に、徐々に減少していくのですから、人間の生体機能は良くできたものだなぁと感じました。
 子育て中に我が子がなんでも口に入れるのを目にし、戸惑っていた時がありましたが、母からその物体の安全性を確かめる為だ、無理に手を入れて取り出すことはしなくてもいいと教えてもらった記憶があります。それが味蕾の数と密接な関係があるという裏付けが島村先生の講義によって分かりました。
 また、食べ物が唾液と混じり水溶液になる事で初めて電気信号となり脳に送られます。ここで、唾液の重要性を再確認しました。よって唾液が充分に出る食事の環境づくりは美味しさを左右する大きな要因の一つです。孤食が叫ばれる今の食事環境は、食事が栄養素を満たすだけの位置づけとなっているならば時間や場所を選ばず、必要なサプリメントを撮っていれば済む事です。しかし、家族や、仲間たちと団欒しながら食卓を囲む事は何よりも素晴らしい心のサプリメントとなっているはずです。
 親子の料理教室で、普段はこんなに食べないのに今日は完食しましたとか、食べられなかった食材が皆の食べている姿を見て食べられるようになりましたといった報告を受けます。いかににぎやかで楽しい食卓の雰囲気が「美味しさ」の構成要因であるかという事です。また、盛り付け、テーブルセッティング、生理状態も要因のひとつとなっているのでしょう。
 次に、美味しさの観点の違いも実に興味をひきました。コアラや、ライオンの食事形態を教えていただき、動物にとっての味覚は、生きていくうえで役に立つものが「美味しい」という事。その反面、人間はそのような危機感がないため食事をゆっくり味わい、美味しさに浸り、幸せを感じる実に贅沢な食事形態です。人間に生まれてきた事に今一度感謝した次第です。
 豊かな食生活を送るためには、離乳食の段階から笑顔で赤ちゃんに接し、学童期までにあらゆる種類の食べ物を食卓に出してあげる事で、好き嫌いが軽減されていくと考えています。
 よく、教室に参加された親御さんから、好き嫌いが激しくどうやったら嫌いな食材が食べられるようになりますか?といった質問を受けます。細かく刻んでハンバーグに入れたり、何度もゆがいて匂いを取り除いてから混ぜています、といった並々ならぬ御苦労がうかがえて反対に感心してしまう程です。私は、そんな小細工はしなくても食卓に並べ続ける、それを親御さんが美味しそうに食べる姿を常に見せてあげると良いと答えます。
 また、ハウス栽培が流用され、露地作物が少なくなってきた近年、野菜本来の甘みを知らない子供が多い事に驚きます。畑で取れたてのきゅうりをかじった時のみずみずしさは、たまらなく絶品です。灰汁の少ないくせのない野菜を食べ慣れている人たちにはトマト、にんじんの青臭さがどうも・・・といった声をよく聞きます。
 その上、添加物が沢山入った食品によって味覚障害が起きています。食文化が年々と発達し、スーパーへ行けば何でもそろう、温めて混ぜるだけの簡易的なレトルトが並び、食べる事に困らない今のご時世。危惧しなければいけない事はすでに味付けが完成したインスタント・レトルト等は味加減をする事もなく、食卓に並べられる事。昔なら味を見ながら調味をして、微妙な塩加減・甘味のバランス等経験によって研ぎ澄まされていく味覚の感覚がどんどんと薄れていく事。
 味覚の受容器で刺激を受け止め、複雑なメカニズムを経て大脳に伝わり認識するという素晴らしい伝達経路が備わっているにもかかわらず、上手く機能しない弊害を生み出してしまいます。
 日本人が発見したうま味(昆布・しいたけ・かつおぶし)は海に囲まれ、山地が7割という日本独特の地形が生み出した味覚です。しかもミネラル分が豊富でまさに自然のサプリメントと言っても過言ではないでしょう。
 また、うま味のすごいところは1+1=2ではなく3〜6倍にもうま味が増すという事。ですから、だしのダブル使いで相乗的なうま味が出せるという事を知ればたちまち顆粒のだしの素を使う事は減っていくでしょう。だしを効かせれば塩分はおさえられ、健康に良いことは言うまでもなく、食材本来の味を感じることが出来ると思います。
 島村先生は、味覚修飾植物を医療現場だけでなく、食育分野、理科教材分野に用いて食や科学に興味を持ってもらおうと活躍されてみえます。私も食に携わる者として、まず感じる事は、食育を教科書・黒板を利用して授業するだけでなく、小さい時期から食に関わる経験をする事で体感する機会をどんどん与えてあげたいという事です。これがきっかけで子供や親子を対象とした料理教室の企画を始めました。目の前で食材が固まる様子を確認したり、香ばしいにおいが食欲をそそったり、加熱する事で液体から固体に変化したりといったまさに理科実験的な料理教室は子供達が目を輝かせ、生き生きとした様子でした。
 今回、ミラクルフルーツ、ギムネマを食してテーマの通り驚きを体験し、子供のように盛り上がりました。前日にプリントをいただき、甘味を感じなくなるのかぁ、酸味を甘味として感じるのかぁといった漠然とした感覚しか抱かなかったのに、実際に体感する事で、今でもその時の味覚がよみがえります。
 日本の教育体制は昔から知育・徳育・体育の3本柱が主たるものと言われ、食育に関しては家庭でしつけをするものとされてきました。今は核家族化が進み、衣食住という文化の伝承がほとんど失われつつあります。
 「食」というのは、健全な心身と豊かな人間性を育む基本であって、食育を総合的、計画的に家庭・学校でどんどん取り組んでいかなくてはいけない重要な課題です。「食」を通じた人間教育、つまり食育が3本柱を支える分母の役割を担っていると確信しています。分母がしっかり支えないとちょっとしたゆがみで教育体制は崩れてしまいます。自分の健康が自分で守れない人は、自分の経済も自分で守れない。経済のグローバル化で、雇用が不安定になり、変化が激しい今の時代だからこそ食育こそが、未来を育む健康投資だと思います。
 人も国も「食」の上に成り立ち、「食」がなければ命はありません。その為に、島村先生の活動は長寿国である日本が国際競争力をつけ、国際スタンダードになっていくための生涯学習であると認識しました。

 島村先生は、この研究を始められたのが16歳の時だとおっしゃられ、ミラクルフルーツ以上に驚きました。何処の植物園にもない植物を自分で育て研究されたというお話しから、なんて向学心に溢れる学生さんだったのかしらと感心すると同時に、興味を示している分野があれば、親として子供をバックアップして応援してあげる事も大切だなとも感じました。
 味覚修飾植物の医療現場での応用はどんどん広がると思います。と同時に、栄養士を目指す私たちは生活習慣病による糖尿病患者が増えない予防医学に着目し、勉学に励みたいと思いました。



Cさん 

 普段食事をしている時に、味を感じる仕組みについて考えることはそうそうない。今回の味覚体験では、味蕾のおもしろさ、味を感じるおもしろさを感じた。
 動物にとっての味覚とは、食事を楽しむためではなく、生きるためにあるものであることが分かった。人間は食べること、また満腹になるほど快楽を得るが、動物にはそれがないので人間ならではの楽しみなのだと分かった。
 辛味は「体性感覚」であり味蕾ではなく、神経を刺激しておこるということから、辛味によって神経を刺激すれば脳は活性化できるのかという疑問を持った。そこで調べてみると、少量の辛い食べ物を摂ることは、日常生活のストレスなどによる交感神経の緊張をほぐし体に良いといえる。しかし、いつも甘いものばかり食べていては副交感神経だけが優位になって自律神経のバランスが悪くなり、気迫が失われてしまう1)ことが分かった。つまり、脳を活性化したいのであれば、脳に刺激を与えれば良いと考えられる。甘いものが好きな人でも味覚修飾植物であるギムネマをかじってしまえば、甘みが消えて脳は驚くことになる。今までの「これは甘い」といった脳の情報を覆してしまえば、脳は刺激され活性化されると考えられる。また、酸味を甘味に感じるミラクルフルーツを使うことも同様のことが考えられる。ミラクルフルーツのタブレットを舌の上に擦り付ければ、レモン汁がおいしい飲み物となった。脳に新しい情報を送るのは、おもしろいと感じた。そしてこれは、糖質摂取過剰の肥満症の人に適している。今後の糖分を取らずに甘味を感じられる食べ物の発見に期待したい。
 今回の貴重な体験を通して感じたことは、食材の味をもっと味わっていきたいと思った。甘いはずのものが甘くない、酸っぱいはずのものが甘いというのは違和感があった。特に前者は、米飯で試してみたときに美味しいと感じることができずに、箸が止まってしまった。甘味はとても重要な味覚であると思った。食材の味をしっかりと噛み締め、味わっていくことは食材を大切にすることにつながると思う。また近年、加工食品、インスタント食品の普及により、亜鉛不足が原因で味覚障害の人が増えてきている。これらに含まれているフィチン酸やポリリン酸などの食品添加物は、亜鉛の吸収を妨げる作用がある2)。味覚を正常に感じることは、人間の快楽である食事を楽しめることになると思う。日本食であるそば、お茶、また貝類や海藻、丸ごと食べる魚には亜鉛が多く含まれているので、日本人は食生活を見直す必要があるといえる。そして自分自身も、普段の食生活に心がけ、味覚を感じ食事を楽しめることに感謝しようと思った。



Dさん 

 今回味覚についての講義を受けて、初めて知った事・興味を持った事が沢山ありました。その中でも大きく分けて4つありました。
 まず1つ目は、人間は成長する事によって味蕾の数が変化するという事です。赤ちゃんの味蕾の数が一番多いと聴いた時は、赤ちゃんの頃は主に母乳しか飲まないのに何でそんなに必要なのだろうと思いました。でも、赤ちゃんの頃というのは何を食べて良くて、何を食べたらいけないのかの判断が出来ず、何でも口に入れてしまうので、危険から身を守る為であるという事が分かりました。
 2つ目に動物の味蕾についてです。今まで自分たち人間の味蕾については考えた事がありましたが、動物の味蕾については考えた事もありませんでした。人間が一番いろいろな味を楽しむ生き物なので、一番味蕾の数が多いのかと思っていたら、ナマズに多くて、蛇や鶏に少ない事を知って驚きました。それぞれの生き物にとって自分達の生活を送りやすい様に、味蕾の数・場所・働きが異なるというのはすごいなと思いました。
 また、動物に関して学んだ中で一番驚いた事は、コアラとライオンの味覚についてでした。コアラがユーカリの葉を食べるのは自ら好んで食べているものだと思っていましたが、生き延びる為であると知ってびっくりしました。ライオンの場合は、獲物の小腸を一番最初に食べて野菜ジュースの様な形で植物のエッセンスを摂取し、肝臓や膵臓を食べる事でビタミンやミネラルを摂って最後に肉を食べるというのは、本当に驚きでした。今までは肉食動物と言われている様に、肉を食べる為に獲物を捕まえると思っていたので、食べる順番が決まっていて肉はおまけだと聴いて、本能で行っている事だと分かっていても感動しました。
 また3つ目に好き嫌いのメカニズムの所で、食わず嫌いは第一印象がその人にとっておいしそうには思えないから食べない事に繋がるのかと思っていましたが、第一印象だけではなく経験も入ってくると聞いて、小さい頃からの経験の重大さについて改めて思い知らされた気がしました。私も雰囲気の点でもっと食事がおいしくなる様に努力したいし、将来子供が出来た時は子供の事を思って料理を作ったり、自分の好き嫌いによって食事内容が影響されない様に気を付けたいなと思いました。
 そして、最後に味覚修飾植物についてです。私は、そんな植物がある事自体今回初めて知りました。ギムネマを食べる時には最初は抵抗がありましたが、食べてみて本当に砂糖が砂を食べているかの様になり、チョコレートはカカオの苦み成分だけが残るという現象が起きて、あんな葉っぱの少しを食べただけで味覚が変化するのは不思議な感覚でした。でも、ミラクルフルーツのタブレットは梅味で食べやすく、また食べる前はかなり酸っぱかったものが甘く変化しておいしく食べられました。酸っぱいものとミラクリンがくっついて舌の甘味の鍵穴に入り、口の中では酸っぱいのに頭では甘いと感じると聴きました。ギムネマもミラクルフルーツも、1つの味蕾で全ての味を感知している訳ではなく、それぞれの味に対する味蕾があるからこそ感じられる味の変化なのかなと思いました。

 私はギムネマやミラクルフルーツという植物は、糖尿病患者や肥満者にとって、とてもありがたいものではないかなと思いました。ギムネマは甘味を感じさせない効果を持つので、食べ過ぎてしまう事を防止できるし、ミラクルフルーツは酸味を甘味に感じさせる効果を持つので、糖尿病患者がカロリー数を抑えながらも健康な人と同じ様においしく食べられるのは、ストレスの面でも大きな影響を与えると思うので、これからとても需要が増えるのではないかなと思いました。でも、日本ではなかなか育てる事が難しい植物が多かったりするので、ミラクルフルーツの様にタブレット形式になってどんどん販売してくれたら嬉しいなと思いました。また、漢方の様に植物から作られる薬もある様に、味覚修飾植物も味覚を変化させるだけではなく薬として使用出来たり、もっともっと大量に生産出来る様になればいいなと思いました。
 また、今回教えて頂いた事は、私は食について学んでいるのでこのように知る事が出来ますが、普通に生活しているだけではなかなか知る事が出来ないと思うので、自分からもどんどん話していきたいなと思いました。特に、味覚については自分達それぞれに関わる事ですし、味覚について少しでも多くの人が知ってくれたら、味覚障害者を減らせるだけではなく、他の食習慣が関係している病気の予防にもなると思うので、大切だなと思いました。

 今回本当に学ぶ事ばかりの講義でした。その中で一番に感じた事は、毎日食べ物を食べておいしく感じられている事は当たり前ではなく、本当にありがたい事なのだという事です。最近は亜鉛不足による味覚障害者が増えていますが、私は自分の味覚を大切にしてという言い方は変なのかもしれないですが、本当に大切にしたいなと思います。特に、加工食品に頼り過ぎた食生活は亜鉛不足になりがちなので、気を付けたいなと思いました。また、将来子供が出来たなら第一印象・雰囲気・経験の3つが大事だと学んだので、味覚が決まってしまう子供の時期に子供の事を一番に考えた工夫をしたり、親の顔を見て他の味を覚えると聴いたので、いつもおいしそうに食べられる様に、例え何か大変な時でも意識して努力したいなと思いました。講義を聴いてから、味を感じられている事がとても幸せな事だと改めて感じたので、この思いをいつも持って日々感謝して食べる事を忘れないようにしたいなと思いました。
 今回はお忙しい中、とても興味深くて楽しい講演をして下さって、本当にありがとうございました。



Eさん 

 私は、今日のこの講義をとても楽しみにしていた。それは、以前何かのテレビ番組でミラクルフルーツが取り上げられていてとても興味を持ったからだ。その番組でミラクルフルーツの存在を初めて知った。そのときの出演者たちはミラクルフルーツを食べてその後にレモンを食べ、「え〜!すっぱくない!」と言っていたが、茶の間で見ていただけの私には、それが信じることができず、そんな馬鹿な・・・と思っていた。この講義でその出演者たちの驚きを身をもって体験することができてとてもうれしかったし、わかったこともたくさんあった。
 私たちが“味”を感じるために働いている味蕾には、味のそれぞれ専用の鍵穴があって、それが埋まることで味が神経を通って電気信号として脳に伝えられる。そんな重要な役割を持つ味蕾は成人よりも赤ちゃんに多いということがわかった。成人が約6000〜9000個存在するのに対し、赤ちゃんではそれが約12000個だ。また、ハエが手をこすっている光景を見たことはあったが、それがなんのためなのかは知らなかった。まさか手に味蕾があって、こすることによって味を感じているとは思わなかったから、なるほどと思った。1年の生理学の授業で、舌全体で味を感じる味覚地図は間違いだということは実験をしてわかっていたが、舌全体で感じるのは7割で残りの3割は上あごと喉で感じているとは知らなかった。お年寄りが味を分かりにくくなったことは、入れ歯で上あごが塞がってしまったことも関係しているということ、炭酸ジュースを飲んだときに喉がスカッとした爽快感を感じるということ、前者も後者も上あごや喉に味蕾があったからなのか!と納得した。
 人間にとっての味覚は経験と学習であることから、そういったところからも好き嫌いは生まれる。幼い頃に食べられなかったものが大人になってから食べられるようになるのも『経験と学習』である。小学生などの小さい子に食育をするときに、嫌いなものを無理に食べさせようとするのではなく、その子がなぜ嫌いなのかを理解した上で経験と学習をさせ、少しずつでも食べてもらえるようにしなくてはいけないと感じた。
 近年、若年者の間で味覚障害が急増しており、毎年24万人も日本で発症していると知った。亜鉛不足に陥らないように、亜鉛を多く含む食品つまり日本食を食べることの重要性と近年の食習慣についての見直しも必要だとわかった。ギムネマを食べた後のチョコレートや砂糖の味を思い出すと、とても気持ちが悪かった。どんなに見た目が美しくいいにおいのするおいしそうな料理でも、食べておいしくなかったら、食事の楽しみがなくなってしまう。味覚障害はとても辛いことだと感じた。
 私たちの先輩がミラクルフルーツの作用を応用して、和菓子を作る研究をしていた。そうやって味覚修飾植物や味覚修飾物質を使って、糖尿病の人のための食事やお菓子を作ることなどは、今後の“医療”ではなく“食”として重要なことになってくると思った。
 今回の講義で、舌にイタズラをする味覚修飾植物のギムネマとミラクルフルーツを実際に味わって、舌で感じて“おいしい!”や“まずい”などの感覚を様々な味によって感じることができた。それは自分が日頃から当たり前のこととして感じているのだけれど、それが当たり前と思ってはいけないと思った。おいしいと感じる、まずいと感じる・・・味を感じるってすばらしい!!これからも、味覚、五感をフルに使って食を楽しみたい。また、自分は食を楽しむことを伝えていける栄養士になりたい。とても楽しい講義をしてくださってありがとうございました。



Fさん 

 味覚地図は誤りで、味の感じ方には個人差があるということを授業で習いました。今回の講義で、身をもって体験することで、そのことがよく分かりました。ギムネマを舌全体で味わったつもりでしたが、チョコレートを飲み込むときに、舌の奥で甘い味がしました。もう少し丁寧に舌全体にこすり付ければよかったと思いました。しかしそのおかげで、舌の奥でも甘味を感じることができると、改めて実感しました。また、のどにも味蕾があるということを初めて知りました。炭酸ジュースを飲むと、のどが痛くなる理由がわかってすっきりしました。
 今まで生きてきて、特別味覚について考えたことなんてありませんでした。自分はみんなと同じように食事ができるし、好き嫌いくらい誰にでもある自然なものと考えていたからです。赤ちゃんの味蕾が成人より多いのは、自分から身を守るためであると知り、人間は本当にすごい生き物だと思いました。また、りかちゃん人形本体や人形の靴が苦くしてある理由なんて、考えたこともありませんでした。しかし今回の講義で、赤ちゃんの誤飲を防ぐためにそのような工夫がしてあるのだと知り、納得しました。
 人間にとってのおいしさの話で、確かに行列ができているとおいしいお店なのだと錯覚してしまいます。名古屋のあるケーキ屋さんで、1つ700円程度するタルト専門店があります。そのお店は、15時ごろ行くと平日でも並んでいます。確かにおいしいのですが、地元(岐阜)にある安いケーキでも、おいしいと感じるのは同じだと思います。しかし、名前の有名さや値段の高さが、よりそのケーキをおいしく感じさせているのだと、今日の話から分かりました。

 今回のギムネマの実験で、味覚障害の方の気持ちを少しだけですが味わえたような気がします。味覚障害は、決して自分にまったく関係ないことではありません。ファーストフードや加工食品が体に悪いと分かっていながらも、食べたいと思うときがあるからです。「脂」は、味があるわけではないのに、脂肪をつけるために脳がおいしいという信号を出すなんて、恐ろしいものだと思いました。食品について学ぶ私たちが、知っていても食べたいと思うのだから、食に関して興味のない人は味覚障害になる危険がとても高いです。こういった人たちに、味覚障害になることの恐ろしさをもっと知ってもらわなくてはなりません。味覚障害になるかどうかは、自分も関係しますが、一番大きいのは周りの人たちです。例えば子どもは、親の用意したものを食べます。それが、毎日加工食品であったり、味付けの濃いものであったら、その子どもは味覚障害になってしまいます。私たちのような食について詳しい者が、わかりやすく伝えるよう努力しなくてはいけないと思いました。

 また、糖尿病や肥満の人たちに向けて作った、味はすっぱいけれど、見た目は甘そうなケーキというのは、とてもよいアイデアだと思います。特に糖尿病の人は、甘いものが好きで、治療のためとはいえ、我慢することはとてもつらいことです。私の知り合いに糖尿病の人がいます。その人は甘いものが好きです。しかしチョコレートの一粒でさえ食べられないでいます。私も甘いものが好きで、ケーキを食事代わりにすることがたまにあります。もし糖尿病になって、チョコレートの一粒でさえ食べられなくなったらと思うと、最悪の場合は「死んだほうがまし」と思うかもしれません。そうならないために予防するべきですが、なってしまった人たちのために、見た目も味も満足できるケーキや、そのためのミラクルフルーツのタブレットは、とてもうれしいことです。私たちが見ても、とてもおいしそうでしたし、味も甘いと感じながら食べることができるので、ストレスなく治療をすることができるからです。
 しかし、ミラクルフルーツというのは簡単に手に入るものではありません。他の味覚修飾植物も、日本にはほとんどなく、私たちに身近なものとはいえません。実際私は、今まで一度も本物を生で見たことがありません。糖尿病や肥満の方を救うための手段としてとても有効なものですが、もっと私たちの生活に身近なものとなればよいと思います。



Gさん 

 授業で「亜鉛の不足は味覚障害を起こす」という内容は何度かやってきた。味覚障害というのはあまりぴんとこなかったし、そこまで重要だとも思ってこなかった。しかし、実際に味覚障害を疑似体験することで、味覚障害の大変さや辛さを垣間見ることが出来た。楽しい体験であったミラクルフルーツの実験も、何も意図せず起こっていたらと思うと、とても恐ろしいことである。身体に必要なものをおいしいと感じるのに、必要なものなのにおいしいと感じないというのは、生きていく上で致命的なことだ。しかし、人には肉が嫌い、甘いものが嫌いという人がいる。動物であれば命にかかわることであるのに、なぜこのような感覚が生まれるのか、体の仕組みからすると少し不思議で、贅沢なことだと思った。

 味覚修飾植物は、テレビなどで取り上げられている面白いものという印象が強かったが、糖尿病の治療に応用できると聞き大変驚いた。糖尿病は長期的な食事の管理が必要になる。挫折を防ぐためにも、新しい甘味料としてのミラクルフルーツは有効ではないかと思う。これから研究を進めていけば、お菓子だけではなく、低カロリーの常食への応用もできるのではないか。しかし、カロリーを摂らなくても甘く感じるものが出回ると、偏った食や、体型に関する知識からくる偏食や、摂食障害を増やすことにはならないかという不安もある。甘いものを我慢しなくても、低カロリーな食事ができてしまうからだ。それを防ぐためにも、正しい知識をつける教育が大切であると考える。

 「人にとってのおいしさとは」に「文化に合致したおいしさ」というものがあった。味覚が自分だけのものではなく、食を通して子供にも受け継がれていくものであるということだ。親が正しい味覚を持つことは、大げさでなく、子供の味覚を守ることにつながる。近年、児童に対する食教育が盛んに行われるようになっているが、子供だけでなく親の世代への味覚、食教育の必要性を感じた。

 このような体験を出来たことは、とても有意義だった。この経験を生かし、将来は栄養士として食の大切さを伝えていけたらと思う。