ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト(ミラクルフルーツ・味覚・ギムネマ・ミラクリン・食育・ミラクルフルーツ)

  ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト
島村光治のホームページ ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト
ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト ご質問・ご意見・ご感想・講演依頼
ミラクルフルーツ味覚修飾研究サイト
■ 参加者の御感想


参加者の御感想

2009/5/26に実施した岐阜市立女子短期大学 食物栄養学科2年の皆さんのレポートです。

講演風景1 講演風景2


AクラスBクラス


■Aクラス

Aさん 

 私は今回の講義を聞いて、味覚というものは不思議であると感じました。ギムネマやミラクルフルーツは、食べ物の味を変えるわけではなく、味受容体にはたらき、味の感じ方を変えてしまうのだとわかりました。ギムネマを食べた後のチョコレートや砂糖は今までに感じたことのない不思議な感覚で衝撃的でした。甘さは感じなくなってもチョコレートの風味のようなものは残っていて、普段は甘いという感覚が一番強いのであまり気にはしなかったけれど、チョコレートも甘いだけではないのだと感じました。
 そして好き嫌いについてのお話もとても興味深かったです。もちろん第一印象で好き嫌いができたりもするけれど、その雰囲気や過去の嫌な思い出によっても好き嫌いができるということも考えたら納得してしまうお話でした。子供の頃は親の様子を良く見ていたり、周りの環境に敏感なので、子供の頃の味覚形成は本当に大切なものであると学びました。
 また、味は舌全体で感じるものであり、味覚地図は間違いというお話を聞いて私はとてもスッキリしました。以前授業の中で味覚実験をしたときに、人によって甘味や酸味など感じる場所が全く違っていました。味覚は個人差が大きいというと個で納得したのですが、同じ場所で違う味をいくつも感じたり、不思議に思うことがありました。しかし今回味覚地図は間違いだということを知り、納得する事ができました。
 講義の最後にタブレットのミラクルフルーツを食べてみて、ヨーグルトの方はあまり甘いと感じなかったけれど、ジュースの方はすごく甘く感じました。そして、ジュースの方にレモンを入れていただいたら更に甘く感じました。酸っぱければ酸っぱいほど甘く感じるのかなと思いました。すごくおもしろく、興味を持ったのでもっといろいろな食品で実験してみたいと思いました。
 そして、ミラクルフルーツはただ味の感じ方を変えて楽しむだけでなく、糖尿病患者などの役に立つこともお聞きし、驚きました。私はただ味が変わっておもしろいというだけのものだと考えていたので、そんなところにまで応用できるとは知りませんでした。でも糖尿病患者やダイエットをしている人、何らかの理由で甘いものが食べたくても食べられない人にとってミラクルフルーツで甘いと感じることができたらそれはとても幸せな事だと思います。そういったことで、QOLの向上も期待できるのだなと感じました。
 今回は貴重なお話と体験ができて嬉しかったです。とても興味深いお話をありがとうございました。

質問
 ミラクルフルーツで甘く感じるケーキなどはどのように作るのですか?
 ミラクルフルーツやギムネマなどは温度で味の変化の感じやすさは変わりますか?

◎島村のコメント
 研究中ではありますが、現在はクエン酸を用いています。温度での味の感じやすさですが、甘味は温度が高いほど感じやすいため、変わります。アイスも溶けたアイスのほうが甘く感じられると思います。



Bさん 

 味というのは味蕾で感じ取る。その味蕾は赤ちゃんの時期が一番多くあることがわかった。それはまだ赤ちゃんは知識が少なく、体に害のあるものか判断できないためであることを知った。良く小さい子はピーマンが嫌いという子が多いが、それはぴーまんの苦味成分を体に害だと思ってしまうからであると聞いて納得できた。大人になるにつれて、害でないと判断できてくると、ピーマンも食べられるようになるし、20歳を超えビールを飲むようになれば、ビールの苦さもおいしく感じるようになる。
 一番印象に残っている話は、動物の味覚の話である。一番驚いた事は、ハエは手に味蕾があること。ハエが手を洗うような仕草をしているのを良く見かけていたが、それは手にある味蕾の掃除をしていると聞いてとてもビックリした。ナマズには、体中の皮膚に存在する。何か有害なものがあったりしたときには味蕾で感じ取り、事前に防止する事ができる。ヘビは食料などのニワトリを丸呑みにするため味蕾の数が少ない。これらの動物に関することは全く知らなかったので、新しい発見があり、とても楽しく聞くことができた。
 人には食べ物の好き嫌いがあるが、それは第一印象・雰囲気・経験が原因でできる事を知った。私はその中で雰囲気が特に重要でないかと思った。家庭での食卓は人間形成の面でもとても重要な場であると感じる。楽しい雰囲気であればご飯を食べる事が楽しくなるし、ご飯がおいしくなる。また心が和むと思う。逆に何も喋らない暗い雰囲気や、親が怒って嫌な雰囲気の場でのご飯は、気持ちが沈むし、おいしく食べる事ができないと思う。そういったことで、ご飯を食べる時の雰囲気はとても大切だと思った。私が親になった時は、明るい雰囲気で楽しくお喋りをしながら食事をしたいと思うし、どんなものでもおいしく食べるようにしたいと思った。
 ミラクルフルーツ・ギムネマの実験をして、本当に味が変わったことを初めて体験した。味が変わったのではなく、ミラクルフルーツやギムネマの成分が酸っぱい成分と合体して、舌の甘みの鍵穴にピッタリ合わさる事で酸っぱいものが甘く感じることがわかった。初めて実験をして、砂糖が無味になったり、チョコが粘土みたいな食感になって、なんだか気持ち悪かった。今まで感じたことのない感覚だった。あの酸っぱいグレープフルーツがすごく甘くなってビックリした。このような事が糖尿病患者に利用されると聞いて、ぜひとも利用してほしいと思った。これは素晴らしい発明だと思った。甘くておいしい思いをするのに、実際はエネルギーが少なくて、太らないなんて素晴らしいと思う。ぜひとも、先生には味を変えられる薬を発明していただいて、全国に広めてほしいし、早く糖尿病患者の方に届くといいなと思いました。先生頑張ってください。また、食べても太らないのにおいしい甘い思いができるスイーツが世の中に出たら絶対に売れると思った。私だったら一度は買いたいと思う。
 今回、味覚実験の講義を聞いて、私の知らないことがたくさんあった。驚きと発見がたくさんあり、楽しく聞くことができてあっという間の時間でした。

◎島村のコメント
 パソコン係ご苦労様でした。
 子どもの味覚形成において、保護者の役割が重要であることを理解したと思います。将来親になった時に、小職の講義を思い出してみてください。



Cさん 

 甘味・酸味などの味の成分は、それぞれ形が違う鍵穴に当てはまり、味覚の感じる場所は決まっていて、味覚地図も本当は間違っているということにとても驚きました。
 味蕾は舌全体に7割あり、残りの3割は上顎や喉に存在します。味蕾の存在については知っていましたが、普通の年齢の人と赤ちゃんの味蕾の数では、約6,000〜9,000個と約12,000個で2倍も違うことがわかりました。しかしよく考えてみると、小さいときにピーマンなどの苦いものが食べられなくても、今ではおいしく食べる事ができるということと関係性があるんだと思いました。味覚は子供の頃の形成がとても大切で、9歳〜12歳の間に形成されます。私も子供ができたら、小さいうちから多くの味を体験させてあげて、味覚がより発達するようにしてあげたいと考えています。また、辛味は体性感覚であり、やけどをしたような感覚で、渋味やえぐみは味覚と感覚です。生理的には1つの感覚としては存在しないのです。味蕾を刺激しているのではなく、神経を刺激して起こるということを知りました。
 コアラは他の動物にとって毒であるユーカリを食べますが、コアラにとっては最高の味です。また、ライオンは獲物を食べる順番というのは、フルコースのように決まっています。このように動物にとっての味覚、つまり「生きていく上で役に立つものがおいしい」ということが言えます。それぞれの動物にとって、味の感じ方が違うことを実感しました。
 人にとってのおいしさとは、生理的欲求に基づくおいしさと、文化に合致したおいしさと、情報に基づくおいしさと、薬理学的なおいしさの4つに分類する事ができます。情報に基づくおいしさとは、安全においしく、また健康に関する情報が脳内の味覚の処理に影響を及ぼすということです。現代の日本には、インターネットで多くの情報を取得する事ができ、また多くの情報が溢れ過ぎていて、誤った情報でも信じてしまいます。しかし、その中でも正しい情報を選択する事ができる力を付けなければならないと考えます。
 味覚障害に関しては、現代は加工食品に頼りすぎた食生活で、亜鉛が含まれていないだけでなく、添加物が体内の亜鉛を追い出してしまうという問題点があります。これからは加工食品ばかりに頼る食生活ではなく、なるべく手作りの食事(手間隙かけた食事)を多く食べていく食生活にしていきたいと考えています。
 ギムネマとミラクルフルーツのタブレットを使った実験では、普段味わった事のない感覚だったので、とても楽しんで参加することができました。今回は「驚きの味覚実験」ということでたくさんの興味深いお話をしていただき、本当にありがとうございました。

質問
 コアラとライオンでは、味蕾の数は違うのですか?
 また、ライオンと肉を食べる人間では、味蕾の数は違うのですか?

◎島村のコメント
 インターネットの情報は正しいと信じがちですが、誰が書いたかわからない文章を信じるほうがおかしいと小職は考えます。正しい知識を身につけることが重要です。
 また、動物の味蕾については不明な点が多いため、コアラとライオンで味蕾の数は異なりますが、詳細は今後の研究待ちということになります。



Dさん 

 私は今回の味覚実験を通して、改めて「食」というものに興味を持った気がします。今までは、口の中に食べ物を入れて噛むと味がするというのが当たり前で、味を感じる仕組みなどを気にした事がありませんでした。「味蕾」というのも、どのような働きをするのかなどはほとんど知らなかったので、味蕾が味を判別するのは鍵と鍵穴の関係があると知り、新しい発見でした。
 また、私は以前テレビで、同じ舌でも部位によって感じる味が違うということを聞いたことがあったのですが、島村先生のわかりやすい説明で、味は舌全体で感じるものだということがわかりました。そして、味蕾は舌だけでなく、上顎や喉にも存在すると知り、とても驚きました。しかし、喉に味蕾があるというのは実感がなく、喉に存在する意味があるのか疑問に思うので、調べてみたいと思います。
 島村先生の興味深いお話の中で、私が特に印象に残ったのは、動物にとっての味覚の話です。私は今まで、人間も動物も味覚は同じだと思っていましたが、普段いる環境によって、味蕾の数も違うということがわかり、ナマズ・ハエ・ヘビの味蕾の数や場所の違いの意味も理解する事ができました。また、草食動物と肉食動物とでも味覚が大きく違い、野生の動物の栄養の摂り方が私たち人間とは違ったりして、動物にとっての味覚は、生きていく上で役に立つものがおいしいと感じることであり、改めて人間の体のつくりや、環境適応能力というのはすごいと実感しました。
 そして、実際に味覚修飾植物を食べてみて、初めての感覚にとても驚きました。数ある中から今日はミラクルフルーツとギムネマを食べさせていただいたのですが、ギムネマは食べるのはもちろん、存在を知ったのも初めてでした。しかし、ギムネマを食べた後に甘いものを食べると、お話におあったように本当に甘さを感じなくて、とても不思議な感覚でした。ミラクルフルーツも初めてだったのですが、こちらは酸っぱいものが甘く感じるので、得した気分になり、普段は栄養があっても多くは摂取できないビタミンCの酸味も気にせずに味わえると思いました。私は甘いものが好きなので、体に悪いと思っていても糖分が多く入っているものをたくさん食べてしまうので、このミラクルフルーツは、実際には糖分を取らなくても、甘いものを食べたという満足感が味わえる素晴らしい植物だと思います。また、私のような人だけでなく、糖尿病の方など、本当に糖分を控えなければならない人のためにも利用できると思うので、このような味覚修飾植物を使った食品が開発され、普及したらいいと思いました。
 最後に、私は今回の味覚実験を通して、味を感じることのありがたみを本当に実感しました。これからも、味わえることの素晴らしさを実感しながら食していきたいと思います。

◎島村のコメント
 味を感じることは当たり前のように感じると思いますが、ギムネマの実験で味覚障害の疑似体験を行うと、ありがたいことだということに気がついたと思います。普段からの食生活の積み重ねが大事です。



Eさん 

 私は以前テレビでミラクルフルーツの特集を見たことがあり今回の実験はとても楽しみでした。実際に体験して感じたのは、なんだか舌が騙されているような不思議な感覚でした。
 人間が味を感じる仕組みは舌の上の味蕾によって判別されるというお話を聞いたときに、あ、これは懐かしいと思いました。以前私たちの班は授業で行った味覚実験の発表をしたからです。このときは基本味の濃度を調節して舌の上に乗せ、知覚することができるか、味によってその違いはあるのかを調べました。その時に各個人の味覚地図の作成をしましたが、島村先生がおっしゃっていた通り、一つの共通した地図は完成しませんでした。班員に共通して言えたことは、苦味はごく少量でも感じることができ、個人個人の舌にはそれぞれの味(苦味・甘味・酸味・うま味・塩味)を感知しやすい場所が存在するということでした。その際には人間の舌のことのみに焦点を当てて調べたので、今日は他の動物の味のとらえ方を知ることができ、非常に興味深かったです。特にハエの手には味蕾が存在する事や、チョウは手と口で味を見分けている事に驚きました。そして話の途中で先生がおっしゃった「鍵と鍵穴のような関係」という例えにはとても納得しました。
 今回の実験では味覚の不思議さと同時に味覚障害の疑似体験をする事ができました。そこで感じたのは味のありがたさでした。砂糖を舐めても味のない砂、チョコレートは油っぽい粘土。このような感覚が疑似体験ではなく実際に存在する事に驚きつつ、ショックを受けました。味覚障害は亜鉛の摂取不足によって引き起こされる事から、やはり食べ物は体をつくっているんだと実感しました。亜鉛が多く含まれる食品(海藻・そば・貝類…)を日本人があまり食べなくなったのは実は大変な事だと思います。加工食品やファーストフードなどの手軽なもの、簡単なものに頼りすぎた結果ではないかと思います。子供の頃の味覚形成は重要でこの時期は大人へと繋がっています。好き嫌いができるのも子供の時期です。ファーストフードや加工食品に安易に頼らず家庭の味というものを大切にしたいと思いました。
 今回の講義で味覚の不思議さから食の大切さまで学ぶ事ができました。ありがとうございました。

◎島村のコメント
 味覚の形成には子どもの頃の食生活、即ち食育が非常に重要であるということです。食に関わるお仕事に就かれると思いますが、今回の講義を思い出して仕事に取り組んでいただけたら幸いです。



Fさん 

 今回の講義では初めて知ることがたくさんあり、とても貴重な時間となりました。
 まず、乳頭の中にある味蕾という部分で味を感じることは学校での授業でも習ったので知っていましたが、4種類ある乳頭の中で糸状乳頭には味蕾がないということは初めて知りました。それに、味蕾は舌の上にしかないと思っていたけど、上顎や喉にも3割程あることも今日知りました。聞いたときはどんな時に上顎や喉で味を感じているのだろうと疑問に思いましたが、炭酸飲料を飲んだときに感じるスカッとした感触は、上顎や喉にある味蕾で感じているというお話を聞いて、なるほどと思いました。
 また、辛さは味ではなく、体性感覚という感覚である事も初めて知りました。手の上に砂糖などを乗せてみても何も感じないけど、唐辛子などを乗せると手がヒリヒリしてくるという例え話を聞いて、すごく納得しました。今まで辛いものを食べて辛いと感じる当たり前の現象について深く考えた事がありませんでしたが、よく考えてみると、辛いものを口に入れた時は味というより痛みをうける感じだなと思い、確かに辛さは味ではないのだなと感じました。私は辛いものが好きでよく食べるのですが、こういったことを今まで考えた事がなかったので、驚いたというか、新たな発見をしたように気持ちになりました。普段の生活の中で何気なく感じていることでも、ちょっとした疑問を持つ事でいろいろな発見ができるのだなと感じました。
 今回、ギムネマやミラクルフルーツを使っていろいろな体験をさせてもらいましたが、どれも本当に驚く初体験ばかりで、すごく楽しかったです。私はチョコレートも好きでよく食べるのですが、甘味がなくなるだけであんなに味が変化してしまう事にすごく驚きました。それと同時に、チョコレートを食べているのに、味がいつもと違っておいしくないことが、なんだかショックでした。私は普段当たり前のように食事をしていますが、それぞれの食べ物が持っている味を感じることはすごく大切な事で、その味を味わう事ができるということはすごく幸せな事なのだと感じました。
 講義の中で糖尿病患者の方などに対して甘くなく、酸っぱい大福やケーキを開発しているというお話がありました。そのお話を聞いて、そういった食べ物でもミラクルフルーツを食べる事によって甘味を感じることができ、糖尿病患者の方でも体のことを気遣いながら、満足感を得る事が出来ることはすごくいいことだなと思いました。また、ミラクルフルーツのタブレットなどがもっと普及していくと同時に、粗糖少なめの低カロリーな食べ物ももっと開発されればダイエット効果も得られていいなと思いました。
 今回の講義で様々な体験をさせてもらう事で、味覚について深く考える事ができ、また、味覚の大切さを改めた考える事ができる良い機会となりました。貴重な時間をありがとうございました。

◎島村のコメント
 小職が伝えたいことが全て記載されており、よく書けていると思います。普段の生活の中から疑問を見つけて解決することの楽しさ、味を感じることの大切さ、ミラクルフルーツの味覚修飾効果を利用したお菓子の開発などの必要性などを感じ取っているようで嬉しい限りです。




■Bクラス

Aさん 

 私たちが学校の授業で行った味覚実験で、味覚には個人差があるという事を知りました。しかし一言で味覚といってもまだまだ知らないことがあり、今回の講義では味覚の仕組みを理解すると共に、味を感じることのありがたさを実感しました。
 この講義のテーマでもあるギムネマとミラクルフルーツについて、名前は聞いたことがあったけれどどんなものかは全く知りませんでした。ギムネマはただの葉っぱにしか見えないし、ミラクルフルーツは南国にいったら食べられるおいしいフルーツだというイメージしかなかったのです。講義開始に行った味覚実験でギムネマを初めて食べて驚きの一言。砂糖をどれだけ舐めてもただのザラザラした砂、大好きなチョコレートは粘土を食べているような感じでした。このことを母親に話したところ、母は若い時に「ギムネマ茶」を飲んでいたという事実を知りました。その時は仕事のストレスや何やらで、何を食べても太ってしまうような状態だったそうで、ギムネマ茶の力を借りてダイエットに挑戦したそうです、効果は今回行った実験の通りで他の何を食べても味がなく、物をおいしく食べられないため、食欲はかなり減ったそうです。しかし、頑張って働いた後、やっと食べる事ができたバナナが全くおいしく食べられなかった事に耐えられなくなって、ギムネマ茶の継続を断念したという事でした。母のそんな貴重な体験談を聞いて、やはり「味覚」というものや味を感じる、おいしいと思うことが人間にとってどれだけ重要で価値のあるものかがわかりました。そんな今まで感じたことのない感想を持てたので、今回の実験をした意味があったと思いました。
 また、講義の最後に行った味覚実験ではミラクルフルーツの成分によって酸っぱいものが甘く感じられ、人の味覚は興味深いものだと思いました。信じられないぐらいおいしい実験でした。でもこれはただ甘いだけでおいしさを求めるために研究されているものではなく、糖分を制限されている患者さんに糖分のような甘さを感じてもらい、少しでも負担を軽減してもらうために必要とされている事には直ぐに気付きました。それは臨床栄養学の授業で、糖尿病患者の苦労などを学び、エネルギー制限食やたんぱく質制限食、その他あらゆる制限のかかった食事の大変さをちょうど学んでいるところなので、ミラクルフルーツのようなものが身近になればいいと心から思いました。専門家等でなく私たちでさえもそう思ったということは、やはりこれからの医療の現場で必要になってくるものではないでしょうか。
 今回の講義で味覚への興味や関心は深まり、さらに自身が味を感じることができる幸せを知りました。ミラクルフルーツの成分の利用を、今後期待しています。

◎島村のコメント
 現在の医療技術では糖尿病になったら一生治りません。うまく病気と向き合っていくことが重要ですが、QOLを低下させずにという条件が必要となります。味覚修飾植物をこのような場で活用できる日が来ることを期待して研究を行っております。



Bさん 

1.味覚体験の要点と結果
 味は、食べ物が唾液と混じりあい水溶液となることで、乳頭に取り込まれ、味覚受容器である味蕾で判別される。味には、甘味・塩味・酸味・苦味・うま味の5種類があり、それぞれの味によって異なる味蕾がある。人の味蕾は、赤ちゃんの頃12,000個程度あるが、成長するにつれて減少し、大人では6,000〜9,000個と個人差が大きい。利き酒・利き水など味を細かく選別できるのは、味蕾の数の多い少ないではなく、経験により味覚の情報処理能力が高いためである。また、味蕾はその70%が舌の上にあるが、上顎や喉にも存在する。また味蕾は、生活環境により存在する位置や数が大きく異なる。触覚の発達したヘビやニワトリには味蕾は少なく、視界の悪い沼に潜むナマズは皮膚・ひげなど体中に味蕾が存在している。
 味覚修飾植物とは、食べ物の味を変えるのではなく、味を感じる器官に何らかの影響を与える事で、異なった味を感じさせる物質を含む植物のことである。

<結果>
・ギムネマ
 砂糖:口の中に小さな粒があるという感覚だけしかしない
 チョコレート:油っぽいペースト状のもの、もしくは粘土が乗っているように感じた
 →ギムネマ酸により甘味を感じる味蕾が蓋をされているため甘さを感じない
・ミラクルフルーツタブレット
 レモン入りヨーグルト:酸っぱさは感じなかった。甘味は感じるが強いものではなかった
 グレープフルーツ:変化なし
 →ミラクリンが酸味を示す物質とくっつく事により、甘味を感じる味蕾に入る事ができる。少し甘味を感じるようになってからミラクルフルーツを口に含んだが、ギムネマの効果が長く続いたためか、効果があまり感じられなかった。

2.感想
 以前、生理学の授業で、「味覚地図の位置で実際にその味を感じるのか」という実験をしたが、その際味覚地図と実際に感じる味が異なっており、舌全体で味を感じていることを実感した。また、塩味を上顎で強く感じることがあり、今まで上顎で味を感じるという認識がなかったため驚いた。今回の講義で、味蕾は舌の上だけでなく上顎や喉にも存在していることを知り、前回の実験結果に納得がいった。ソムリエがワインを口に含みまず全体に転がすように飲むのは、自分の持つ味蕾を最大限に活用しているのだとわかった。
 また、「味がしない」という経験をする事で、食事を味わって食べる事の重要性を実感した。味がするからこそ「食べる」ことに対して満足感や幸福感を得る事が出来る。栄養士は、味覚障害を含め、「食べる」ことが苦痛となった患者に出会う事もある。そのようなときに、「味がない」ことを経験している事はとても有益なものであると考える。「食べたい」をいう欲求が満たされない焦燥感をどのようにして埋めていく事ができるかを考える事も、栄養士の仕事として重要な課題のひとつであると痛感した。そして、いくら栄養価計算をして食事を提供しても、患者自身が食べたい物を食べられない状況は、大変精神的ストレスが溜まる状態である。精神的ストレスは、病気に対して決して良い方向には働かない。したがって、味覚修飾植物の医療現場において使う試みにはとても驚いたと共に期待を持った。ブドウ糖の摂取量を控えても甘味を感じ、満足感を得る事が出来る食事を提供する。栄養士が患者の目線で働くためにできる事は、まだまだたくさんあるのだと感じた。

◎島村のコメント
 多くの文献を読んでレポートを書いたことは良いことです。2)3)の本には少しですが味覚修飾植物も掲載されております。ちなみに、3)の本のクルクリゴの写真は小職が提供しております。



Cさん 

 今回、ミラクルフルーツとギムネマについての講義を聞いて、ミラクルフルーツとギムネマ、そして味覚について新しくいろんなことを知ることができました。その中には試食の時間もあり、実際に体験する事ができてよかったです。
 味蕾についてでは、今まで味蕾は舌にだけあると思っていました。舌だけでなく、喉や上顎にも味蕾があると聞いて少しビックリしました。炭酸飲料が喉の辺りでシュワッとなることになるほどなと思いました。上顎にも味蕾は存在するので、上顎を覆わない入れ歯でないと、味が感じにくくなるということです。
 動物が持つ味蕾は人間とは違いました。まずハエでは、よく手をこすっている動作を目にするけれど、それは手に味蕾があり、味蕾の掃除をしているそうです。ヘビでは触覚で判断するそうです。ナマズのように、眼が悪い代わりに味蕾の数が人間の約25倍ほどあるそうです。
 また、動物にとっての味覚では、他の動物にとって毒のあるユーカリの葉を食べるのは、敵である肉食動物が嫌いな葉を食べる事で身を守っているそうです。ライオンは、獲物を食べる時に自分では消化する事ができない植物のエッセンスがある小腸から順に食べていくようです。このように、動物は、生きていく上で必要な機能や食べ方を見つけ働かしているということがわかりました。
 人にとってのおいしさは、五感のほかに、行列ができていたり、表示されている場所、賞味期限や他からの評価に左右されるそうです。私も、行列や表示されている事柄に反応しているなと改めて思いました。
 最初にギムネマの実験では、砂糖やチョコレートの甘さがギムネマによって全く甘さを感じなくなり、砂糖は味がしなくなりました。
 ミラクルフルーツの試食では、ミラクルフルーツという果物はどんな味がするのか少しドキドキだったけれど、桃のような味がしました。レモン入りヨーグルトとグレープフルーツジュースを飲んでみると、レモン入りヨーグルトの方は少しだけ酸味があったけれど、かなりマイルドになって食べやすかったです。グレープフルーツジュースは、かなり甘くて、砂糖をたくさん入れたようにかなり甘くなっていました。
 今回、ミラクルフルーツとギムネマ、そして味蕾や味覚の仕組みについての講義では、味蕾についてや動物の味蕾について、好き嫌いや人間にとってのおいしさなど、知らなかったことについて、いろんな発見がありました。
 試食では、味が変わってしまったことに驚いたし、味覚が変化するということを知ることができました。酸っぱいものが甘く感じる以外に、酸味や甘味だけでなく別の味に変化する物質はあるのか気になったので調べてみたいです。

◎島村のコメント
 人間は脳の扁桃体が発達しているため、情報に弱いわけです。正しい情報を持っていないと、マスコミや業者の仕掛けに引っ掛かってしまうわけです。特に食に関するお仕事をされる方はなおさら正しい情報を人に伝えることができるようにしてほしいものです。



Dさん 

●わかったこと・感じたこと・興味を持ったこと
 味を識別しているのは味蕾であり、乳頭の中に存在していますが、糸状乳頭にはないので、その部分では味を感じることができないのだとわかりました。
 学校の授業で味覚実験を行い、舌の上に基本味を乗せていく実験をしました。下の中央部分以外はどの味も感じることができるという結果が得られました。島村先生が配布してくださったプリントに示してあった味覚地図は、間違っていると書いてありましたが、私が作成した味覚地図は図3に似た結果になりました。(プリントに示された図を、一般人は「ある場所はある味しか識別できない」と勘違いしているが、その考え方は間違いであると言いたいのだと解釈しましたが、合っているでしょうか?)
 基本味の中の酸味・苦味は、腐敗したもの・植物のあるかろいどなどの毒と判断するため、私たち人間にとって有害なものと認識し、摂取するのを避けなければならないため反応が鋭敏なのだと知りました。
 今回の講義で、赤ちゃんは味蕾の数が12,000個で大人と比べて多いのだと学びました。もし、赤ちゃんの時の味蕾数が維持できるのならば、感度が高いので薄味でも苦にならないと思いました。味蕾数が減少しないように舌が発達すると、甘味など濃い味を好んで食べることで発症する糖尿病を防ぐ事ができるので、12,000個を維持できる研究が進むと良いと感じました。
 ”人にとってのおいしさ”には、文化に一致したおいしさがあり、幼い頃から濃い味に慣れていると、それにしか満足できなくなるので、注意しなければならないと感じました。

●味覚修飾植物の今後の展開・味覚について知ることの重要性
 味覚修飾植物は食べ物の味を変えるのではなく、舌にイタズラをして味覚を変化させてしまう働きがあるのだとわかりました。講義の中でもおっしゃっていましたが、味覚修飾植物は過食症・糖尿病の方に有効だと感じました。酸味を甘味だと認識させる働きがある植物が存在しているので、感度が低い塩味だと認識させるような植物を発見できると良いと思いました。例えば酸味を塩味に変化する事ができれば、塩分制限をしている高血圧や浮腫の方のQOLを向上できるので存在すると良いと思いました。
 甘味は個人差が大きく、これは甘味物質と特異的に相互作用を行っている甘味受容タンパク質の存在や日頃の食生活(例えば、濃い味付けであるとその味に慣れてしまうため、薄い味だと判断が鈍くなる)が要因だと考えられます。味覚の仕組みを知ることで、日々の食事を見直すきっかけになると思うので、今回の講義を多くの方に受けてもらいたいです。

●意見・感想
 ギムネマは、舌の上でこすりつけると苦味を感じました。その後、砂糖やチョコを食べても、甘味を感じなくなり、砂や粘土を食べているような感覚でした。ギムネマを食べる事で味覚障害を体験する事ができましたが、視覚では「チョコ」だと認識しており、予想していた甘味を感じることができないと、食事を摂る事が苦痛でしかないものになると感じました。ポッカレモンはかなり酸っぱく飲む事ができませんでしたが、ミラクルフルーツを舐めた後は、おいしく飲む事ができました。(唇はヒリヒリした気がします…。)そのため、今回の疑似体験を活かして味覚障害にならないように、今後は加工食品を控え、亜鉛を多く含んでいる海藻・お茶などを摂取したいと思います。
 お忙しい中、岐阜市立女子短期大学に来てくださりありがとうございました。今回の講義を活かして食育活動を進めていきたいです。

◎島村のコメント
 このレポートを書くために多くの文献を勉強していることに敬意を表します。10の本のクルクリゴの写真は小職が提供しております。
 また、味覚地図自体の存在が現在では否定されており、昨年度の実験結果は先入観によるものが大きいと考えます。仮に味覚地図が正しいとしても、口の中には唾液があるため、ある溶液を垂らしても、すぐに舌全体に広がることから、言及するほどの価値がないと考えます。



Eさん 

 講義の内容がミラクルフルーツのことだと知って、とても楽しみになりました。ギムネマというのは初めて聞いたけれど、ミラクルフルーツはテレビ番組で取り上げられているのを見たことがあったので、酸っぱいレモンが甘くなる事などは知っていました。もしかしたら先生が出ていたのかもしれませんね。テレビで見たときは、まさかそれを自分が体験できるなんて思いもしませんでした。先生は19年間研究を続けていると聞いて、ということは大体16歳の時にもう研究を初めていたっていう事なんだから、とにかくすごいなあと思いました。
 講義については、前に実験で味覚について調べた事もあり、親しみやすかったけれど、授業とは違うことも知ることができてよかったです。教科書には味覚地図が載っていたので、これが間違いというのにはビックリしました。動物によって味蕾の数が違うというのも驚きです。味蕾が存在するのが舌だけではないというのにも。魚はエラに存在したり、ハエやチョウは手にも存在したりとか、私たちにとっては舌で味を感じるのが当たり前だけれど、他の動物は生きていくために必要なところにも存在するんだということがわかりました。
 別腹が人間とサルにしかないということも知りませんでした。お腹いっぱい食べた後でも、甘いものを見ると食べたくなるし、食べることだってできるし。でもそういう感覚が他の動物にはないなんてとても不思議に思います。でも。それも生きていくためなんだと思うと、私たちは誰かから襲われたりする心配もなくとても楽な暮らしができているんだと思いました。
 情報に基づくおいしさが人間は一番弱いっていうのは、確かにそうだなって思います。普段は意識しているわけではないけれど、無名な人がやっているCMよりも、知っている人、特に好きな人がやっているCMの商品には興味を持ったりするし、神社のひしゃくだって決して綺麗じゃないと思うけれど、気にすることなく使ってしまうし、そう考えるとなんか面白いなって思いました。
 味覚の基礎は9〜12歳で形成され、赤ちゃんは離乳食以降、親の顔、雰囲気を気にして食べるということもわかりました。これから裂き、私にも子供ができて育てる事があると思うので、良くない習慣をつけないようにとか、食事の時の雰囲気とか気を付けられたらいいなあと思います。
 ミラクルフルーツとギムネマなど、私たちが試食できるようにしてくださってありがとうございました。ギムネマはとにかく苦くて、チョコレートもおいしくないしで嫌だったけど、ミラクルフルーツはレモン果汁をあんなにも甘く飲む事ができてビックリでした。ほんとにミラクルですね。とても貴重な体験をする事ができて本当によかったです。
 先生のお話はとても上手で興味を持って聞くことができました。すごく面白かったです。ありがとうございました。

◎島村のコメント
 テレビ番組ではミラクルフルーツを取り上げる番組が多いですが、収録時にはギムネマも収録するのです。しかし、放送時間の関係上、ミラクルフルーツに絞られて放送されることが多いようです。