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■ 参加者の御感想


参加者の御感想

2011/5/17に実施した上越教育大学3年・大学院の皆さんのレポートです。

講演風景1 講演風景2


A・BクラスC・Dクラス大学院


■A・Bクラス

Aさん 

 今回の島村先生の講義を受けて、味覚の秘密をいろいろと知ることが出来ました。まず、人にとっての味覚が5つあって、その中の一つが、うま味ということがびっくりしました。それを発見したのが日本人であり、味の素にはグルタミン酸ナトリウムが含まれているということで、日本人もなかなかやるではないかと思いました。
 また、味覚の説明について、味蕾には甘味、塩味、酸味、苦味、うま味を感じるための鍵穴のようなものがあり、それぞれがその鍵穴にはまったときに、その味を感じるという説明がとても自分の知識の鍵穴にはまりました。今まで、あまり自分で考えたことはありませんでしたが、味を感じるメカニズムは、味覚地図のようなものをなんとなくイメージしていたので、自分の固定概念を崩せて良かったです。
 味蕾と関連して、その存在する場所が舌だけでなく、喉や鼻にまであると言うことがびっくりしました。鼻をつまむと味がわかりづらくなるのはそのせいでしょうか。のどごしという言葉も、何となくの感覚ではなく、喉でちゃんと感じているからこそ生まれた言葉なのですね。
 味蕾が、人間にとっては味を感じるためのものであるのに対し、他の動物に関して言うと外敵から身を守ったりするためのものであるということにも驚きました。なまずの味蕾が人間の2〜30倍もあるのはそのせいであり、味蕾が目の退化した彼らの外敵を察知するための役目を果たしていると言うことを知り、逆に食べ物のおいしさのために味蕾を使えている人間は、なんて幸せな動物なのだろうと思いました。
 講義ももちろんおもしろかったのですが、なんと言ってもギムネマとミラクルフルーツの実験はとてもおもしろかったです。ただ、それが単なる不思議でおもしろい実験であるだけでなく、現在の医療現場などでたくさんの人に貢献しているということがとても興味深かったです。おやつなどを食べる前にギムネマを食べることにより、過食症の人を徐々に治療していったり、見た目は普通なのにカロリーが少なく、ミラクルフルーツを食べることによりちゃんとした甘さを感じられるお菓子など、食に関する悩みを抱える人のために無理せずその悩みを解決する手段として、ギムネマもミラクルフルーツも、非常に将来性のある植物だなぁと思いました。また、嫌いなものを食べれるように支援して行くにはどのようにしたら良いか、教育者を目指す私たちにとってとても有用なお話もしていただき、とても有意義な講義でした。
 私は飲食店でアルバイトをさせてもらっているのですが、おいしさは味覚だけでなく、食感や香り、見た目など、さまざまな要因が重なってつくられるのだということを、最近感じました。そして、おいしさは幸せをもたらします。なにかを治そうとしたとき、そこには必ずといっていいほど苦痛や苦難が伴うと思います。しかし、おいしさを感じながら、体も治療していけたらとてもいいなぁと思いました。島村先生がこれからもたくさんの人を救っていくのだと思うと、自分も島村先生のように、自分がなぜだろう、知りたい、やりたい、とおもって始めたことが、結果的に人のために役立てられるような何かを見つけられるように、自分の身の回りにある様々なものへの興味関心を忘れることなく、日々努力していきたいと思いました。



Bさん 

 今回の講義を聴き、味覚というものへの見方が変わった。自らの知識・意欲のなさを露呈するようで恥ずかしいが、味覚という言葉は知っていてもその仕組みや意義については何も知らなかったし、関心を寄せたこともなかった。また、味覚教育という分野があることも初めて知った。
 まず、味覚の仕組みについてだが、実は味蕾という言葉は聞いたことがあった。舌に穴のようなものがあって、そこで味を感じていると知覚していた。しかし、そんな単純なものではなかった。味蕾と味はちょうど鍵と鍵穴の関係であること、味蕾の数には個人差があることや年齢や生物によって異なること、味蕾は舌だけではなく上あごやのどにもあること。そして、それらには確かな根拠があること。何かを教えるということにおいて、その理由がはっきりしていると、受け手の学びの度合いは深まる。今、教わる側から教える側へなるための勉強をつんでいるが、改めて教えるうえで大切にすべきことを感じることができた。
 また、人間の味覚そのものについてだが、動物のものとは異なるものであることが新たな発見だった。動物にとっては生きていくために役に立つものがおいしいものであり、味覚そのものであった。人間にとっても味覚は生まれつき備わっているものであり、味覚は生きていくうえで必要なものをもとに構成されている。酸味や苦味は舌の感度が高く、腐敗物や毒物のシグナルとして人間には認知されており、まさしく自身の身を守るためのものである。しかし、おいしさとなると人間の場合は少し異なってくる。それは『経験と学習』によって作られていくからである。このことは『好き嫌い』とも大きく関わってくるものである。好き嫌いは主に第一印象、雰囲気、経験からから成り立っている。例えば、苦い味が大人になるとおいしく感じるのは、全ての苦味が毒ではないことを経験と学習から覚えるからである。また、雰囲気というのは、過去に無理矢理食べさせられるような経験をしていると、そのこと自身が好き嫌いにつながってしまうのである。このことは教育とも関わってくると思われる。好き嫌いなく食べることができれば一番良いとは思うが、なかなかそうはいかない。ましては、子どもであれば尚更ではないだろうか。きちんとしたデータの裏付けはないが、多くの人は大人になると嫌いな食べ物は減っているように思う。つまり、子どもの頃になんとなく苦手な物を無理矢理食べさせられて、その後もずっと嫌いのまま育っていくのではなく、本人が苦手であるならば無理矢理全部食べさせるようなことはせずに少しずつ歩み寄れるような食べさせ方を子どもの頃から継続して行うことで、より早い段階で苦手なものへのイメージを払しょくし、挑戦するきっかけを与えられるのではないかと思う。結果としてうまくいくかどうかは、この段階でははっきりとは言えないが、少なくとも食に対してより広い視野をもった付き合いができるようになる。それは単純に栄養的に良いだけではなく、少しおおげさかもしれないが生きていくうえで、食べ物に限らない自分が苦手なものに対しての見方を変えるという意味も含まれていると考える。
 以上のことから、味覚教育は味覚の根本的な理解にとどまらず、人間が生きていくうえで必要になると思われる『自分の苦手なものに対する見方を変え、よりよい付き合い方ができるようになる』という側面も持ち合わせており、今後の学校教育の現場においても力を大いに注ぐべき分野であると考える。



Cさん 

 今回の講義において、味覚に関して様々なことを知ることができたと同時に、改めて自分自身の体の仕組みについて見つめなおすことができた。その中でも特に私は味蕾に関して興味を持った。まず驚いたことの1つは動物の味の判別には、味蕾での鍵と鍵穴の関係があるということである。ギムネマやミラクルフルーツでの実験でも体験的に感じることができたように、それぞれの味覚の成分が鍵となり、味蕾という鍵穴に入ることで脳に味が伝えられるということは、非常に面白い原理であると感じた。また、このことからなぜ子どもより大人の方が好き嫌いが少ないのか、ということやビールのおいしさ等、今まで何気なく感じていた疑問についても答えを出すことができたので、味覚について「もっと知りたい」という気持ちが浮かび上がってきた。それと同時に、たくさんの疑問も浮かび上がってきた。例えば鼻がつまっているときに食べ物を食べても味がしないように、味は味覚と嗅覚の両方から感じることが必要だと今までは思っていたが、実際はどうなのだろうか。味蕾があるところは鼻からのど、食道まで意外と広範囲にわたっていることを学んだので、機会があったら味覚の嗅覚との関係について調べてみたいと思う。
 また学校現場においても食育が重視されている中で、教師を目指している私たちが味覚について知ることは非常に重要になってくるだろう。教師は給食等を通して毎日子どもと食との関係に触れることになる。こうした中で、例えば教師が好き嫌いのメカニズムをしっかりと理解しておくことで、子どもが偏食しないような味覚形成の学習を、給食を通して行うことができる。
 少し余談になるが、今回の講義を受けて自分自身の食についての決意が生まれた。私たちにとって給食は「給食が食べたいから先生になりたい」という人がいるくらいおいしかった印象のあるものである。今考えるとバランスの良い食事が出るだけで、特別おいしい食材を使っているわけではない。ではなぜおいしかったという印象が強いのか考えてみたのだが、それにはおいしく感じられる環境条件が備わっているからなのではないかと考える。みんなと食べるから楽しい、おいしいと繋がるのではないだろうか。私が教師になった際は、いや、教師に限らず家庭を持った際には、自分の子どもたちにご飯の時間は楽しいと感じてもらえるような環境作りをしていきたい。
 今回体験的に味覚教育をしたことで、私自身、今までの味覚についての認識を新たにできたと同時に、自分自身の食生活について省みるきっかけとなった。それは体験的に食育について学んだことで、自分にとってインパクトがとても強かったからこそ生まれた感情であろう。自分が学校現場に出た際には今回のような体験的な講義を用いて、私と同じように子どもたちにも味覚に対しての興味関心を持たせると同時に、自分自身の食生活について改めて見直すきっかけを作りたい。
 とても有意義な講義であった。ありがとうございました。



Dさん 

 私は今回の講義を聴いて、今まで知らなかったたくさんの新しい情報を知って、思わず何回も「へぇー」と唸ってしまいました。
 1つ目は、味を感じる仕組みについてです。私は中学家庭科の免許も取得しようとしていて、それに関連する講義もとっているので、味を味蕾で判別するとういうことは知っていました。しかし、味蕾が舌の表面だけではなく上顎や喉にもあるということは全く知りませんでした。ビールのCMなどで良く使われている「のどごし」という言葉の意味が良くわかりました。普段ほとんどの人が意識することはありませんが、味を感じるというのは考えてみるとすごく不思議なことで、そもそも味とは一体何だろうと、この講義を聴いてすごく考えさせられたと同時に、知りたいという興味を持ちました。蛇足ではありますが、私はお酒が全く好きではなく今年22歳になるのですがビールが全く美味しく感じません。もちろんのどごしの良さなど感じたこともありません。私には喉に味蕾があるのだろうか、と疑問を持ちました。
 2つ目は、人にとっての味覚の話です。例によって私は家庭科の講義もとっているので、基本味には甘味・塩味・酸味・苦味・うま味の5つがあることは知っていました。しかし、人間が生きていく上で必要な甘味・塩味・うま味はたくさん摂取できるように舌の感度が低くなっていて、逆に腐敗物のシグナルを表す酸味や毒物のシグナルを表す苦味はたくさん摂取しないように舌の感度が高くなっているということを初めて知りました。人間の体は本当に良くできているなとこの話を聞いて感心しました。確かに梅干しやふきのとうは食べることはできますが、お腹いっぱいになるまでたくさん食べようとは思いません。ですが、ご飯はお腹いっぱい食べることができます。これは一見当たり前のようなことで、私は人間の長い年月の習慣によって身に着いたものだと思っていましたが、きちんとした理屈を説明されるとすごく納得できました。リカちゃん人形は幼児に口に含まれる可能性があるので、それを回避するために人形の足に苦味成分を塗っておくというのは、人間の生来的特徴を生かした良い工夫だなと思いました。
 また、人が大人になるにつれて小さい頃は苦手だった苦い食べ物がおいしく感じるようになるという話を聞いて、私は舌の味蕾が成長に伴って変化して食べられるようになるのかと思っていました。しかし、そうではなく、経験と学習によってその食べ物が毒ではないことを理解していくので美味しく感じるようになるということでした。私は正直それだけの要因で苦い食べ物が好きになるのか疑問に感じました。というのも、私はのどごしのところでも話しましたが、いわゆる大人の味というものが未だに苦手だからです。私も経験上その食べ物が毒ではないことはわかっているのですが、それだけでは好きになることはないと思います。経験と学習以外にも何か要因があるのではないか、そんな気がしてなりません。機会があったら調べてみたいと思いました。
 そして、今回ギムネマとミラクルフルーツという普段滅多に手に入らない植物を体験させていただいて、かなり衝撃的な印象を受けました。ギムネマを噛んだ後の飴は本当に味がしなくて驚きました。甘味がしないので多少変な味がしましたが、もっと顕著に違いが出る飴をなめたらよかったなと思いました。ミラクルフルーツはものすごく酸っぱいレモン100が本当に甘くなったので、その効果に驚かされました。
 この島村先生の講義を通して、家庭科の知識に関してもさらに深いことを知ることができました。この知識は子どもたちの心をつかむための小話としてもかなり使えると思うので本当に有意義な講義をしていただいたなと思っています。ありがとうございました。



Eさん 

 私はこの講義を受けて初めて知ったことや、驚いたことがたくさんありました。人間も動物なのだなと改めて感じさせられることや、今までは当たり前すぎて不思議にも思わなかったことにもすべて理由があるのだということに気づかされることがたくさんあって、とても興味深い内容の講義でした。
 まず、はじめにギムネマを食べてアメが甘くなくなった理由のお話の中で味蕾の存在を知り、その数が生き物によって、また成人と赤ちゃんの間でも異なるということを教わりました。そして、それにはちゃんとした理由があって、ナマズは濁った水の中で生活しているために目が悪く、目で外敵やえさを見つけることができないので、体の表面やひげにある味蕾で外的やえさの味を察知して、それらの存在を知るので味蕾がたくさん必要なのだと知ってなるほどと感心しました。
 さらに赤ちゃんに味蕾が多いのは、何かを口に入れた時に、それを飲み込んでしまう前に味蕾で味を確かめて、それが危険なものでないかどうかを即座に判断できるように生まれつき備わっているからだということも教わりました。そして味蕾の数が大人になるにつれて減っていくのは、危険なものが知識として備わることでわかるようになり、味蕾で味を確かめなくても危険かどうかを判断できるようになるため、味蕾が必要なくなるからだと聞いて感動しました。
 これに関連したところでは、子どもがすっぱいものや苦いものを嫌うのは、本能的に酸味のあるものは腐敗物、苦みのあるものは毒物のシグナルであり、舌の感度が高く、口に入れると危険だと脳が判断するからだと聞いて、そんな理由があったのかととてもびっくりしたしおもしろいなと感じました。
 今までは味といったら、「おいしい」も「まずい」も「すっぱい」も「しょっぱい」も「苦い」も「甘い」も「辛い」も「渋い」もすべていっしょにして考えていたけど、まず辛味や渋味というのは味ではないと知って驚いたし、さらに、「おいしい」や「まずい」なども味自体ではなく周りのさまざまな要因に影響されて、そう感じていると知ってなんだか普段自分の体に起こっていることなのに不思議で気持ち悪く感じました。
 さらに動物にとっての味覚の話で、ライオンが獲物を食べるとき、生きていくうえで一番必要な養分である野菜ジュースのような植物のエッセンスが入った小腸をおいしいと感じて、まず一番最初に小腸を食べると知ってとてもびっくりしました。ライオンはお肉を食べるイメージだったのですが、実際はおまけのように一番最後に筋肉を食べるなんて思ってもみませんでした。生きていくうえで一番必要な養分を含んでいる部分を一番おいしく感じるようになっているなんて動物の味覚の仕組みはおもしろいなと感じました。
 上に述べたように、私は今回の講義の中でいろいろなことを知って、いろいろなことを感じたことで、味覚に対する自分の考えががらっと変わりました。今までは味覚というものに対して何の興味も疑問も持っていなかったし、何も知らなかったけど、今回の講義を受けたことで味覚のおもしろさや不思議さが少しわかって興味が湧いてきました。さらには教師になったときに使えそうな知識もいくつか教えてくださって、とても有意義な時間を過ごすことができました。今回の講義で自分のものになった知識を将来何らかの形で活かせるといいなと思いました。



Fさん 

 この講義が始まって一番始めに感じたことは、「何か、楽しそう」という感覚でした。今まで受けた上越教育大学での講義とは違い、おもしろそうな雰囲気がぷんぷんしていました。これからは本講義で知り得たことを述べたいと思います。
 講義が始まり、まず、私は「味蕾」という始めて聞く言葉を耳にしました。これによって人は食べものの味を判別します。その仕組みは、「鍵と鍵穴の関係」になっていて、鍵となる食べ物の成分と鍵穴となる味蕾がぴたりと合わさることによって、脳へと刺激が送られ、味が識別される。人間の場合、成人で6000〜9000個の味蕾がある。そのうちの70パーセントが舌にあり、他では咽頭にもあり、ここではビールの宣伝文句で頻繁に使われる「のどごし」を感じている。人間において、舌が肥えていると言われるソムリエの味蕾が発達しているように思われるが、ソムリエは脳で味を判断する能力が優れているだけであり、赤ん坊が12000個と味蕾の数が一番多いです。また、補足の説明で渋柿と甘柿の味に関係する成分は同じで、甘柿は渋みを感じる成分が、別の成分でコーティングされているために渋みが無くなっているという話を聞き驚かされました。
 動物にも味覚があるが、それは生きていく上で役に立つものがおいしいと判断される仕組みとなっています。そして、その仕組みにあわせて体や習性を進化させています。例として、草食獣のコアラは敵となる動物が来ないユーカリの森に暮らし、それを主食としています。そして、カロリーが少なく毒の分解を必要とするユーカリに適応するため1日に20時間も眠る体へと進化をしました。また、肉食獣のライオンも草食獣を食べることでビタミン等の栄養を補うように進化しました。また、食べ過ぎで太り、動木が鈍くなることのないように、野生の動物は必要以上に食べることはありません。別腹というものがあるのは、人とサルだけのようです。
 人にとっての味覚は、「甘味・塩味・酸味・苦味・うま味」です。辛味は味ではなく、一種のやけど状態のことを言います。「体性感覚」といって、味蕾への刺激ではなく、神経への刺激です。さらに、人間にとって食べ物のおいしさは、上記の基本味以外に視覚や嗅覚、聴覚も関係しています。ステーキ屋さんで、アツアツの鉄板の上で「じゅーッ」という音をあげ、香ばしい香りを漂わせて出てくるステーキはまさに、そのことと関係してお肉のおいしさを際だたせています。また、おいしさを分類すると、@生理的欲求に基づくおいしさ、A文化に合致しておいしさ、B情報に基づくおいしさ、C薬理学的なおいしさ、の4つに分類されます。Aの例として、赤ちゃんにとって自分を守ってくれる親のご飯は安全なためおいしい、や自分の好きな親のご飯は旨いといったこととなります。Bは、扁桃体という人間特有の脳の価値判断機能に関係があることで、低カロリーという言葉を見るとつい食べたくなってしまうというような事です。誤った情報に左右された食事を続けることは健康に影響を及ぼすため、情報の正しい解釈が必要と言えます。Cは、人が「脂」をおいしいと感じてしまう仕組みを利用し、ファーストフードやお菓子などがおいしいと感じるといったことが例です。しかし、それらの食品は今日的問題である、亜鉛不足による味覚障害を引き起こす原因の一つでもあるため注意が必要です。亜鉛を多く含む食材としては、魚介類のカキが代表です。
 今回の講義では、ギムネマとミラクルフルーツといった植物が登場しました。ギムネマは、その中に含まれるギムネマ酸という成分が糖分の吸収を妨げて甘味を感じなくさせます。体験実験において、ギムネマを口に含んだ後、甘い飴を食べたところほんとうに甘味が無くなっていることに気づいたときには非常に驚かされました。ミラクルフルーツは、それに含まれるミラクリンという成分が酸味を甘く感じさせる働きがあります。こちらも試食し、わずかでしたがポッカレモンの味が変化したことに驚かされました。
 味覚修飾植物の今後の展開として、私は教育現場における授業教材としての活躍が思い浮かびました。味覚障害が問題視されている現代人にとって、味覚について知ることは非常に大切です。そのため味覚の仕組みとともに、食育についても学ぶことができる味覚修飾植物はとても有効な教材となると思います。私も、この講義を受けて、将来教壇に立った際は機会があれば是非使いたいと思いました。
 今回の講義は興味をそそられただけでなく、自分の食生活を見つめ直す良い機会にもなりました。この講義で学んだことを参考に、今後は健康な食を意識した生活を心がけたいと思います。



Gさん 

講義で感じたこと、分かったこと、興味を持ったこと
 味蕾というのが舌にある味を感じるセンサーのようなものであり、これが私たちの味覚を形成しているのだな、と感じた。また、それが人間の発達、人間以外の生き物の発達に応じて味覚が変わるという点がとても面白かった。例えば人間の赤ちゃんの味蕾が多いのは、赤ちゃんの何でも口にいれてしまうという特質からきており、大人になると、口に入れるべきものなのかが判断できるようになるので、味蕾は減るのである。この話を聞いていてとても不思議に思ったのは、赤ちゃんに「口に何でも入れてしまう性質」があるから味蕾が多いのか、「味蕾が多い」から何でも口に入れてしまうという性質をもったのか・・・どちらが先なのだろうか。しかし、人間は経験による情報を得ることで学習するので、そういった意味では口に入れていたものの感覚経験に基づく情報が味覚の数を変えているように感じる。つまり、私は前者だと思った。

味覚修飾植物の今後の展開や味覚について知ることの重要性
 TVでは実際に何度か登場しているようだが、お茶の間で見ている私たちには、まだ身近には感じられない。というのはまだ研究の段階にあることや、日本では育てられる自然環境にないということ、バラエティー番組として放送されることが多く、医療的な解説が足りていないということがあげられる。だが、医療は確実に数年で進歩すると思う。大事なのは、一人でも多くの人に医療で活躍しているという事実を知らせていかなければならない。私たちは将来教師になりたいと思っている者なので、この授業を島村先生が我が大学に講義したことで、島村先生から300人の教師の卵へ、300人の教師の卵からそれぞれうけもつ生徒たち何千人、何万人に伝えることが出来る。だから今回の授業は私たちが知るという点だけでなく、未来を担う子供たちの伝達者になるという点が大事なのだと気付いた。

その他自分の意見・感想
 味覚障害は相手に症状が見えにくいし、味覚障害かどうかはせめて数値や他人との比較でしか分からないので、自分ではなかなか気づきにくいという難点がありそうである。特に一人暮らしの老人であればなおさら認知しづらい環境である。だから、本人が「おかしいな、変だな」と思うまでは障害と診断し対処すべき人でも見逃してしまいそうである。障害が分かってからは具体的な対処が施せそうだが、実際の問題点は味覚障害を未然に防いだり、味覚障害ということに気づくことなのかもしれない。そうでなければ、ミラクルフルーツもギムネマも、ただの植物にしかならない。




■C・Dクラス

Aさん 

 食べること、味覚というものは普段生活している中の一部で、あまり意識したことがありませんでした。今回の味覚教育の講義を受け、味を感じる仕組みや舌の構造を知り、「ただ食べる」というのではなく「味を感じる」ということに興味を持ちました。
 好き嫌いのメカニズムのお話を聞き、子どもの頃の味覚の形成が非常に重要だということを知りました。この間、実家で肉じゃがを食べ、おいしいなと思っていました。その後、友人の作る肉じゃがを食べる機会がありました。その友人とは出身県が違い、肉じゃがの味付けは私の家のものとは違いました。「おいしい」には変わりがなかったのですが、私の中にある肉じゃがとは違うなと思っていました。そこが、人にとってのおいしさというものにつながるのかなと思いました。肉じゃがは私の小さいときから慣れ親しんできた味であり、おふくろの味というものが自分の中にしみ込んでいたのだと思います。きっとこれは私だけではなく、多くの人に言えることであり、幼いころに感じた味というものは記憶としてしっかりと刻み込まれるのだなと実感しました。
 味を感じる仕組みは、私たちだけではなく子どもたちもとても興味を持つ内容だと感じました。今回、ギムネマとミラクルフルーツのタブレットを試食させてもらいましたが、やはり実際に自分の舌で、体で経験することで記憶として残るので非常に貴重な体験をさせてもらうことができたと思っています。味蕾というものの存在は、おそらくこの講義を受けなければ私は知ることがなかったと思います。鍵と鍵穴の関係にあるというものは、子どもたちにもとてもわかりやすく、覚えやすいと思いました。ギムネマやミラクルフルーツなどの味覚修飾植物の存在は、もっと広く知られるべきであると思います。糖尿病や肥満、生活習慣病など、近年私たちの抱える問題は多くなっています。その解決につながる存在でもある味覚修飾植物が広く使われるようになれば、医学の研究が進んで病気の予防治療のできる可能性が増えていくのではないかと思います。ただ、味覚修飾植物に頼りきりになってしまうと、栄養不足や間違ったダイエットなどに使用されてしまうのではないかと思います。そうならないためにも、今回私たちが受けたこの講義の内容を、もっと多くの人が知り、味覚について、味覚修飾植物について、そして食べるということについてきちんとした知識理解を身につけていく必要があると思いました。
 食べるということが、こんなにも興味深く面白いものだというものは思いませんでした。小学生の時から食べ合わせであったり、栄養についてなどの勉強は家庭科で習ってきたけれど、味というものについては学習した覚えがほとんどありません。そのためこの講義は非常にためになるものでした。子どもたちも、早い段階で知ってほしいものだなと思いました。普段何気なく行っている「食べる」ということに一人ひとりがもっと興味を持ち、これから生活していく中で健康に気を使えるようになるためにも、今回の講義で学んだことを私が教師になった後も伝えていけたらなと思いました。



Bさん 

 ヒト(脊椎動物)には味を感じるセンサーの役割をもつ『味蕾』があるということや、味蕾での味の判別方法などを初めて知った。自分は今まで味の判別方法は味覚地図のようであると思っていて、苦い薬を飲むときなどに飲み方を工夫していたのだが、味覚地図は間違いであると知り、驚いた。また、味蕾は舌のみではなく、軟口蓋や喉頭蓋にも約3割存在しているということを知ったので、薬の飲み方を工夫してもあまり苦味を消す効果はないということが分かった。
 動物によって、味蕾の数や味覚が異なるという部分に興味をもった。味蕾の数に関しては、動物の生息環境などによって異なるということが分かった。ナマズは、眼の代わりに味蕾で感じているということに驚いた。味覚に関しては、草食獣と肉食獣とで異なり、ライオンは植物が消化できないために小腸(植物のエッセンス)から食べて栄養をとっているということを知った。また、野生の動物は満腹になると獲物がいても食べないなど、独自の体や環境に合わせた食生活を行っていることが分かった。
 中でも自分が特に興味を持ち、感心した部分は、ヒトの赤ちゃんの味覚である。赤ちゃんは何でも口に入れてしまうため、酸味や苦味(毒のシグナル)に対する舌の感度が高く、それらを嫌うということには感心し、納得した。その特性を活かして、りかちゃん人形の靴に苦味を塗っておくなどは、良く考えられていて、このような活かし方もあるのだなと感じ、新たな知識となった。また、これらのことから、小さい頃は苦いものなど、食事の好き嫌いが激しいということにつながる。今回の講義を受けたおかげで、自分の中に、無理矢理食べさせるのではなく、成長に合わせて徐々に慣れさせていくことが大切だという考え方が生まれた。
 味覚修飾植物というものを食べた後に何か食べると味が変化するという話は聞いたことがあったが、実際に体験したのは今回が初めてだった。ギムネマは舐めた飴の甘さがなくなり、塩分の塩辛い感じが残った。ミラクルフルーツは酸っぱかったレモンが飲みやすくなった。また、このような味覚修飾植物が、糖尿病患者などへの医療的な面で使用されているということを初めて知った。
 今後、子どもたちにこのような体験の機会を与えることができたら、この体験は食育推進の教材になるだろう。味が変化するという現象は舌が健康だから起こる現象であり、それによって、味のありがたさを知ってもらいたい。また、最近では若者の間に『味覚障害』という病気が多いということ、味覚障害を防ぐにはどうすれば良いのかなどを学ぶ上でも良い機会となるだろう。
 さらには、子どものみではなく、教師や保護者(大人)への食育も今後は重要になってくると思う。ヒトにとってのおいしさは、親の影響が大きいということを知った。親が栄養バランスを考えて食事をつくり、それを家族で楽しく食べる。当たり前のことなのだが、このことが当たり前にできない世の中になってきているのだと思う。子どもの食育には、その後ろにいる大人の食育が必要だと思う。
 島村先生の「全員に体験させることが大切」という言葉が心に響いた。自分は今回体験したことを今後忘れないだろう。このように、子どもたちの記憶に残る授業・体験を考えていくことが、今後の自分の課題だと思う。
 貴重な講義・体験をありがとうございました。



Cさん 

 今回講義の冒頭で、ギムネマによる味覚の体験を行った。私は今まで味覚障害という言葉を何度か聞いたことがあったが、それは俗に言う「味音痴」の重度のもので、単純に物の味が薄く感じたり、他の人がまずいと感じるものをおいしいと思ったりするようなものだと考えていた。ところが実際に体験してみると舌の上に乗った、普段ならとても甘いはずのドロップはまったく味がせず、ただ舌の上に物体がある、しいて言うのならおもちゃのブロックを口に含んだ感覚に近いものでかなり気持ち悪く感じ、味覚障害についての認識を改めることになった。頭で考えるだけでなく、実際に体験してみることで自分の考えが変化するいい例だと思う。
 教育では近年、食育という言葉が取り上げられることが多いが、この実験は食育にとても役立つだろう。「物を食べれば味がする」という、普段当たり前だと思っている前提が覆されることは衝撃的だし、同時に「苦味などの味を感じることで危険を回避しようとしている」ということに繋げていくことができれば、それによって味覚があることのありがたさを再認識することができるだろう。
 ミラクルフルーツの話の中では、味の変化を利用して糖尿病患者に甘さを感じさせるというものが興味深かった。私は高校時代入院を経験したことがあり、大部屋の病室に糖尿病を患っている方もいた。そのような患者に対してもなんとか希望を叶えてあげようという研究は素晴らしいものだと思う。また、味の変化を体験できる不思議な植物。というところで終わってしまうのではなく、これを何かに利用できないかと考えていくことはとても大切なことだと思った。それの行きつく先が医療現場での利用など、物事が意外なところでつながっているのだと感じた。
 島村先生は独学で研究を始めたと話されていたが、これは教育の目指すべき姿ではないかと思う。仮に私が何かに興味を持ったとしても、ではそれを調べ上げるかと自分に問うと、きわどいものがあるだろう。大学の各講義でレポートを作成することが多々あるが、正直面倒だと感じることが多い。調べる時も教育大学の課題に関して言えば大学の図書館に各種資料が揃っているので、やる気と時間さえあればそう困ることは無いだろうし、今はインターネットも発達しているため情報の集めやすさは一世代前とは比べ物にならないほど優遇されている。しかし、そんな状況に置かれていても、課題に関係ないような事柄を調べようとは中々思えない。ましてや先駆者がいないような研究内容にはまず手を出そうとはせずに途中で止めてしまうだろう。だが、それでは将来教員として教壇に立ったとき、自分の教え子に向かって「自分の興味あることを調べてみよう。もしいきづまってしまったら色々な視点ややり方を考えて、自分の納得がいくまで調べよう」というように言うことはできないのではないだろうか。そのような指導ができないことは子どもの可能性を潰すことに繋がってしまい、それは教師としてやってはいけないことである。私自身今後も課題や、卒業論文のための研究など、自分自身で取り組んでいかなければならない場面はまだまだたくさんある。教員になった後でさえ「どのように授業を展開したら子どもの理解に繋がるのか」「子どもの能力を伸ばすためにはどのような活動を取り入れればいのか」など考えなければなない事はいくらでもある。将来の教え子には自分の興味あることを自主的に学ぼうとする人になって欲しい。その内容が子どもの将来のどこかに結びつくことになったら教師として一番うれしいことだ。そのためにはまず自分の意識から変えていかなければならないと今回の講義を通して思った。



Dさん 

1、講義で感じたこと、分かったこと、興味を持ったこと。
 今回の講義で、毎日食事をする中で感じている味覚について、普段いかに意識していないかを感じた。今までは甘いもの・しょっぱいものをおいしいものと思っていたが、ギムネマやミラクルフルーツの試食をして味覚障害を疑似体験してみて、甘いものが甘くなくなったり、すっぱさを感じないと、おいしいと思っていたものがおいしく感じなかった。このことから普段おいしいと感じるのは、単に味のせいだけではなく、小さいころから慣れ親しんだ味の記憶や思い込みなどにもよるのだなと実感した。
 味を感じる味蕾が舌だけでなく、上あごやのどにもあることを初めて知った。炭酸やビールを飲んだ時に、喉ごしで感じるのはそのためで、喉の味蕾が二酸化炭素と反応しやすいからだと知りとても驚いた。このことから、味覚地図という考え方は間違っているという島村先生の話が納得できた。

2、味覚修飾植物の今後の展開や味覚について知ることの重要性
 味覚修飾物質は味覚を一時的に変えることができるので、この特性を生かして糖分を含んでいない食品をミラクルフルーツのミラクリンの特性によって甘く感じて、おいしい思いをしながら無理なくダイエットできるのではないかと考えた。また、ギムネマを食べてから甘いものを食べると甘味を感じなくなることから、いつも甘くておいしいと思っていたものがおいしくないので、その食品の情報をまずいものと捉え、糖分の摂り過ぎ防止や、ダイエットに活用できるのではないかと考える。
 味覚は食べ物の味やおいしさを感じる大切なもので、私たちの食生活を豊かにしてくれるものである。しかし、加工食品やファーストフードなどに頼るような食生活に変化してきたことにより、亜鉛不足になり若者の間で味覚障害が増えている。味覚障害になってしまっては生活に支障をきたしたり、普段の食事がつまらないものになったりしてしまう。特に味を感じられない生活はとても不憫であり、食事の楽しみや意義を失ってしまうのではないかと考える。そうならないための知識や食べ物を工夫することを学ぶべきだと考えた。

3、感想、意見
 島村先生の講義を聞いて、いつも感じている味覚について意識するようになった。普段何気なく享受している味をもっと大切に感じようとするようになった。おいしいと思う物は、小さいころから慣れ親しんだ味だったり情報に基づいたものであると知ったので、それがどんな味がしておいしいのかよく味わってみようと思った。
 ある国の人が虫をおいしそうに食べている映像をよくテレビで見かけて、観客や視聴者が気持ち悪そうにしているが、あれは文化に合致したおいしさであり、その国の人たちは小さいころから食べ親しんでいるものであるから、ごく自然なことである。
 私たちが普段おいしいと思っているものを他の国の人に気持ち悪そうな顔をされたら気分がよくないのと同じで、他国の食文化について侮辱するようなことはよくないなと今回の授業を受けて感じた。



Eさん 

 私は食べることが大好きである。おいしいものを食べることが幸せである。好き嫌いもほとんどない。しかし,今まで『味覚』についてよく考えたことはなかった。昨年,幼稚園実習に行った時,給食の場面で好き嫌いをする子どもが多くいることに驚いた。そしてこの講義で子どもの頃の味覚形成が非常に重要であり,きちんとした味覚が形成されないと,奇食に走る可能性もある。という話を聞き将来教職を目指している立場として,しっかり理解しなければならないと感じた。
 味を感じる仕組み、それは舌や上顎,のどにある『味蕾』と呼ばれる味のセンサーである。これは鍵と鍵穴に例えることができる。味にはそれぞれ専用の鍵穴があり,その鍵穴が埋まるとスイッチが入り,電気信号として脳に伝えられるのである。ここで驚いたことがある。それは味蕾の数は,成人よりも赤ちゃんの方が多いということだ。赤ちゃんは何も分からずに口に食べ物を入れて食べているように思えたが,危険なものを口にしたときに,それらから身を守るために,味蕾の数を増やしているというのだ。だから,ピーマンを口にしたときに苦く感じるため,嫌いになる子どもがいるのかもしれない。そういえば,小さい頃は飲めなかったブラックのコーヒー。大人になるにつれ飲めるようになっていた。それは,成長する上で全て毒がないことを経験し学習により知ることで苦味がおいしく感じることができ,飲めるようになったのだ。そして味蕾について驚いたこと,もう一つは,動物にとって味覚というものは,環境に合わせて生きていけるようにできている。ということだ。例えば,コアラ。コアラはすばやく敵から逃げることができない。だから他の動物にとっては毒のあるユーカリの森で生活することで生き延びることができたのだ。他にもナマズは体表面に味覚があり,暗い泥の中で生きている。このように動物は生きていく上で必要になるものをおいしいと感じるのである。 コアラは,ユーカリをおいしいと感じて食べていると思っただけに,衝撃的であった。
 『味覚障害』という言葉は正直あまり自分の身近にない言葉だったために,どんな障害なのだろうか,そこからよく知らなかった。味を感じることができなくなるなんて,自分だったら絶対にイヤ!そう思いました。しかし,加工食品やファストフードに頼っている私もまた,味覚障害になる可能性があるのだ。味覚障害になる原因というのが亜鉛[Zn]の不足である。これらは,海藻や小魚貝類、お茶などに多く含まれている。ひとり暮らしを始めてから,これらの摂取がほとんどなくなったように思える。これを機に自分の食生活についても,もう一度見直したいと思った。
 今回の講義で,『ギムネマ』や『ミラクルフルーツ』を試食して,味覚が変化することを実際に体験した。最初は何のために味覚を変化させるのか。と疑問に思ったが,実際に医療の現場ではすごく注目されていることを知り,もっと知りたいと思った。最近では,糖尿病患者が多く,肥満が社会問題になっているため,糖分はないが甘く感じられるお菓子などが作られているそうだ。私も甘いものが大好きだが,カロリーをすごく気にしてしまうので,このミラクルフルーツを使ったお菓子を食べてみたいと感じた。
 幼稚園実習では『食べる』という習慣が全然ついていない子どもたちもいて,『食べる』という行為自体が苦手な子や,食べるということが苦痛に感じているのではないかと思える子どももいた。幼稚園だけでなく,小学校でもこのような光景がみられるのではないかと想像する。私は,子どもたちにどうやったら食べ物の「おいしさ」が伝えられるのかなと考えてみた。人にとってのおいしさは4つあることが講義でわかった。『生理的欲求に基づくおいしさ』『文化に合致したおいしさ』『情報に基づくおいしさ』『薬理学的なおいしさ』の4つである。子どもは大人の顔を見て,食べられるものもある。という話を聞いたが,毎日一緒に給食を食べる中で,教師自身が好き嫌いをせずに,食べることも重要になると感じた。そして,子どもが食に興味を持つような食育の授業を行うことはこれから,必要になってくると思った。今回,体験させていただいた「ミラクルフルーツ」の試食などは,子どもにとっては不思議でしかなく,食べるということに大変興味をもつ内容である。そのような体験を今回できたことで,自分自身味覚について興味を持つことができた。これを機に食育について改めて考えようと思った。



Fさん 

 味覚教育というものを初めて受けてみて感じたことは味覚って不思議だなということでした。それは化学物質の組み合わせの同じ物を食べて、大体の神経的な感度の同じ「味蕾」という部分で味を感じているにも関わらず、その味を判断するときに「まずい」のか「うまい」のかということが人によって違うということです。これらはその人の生きてきた中での情報や慣れというものが影響しているとのことでした。また、味覚といってもそれだけで成り立つわけではなく視覚や嗅覚などの影響も受けて味覚が成り立っているということも知りました。たとえば視覚の影響としては青色のご飯などはおいしくなさそうだし、食べても素直においしいとは思えないということです。よく言われている五感というものがありますが、その「視覚」「嗅覚」「触覚」「聴覚」「味覚」のなかでもこれほどまでに他の感覚との関わりのあるものはないのではないかと思い、不思議な感覚だと感じました。
 次に味蕾の数や場所についても知ることが出来ました。私は舌だけに味を感じる部分があるのだと思っていましたが、人間の味蕾は舌だけでなく上あごと喉の奥の方にもあるとのことでした。確かに飲み物は喉の奥の方で味わっているなということを講義を聞きながら感じていました。そしてもう一つ私が勘違いしていたことがあります。それは味覚地図が間違っているということでした。誰から聞いたのか覚えていないほど昔に、舌のどこら辺でどういう味を感じることが出来るということを教えてもらいました。ところが今回の講義でそれは間違っていると言われたのです。言われた時には信じられませんでしたが講義を聞き、実際に試食をしてみたあとに先生の説明を聞いて、実体験と共に味覚地図は間違いだと感じました。間違いだとわかったあとにこれまでで、苦いものをなるべく前歯で噛んで素早く呑み込もうとしたことや、甘いものを舌の先でころがしてなるべくおいしく食べようとしていたことなどが無駄な努力だったことに気付き無念でなりませんでした。
 味覚修飾植物についてですが、今後糖尿病患者や、過食に用いられるとのことでした。それはすごくいいことだと感じました。人間の味覚をうまく利用してこれからの糖尿病治療に喜びを与えたり出来るものとして大いに期待しています。しかし、味覚修飾物質がまだ人工的に合成できないことやミラクルフルーツの実がなるのに7年もかかることなど難しい部分は残っていると思います。これらを乗り越えたときには今食事を楽しめていない人たちが食事を楽しめる素晴らしい未来が待っていると思います。そして「酸っぱいものを甘く」だけでなく「苦いものを甘く」して薬を飲みやすくしたり、「苦いものをしょっぱく」して塩分の摂取を控えている人にも満足いく食事をしてもらったりするなどの新たな技術や成分の発見を夢見ることもできます。味覚についての理解を深めてこのような物質を合成できるようになる時が待ち遠しいです。
 子どもたちにも味覚についての話をしてあげられるようになろうと今回の講義のあと感じました。ナマズの味蕾は200000個もあってそれらが全身の皮膚についていることなど、普段感じている味というものを意識することが出来るよい教材になるのではないかと思っています。もし口以外にも味蕾があったらっていう想像も膨らんできっと楽しい授業になると思っています。また味覚修飾物質についてもいつか取り上げてその素晴らしさについて考えていきたいとも思いました。
 最後になりましたがお忙しい中私たちに新たな感動をご用意してもらったことにとても感謝しています。この講義で得たことを次につなげていけるよう頑張ります。とても楽しい90分でした。



Gさん 

 講義で一番印象に残っているのは、「知っている人がいないのなら自分で調べよう」と先生がおっしゃったことです。そして、自分の研究がだれかの役に立たないかと考え、行動にうつす研究への姿勢はすごいことだと思いました。そのような自分の興味が持てるテーマに出会えることもすごいことですが、それ以上にその発想がとても素敵だなと思いました。自分が教師になったときに子どもが自分の興味が何にあるのかを見つけるためにも、たくさんのことにふれる機会を作りたいなぁと思いました。そして子どもには、自分の納得がいくまで調べてみるという姿勢でいてほしいと思います。
 あと、例えがとてもわかりやすくて味覚についてすんなりと理解することが出来ました。鍵と鍵穴の関係の部分で味覚について抵抗なく受け入れることが出来たので、その後のギムネマやミラクルフルーツについても納得して聞くことが出来て良かったです。また、動物にとっての味覚の所でのコアラの例やライオンの例えについてもとてもわかりやすかったです。私も上手な例えが出来るようになりたいと思いました。
 私が講義内容で興味をもったのは、人間だけにある扁桃体です。動物は生きていく上で自分の役に立つものしか食べないことが分かりました。大昔の人間も生きていくために食べていたと思います。しかし最近の人達は、生きるために食べているという気がしません。だから、体に良くないものも食べます。私も、ケーキが好きだし、カップ麺も食べます。実際に生きていくために食べるのは難しいし、わたしは扁桃体がなければいいとは思っていません。だから人間だけが持っている扁桃体に、感謝しなければいけないと思いました。体のことを思って食べることは大切だけどたまには息抜きも必要だし、上手に食と付き合っていくことが大切だと思いました。そのことを、教師になったときに子どもに伝えていきたいと思います。
 あと授業中に味覚が9〜12歳で出来上がってくることを知り、その大事な時期にかかわる自分は食べるということに対して子どもに伝えていかなければいけないと思いました。好き嫌いはその子の一生を決めてしまうので、家庭でない場で食について教えてあげることのできる学校という場で教えることが大切だと思いました。
 また、味覚修飾植物にはもっと活躍してほしいと思いました。私は、この講義を聞くまではギムネマやミラクルフルーツについて何も知らなかったし、レモンにはそんなにビタミンCが含まれていないことも知りませんでした。実際、知らなくても困ったことは特になかったですが、講義をきいた後で改めて食について考えることができたし、味覚についての知識を得たことで食べるときの楽しみが増えた気がします。だからこの後も時々は、味覚について知識を増やしたいと思いました。
 今回の講義では、聞くだけでなく体験することができ、とても印象に残っています。ギムネマやミラクルフルーツなど日本ではなかなかすることのできない体験をさせていただきありがとうございました。最後にミラクルフルーツで終わることが出来て良かったです。




■大学院

Aさん 

 味を感じる仕組みを知ることができた。舌が味を感じさせる重要なものだという知識しか持っていなかった。しかし、「味蕾」というものが味を判別させているのだと知り、自分の舌を観察してみた。舌だけでなく、鼻や喉にも味蕾がある。このことから、なぜそばを日本人がすすって食べるのか納得することができた。鼻から香りを楽しみつつ、鼻においても味を楽しんでいるという先人の知恵に気づき驚いた。
 動物の味覚に関して考えたことがなかった。草食動物か肉食動物かによって違う。これは生きるための進化なのである。食べることが生きることである動物にとって、食は一番大切なものだと考える。食べている時に逆に食べられてしまったり、食べなかったからといって死んでしまったりしては、厳しいサバンナの世界では生きていけない。また、目のつき方や色、体つきなど生きていくために進化している。そう考えれば、舌も同じように進化していくことは自然なことである。特に肉食動物に関しておもしろかった。肉食獣のフルコースの話である。個々が好きなところから食べていくのではなく、生きていく上で役に立つ物がおいしく、そこから食べていくというのが動物の味覚というのは非常に興味深いものと思った。
 好き嫌いのメカニズムに関して、好き嫌いが激しい知り合いに教えた。その人は、このことを聞いて好き嫌いの激しいままでいいと言っていた。この発言から本人は全く危機意識を持っていないことがわかった。問題である。好き嫌いに関しての危機意識を持ち、克服しよう、克服したいという強い意識と覚悟が必要である。昔からの癖を直すことが難しいのと同じである。それより難しいことかもしれない。周囲の働きかけで考えが変わってくれることを願うばかりである。
 ここでふと自分のことを考えた。私はここ一年でトマト嫌いを克服したばかりである。ぐにゃっとした食感が無理でたべることができなかった。しかし、トマトを目にする機会が増えたことで食べてみようという気になった。やはりそれは周りの影響であった。そこでおいしいトマトに出会えたことが克服する上で重要だったのかもしれない。つまり、好き嫌い克服には周囲の働きかけとおいしさなのである。加えて、舌も成長すると聞く。確実に幼少期には食べられなかったものが食べられるようになった。野菜全般があまり好きではなかった私であるが、今では好んで食べるようになった。「舌が成長」、これはどのようなメカニズムなのであろうか疑問である。
 今の私は好き嫌いなく、何でもおいしく食べ物を食べることができる。これは非常に幸せなことである。ありとあらゆるものが社会で出回っている。手に入らないものはないというくらいの世界になった。死ぬまでに何種類の食べ物を食べることができるのだろう。「食べる」ことは「生きる」ことである。「食べる」という行為は、コミュニケーションの一種と考えることができる。おいしいものを「おいしいね。」といいながら大切な人と話しながら食べることはこの上ない幸せである。一緒に食べていると、言えなかったことが自然と言えることもある。これからも私は「食べる」ということを大切に考え、感謝の心とともにいただきたくことを意識しようと思った。そのことの意識が、将来教師になった時の給食指導につながり、関心が向けられている食育が延長線上にあると考える。



Bさん 

 島村光治先生の講義を聞いて、味覚や食べることのとらえ方が変わりました。いろいろな角度から、味覚、食べることを発見できる1時間半であっという間でした。
 最も驚いたことは、「苦い味が大人になるとおいしく感じることに理由があった」ということです。赤ちゃんには味蕾がたくさんあり、毒や腐敗物である酸味や苦味を強烈に感じ、吐き出し身を守る仕組みがあるということでした。大人になり、すべての苦味が毒でないことを知るからその経験と味蕾の数の変化からピーマンやコーヒーが美味しく感じるようになるという話でしたが、今まで疑問に思っていたことがわかりすごくすっきりしました。それとともに、このことを苦い物が苦手な子どもや友達に話してあげたいと思いました。ピーマンを苦手な子は多いと思いますが、それにはちゃんと理由があると伝えた上で、小学生は大人になるために日々ものすごく成長しているときだから、一つずつがんばって克服していこうということを話して、将来教員になったとき、食育をしていきたいと思いました。
 また、人にとって味覚は、代表的なものとして5種類あるとのことでした。甘味は糖のシグナル、塩味がミネラルのシグナルということはなんとなく納得しましたが、酸味は腐敗物、熟していない果実のシグナル、苦味は毒物のシグナルということは想定外でした。たしかに言われてみると納得はできるのですが、すごく野性的な生活を思い浮かべてしまいました。『エルマーと竜』シリーズの物語があります。その中でエルマーという男の子は竜と冒険するのですが、途中でみかんの実を見つけてたくさん食べます。酸味の話を聞いて、その物語を思い出しました。そして苦味は毒物のシグナルという話を聞いてアマゾンやアフリカのジャングルを思い浮かべてしまいました。それくらい私にとって腐敗物や毒物は、意識しないと遠い世界の話に感じました。しかし、改めて考えてみると賞味期限切れのプリンやパンを食べるときににおいを嗅ぎ、かじってみて酸っぱいような気がしたら、とりあえず食べることはやめてみるといった行動を自然にとっています。まだまだ私にもそういった感覚、本能のようなものを生活に使っていると実感できる時間でした。
 それから、ライオンにとって一番美味しいものは生きるために必要な小腸で動物が食べた植物が濃縮された野菜ジュースのようなものだというお話もすごく魅力的でした。すぐに、理科の学習に取り入れていきたいと思いました。コアラはユーカリの葉を食べ、敵が生活しにくい場所で生活し身を守っていることやユーカリの毒を消化するためとユーカリにはカロリーがあまりないので一日20時間寝ていることなどわかり、食事が生活スタイルそのものに密接に関係していることがわかりました。これを人間に置き換えても、同じではないかと思いました。南ヨーロッパの国(スペインなど)では、ランチにワインを飲むのでシエスタがありますし、アメリカの食事と日本の食事を比較すると体形に差があると思います。寒いロシアでは、高カロリーのものを食べると言いますし、地理的要因に食事が密接に関わり、それによって私たち人間の文化も決まってくるのかもしれないと感じました。
 すごく面白い1時間半でした。これらの話をうまく授業や朝の会で生かしていけるようにさらに学びを深め、簡潔に話せるようにしたいです。



Cさん 

 考える事が非常に多い講義でしたが、特に味覚がなくなる体験は、非常に興味深く、私は、ギムネマを噛んでから、ヴェルタースオリジナルという正常な時に食べたら、非常に甘い飴を舐めました。配布プリントを読んで、甘味が消えるものだとわかっていましたが、ここまではっきり効果を感じられたことに驚きました。甘味がまったく感じられなくなり、塩のしょっぱさとバターの脂臭さだけが舌に残り、気持ち悪くなって吐き出してしまいました。体験してみることで、正常な味覚を持っていることがいかに幸せかを実感しました。実は私自身、7年間喫煙をしていて、禁煙して3カ月になるのですが、最近味がはっきり感じられるようになりました。これは舌の表面がヤニで覆われる事で味を感じにくくなってしまっていたことが原因にあるのでしょうか。何を食べても美味しく感じます。
 また、好き嫌いのメカニズムでは子どもが癖のある食べ物が嫌いな背景にはきちんとした理由があることも興味深かったです。苦い食べ物に対して、危険を感じる資質を生まれながらに持ち合わせている人間の体は、本当に良くできているなと感心してしまいました。人形の足の裏に苦みを感じる物質を塗ることで、子どもの事故を防ぐなど実際の生活にも取り入れられていることが素晴らしいと思いました。私も子どもの頃はピーマンが大嫌いだったのですが、社会の苦みを感じながら成長していくなかで今では好物の一つになりました。勿論、ビールも大好きです。
 島村先生の講義のなかで、現代の日本においての食事は、人間の生理的な行為とだけ捉えられるものではないことを改めて感じました。そこには、栄養の摂取だけではなく、味を楽しむというように食事そのものが生活の楽しみになっているのだと思いました。現代の加工食品やファストフードに頼りがちな食生活が味覚の観点からも危険であることがということが身を持ってわかりました。味覚修飾植物が実際に医療の現場で役立っていることは、食べたい欲求を満たすことで、治療の励みにもなるのではないかと思います。
 最後に、「先生の体験しなければわからないことは全員にやってもらう。誰か代表者が体験しても全員には伝わらない。」という独自の明確な意思を持って、授業を創るという姿勢は教育者を目指すものとして、非常に参考になりました。実際に体験しなければ、わからないことは、多くあるということに改めて気付きました。
 機会がありましたら、自分の赴任した学校でも是非講演していただきたいです。ありがとうございました。



Dさん 

 今回の講義では、ミラクルフルーツやギムネマを実際に試食することによって、味覚障害を実際に体験することからはじまり、動物の味覚を感じるしくみや、味の種類、ミラクルフルーツやギムネマの味覚に対するメカニズムを学習した。そこでは、私の知らない単語や、内容が多くとても勉強になったので、そのなかでも特に興味を持った内容を述べる。
 まず、ギムネマを舐めたことにより、甘味に対する味覚がなくなって、甘い飴がしょっぱくなったのだが、それを説明するには味蕾のしくみを理解する必要があることがわかった。味蕾とは味を感知するセンサーのようなもので、のどや上顎、下に存在する。味蕾には甘味には甘味の、酸味には酸味の鍵穴のようなものがあり、そこに甘い物質などが引っ掛かると甘味を感じるようになる。そこでギムネマに話を戻すと、ギムネマはその甘味の鍵穴をふさいでしまう作用があり、甘味が舌を通っても鍵穴に入らず甘味が感じないのである。この実験では甘味が感じなくなるというよりも、味覚障害を体験することが出来るという点で非常に興味深かった。つまり、味覚障害について、多少に知識はあるにせよ、あまり関心や興味がなかった者にとって、甘い飴を舐めてもまずいという体験をするということは、味覚障害者に共感することが出来るという面で非常に重要であろう。知識でとどまらず、実践することで味覚障害者の共感を作り上げることが出来る。共感は教育において非常に重要なことで、わかるといっているだけでは絶対に相手に共感を得られていると伝えることが出来ない。実践によってその認識をしやすく出来るということが、この体験を通して暗に主張していたのではないかと思った。また、味覚障害は、決して他人事ではなく、ファストフードや加工食品を食べ過ぎていると、亜鉛の不足により、味覚障害を起こしやすい。これはファストフードや加工食品に頼っている人も多い現代では、軽視してはならない問題だろう。
 また、動物によって味蕾の数や場所が異なり、ハエには手、ナマズには体全体にあることを学んだ。ハエは血を吸う前に手で味を確かめたり、ナマズは体全体で味を確認することによって、川の中の様子を感じていることがわかった。他にも、鳥には味蕾が20くらいしかない。それは、鳥はつつくことで食べるものを確認する能力があり、また味蕾が多いと、それを処理するための脳を大きくする必要があり、飛ぶことが出来なくなってしまうからである。つまり、動物によって味覚の使い方や食のあり方が違うのである。それは、その動物によって、生活する環境や食べるものが違うからであり、逆にその環境や食べるものによって味覚のしくみが変化していく。例えば、人間の別腹という概念は、通常の動物では食べ過ぎると逃げ足が遅くなってしまうから、別腹という概念はないのだが、人間には存在する。それは、猿や人間には敵が存在しないため、敵から逃げる必要がないからである。
 最後に、講義ではミラクルフルーツを試食してからレモンジュースを試飲して、ミラクルフルーツはレモンジュースなどの酸味を甘味に変える作用があることを体験を通して学んだ。その仕組みは、ミラクルフルーツの成分が酸味の成分とくっつき、酸味ではなく甘味の鍵穴に入るような形となり、甘味を感じるようになるのである。つまり、ギムネマを先に舐めてしまうと、ミラクルフルーツを舐めてレモンジュースを飲んでも甘くはならないのである。ミラクルフルーツがある西アフリカでは、酸っぱいお酒があるようだ。それにはミネラルが多くふくまれ、そのお酒を飲むことにより栄養素をとっている。しかし、そのお酒が酸っぱいため、飲みづらいのである。そこで、ミラクルフルーツをそのお酒を飲む前に舐めておくことにより、そのお酒を甘いと感じることができ、お酒を飲みやすくなるのである。これはとても興味深い。必要な栄養素をとるために味覚を変えるというのは、これまでの調理の歴史をみても行われてきた。しかしそれは調味料などを利用することによって食材の味そのものを変えていたのだが、このミラクルフルーツは味を感じる人間自体を変えているようなイメージを受ける。実際は食材の酸味成分と結合して味が変わっているので、そうとは言い切れないが、ギムネマに関して言えばまさしく人間味覚そのものを一時的ではあるが変えている。どちらにしろ、今までに見たことのないような、味覚に対するアプローチであったので、大変面白かった。それはつまり、必要な栄養素を摂取するために、それを摂取する人がストレスを受けずに摂取する方法として、ミラクルフルーツやギムネマなどのしくみを活用するというアプローチがあるということであり、そのアプローチが今後の食の健康につながるのではないかと思う。食と味は切っても切り離せない重要な関係にあることを改めて実感した。



Eさん 

 今まで人間の味覚は、たばこの影響などで多少味を感じにくくなることはあったとしても、味を感じなくなるという大きな変化はないものだと考えていました。それは、ソムリエなどが味を批評する様子をテレビで見ていて、「人間の味覚は鋭敏であり、揺らがないもの」という意識があったためでした。また私自身、日常生活をおくるうえで「いつもと味が違う」ということは、ほとんど感じたことがなく味覚は絶対的なものと思っていました。しかし漫画を読み、簡単に揺らいでしまうものなのだと感じました。ギムネマを食べるだけで、いつもは美味しいと感じられるチョコレートや飴が、全く違う味に感じられてしまうということは大変驚きました。そのような状態が継続して続くとしたら、大変苦痛な状態であり日常生活にも大きな支障が出るのではないかと思います。
 また今まで味覚障害は、病気療養中の人など特殊な状況下におかれた人がなるものという意識がありました。しかし、亜鉛不足になると簡単に引き起こされるということを知り、案外身近な疾病であるということに気が付きました。私は普段、亜鉛という栄養素を意識することがなく、どのようなものに含まれるものかということを知りません。そのため、亜鉛不足で味覚障害になることは十分に考えられるのではないかと感じました。
 忙しい毎日の中で、おいしく食べることについて喜びを感じることは少ないです。しかしその喜びが奪われてしまうということは、生きるうえで大きなストレスを招くことになると感じます。今の子供たちはカロリーを意識することはあっても、栄養素に注目することは少ないと感じます。長い人生をよりよく生きるために、家庭科で栄養についての知識をしっかり身に着けることが必要なのではないかと考えます。指導の際には、単に栄養素についての知識を教えるのではなく、栄養素が不足すると体に様々な悪影響があるということを意識させて学ばせなければと感じました。
 また味覚を感じる部位は味蕾であるということは知っていたのですが、講義資料図3の味覚地図は誤りであるということを知りました。そして、人間の味覚は体に害がある/ないを選別するものであるということを初めて学びました。子供が野菜嫌いであるということはよくありますが、それは生得的に身に着けている反応であるということは驚きでした。無理に食べさせようとすることよりも、「美味しいものである」「栄養のあるものである」ということを学ばせるために、まずは大人が美味しそうに食べる様子を見せることが重要なのではないかと考えました。
 マンガの中でも書かれていましたが、体験実習は大変インパクトのあるものだと思います。家庭科という教科は子供たちが体験実習を多く経験できる教科だと考えます。ただ体験させるのではなく、島村先生のようにそこからなにを学ばせるかということを意識して行えるよう授業を組み立てたいと思いました。



Fさん 

 味覚について普段あまり考えることはない。ただ目の前にある者を噛み、飲み込んで食すことを繰り返している。テレビで味覚実験をしている番組は観たことがあった。その時に「本当に味が変わるのか」と思ったのが本音である。しかし、実際に体験してみて本当に味が変化し驚いた。そして、島村先生の講義を通じて今まで考えることのなかった味覚の世界を知ることができた。
 味を感じる舌のしくみがこのように複雑な構成になっているとは思っていなかった。「人間は舌の先や奥で味を判断している」という言葉を耳にする。しかし、この話は実験によって全くの嘘だと証明されていることが分かった。味は味蕾によって判別される。味蕾の数は生き物の特徴によって違う。人間はのどにも味蕾がある。ハエやチョウは手に味蕾があり、ニワトリやヘビは味蕾が少ない。人間は年齢によって味蕾の数が違うことは驚きであった。大人になるにつれて味蕾の数が減っていく。小さい頃の印象によって好き嫌いが決まり、それぞれの好き嫌いの話は興味深かった。小学生にとってピーマンは嫌いな食べ物の上位である。私は昔からピーマンを食べられるが、よく給食で出るピーマンを嫌がっていた友達が多かったことが懐かしい。ところが大人になるとほとんどの人がピーマンを食べられる。講義で先生が私たちに問いかけた時もそうであった。小さい頃は苦い味が嫌いなようである。コーヒー牛乳は飲めるが、コーヒーは飲めない子どもは多い。少し大人になって「ビールは苦くてあまり好きではない」という人もいる。それが段々と年が経つにつれ、コーヒーやビールをおいしいと感じるようになる。私は今でも苦い味があまり得意ではない。コーヒーは砂糖を何本も入れないと飲めず、コーヒー牛乳の方が好きである。ビールに関してもあまり好きではない。どうやら私はまだまだ子どものようである。しかし、嫌いな食べ物はほとんどない。すぐ思いつくのがレバーぐらいである。嫌いな食べ物が少ないことは両親に感謝したい。食生活は親の影響が大きい。私の父、母ともに好き嫌いがほとんどない。そのおかげで私も現在に至る。どうしても親が嫌いな食べ物は子どもに情報がいく。私の知り合いでも「家族揃って牛乳が飲めない」「家族全員が魚嫌い」といった例がある。この情報に関しての内容もなるほどと思った。よく正月に「芸能人格付けチェック」という番組が放送される。先生もおっしゃっていたが、多くの芸能人がワインの飲み比べを間違える。一般的には安いワインの方が飲みやすく高いワインの方がクセがあるとされている。私は全くワインを飲めないため、味の違いもよく分からない。行列ができる店においても情報が味覚の影響を与える。人がいるから、おいしいだろうと期待し店に入る。その味に満足するかは人それぞれであるが、ごく稀に思ったよりもおいしくない店がある場合もある。失礼かもしれないが誰でもこのような経験があるのではないだろうか。色も食事に関係している。赤色は食欲をそそる。イクラやマグロを思い浮かべたが、飲食店の看板は思わず笑ってしまった。考えてみると赤色の看板を使用している店は多い。上越の町もそうである。焼き肉屋、寿司屋で特に多い。
 ミラクルフルーツ、ギムネマの実験は忘れることのない経験となった。テレビ番組で知った情報を子どもに話すよりも実際に経験したことを伝える方が意味がある。この二つを勝負させるとギムネマが勝つことも心に留めておきたい。舌が健康であるから甘味を感じなくなる。いつまでも健康を保ち、今後新たな驚きを与える植物の発見、活用に注目していきたい。



Gさん 

 ミラクルフルーツやギムネマの実験を通して、人間の舌の構造はとても不思議だなと感じました。ギムネマを食べた後の甘さを感じない不思議な体験をしたり、塩味系の飴はしょっぱさしか感じないと聞きました。今まで出来上がった味をそのまま舌で感じているのかと思っていましたが、味を判別する味蕾は、甘さ、しょっぱさ、苦味などそれぞれ種類ごとに感じているのだと初めて知りました。また、味蕾の数は、いろいろな食べ物を食べる人間が当然一番多いものだろうと予想していたけれど、実は、目が利かないナマズが圧倒的に味蕾の数が多いと聞きショックを受けました。味蕾は食事の味を感じるためだけに存在するものだと思っていたのだけれど、ナマズは、味蕾を使って敵が近付いてきたのを感じると聞き、きちんと味蕾が多いなりに理由が存在するのだと、面白いなと感じました。けれど、やっぱりナマズに負けた気がして悔しく思います。ライオンの話では、今まで肉ばかりを食べる動物とばかり思っていましたが、実は内臓に植物のエキスが含まれているので、そこから食べると知り、どの動物も実は、肉食も草食もなく栄養バランスのとれた食事をしているのかなと感じました。私は野菜を中心にほとんど食べられる物がなく、炭水化物だけ食べてれば生きていけると思っていましたが、便秘をきっかけに、バランスよく食べることが大切だなと思いなおし高校時代に少しずつ好き嫌いを少なくしていくことができました。ライオンの話を栄養と結びつけて、子どもの考え方を変える助けになるのかなと感じました。また、私のように極端な偏食の子の健康を守るために、ギムネマやミラクルフルーツのように、味覚を変えるような技術が開発されたなら、食べられないものを違う味で楽しく味わうことができるようになったり、好き嫌いを直すきっかけになるのではないかと思いました。
 人の味覚の種類の話では、種類ごとに舌の感度が違うのだと知り、塩味の感度をより感じるようにすれば、味の濃い食事が減り、生活習慣病の患者を減らすのに役立つのではないかと思いました。また、子どもは、苦味により敏感なので、リカちゃん人形の靴に苦味成分が塗ってあり、赤ちゃんが吐き出すようにしているというのは、初めて知り、おもちゃ会社にも味感が活かされており、とても驚きました。
 体内で欠乏した栄養素はおいしく感じるという話は、私の生活の中でも思い当たる節がありなるほどと思いました。ポカリスウェットは、山に上った山頂で飲み比べて、一番おいしいものを商品化したと聞き、味覚は科学的にいろいろ解明されていても、やっぱり、最後は人間なのだなと思いました。また、ポカリスウェット等のスポーツドリンクを普段飲んでもおいしくないのは、人間に欠乏した栄養素がおいしく感じる仕組みがあるからなんだと思いました。けれど、私は、中学まで変色でかなり栄養素が不足していたけれど、嫌いなものをいつ何時に食べてもおいしく感じなかったのはなんでなんだろうなと疑問に思いました。さらに情報に基づくおいしさというのは、これは分かっていても影響を受けてしまうなと感じました。私はよく限定品に飛びついたり、減っている商品の方がおいしいのかなと買物をしてしまうけれど、この様なことも味覚に影響しているのかなと思います。
 今回の講義を聞いて、味覚というものは色々な要素や仕組みが関連して感じているものであり面白いなと感じ、味覚に対しての関心が高まりました。また、ギムネマ等の体験を通じて、今までは味覚障害に対してあまり関心もなかったし、イメージも湧かなかったけれど、おいしいと感じることができないということは、こんなにも辛いことなんだと感じ、少し理解を深めることができよかったです。