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■ 参加者の御感想


参加者の御感想

2008/7/7に実施した信州大学 農学部2年の皆さんのレポートです。

講演風景1 講演風景2



Aさん 

 甘いものが大好きな私にとって今日のお話はどれもとても興味深いものだった。はじめにお話しされたのは味蕾についてであった。成人で6000個〜9000個存在するそうだ。では味蕾の多い人はどんな人?という質問に私は、好き嫌いが激しい人かなと思っていた。味蕾が多いから食べ物の味を感じやすく敏感に反応してしまうのではと思ったからだ。もちろん見当違いであった。答えは赤ちゃんである。赤ちゃんはものがあれば何でも口に入れてしまう。これは食べたら危険だという知識と判断能力がまだ発達していないためだ。では赤ちゃんはどうやって危険を察知しているのか。その答えが舌の味蕾なのである。赤ちゃんは苦味を毒のシグナルとして、酸味を腐敗のシグナルとして受け取る。つまり危険性の判断を味蕾で行っているのである。そのため成人に比べ味蕾の数が多い。赤ちゃんの味蕾の多さは自身を守るための一つの手段であったのだ。この答えには納得であった。
 これなら幼い子供がピーマンを嫌がるのも納得できる。毒としてのシグナルが解消されていないからともいえるのだろう。私自身小さい頃野菜が全く食べられず保育園の先生に「この子はなんの野菜なら食べられますか」と聞かれたと母が話してくれたことを思い出す。そんな私が今では野菜が大好きになっている。自分ではなぜだろうとずっと思っていたが、今日の講義を聞いて、この味蕾数の変化(危険性判断の手段の違い)や好き嫌いのメカニズムの話に出てきた第一印象、雰囲気、経験、その食べ物に対する情報を頭の中で書き換えていたことに起因するということがわかった。
 また子供の頃の味覚形成が非常に重要だという話は興味深かった。私の野菜の好き嫌いがなくなったのは家族みんなで食事をするという楽しい食卓の雰囲気、豊富なメニューがあったからなのかも知れない。将来自分も親となった時に、子どもの味覚を作るのは親の責任だという自覚を持って食事メニューを決定したり、楽しい食事の場をつくってあげられたらと思う。
 講義の最後にはミラクルフルーツを体験した。とにかく驚いた。甘いものが大好きな自分にとって、酸っぱいのに甘い低カロリースイーツは魅力的だ。しかし和菓子への応用はまだできていないとの話だった。確かに小豆などの微妙な甘さなど、たとえミラクルフルーツを使ったとしても違う甘味になってしまったり、酸味として使えるものが少なかったりなど、応用は根気のいる研究だと思った。しかし和菓子への応用が可能になればあまり洋菓子を食べない高齢者向け商品など多く市場に出回るのではと期待できる。



Bさん 

 私はこの講義を受けるまで、ミラクルフルーツやギムネマについて全く知識がなかったが、今回自分の身を以って味覚修飾植物の効果、さらには味覚の不思議を体験出来た。ミラクルフルーツとギムネマの両方を体験してみて、チョコレートを食べても消しゴムを食べている気分にさせるギムネマも、レモンを甘くするミラクルフルーツも、どちらも同じくらい衝撃的だった。
 毎日食事をして、色々なものを味わっているのに、舌の機構や味覚について詳しく勉強したことがなかったので、今回の講義はすごく勉強になった。特に興味をもったことは、味蕾についての話である。味を判別する味蕾が舌だけでなく、喉や食道や気道にまで存在していることに驚いた。また、ヒトの赤ちゃんは、成人より3000〜6000個も多い12000個も味蕾を持っていて、何でも口に入れてしまうがそれら全てを飲み込むことがないようなシステムが確立されていることを知り、人体の精密さに改めて感心した。また、それと関連して、ピーマンなどの苦い食べ物が嫌いな子供が多い理由に科学的な根拠があることがわかって、とても興味深かった。もっと調べてみたいと思ったことは、体中に味蕾があり、あらゆる情報を体表の味蕾から集めているナマズについてである。ナマズは、大きいものでは体長60センチメートルにも及び、水質の富栄養化には強いが、酸欠には弱い魚であるらしく、酸欠と体表の味蕾に関連性があるのかなど、もっと調べてみたいと思う。
 また、現代、可食症や拒食症などの若者を中心とする摂食障害の問題が注目されているが、それに比べると、味覚障害について耳にする機会は少ない。摂食障害と問題の背景は共通していて、近年若者の間で増えている恐ろしい病気であるから社会の認識がもっと深まるべきである。そのための手段として、ミラクルフルーツやギムネマを使って、味覚障害の状態を自分の身で体験し、味覚が正常であることに感謝することはとても有効な方法であると思う。
 さらに、講義の中でも紹介があったが、ギムネマの糖分の吸収を妨げる効果やミラクルフルーツの甘味誘導物質を利用することで、糖尿病患者や肥満患者の治療に役立つことが期待される。糖尿病患者や肥満患者は治療の一環の食事制限などで「食べたい」という欲求を我慢することを強いられている。このことは患者にとっては大きなストレスと考えられるが、ミラクルフルーツやギムネマなどの味覚修飾植物を用いれば、そのストレスを緩和することも実現できると思う。近年、糖尿病患者や肥満患者の増加は社会問題となっており、今後、新たな治療法のニーズはますます大きくなることは明らかである。味覚修飾植物の研究がさらに進み、大量生産を可能にして利用しやすくする必要があると思う。
 最後に、自分が興味を持ったことをとことん突き詰め、栽培が難しいミラクルフルーツを独学で栽培・研究をされている島村先生の科学的好奇心はすばらしいと思った。私も自分が興味を持ったことや疑問に思ったことは自ら学ぼうとする姿勢を持ち、受け身な勉強だけにならないようにしたいと思った。



Cさん 

 ミラクルフルーツを使った実験は高校時代にも経験していたが、そのときはミラクルフルーツの個数が少なく、クラスで5、6人くらいしか体験することができず、私はミラクルフルーツを食べることができなかったので今回の講義はとても楽しみにしていた。講義では実際に全員体験することができたのでとても良かった。また、ミラクルフルーツやギムネマの試食だけでなく、味覚の仕組みなどでもはじめて知ったことが多かったので、今回の講義は不思議な体験をしただけではなく、とても勉強になったと感じている。
 味を感じるメカニズムとしては、水溶液となった物質がくちのなかの乳頭に取り込まれ、その中にある味蕾が味を判別するという。私は今まで味を感じるメカニズムを舌の味覚地図で理解していたので、今回それは間違いということを知ることができて良かった。ハエは手に味蕾があることやナマズは大量の味蕾を持っていて、味蕾によって周りの状況とかをすべて判断しているなど、興味深い話ばかりだった。また、赤ちゃんは大人よりも多くの味蕾を持っていて食べていいものとダメなものが判別しやすいようになっているという話を聞いて、人間の自己防衛システムに感心した。
 好き嫌いのメカニズムについては、人は9〜12歳で味覚が形成され、第一印象、雰囲気、経験が食べ物の好き嫌いを決める大きな要素であるそうだ。僕はかなり好き嫌いが激しいので、小さい頃の食生活が何かいけなかったのかなと思った。頭の中の食べ物のいやなイメージの情報を書き換えなきゃと思った。
 そして、ミラクルフルーツとギムネマの試食実験だが、そのメカニズムを学んだ後でも、甘さを感じなくなったり、酸っぱいものが甘く感じたりするのは不思議だなと思った。ただ、私はただでさえチョコが嫌いなので、ギムネマを食べた後のチョコの味は最悪だった。
 講義全体を振り返ると、不思議な体験や、初めて知ることばかりで、時間があっという間に過ぎた感じがした。とても貴重な時間とすることができたと思う。



Dさん 

 私は今回島村さんのお話を聞くまでミラクルフルーツについて知らなかったし、最初はあまりイメージが出来なかった。ギムネマを食べた後の砂糖は砂のようでチョコレートも甘さが全く感じられなくとても不思議に思った。そんな風に興味を持ってから講義を聞かせていただいたので約90分の講義があっという間だった。その中で特に驚いたこと、興味を持ったことは大きくわけて二つある。
 一つ目は、ライオンの草食獣の食べ方についてだ。お腹がすいたらむやみやたらに食べていると思っていたが、生きていく上で役に立つものを美味しいと感じ食べているということを知った。ヒトとは味覚が違うのでライオンにギムネマは効果がないかもしれないが、同じような効果になるようなものを見つけ、与えたとして、目の前にあるものの味が変わったとしても、必要なものであるということは変わらないので、食べ続けるのだろうか。そこがヒトとは違って面白いなぁと感じた。
 二つ目は、ミラクルフルーツを利用して糖尿病患者の方に甘い思いをしてもらおうという部分だ。私は昔から栄養学に興味をもっている。食事の栄養バランスや患者さんの症状緩和に栄養という側面からのアプローチなどあると思うが、やっぱり本人が食べたいものを食べるということは基本でとても大切なことだと思う。だから、ミラクルフルーツの効果を使えば、もっと医療の面でも、食事療法の面でも幅が広がるんじゃないかと、今日すごく可能性を感じた。もし、島村さんが信州大学農学部の先生だったら、ぜひそこの研究室に入り、もっと深く研究していってみたいと思った。
 こんなすごい植物をなんで今まで知らなかったのだろうと思ったのと同時に、もっともっと多くの人に知ってもらって、有効に活用されていくべきだと思った。今後、このギムネマやミラクルフルーツのような味覚修飾植物を企業が利益追求していくようではなく、本当に必要な人達の為に研究、開発が進むといいと思った。そして私自身もそれに関わっていけたらと思う。



Eさん 

 この講義を聴いて、味覚の奥深さについて感じさせられた。味覚修飾物質の一部の構造が変わるだけでまったく違った活性がみられたり、よく見られた味覚地図が間違いであったり、味覚をとりまく世界は非常に興味深かった。
 味覚とは、端的にいえば特定の化学物質を検知する感覚である。体に必要な物質、体に有害な物質を判断している。しかし、有害物質のサインである苦味をもったものでも、ヒトでは薬効作用があることを見抜き、役立てていたり、苦味のある食べ物を「おいしい」と食したりするなどの例もある。また、ヒトの場合は「おいしい、まずい」の要素に心理状態などが絡んできて、単に物質の構成だけでは決められなくなっている。味覚は、ヒトにとって身を守るという機能のほかにも、さまざまな側面でヒトの暮らしに密接に結びついている。
 味蕾の働きに関しては、そういった機構があるということは知っていたが、その働きを阻害してしまう物質が実際に存在したということが大変興味深かった。かつて、幼児の頃に見たテレビアニメに架空の品物として食材の味を変えてしまう食器というものが登場したことがあり、それを見ていた当時の私は、味を変えるということは夢物語であるとの感想を持った。しかし、こうして(食器というほど大掛かりなものではないが)食材の味を変えるということが可能であるということを知り、出来そうもないことを不可能であると思い込むのは早計であると思った。
 また、他に興味をそそられた事項には、水に溶けなければ味として認識されないという点がある。味覚を催す物質が水に不溶性の膜に包まれているなど、何らかの形で不溶性になっていれば、味として感じることはできないということから、これは何か応用できそうなことだと考えた。
 また、全員分の実験資料を用意して授業を行うという体制は、たいへん良いと思った。話だけを聞くよりも実際に体験するのが最も早く、且つ最も簡単に理解できる。この信念には感銘を受けた。



Fさん 

 今まで味覚について知ることは、生物の授業で少し触れられた知識やテレビなどのメディアで取り上げられる雑学などの一部の情報でしかなく、ほとんどと言っていいほど知りませんでした。しかし、今回の講義で味を感じる仕組みから味覚の意義まで、とても勉強になりました。まず、味覚を感じる仕組みについて、味蕾というものが舌や、他にも顎や喉にあるということを初めて知りました。この味蕾が、鍵と鍵穴の関係で味を伝えているのは、まさに酵素と基質というような関係であるなと思いました。また、人間に関してこの味蕾が最も多く存在する時期が赤ちゃんの時で、それは赤ちゃんは何でも口にしてしまうため、味蕾多くすることで危険なものを口にしてしまう危険性を回避しているということは、聞いてみればなるほどなと思いました。また、好き嫌いのメカニズムについて、小さい時にピーマンなどの苦いものが嫌いな理由が、本能的に苦いものは高い感度で毒としてのシグナルを認識するようにできているためであったことを知り、小さい子がピーマンが嫌いな理由が科学的にわかり、納得した。しかし、またこの苦みについて、大人になると逆にその苦みを好むようになるというのは、人間とはおもしろい生き物だと実感するところである。
 今回の講義で体験した、ギムネマの葉をかじった後で甘いものを食べると甘みを感じなくなる実験とミラクルフルーツを食べた後で酸っぱいものを食べると甘く感じる実験は、自分の口で直接体験し、その効果に驚き、楽しめたことは大変勉強になった。
 味覚について知ることの意義は、今の自分にとっても役に立つことであるが、それ以上にこれから子供を持った時に、その子供に正しい食育をできるかというところに意味があると思った。子供を味覚障害にさせない食事を提供する義務と、食事をおいしく感じることのできる環境を提供する義務を果たせる大人になれるよう、これから努力していこうと思う。
 今回、このような味覚に関する専門的な講義と貴重な味覚の実験を体験することができ、大変勉強になった。ただの勉強に終わらず、人生に活かせる大切な情報もたくさん得ることができ、今後の生活に活かしていこうと思います。本当に、今回はこのような講義をして頂き、ありがとうございました。



Gさん 

 私はこの講義を受け、驚くこと、今までの知識が間違っていたこと、そして何よりとても楽しめました。正直、「ミラクルフルーツについての講義」としか事前に聞いてなかったので、訳のわからない果物について一時間半も長々と話すのかなぁ・・・と思っていました。
 今までの私は味覚についての知識はほぼありませんでした。漫画の中で舌の先は甘味を感じるという曖昧な知識ぐらいで、実際にはこのことさえ間違いだったと気付かされました。さらに味を感じる味蕾は舌だけでなく、喉なんかにもあることに驚かされました。
 実験でのギムネマを噛んで甘味を感じなくなる、これは今までにないとても不思議な感覚でした。私はとても甘いものが大好きなので自分の舌が正常なのにとても感謝する結果となりました。また、ミラクルフルーツの実験でも始めに食べたヨーグルトなんて酸っぱくて顔をしかめてしまうぐらいだったのに、ミラクルフルーツのタブレットを食べた後はとても美味しいヨーグルトになってとても感動しました。
 この講義を受け、私の興味ある分野がさらに広がり、今後は味覚のことについても自分で勉強してみたいと思いました。今回の講義本当にありがとうございました。



Hさん 

 島村先生の講義は私の心を見事奪ってしまいました。というのも私は最近、生物の、特にヒトの体のタンパク質を主とした生体機能について興味を持ち始めて、ちょうどそれとこの講義が重なっていたからです。それに加え、レジメの一番初めのページの図3「味覚地図」の存在が間違いだというものを見て大きな衝撃を受けたことも、先生の講義にのめり込んだきっかけの一つだと思います。それにしても「味覚地図」のことが嘘だとは夢にも思っていませんでした。薬などを飲むときわざわざ苦味を感じる部分に薬が触れないように、もしくは接触する時間が少しでも短くなるように頑張っていたぐらいこの話を信じていましたから、本当に衝撃的でした。ただここでひとつ疑問を持ったのですが、甘味や塩味などを感じる味蕾は各種類舌にバラバラに配置されているのはわかりましたが、舌のある部分に甘味を感じる味蕾が特別集中していて、別の部分には苦味を感じる味蕾が特別集中しているなどということはないのですか。ひょっとしてそうした事実が学者さんたちに味覚地図などというものを発想させたのではないのでしょうか。
 好き嫌いのメカニズムについてのお話もとても興味を持ちました。今の私には好き嫌いがほぼないのですが、友達の好き嫌いが半端なく日々それが気になっていました。また、ヒトがなぜ食べ物に対する好き嫌いという個体別の感覚を持ってしまうのか、前から気になっていました。そういったことからこの話題に関心を抱いたのだと思います。かくいう私も小さい頃はいろんなものが好きだったり嫌いだったりしました。それを考えながら講義を振り返ると、やはり好き嫌いは第一印象、雰囲気、経験の三点から発生すると考えて間違いではないと納得できます。私の例で言うと、イカの塩辛は何となく気持ち悪くてネロネロしており、親に勧められて一口食べたときものすごくしょっぱくおいしくなかったから食べたくない、という理由からイカの塩辛がなかなか食べられませんでした。ちなみに今ではご飯のおかずに、酒のつまみにと好物の一つになっています。またこの時にあった、子供が苦いものを食べられないことについてのお話も納得しました。人間の本能にただ忠実だっただけなんですね。それなら小さい子供がピーマンを食べられないことをそこまで強く叱ることができませんね。それでも食べさせるべきだと私は考えますけど。
 最後に、あのミラクルフルーツのタブレットはどこかで入手することが可能なのでしょうか。あの驚きをもっと多くの人に知ってもらいたいです。素晴らしい講義をありがとうございました。