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■ 参加者の御感想


参加者の御感想

2009/6/23に実施した清心女子高等学校 2年の皆さんのレポートです。

講演風景1 講演風景2



Aさん 

 以前、テレビでミラクルフルーツの存在を知り、とても興味を持っていました。今回、島村先生に実際に体験させていただき、大変嬉しかったです。私は今まで味の感じ方については、とりわけ深く考えた事はなかったのですが、舌の部分によって感じる味が違うという味覚地図の話は聞いたことがあったので、そうと信じていました。しかし、先生に鍵穴に例えた話でわかりやすく味の感じ方の説明をしていただき、舌の本当の仕組みを知ることができました。先生の話を聞いている中で、私が一番面白いと思ったのことは、ミラクルフルーツが、糖尿病患者のストレスを和らげることができる、ということです。実は、私の祖父も糖尿病患者でした。祖父は甘いものが大好きだったのですが、随分食事制限(もちろん甘い物も)されて、とても辛そうでした。もし、当時ミラクルフルーツが簡単に手に入れることができたら、祖父はもっと楽しく治療に専念できたのにと思います。
 ミラクルフルーツ、ギムネマなどの味覚修飾植物は、これ以外にももっと今後活躍すると思います。例えば、ミラクルフルーツを小さい子に食べさせるとよいと思います。甘いものが大好きで、よく虫歯になっていた子も、ミラクルフルーツで、レモン果汁100%のジュースでも甘いと感じることができ、甘いものを食べて虫歯になることが減ると思います。また、酸っぱいものは、甘いものよりカロリーが低いので、現代人の問題の1つである、肥満も防ぐ事ができ、一石二鳥だと思います。ギムネマについては、例えば、禁煙したい人用にギムネマを吸う所に塗った禁煙タバコというものを作っても面白いと思います。タバコが大好きな人でも、口につけた瞬間、とても苦いので、吸いたくなくなります。これを繰り返し、脳に「タバコはまずいもの」と覚えさせば、普通のタバコも吸いたくなくなり、禁煙成功、という感じです。このように考えればとても楽しくアイデアが出ますが、これからはもっと味覚について考えなければならないと思います。
 講義で、味覚障害についてのことも聞きましたが、この味覚障害を防ぐためにも、より多くの食材を使って、手作りして、食べ物本来のいろんな味を感じることが大切だと思います。人は、食べ物無しでは絶対生きられません。だから、食べ物とは一生付き合っていきます。そんな味を感じる味覚について、よく知ることはとても大切だと思います。今回習った事は、いろんな人に教えてより多くの人に味覚について知ってもらい、その重要性を理解してほしいです。私はこの講義を受けて、味覚について学んだばかりではなく、食の大切さについても考える事ができました。もし子供ができたら小さい事からいろいろなものを味わわせ、味を感じることのできる素晴らしさを教えていきたいと思います。今回は私に大切なことを教えてくださり、本当にありがとうございました。



Bさん 

 私は今回初めて味覚情報処理についての講義を受けて、味を感じる仕組みについて感心を持った。私に今までずっと舌の先や横などのそれぞれの部分で甘味や酸味を感じると思っていたので、それは間違っているという正しい事実を知ることができて勉強になった。
 人間には約6,000〜9,000個もの味蕾があり、その味蕾が鍵と鍵穴の関係で味を判別し、脳に伝えるという仕組みで味を感じていたのだと知り驚いた。口に食物を含んだ瞬間に味を認識する事ができる。そんな一瞬の間に成分が鍵穴にはまり、脳に伝えていたと知り、すごいと思った。結果として、舌にはそれぞれの味を感じやすいところにはあるが、実際には舌全体で味を感じていると分かった。
 人にとって味覚とはとても大事なものだと思う。味覚は現在5種類あり、それぞれシグナルとして脳に伝達される。人が「甘い」とか「酸っぱい」とか感じるのはそのおかげなのだと分かった。私が一番驚いたのは、うま味についてだ。よく、「鰹と昆布の合わせだしは美味しい」というけれど、それがなぜか考えたことはなかった。それがうま味の相乗効果によるものだと知り、なるほどなと思った。
 好き嫌いのメカニズムについて、雰囲気というのがあげられているが、私も小さい頃からこのことについて言われてきた。それが好き嫌いができるからという意味で言っていたのかどうかはわからないけど、食事の時にはテレビを切ってお話しながら食べようと親は言っていた。その言葉の意味がようやくわかった気がする。
 近年加工食品に頼りすぎた食生活のせいで、味覚障害が若者に増えている。これはZnの不足によるもので、最近日本人がZnを多く含む食品をあまり口にしなくなったということが原因であると考えられている。私は近年、加工食品が多く開発されている事も原因の1つであると考える。私は今回この味覚障害の体験をした。ギムネマの葉によって、砂糖は砂のように感じ、チョコレートは苦いバターのように感じられた。ミラクルフルーツは名前は聞いたことがあったものの、実際に食べたのは初めてで、とても貴重な体験をしたと思う。完全に酸味がなくなるということはなかったけど、確かにはじめより飲みやすくなった。
 味覚修飾植物が今後、甘味剤として大量生産されるようになれば、多くの人の役に立つと思う。例えば糖尿病患者に糖分は少ないけど、甘く感じるお菓子を与える事で、病気の改善も考えられると思う。最近の若者は低カロリーのお菓子を好む。そんな人たちにも対応できるのでないか。
 今回の講義と体験で味を感じる仕組みと味覚の重要性を体感した。講義によってたくさん知識が増え、とてもためになった。味覚修飾植物の試食では、甘味を感じることがどれほど幸せな事か、身にしみて感じた。
 私は栄養学について興味があるので、今回の講義の内容を将来に活かせられればと思う。



Cさん 

 私は今まで、味を感じることを当たり前のこととして受け止めてきた。しかし、今回の講義を受けて味覚があることにこれほど感謝した事は無い。
 私たちは当然のこととして味覚に頼っている、赤ん坊は味覚によって食べられるもの、毒でがないものを区別する。コアラは他の動物にとって毒であるユーカリを食べるのも、ライオンが狩った動物の内蔵から食べるのも、全ては自分の命を守るためだ。赤ん坊もまた同じく、命を守るために味を感じる味蕾が多い。敵から身を守るためには味覚は必要なものだ。
 だが最近若者に増えている味覚障害は、そんな味覚を失ってしまう。ある程度年齢を重ねているから食べてはいけないものや、毒があるものはわかるだろう。しかし、味覚を失うだけで、生活での楽しみをも失ってしまうのではないだろうか。少なくとも私は今回の講義を受け、ギムネマの試食をして、「これでは食事をするのは楽しくない」と感じた。甘いものだけではなく、様々な味を感じることが私にとって食事の楽しみだ。それが一時的どころかずっと、甘いものだけでなく全ての味を感じなくなるなど、私には耐えられない。話を聞いて今の食事(EX:ファストフードなど)をどうにかしなければと思った。
 私自身ファストフードなどはよく口にする。簡単だからだ。元々日本にあった食事がよいのは今回の事でわかった。だが、幼い頃から慣れた味から離れるのは難しいだろう。
 そして、食事制限をしなければいけないとなるとそういった病気もそうだ。そのような方たちにミラクルフルーツはある意味での救いだろう。
 私はもっといろいろな人を幸せになれるような味についてのことを知りたいと思った。



Dさん 

1.講義で感じたこと、分かったこと、興味を持ったこと
 人間の舌には、味を判別するものがあるということは知っていた。講義を受けることでその判別するものは味蕾だと知ることができた。島村先生の「味蕾は鍵と鍵穴のようである」という説明がとてもわかりやすかった。今まで私は味蕾は口内にしかないと思っていたので、炭酸飲料などを飲んだとき、喉で感じる爽快感は気のせいだと思っていたが、喉にも味蕾があることを知り、喉で楽しむ食べ物や飲み物が気になるようになった。
人の味覚は必要なものに対しては舌の感度が低く、必要ないものには感度が高いという高性能な機能を持っていることに感心した。人にとっての味覚は、甘味・塩味・酸味・苦味・うま味の5つがある。この中に辛味ではなくうま味が入っていることは意外だった。私にとってうま味とは、曖昧で、あるようなないような微妙なものだ。逆に辛味は味がハッキリしていて辛味を売りにしている食品がたくさんスーパーに並んでいる。しかし、辛味は味覚ではなく体性感覚だと知って、辛い物を食べると汗が出るのだと思った。なぜならどんなに甘いものや酸っぱいものを食べても汗は出ないが、辛いものを食べると汗が出る。
 「好き嫌いのメカニズム」というところで、味覚も第一印象や雰囲気、経験で惑わされるのだなと思った。私は幼稚園の時、先生に無理矢理トマトを食べされたれた頃から、トマトを見るだけで気持ちが悪いと思うようになった。いろんな料理で出されるトマトを最近食べようと試みるが、吐き気がしてしまう。好き嫌いを直すための2つの条件があったが、もう少し時間をかけて頭の中のトマトに対する考え方を変えようと思う。人間は食べ物に対してだけでなく、初めての人や物を第一印象、雰囲気、経験などでどういうものかを分析し、勝手なイメージを作ってしまいがちだ。その特性を活かして食べ物をよりおいしく食べられることも覚えておきたい。大阪に行ったとき人気たこ焼き店にとても長い行列ができていた。時間を使ってまで並んで、そんなにたこ焼きが食べたいのか、と疑問にそのときは思ったが、おそらくたこ焼きが焼ける匂いをかぎながら長い間並んで食べた人たちは、そのたこ焼き自体よりも何倍かの美味しさで味わう事ができただろうと思う。

2.味覚修飾植物の今後の展開や味覚について知ることの重要性
 ミラクルフルーツの実験で、レモン汁が甘くなる事を体験できた。同時にミラクルフルーツのあらゆる多様性が見えてきた。講義でも紹介されたように、糖尿病患者の生活習慣改善のためや、ダイエットをする必要がある人のためにも利用できる。しかしミラクルフルーツやクルクリゴは日本ではまだ大量生産ができる現状ではない事を惜しく思う。早く利用できるよう研究が進んでほしい。

3.その他自分の意見・感想
 味覚についてたくさんのことを知ることができて嬉しい。味覚はだまされやすい分楽しみ方がたくさんあり、正しい知識や、ミラクルフルーツのような味覚修飾植物を用いる事で健康を維持し、ちょっとした食事も贅沢なものにできると思う。この講義で得た知識を自分だけでなく家族や友達にも知ってもらい、食べる事をもっと楽しんでもらいたいと思った。