ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト(ミラクルフルーツ・味覚・ギムネマ・ミラクリン・食育・ミラクルフルーツ)

  ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト
島村光治のホームページ ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト
ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト ご質問・ご意見・ご感想・講演依頼
ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト
■ 参加者の御感想


参加者の御感想

2009/7/13に実施した信州大学 農学部2年の皆さんのレポートです。

講演風景1 講演風景2



Aさん 

 今回の講義を受けて一番強く感じたことは、味覚障害になると食事(食べること)が楽しいものでは無くなるであろうことだ。ギムネマの葉によって擬似的に味覚障害の状態を経験した際に、いかに味の分かる食事が素晴らしいものであるのかを考えさせられた。
 車での移動が主である伊那には近距離に多くのコンビニが存在し、町中や繁華街にはファストフード店も数多く展開されている。これらの店舗は、価格帯が安価であったり、24時間営業でどんな時間帯でも利用できたり、食べるとおいしいと感じる経験などから安易に利用しがちになる。しかし、こういった店舗で提供される食品には添加物や香辛料、脂などが多く使われていることから健康を害し、味覚障害の原因となることは、情報番組や新聞の特集などで目にすることも多い。それらの情報を知りながらも、利用することを止められないのは報酬効果が効果的に働いているということもあるだろうが、やはり味覚障害を実感したことの無い人が多いからではないだろうか。文字で見るだけの味覚障害では、軽く考えてしまうのである。
 実際、私も今回の講義を受けるまでは、味が分からないと言うことを、鼻をつまみながら食べた時や風邪の時と同程度にしか考えていなかった。ところが、体験した砂糖は全く味がなかった。咀嚼した際のジャリジャリとした感覚しかなかったのである。これが、全食品・毎日の食事で起こるとなると、食事について興味を無くしてしまうことも十分に考えられる。そうなると食育も何もあったものではないだろう。
 政府によって食育の推進を図るための食育推進基本計画が、平成18年度から平成22年度までの5年間を対象として作成されているが(1,2)、食事バランスの崩れによる生活習慣病だけではなく、味覚障害にももっと焦点を合わせた教育を行うべきであると考える。更に挙げるならば、味覚が決定される年齢が9〜12歳ということから児童や生徒に対して体験型学習を行うべきである。私の経験上、自分が実際に体験したことは長く覚えているものである。ギムネマに関しては、日本での栽培可能ということなので、学校で栽培し疑似的味覚障害を体験することは、食育の観点からも味覚教育の観点からも十分に有効な手段であると考えられる。
 ところで、講義で少し触れた【別腹】だが、人間だけでなく猿にもあると知り驚いた。常々、【別腹】は野生生活上無駄な機構だと思っていたので、人間にしかないものだと思っていたからだ。生物は、遺伝子・細胞レベルからかなり効率よくできているにも関わらず、こういった無駄な機構が発生するのは非常に面白いと思う。



Bさん 

 島村先生の話を聞いて、小学生の時に味覚地図は本当なのか自分で確かめようとしたことを思い出しました。味覚地図を見ながら、辛いものや甘いもの、苦いものを舌の色んなところに乗せてどう感じるかやってみたところ、味覚地図のようにはならなくて、自分の舌がおかしいのではないかと不安になったのを覚えています。でも、講義で味覚地図は間違いであると知って安心しました。
 味覚に大きく関わっている味蕾の話には驚くことがたくさんありました。まず、動物によって味蕾の数や存在する場所が全く異なっていることに驚きました。特にチョウは手に味蕾があって、結婚相手を味で判断するということにびっくりしました。もし人間も全身に味蕾が存在したなら、普段当たり前のように触れたりしているものにも味があるのだろうか、あるとしたらどんな味がするのだろうかと思いました。また、チョウのように結婚相手の条件に「味」が加わったりするのかと考えるととても面白く思えました。
 味覚修飾植物の応用については、現在、肥満や糖尿病が問題になっている日本ではとても意味のあるものだと思いました。生活習慣病は名前の通り普段の生活習慣が原因となって引き起こされるものです。その生活習慣に最も大きく関わっているのは食であり、私達の生活と食は切り離すことができないものだと思います。たとえば、糖尿病の人の場合、糖分をあまり摂ってはいけないのでお菓子などは食べたくても食べられないというような事があります。しかしそれでは食べたい物が食べられないのでストレスがたまると思います。そんな時に味覚修飾植物を応用することによって糖分を摂らずに甘いもの(例えばお菓子など)を食べることができれば患者さんのストレスも減り、治療に対する姿勢も前向きなものとなり、肉体的にも精神的にもよい方向に向かうと思います。なので、医療を「味」・「味覚」という新しい見地から考えてみるのも面白いと思いました。
 ギムネマやミラクルフルーツのタブレットを実際に食べて味覚の変化を体験することで、とても楽しく講義を受けることができました。そして「味」というものに興味がわき、自分の食生活を見直すよい機会となりました。ありがとうございました。



Cさん 

 私達は食事をする際に五感を働かせ、様々な情報を受け取っている。中でも食事の時に一番敏感になっているのが味覚である。では、どのようにして私達は味を情報として受け取っているのだろうか。
 味は、舌全体に分布する、味蕾(taste bud)で判別されている。味蕾は乳頭の内部にあり、この味蕾は下だけでなく口内の上部と喉にも分布している。その内訳は舌に7割、口内の上部に3割となっている。
 また、味蕾の分布場所、数、役割はそれぞれの生物によって異なっている。それはその生物が生きていくうえで効率のよい味蕾の分布場所、数などが進化の過程で変化してきたことによる。たとえばナマズは200,000個の味蕾が体中に分布しており、数でいえばヒトの味蕾の数の何十倍にもなる。こればナマズが濁った水の中で暮らしているため、障害物や敵や獲物を体表の味蕾を使って味として認識しているからである。ヒトでは口の中にしかない味蕾が、他の生物では全然違う数であったり、分布場所が異なることは非常に興味深い。味蕾の数、分布場所からその生物の生活様式や生物的特徴を推察することが可能であると思った。
味覚といっても様々な種類があり、先ほどの味蕾の分布場所、数のようにそれぞれの生物が好む味も異なってくる。野生の動物では本能的に自らの体に不足している(しがち)栄養素や必要な栄養素を多く含む食物をおいしいと感じる。これは非常によく出来た仕組みだと感じた。ヒトも同様に自分に不足したものを食べたいと思うし、自分自身もそういった経験がある。ヒトをはじめとした生物の体は生命維持のための本能に忠実に出来ているのだと思った。
 ヒトが他の動物と異なる点は、食べ物をおいしく食べようとする点ではないかと思う。ヒトは同じ料理でもおいしい店を探したりするし、非常に味に敏感であると思う。味の探求を行っているのである。
 そこで「味覚の操作」に焦点を当ててみようと思う。現在、味覚修飾植物に注目が集まっている。味受容体に働きかけることによって味覚機能を一時的に変化させるこの植物は、様々な分野で利用できるのではないだろうか。講義ではギムネマとミラクルフルーツの試食を行ったが、普段自分の認識している味と味覚修飾植物を食べた後では、まったく異なっていたので、そのギャップに戸惑ったと同時に非常に面白いと感じた。普段自分の認識している味に、絶対はないのだということと、味覚には必ず個人差があって、自分の感じている味が、他のヒトでは違うように感じられることもあるのだなぁと思った。ギムネマやミラクルフルーツなどの味覚修飾植物は感覚のみを変化させ、栄養成分には変化を与えないので、いろいろな目的に用いやすいと感じた。嗜好品のような一面も併せ持っていると思った。味覚を変化させ違う味を楽しむことも出来るし、その味を本来持つ食品を食べられない人にも甘みなどを味わってもらえると思った。これから先医療の現場はもちろん、もしかしたら近いうちに市販されている食品にも利用され始めるのではないだろうか。もっと身近な食品として味覚修飾植物を食べることが出来たらいいと思った。今回紹介していただいた植物以外にも味覚修飾植物が今後発見され、研究を進めていくことで私達の生活に役立てることが出来ればいいと思った。



Dさん 

 7月13日の講義には島村光治先生が来てくださり、ギムネマとミラクルフルーツの試食体験をすることができた。以前からミラクルフルーツの存在はテレビなどで見たことがあり知っていたが、実際に体験してみたいと思っていたのでとても面白い講義だった。また、味覚が生じる機構や味覚障害についての話などもとても興味深いものだった。とくに、幼い子供は食べ物に関する判断があまりできないので味蕾が大人よりも多いといったことや、肉食動物が内臓をおいしいと感じる理由など、味覚は生き物が生きていくのに密接に関係しているということがとても興味深かった。
 まず、試食体験ではギムネマの葉による甘味の阻害とミラクルフルーツによる酸味の味覚修飾を体験した。ギムネマの葉をよく舌にこすりつけたあと砂糖とチョコレートを食べると、砂糖はただの砂を食べているように感じ、チョコレートは油の塊のように感じた。また、自宅で残っていたギムネマを食べてアーモンドチョコレートを食べるとアーモンドの塩の味だけを感じて、甘味だけが阻害されているのをより実感できた。これは味覚障害を疑似体験しているそうである。次に、ミラクルフルーツの試食では、ミラクリンをタブレットにしたものを試食した。私はレモンヨーグルトはあまり甘くなったように感じなかったが、グレープフルーツジュースはとても甘くなり美味しかった。この作用は糖分を摂取せずに甘味を感じることができることから、糖尿病患者の治療に利用できるそうで、私はすごく興味深く感じた。また、味覚についてのお話では、今まで大まかにしか知らなかった味覚を感じるしくみや、生物が味覚を持つ理由などを聞くことができてよかった。
 ミラクルフルーツの作用はすでに実用化されつつあるようだが、今後、ギムネマの糖分の吸収を抑える作用も、ギムネマの作用を維持しつつ苦味をおさえることができるようになればいいと思う。
 今回の講義を受けて、味覚が生物にとっていかに重要であるかということや、味覚障害が想像以上につらいものであるということを感じた。私はここのところ、料理をするのがめんどうでよくコンビニのお弁当やカップ麺などにたよってしまっているので、今回の講義を聞いて私も味覚障害に陥る可能性は十分にあるのだなと思い、今後はもっとちゃんとした食生活をするようにしようと思った。味覚についての講義を受けなければこのようなことは感じなかったと思うし、世間的に味覚障害の患者が増加している今、味覚について知ることは重要なことだと思う。



Eさん 

 僕は今まで「味覚」について深く考えたことはありませんでした。食べ物を食べて、おいしい、甘い、辛い、すっぱい、にがいなど様々な感覚がありますが、それは今まで生きてきて、当たり前なことで、真剣に考えたことがなかったので、不思議に思ったことはありませんでした。だから、その原理やしくみについて興味もあまり持っていなかったというのが正直なところです。しかし、今回の講義を聞いて味の認知の仕方や、味の感じ方など多くの知識が得られ、興味深いものの一つとなりました。
 多くの話の中で、一番興味を持ったのが「味蕾」についての話でした。僕はそもそも人間の舌やのどや上あごに味蕾があるということ、味を感じているのが味蕾であるということも全く知りませんでした。普段食べ物を食べて、おいしいという感覚は口の中にある6000〜9000ある味蕾が感じ取って、脳に送っていることも知りませんでした。他の動物も同じような仕組みかと思いましたが、それぞれの動物によって味蕾の働きや仕組みが違うことに驚きました。中でも、ハエやチョウには手に味蕾があることが一番驚きました。手に味蕾を持つことで、そのものが食べられるものか判断したり、葉に毒があるかないかを判断したりできることがすごいと思いました。ここで不思議に思ったのが、味蕾という器官に毒などが入っても体内にはとり入れられないのかということです。体で触れて、それの情報を味蕾から脳に送っているというプロセスの中で、味蕾の中にある物質を取り込んだ時にその成分が体内に入るということはないのでしょうか。味蕾は神経につながっているので神経が毒におかされたり、麻痺してしまうことがないのかが不思議です。おそらく、チョウなどは手の味蕾で毒があるか判断しているくらいなので、その毒におかされるということはないとは思いますが、なぜそうならないのかが不思議に思いました。
 最後に、今回この講義を聞いたことで、ヒトの味覚についての仕組み、様々な動物にとっての味蕾の役割と大切さが知れてとてもよかったです。おそらくこの講義がなければ、味覚や味蕾について深く考え、知識を得たりすることは、大学生活ではなかったのではないかと思います。今回はミラクルフルーツの効果をみんなで体験できたことがうれしかったです。テレビなどで見たことを同じように自分自身が感じられて、良い思い出となりました。地元の友達にも自慢ができます。ミラクリンと酸味で甘味成分と同じカギになるという説明も非常に分かりやすくて僕にも理解できました。貴重な機会が持てたことを本当にうれしく思います。今回のことをきっかけに、今まで身の回りで当たり前だと思っていたことを少しでも見直して、いろいろな不思議に触れ、これまでとは違う感性や感覚を研ぎ澄まして生活していけたら良いなあと思います。