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■ 参加者の御感想


参加者の御感想

2010/05/06に実施した岐阜市立女子短期大学 食物栄養学科 2年の皆さんのレポートです。

講演風景1 講演風景2



Aさん 

 今回の講義で驚いたことは多くありましたが、一番驚いたことは味蕾の数です。成人と比較してウサギや牛の方が味蕾の数が多いということ、舌全体に7割、残りの3割が上あご・のどに味蕾が存在することに驚きました。味蕾の数が生き物によって異なり、その生き物の生活や生息場所に適していることを知りました。
また、乳児期には12000個あった味蕾が成人になるにつれてどのように減少していくか、なぜ減少していったか。というところに興味を持ちました。
 人にとっての味覚は、甘味・塩味・酸味・苦味・うま味の5種、うま味でもグルタミン酸ナトリウム・イノシン酸ナトリウム・グアニル酸ナトリウムがあり、「うま味」と一言で言い表すことはできますが、「どのように違うのか。」と問われると難しいと思います。このことから、これらのうま味を発見した人の味覚はすばらしいと思いました。また、昆布・鰹節・干ししいたけが代表的ですが、他の食品にも新たなうま味は存在するのか。しないのか。という点にも興味を持ちました。
 味覚について知ることの重要性を今回の講義でより理解できたと思います。
加工食品・ファストフードが便利なので頼りがちになっていたと反省しています。味覚障害の方が年間24万人だということで、「自分は大丈夫。」といった考えは甘いと思いました。食物栄養学科で食について学んでいるからこそ、今よりも自分の食生活を見直す必要があり、また、食生活を通してもっと健康について考える機会になったと思います。
 今回、味覚体験としてミラクルフルーツとギムネマを体験しましたが、自分の味覚が正常ということが証明されたので安心しました。その反面、人間の舌は葉っぱ1枚で甘みが感じなくなるということに驚き、とても敏感なのだと思いました。チョコレートの甘みを感じなくなる味覚障害を体験し、味覚の大切さ、食事は生きていくうえでの楽しみの一つだと思うので改めておいしく食事ができることが幸せなのだと実感しました。
また、ミラクルフルーツが今後、より発展していけば糖尿病の患者さんにも多く利用でき、糖尿病という理由で制限されていたものの代用が広がればと思いました。
 文献より、「無味症、独立性無味症、片側無味症、錯味症などがある。味覚障害は全身状態による影響を受けるだけではなく、味覚伝導路、中枢神経障害によってもおこる。」とありましたが、亜鉛欠乏の他に原因があることを初めて知りました。

参考文献
大学課程の生理学/山本敏行 田崎京二 鈴木泰三 共著/南江堂(2008年)



Bさん 

 今回、島村先生のミラクルフルーツとギムネマの講義を聞いて、驚いたことや初めて知ったことがいくつもあった。
 まず、味を感じる仕組みについて、舌にある味蕾が食べ物の味を感じているということは知っていたけれど、その味蕾がどのようにして味を感じているのかということについて理解することができた。鍵穴が埋まると、スイッチが入り電気信号として脳に伝えられ味がわかるという、鍵と鍵穴の関係の例えがとてもわかりやすかった。味蕾の数は、大人で6000〜9000個、赤ちゃんは12000個ほどだと聞いて、私は、今回の講義を受けるまで味蕾の数は大人の方が多いと思っていたので驚いた。大人になるにつれて味蕾の数が増え、そして発達していく、だから大人になるにつれて食の好みが変わったりする。そう思っていた。大人は、多くの経験と学習から、これを食べたら良い、悪いということや、これはおいしくないといった知識があるし、見る、聞く、味わう、匂いを嗅ぐ、触るといったように五感をフルに使うことによっておいしさを感じていることもあり、大人の方が味蕾の数が多いと思い込んでいた。しかし、それは私の勝手な思い込みだったと分かった。
 実際にギムネマを食べてから砂糖とチョコレートを食べたとき、舌全体にギムネマをこすり付けなかったから、少し甘さを感じた。ミラクルフルーツの時も同様に少し酸っぱさを感じた。このことから味覚地図が間違っているということがわかった。また、そこで普段当たり前のように食べている甘い物も、甘さがなくなってしまうと全く違う食べ物のようになってしまったし、味覚障害になってしまうといかに大変であるかということや、味を感じることの大切さに気づくことができた。炭酸飲料を飲んだときに喉がスカッとすることや、お年寄りが入れ歯をしたことによって味を感じにくくなることについて、それは舌だけでなく、上あごや喉にも味蕾が存在するからという理由を知って納得できた。
 糖尿病の患者さんが甘いケーキやお菓子を食べても大丈夫なように、そのまま食べると酸っぱいが、今回使用したミラクルフルーツの錠剤を舐めてから食べると甘く感じるスイーツなどが出来れば、患者さんが見た目でも味でも満足できるから、そんなものができたらいいなと思った。これは、糖尿病の患者さんだけでなくダイエットが必要な人にも有効だと思う。このミラクルフルーツの錠剤が身近になって広まっていけば、現代の食生活に何かしらの変化を与えられるのではないかと思う。また、まだ課題は多くあるかもしれないが、副作用のある人工甘味料に変わって安心して使うことのできる甘味剤がミラクルフルーツなどの自然のものから作られ、そしてそれが広まっていくと良いと思った。
 今回の講義を受けて、今まで知らなかったことも知れたし、味を感じることの大切さを実感することができました。貴重な体験ができてよかったです。ありがとうございました。



Cさん 

 私は島村先生の講義を聞き、初めてミラクルフルーツとギムネマという言葉を耳にしました。そんな無知の状態でしたが、すぐにギムネマの試食から始まり、先生の言っていたことを実際に体験することで味覚修飾植物のすごさを感じました。私はギムネマを上手く舌全体にこすりつけることができていなかったせいか舌の奥の方では甘みを感じました。しかし逆にそのおかげで、より味の感じ方の違いがわかり感動しました。砂糖は砂の粒を食べているようだし、チョコレートはまさに粘土という言い方がぴったりだと思います。島村先生はこれを「味覚障害の疑似体験」と言っていましたが、本来の味を全く感じることができなくなってしまったらどんなにつまらない食生活を送っていかなくてはならないのだろうか…と思わず考えてしまいました。ですが近年そんな味覚障害にかかる若者が急増してるというから驚きです。しかし味覚障害はファーストフードや加工食品に頼りすぎた食生活からくる亜鉛不足が原因だと聞いて、まさにファーストフードなしでは語れない現代の若者の食生活を考えると、納得してしまいました。
 また、講義の最後に行ったミラクルフルーツタブレットの試食では、酸味を強く感じたレモン果汁入りプレーンヨーグルトと100%グレープフルーツジュースが驚くほど甘くなっていて、あんなに小さなタブレット一粒でこんなに舌の味覚は変わるのかと思いました。
 今回試食をさせてもらったギムネマやミラクルフルーツ、他にも講義で紹介してもらったクルクリゴやストロジンなどの味覚修飾植物は今後、糖尿病患者や肥満者が糖分をとらずに甘い思いをできるようにしたり、またこれは私が思いついたことなんですが、苦味抑制物質を用いて、子供でも苦い薬を飲むことができるようにしたりと、どんどんと発展していくことで人の役に立ち、特に生活習慣改善の手助けになるのではないかと非常に思います。そしてこのような味覚修飾植物の存在について、より多くの糖尿病患者や肥満の方々に知ってもらうことで、甘いものを制限しなければならないというストレスを少しでも軽減させてあげることができるのではないかと思いました。そうすれば、治療やダイエットにもより前向きに取り組む意欲がわく人が増えてくるのではないでしょうか。
 また私はこの味覚体験を、ぜひ小学校の子供たちやその親たちにたくさん体験してもらえたらと感じました。前記に味覚障害にかかる若者が急増しているとありましたが、子供のうちから味覚障害の疑似体験をすることで、ファーストフードや加工食品を食べすぎるとこうなるんだよということを知ってもらうことができますし、子供の親も疑似体験をすることで、少しでも日々の食事内容を見直し、改善をしていこうという気持ちになってもらえるかもしれないと私は考えています。
 まだまだ味覚修飾植物について詳しく知る人は少ないと思いますが、今後間違いなく大きな社会的ニーズをもたらすものであることは間違いありません。今はミラクリンを生産する組換えレタスの開発に成功したりと、少しずつ研究が進められていっているので、近い将来いろんな場面で活用され、人々の役に立っている味覚修飾植物のニュースなどを目にする日がきたらなあと待ち遠しく思っています。

参考文献/ウェブサイト
◎「酸味を甘味にかえる味覚修飾タンパク質」を生産する組換え植物の開発について
http://www.tsukuba.ac.jp/public/press/040910.pdf#search='ミラクリン 研究'



Dさん 

 今回の島村光治先生の講義を受け、味覚がどれほどQOLに関係してくるか実感しました。今まで食物栄養学科の生徒であるため、亜鉛不足が味覚障害に陥ることも知っていましたが、実際にギムネマを噛んでから食べた砂糖は砂のよう、チョコレートはバターのような味がしたため、二度と食べたくないと思いました。味覚障害を持つ人々が日々の本来は美味しいはずである食事をあのように感じているということが分かり、今まで軽視していた味覚障害ですが、あらためてその重大さを認識したいと思いました。将来、栄養士を目指している者として人にはこの障害に陥ってほしくはありません。しかし、亜鉛を多く含む食品をあまり好んで食べなくなっているのも現実なので、亜鉛を多く含んだ食品をおいしく、食べやいような工夫をした料理を考えたいと思いました。
 味覚修飾植物の応用法での、ミラクルフルーツの糖尿病患者への適用はとても興味の惹かれる内容でした。この適用を聞き、糖尿病患者だけでなく、肥満・メタボリック予防やダイエット食品として出来るだけ安価な値段で販売してほしいなと思いました。甘いものの代わりに酸っぱいものを食べることにより、酸っぱいものに多く含まれているビタミンCを多く摂取することが出来るからです。なぜビタミンCかというと、ビタミンCには抗酸化作用や肌の状態を健康的に保つことが出来るなど様々な利点があるためです。
 ギムネマを食べた後に甘いものを食べると大変不快な味がするため、こちらも甘いものを食べることを控える必要がある疾病を抱える患者に適用してみる価値はあると思います。患者は気持ち的には良い思いしませんが、本人が甘いものは食べたいが食べてはいけないと自覚し、自分の欲求を抑えたいという願望があるのならば食事治療の一環として与えてみることも試してみるべきだと思います。
 今までにも味覚について調べる機会があり、特に味の好みが人によって異なるのはなぜかを調べ、子どもと大人は味の好みが違うということが分かりましたが、それが何故そうなのかはわかりませんでした。しかし、今回の講義を受け、子どもはまだ知識がないため、どれが食べても良いもので、どれが食べたら体に害のあるものか分からないから、味に対して敏感で、かつ腐敗物を示す酸味のある食べ物や毒物を示す苦味のある食べ物をあまり好まないからという理由を知り、なんだか納得させられました。今回の講義の内容で一番驚いた事は、ハエや蝶には手に味蕾があるという事です。犬や猫は動物であるため、舌があり、もちろん味蕾があるというのは当たり前のように感じますが、虫にまで味蕾があるなんて思いもしませんでした。その事だけでも驚きだったのに味蕾があるのが手にあるなんて驚きを通り越してショックでした。また、人間は目で見て、それを食べる事が出来るか・出来ないか判断できる知能があって、本当に良かったと思いました。もし、人間の手に味蕾があったら常に様々な味情報が入ってきて、日常生活に支障が出てしまっていたことでしょう。人間が食べる事をナマズが自分の身を危険から守るためなど味蕾が生物にとって重要な役割を果たしているということが分かり、これからは食事を食べるのも、ただ口に含み飲み込むだけでなく、ありがたみを持って味わって食べたいと思いました。



Eさん 

 今まで味覚については、1年生の時の講義や実験等で調べたり、学んだことがありました。その時、私は本やホームページ等で味覚地図を調べたのですが、どれも異なった情報ばかりででよく分からないままになっていました。しかし、今回の講義を受けて、やはり様々な味(五味)は舌全体の味蕾、または軟口蓋(上あご)や咽頭(喉)にある味蕾で感じ取っているということがわかりました。つまり、味覚地図は間違いであったということが明らかになりました。また、その味蕾の数が成人よりも赤ちゃんに多かったり、ナマズに至っては200,000個もあると知って驚きました。味の感覚を敏感にするには、訓練や経験をどれだけ積んできたかということが重要であり、味蕾の数は関係ないということもわかりました。さらに、蛇は2〜3個、にわとりには約20個と味蕾の数がとても少ない生物もいると知って驚きました。
 動物にとっての味覚は人とは違い、生きていく上で役立つものだけがおいしいと感じるそうですが、私たちの場合、様々な情報や見聞から、つまり“経験と学習”が人にとっての味覚になります。また、それによって変わってくる好き嫌いのメカニズムを聞き、自分に置き換えて考えてみました。私はパイナップルが苦手なのですが、元々母親もパイナップルが嫌いであまり食べなかったということと、初めて食べたパイナップルが口に合わなかったのがきっかけで苦手になりました。その後、克服しようといくらか努力したのですが何度試しても、どうしても受け付けませんでした。しかし、缶詰のパイナップルではなく、いつか沖縄やハワイにあるような天然のおいしいパイナップルを食べれば、克服することができるのかなと思いました。人によっておいしいと感じるかも様々であり、様々な要因があるということがわかりました。
 近年、亜鉛の欠乏によって起こる『味覚障害』が若者の間で多いとありましたが、亜鉛というのは基本的にどの食品にも含有されているため、普通の食生活をしていれば、まず欠乏するということはありません。しかし、無理なダイエット等で栄養の偏った生活をしていると亜鉛不足となってしまうため、常日頃から、バランスの良い食生活をすることが大切になってくると思いました。ギムネマで実際に疑似体験をしてみて、改めて味覚障害の恐ろしさを感じました。また、ミラクルフルーツを使った実験では、酸味とミラクルフルーツに含まれる“ミラクリン”という物質が結合して甘味の鍵穴に入り込むことによって、酸味が甘味に変わってしまい驚きました。酸っぱいレモンも2杯も飲んでしまうほどでした。ギムネマやミラクルフルーツのような植物を『味覚修飾植物』というそうですが、これを応用していくことができると私も思いました。やはり、糖尿病患者さんであっても、あれもだめこれもだめと言われてしまうと治療はともかく、食事も楽しくなくなってしまったり、ストレスが溜まったりします。しかし、酸っぱいケーキを作って食べる前にミラクルフルーツのタブレットを食べることで甘いケーキとして食べられたり、ギムネマを糖分の吸収を抑えるために利用したりと医療現場においても様々な活用法もあると知って感動しました。これらの利用によって今後、糖尿病患者さんのQOLの向上をさせていくことはとても大切なことだと思いました。
 今回の講義を通して、私たちは普段様々なものを食べていますが、“美味しい”、“まずい”と感じられるのは味覚が正常にある証拠であるということ、この当たり前のことを幸せだということだと思いました。私は今後栄養士として職に就くつもりですが、栄養教育、食育等で味覚障害のこと等を訴えていけるよう努めていきたいと思います。

*参考文献*
・ビジュアルワイド 食品成分表
 著者  : 新井 映子、新山 みつ枝、柳沢 幸江
 発行者 : 東京書籍株式会社
 発行年 : 1995年 初版発行

・イラスト 食品学総論
 著者  : 種村 安子
 発行者 : 鳥飼 好男
 発行所 : 東京教学社
 発行年 : 2001年 初版発行



Fさん 

 以前、味覚分布図が本当かどうかを試す実験をした際、舌の先端および側面ではどの味でも感じることができたが、舌の中央では味を感じることができなかった。また、味の感じかたには個人差があり、その実験の被験者6人のうち、私は特に酸味の感受性が強かった。今回の講義でも、ミラクルフルーツのタブレットを舌全体で溶かしたはずなのだが、私はレモンやグレープフルーツの酸味をしっかり感じたため、甘みが強くなったという実感はあまり湧かなかった。私は甘党ではないが、甘党の人は甘味が好きなだけでなく、甘味を感じにくいのかもしれないと思った。
 臨床栄養学の離乳食についての授業で赤ちゃんが味に対して敏感だということは教わっていたが、赤ちゃんの味蕾の数が割合にして成人の4/3〜2倍もあるということに驚いた。確かに、私も幼い頃はピーマンやコーヒー、チョコレートが苦くて嫌いだった覚えがあるため、子供に苦いものを無理に食べさせても「嫌い」というイメージを助長してしまうだけだと思った。好き嫌いを無くすには徐々に味に慣れさせていき、本人が「嫌い」という意識を手放す手助けをしてあげるとよいと分かった。また、高齢になると味を感じにくくなるというが、味蕾の数は実際に減っているのかどうかが気になった。もし味蕾の数が激減しているのでなければ、鼻づまりの解消や舌の汚れの除去により味覚が回復するのではないかと思った。
 私自身はあまり風邪をひかないため、味が感じられないという体験をすることがないのだが、母親によるとどんなにしょっぱくても分からないということだった。そこで私は試しに鼻をつまんで食塩や醤油を舐めてみたのだが、鼻をつままずに舐めた時としょっぱさは変わらないように思えた。そのため、風邪をひいた時に味を感じにくくなる原因は、鼻づまりにより香りが遮断されるだけでなく、味蕾の再生不足や、神経伝達あるいは脳内での処理の問題などもあるのではないかと思った。
 現在、日本でも世界でも肥満が問題になっており、その原因のひとつに食に対する意識の低下が考えられる。親が共働きで核家族であったり塾で忙しかったりして、子供の頃にファーストフード等の刺激的だが単純な味ばかりに慣れてしまうと、繊細で多様な味に対して鈍感になってしまう可能性がある。私の親戚の子供でも、甘味の強い菓子が大好きでご飯を味気ないという子がおり、子供の頃の食生活を親がしっかりサポートしてあげる必要性を感じた。刺激の強い味のファーストフードや菓子が溢れている中で、味覚について興味を持ち、おいしさについて考えることは非常に重要だと思う。今回の講義はミラクルフルーツやギムネマの効果をひとりひとりが実際に体験でき、食育の一環として味覚に興味を持たせるのに最適だと思った。またミラクルフルーツやギムネマが糖尿病患者へ適用されていると知り、病気の治療にも味覚が注目されていることに驚いた。糖尿病の治療には、エネルギー量や三大栄養素量のコントロールに加えて味覚に着目することで、QOLの向上にもつながると分かった。食は私たちの生活と密接に関わり、数々の食品が生体内で複雑に作用し、毎日の積み重ねにより大きな影響を及ぼす。栄養素の面からだけでなく様々な角度から食を見ることで、生活習慣病の予防や治療への道が開けるということを深く感じた。



Gさん 

 この講義を受けて、味覚というものについて深く考えることができました。味覚というのはただ味がするということですが、生物が生きていくということに関して欠かせない五感の一つだということを実感しました。
 講義で用いたミラクルフルーツとギムネマという言葉さえも聞いたことがなかったので、講義の内容全てが新鮮でした。授業で、味覚・味雷について勉強したのですが、味雷の場所、味覚分布地図、味を感じる“カギ”のしくみなど間違った知識で覚えていたところが多くて、たくさんの新しい知識を得ることができました。一番驚いたのは味雷の場所で、ずっと舌だけにあるものだと思っていたのですが、軟口蓋・喉頭蓋・上あごにもあることを知ってびっくりしました。全てが教科書では学べない内容だったので楽しく体験学習することができたし、日常に関連させて考えることができたところがあったので、講義の最後まで興味をもってお話を伺うことができました。
 実際、味覚修飾物質を使って、体験学習をすることができて、さっきまで感じていた味が味覚修飾物質を使うことによって味をなくしたり、味を変えたりするのが印象強くて、自分で身を持って感じることができたので楽しかったです。滅多に手に入らないものばかりで体験できたので、いい体験ができたなと思います。また、自分の過去の体験としてガムを噛んだ後、お菓子などを食べるとまずく感じるのとこれらの味覚修飾物質と何か関係があるのかな?と思ったので機会があれば調べてみたいと思いました。また、ミラクルフルーツやギムネマの他にも、クルクリゴやストロジンなども体験できたらいいなと思いました。味覚に関して自分も嫌いな食べものがあるのですが、この講義を通して、食品の食感や味・見た目を変えて将来のためにも好き嫌いなく食べられるように、個人的に研究して自分以外の人にも勧められるような料理を研究してみたいと思いました。
ミラクルフルーツや、ギムネマの味覚修飾物質を使って、糖尿病患者の場合、糖質を使わない酸味を効かしたケーキなどをつかうことで食事制限されるストレスや食欲の満足度を改善することもできます。味と言うのは食べることのおいしさの一つなので、味覚だけで医療にも大きく左右する重要性をもつことを学びました。味覚だけでこんなにも医療分野にも手助けができるものがあるということに驚きでしたし、少しの変化で変わってしまう人間の体にまだまだ未知の世界を感じました。
 味覚にここまで自分が興味を持てたのも驚きでした。また違う分野も興味のあることはとことん追究して学んでいきたいと思います。ホームページも楽しく拝見させてもらいました。また伺いたいと思います。今回は、私たちのために貴重な体験をさせていただいてありがとうございました。これからも研究がんばってください。



Hさん 

 人間は、知識が増えるにつれて、食べられるもの食べられないものを判断することができるので、味蕾がなくても生きることはできると思います。しかし、蝶は卵を産む葉が安全であるかを調べ、産まれてすぐその葉を食べる赤ちゃんを守るために、手に味蕾があります。この話を聞いて、いろいろな動物の味蕾は、味を感じるという役目だけでなく、その動物に適した役割をもっているのだと思いました。
 また、人間は、赤ちゃんで約12000個、成人で約6000〜9000個と、成長するにつれて味蕾の数が減るということと、味蕾の数が多い人は、ソムリエのような人だと思っていたので、赤ちゃんの方が味蕾の数が多いと聞いて驚きました。しかし、脳への電気信号を鍛えることで味をより正確に分かるようになるということを聞いて、味の判別は味蕾の数ではないということを納得しました。
 私は、今になってレバーのおいしさが分かるようになったのですが、人間は本能で「苦味=毒」と判断してしまうと聞いて、小さい頃レバーをおいしいと感じなかったのは、自然なことだったのだと分かりました。人間のこの特性を理解していないと、子どもに無理矢理ピーマンを食べさせてしまうなどをして、将来好き嫌いを増やす原因になるので、味覚について知ることは大切だと思いました。私も親や身近にいる大人がレバーをおいしそうに食べているのを見て、「これはおいしいのではないか?」と思ったので、子どもの好き嫌いを直すには、手本となる大人がおいしく料理を食べることも一つの方法だと思います。
 この講義で初めてミラクルフルーツとギムネマを食べたのですが、ギムネマを食べた後にチョコレートを食べたときは、甘くなく、ショックを受けました。私はギムネマを食べた一瞬だけ味覚障害を疑似体験しただけですが、味覚障害の人は味を全く感じなかったり、ある特定の味だけ感じなかったりする日々が続くのかと考えると、辛い障害だなと思いました。次に、ミラクルフルーツを食べた後に、とても酸っぱかったヨーグルトを食べた時は、ほどよい甘さと酸っぱさを感じて、今まで体験したことのない味がしました。私はこの味をおいしいと感じたので、糖分を摂取してはいけない糖尿病の患者さんにもどんどん使ってほしいと思いました。私がインターンシップで病院へ実習に行ったとき、糖尿病の患者さんのおやつは、生クリームをのせなかったり、糖分の少ないお菓子に変えたりして提供していました。その病院では、お菓子のデコレーションに、生クリームやチョコレートをよく使っていたので、酸っぱい生クリームなどがあったら、患者さんが食べられるお菓子のバリエーションも広がり、より食事を楽しんでいただけるだろうと思います。
 今回の講義を聞いて、初めてミラクルフルーツとギムネマを食べることができたし、味覚について改めて考える時間を持つことができたので、本当に良い経験となりました。ありがとうございました。

参考文献
 ・「大学課程の生理学 改訂第9版」山本 敏行  南江堂