私たちは普段、自分たちの味覚について考えることなしに、食べ物を口にすることがほとんどだろう。私もそうだ。だから今までの人生で口に関する知識では、「口には味蕾がある」以外のことは何も知らない状態で今回、島村先生の味覚に関する授業を受講することとなった。
島村先生が「12,000個の味蕾を持つ人はどんな人か?」と質問をしたときに私も味覚に関して才能がある人と思った。赤ちゃんだと聞いたときは本当に驚いた。幼い頃、私もおもちゃの人形を噛んでいた記憶が微かに残っているが、なんとなく苦いイメージがあったのも覚えている。
人間以外の動物にも味蕾の数が多い動物や極端に少ないニワトリやヘビがいることも知った。だが驚いたのは、味蕾が舌以外のところにある動物だ。ハエの手を擦る行動は見慣れた光景だが、まさか手に味蕾があるとは思わなかった。
私が一番興味を持ったのはうまみの相乗効果である。今まで食べ合わせが悪い食品について勉強したことはあったが、グルタミン酸とイノシン酸の相乗効果で6.5〜9倍ものおいしさアップが得られることにとても感心した。私は最近料理を多くやるようになったので、相乗効果を利用してみたいと思った。
私には嫌いな食べ物がある。例を挙げるとたくさんあるのだが、一番に挙げられるのは、「キウイ」だ。何かトラウマがあるわけでもなく、嫌なイメージがあるときに食べたわけでもない。理由はわからないが、とりあえず、食感と酸味と甘味の組み合わせが私は苦手なのだ。好き嫌いのメカニズムの1つとして、雰囲気などが挙げられたが、食べ物以外にも、悲しいときに聴いた曲を聴くと悲しくなったり、記憶に残るくらい嬉しい事があった日に来ていた服を好んだりすることが私にはある。それらのように、雰囲気とその場における状態の印象は強いと考えている。無理に嫌いな食品を食べることは個人的にはいいことではないと思うが、嫌い意識をなくそうと思って食べることが必要だと思う。
また私は、ミラクルフルーツやギムネマなど、味覚を変化させる(島村先生の説明では、鍵と鍵穴の関係を変化させる)食べ物を今まで食べたことがなく、初めての経験だったので、非常に新鮮な経験をしたと思う。そして、味を変化させることにとどまらず、それらの変化を活かして、何かを得られたら(カロリーオフのデザートのように)もっと世界は広がるだろう。
正直、はじめは知識も関心もなかったが、今回受講して、味覚に関する今後の未来の変化に自分も関心を持って知りたいと思った。