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■ 参加者の御感想


参加者の御感想

2008/5/8に実施した岐阜市立女子短期大学の皆さんのレポートです。

講演風景1 講演風景2



Aさん 

1.講義で感じたこと・わかったこと・興味を持ったこと
 人でも年齢によって味蕾の数が違うことに驚きました。赤ちゃんが何でも口に入れようとするのは、五感の中でも味覚が一番敏感で、だから味を見てそのモノを理解しようと無意識にやっているのだろうかと思いました。また老人では味がよくわからなくなると聞いたので、味蕾の数が減っていくとわかりました。更に唾液の分泌量が少なくなること、神経の受容体機能の低下も合わさって、味覚低下につながるとわかりました。
 「甘いものは別腹」とよく聞くし、私も満腹感を感じていても食後にケーキ1つ平気で食べられるので、「別腹」は本当なのだろうと思っていました。けれど、好きな食べ物を見る問いが活発に動いて胃の丈夫に余裕ができる、という仕組みまでは知りませんでした。好みや気持ちを自律神経にまで影響させて内臓を動かす人の身体に驚きました。
 好き嫌いの話を聞いて、自分のことを振り返ってみました。すると私は第一印象と雰囲気でピーマンが嫌いになっていたことに気付きました。実際食べた時も苦くて嫌だったこと、ピーマン嫌いの子供が出ているアニメを見ていて、ピーマンはまずいというイメージが自分の中で出来上がっていた事が、私のピーマン嫌いの原因だと考えました。しかし今は、苦味も平気になって食べられるようになりました。

2.味覚修飾植物の今後の展開や味覚について知ることの重要性
 味覚修飾植物の糖尿病患者への適用が、これから広まればいいと思います。食事前にミラクルフルーツを下全体にこすりつけなければならないことは少し手間がかかるけど、糖を摂らなくても甘みを感じることができることは、かなり見逃せないポイントだと思いました。甘みは食事を大変おいしくしてくれるので、大事なものです。だからこの味覚修飾植物の発見はすごい大発見だと思います。お菓子に利用するというのも、特に子供の糖尿病患者には食生活に楽しみがあっていいと思います。
 今注目されているメタボリックシンドローム対策も、40歳以上対象の特定健診だけじゃなくて、子供の味覚形成にも対策をしたらどうでしょうか。新米お母さんたちに子供の味覚の知識を正しくつけてもらえたら、大きくなった子供が偏った嗜好になることも減るのではないかと思います。また、最近の小学校では子供の食育が積極的にされているけど、ご飯を作るのはお母さんなので、母子共に食育を進めるべきなのだろうと思います。ただ、このようなことに効果があるかわかるのは子供たちが大人になる頃なので、すぐに成果を出さなければいけないなら、あまり効果的ではないのかもしれません。しかし、将来の日本が抱える問題が減るようにみんなが味覚の知識を持ってほしいと思います。おいしいからといって安易にファストフードに走らないように国民の意識が変わるといいと思いました。

3.意見・感想
 私も食について勉強して、正しい食生活がよくわかっているけど、それを実践できるかは別の問題だと思っています。時間が余り無く適当に済ませたり、冷蔵庫の残り物で間に合わせたり、買い物に行っても目に付くのは好きな食べ物ばかりという事が現状です。これはよく考えてみれば子供の頃から大して変わっていません。味覚の嗜好ができてから食生活を変えることは、本当に難しいと思います。自分の経験や、9〜12歳で味覚の嗜好が出来るという話から、将来子供ができたらその子にはよく考えて食べ物を与えようと思いました。

◎島村のコメント
 すべての苦い食材に毒があるわけではありません。そのような知識を知ることで、色々と食べることができるようになるわけです。
食育はご指摘の通り、食卓の権限を握っているのは親ですから、親も含めて食育を推進していく必要があります。



Bさん 

1.講義で感じたこと・わかったこと・興味を持ったこと
 まず聞いて驚いたのが味蕾は口の中にあるとは限らないということでした。ハエは手に味蕾がある。ナマズは全身に味蕾がある。初めて知りました。私たちは口の中に味蕾があって本当によかったと思いました。動物によって味蕾の数や場所が違うということ、それは各々の動物が生きていくために都合のよい形が自然に備わっているのだと思うと感心しました。もう1つ驚いたのは、私は授業で味覚地図を作成したのですが、実際話を聞いて味覚地図は無いという事です。ではなぜ堂々とウェブサイトや本に味覚地図が載せられているのか疑問に思いました。

2.味覚修飾植物の今後の展開や味覚について知ることの重要性
 糖尿病患者への使用についてですが、私の中には糖尿病患者にはカロリー制限、運動、といったありきたりな方法しか思い浮かびませんでした。栄養士の勉強をしているのに自分の知識の浅はかさには反省です。ミラクルフルーツを食べて酸味のあるものを摂取し、甘く感じ、満足する、植物なので体にも心にも元気を与えてくれる、この発想に大変感動しました。違う視点から捉えていてこれからの展開に大いに期待したいと思いました。というのも、私の祖父、そして父も糖尿病であるからです。このような画期的な方法を知ったら驚くと思いました。ぜひ、このミラクルフルーツについて話してあげたいと思いました。

3.意見・感想
 今回、驚きの味覚体験ということでどのようなお話を聞くことができるのだろうと楽しみにしていました。解剖生理学実験でも味覚について学んでおりましたので、ある程度は分かっているつもりでした。しかし、講義を聞いて初めて知ることばかり、驚くことばかりでした。
 ギムネマもミラクルフルーツも初めて聞きましたが、実際に体験もでき、今回の講義を頭だけでなく体でも感じることができました。体験がなかったらこのような感動は覚えていなかったと思います。見て聞いて感じる、島村先生のこのスタイルはとてもいいと思いました。
 好き嫌いについてですが、昔はわさびが嫌いだったのに、最近はやけにおいしく感じます。冷奴や味噌汁に乗せるネギの苦味が嫌いだったのに、今はやけにおいしく感じます。自分の嗜好が単に変わったのだろうで片付けていましたが、その仕組みにはと意味があったということがわかり感心しました。また、小さい頃は母がいくらが大好きだったため、つられておいしいと思いよく食べていたのに、今は大嫌いです。いくらというとあの頃よく食べていた事を思い出します。これが経験による好き嫌いであるということがわかり感心しました。
 島村先生は小さい頃ふと抱いた疑問、ふと興味を持ったことへの探究心から今日、このように各地で講義をなさっています。未知の分野を自ら開拓なさってきました。先生を見ていて、やはり人生を切り開いていくのは自分自身なのだとよく感じました。自分がどうあるか、どう取り組んでいくのかで未来はどれだけでも変わるのではないかと。素敵だなと思いました。
 最後に、もし私たちの体から味覚の機能が消えてしまったら、なんて実感は沸きませんが、少なくとも生活が変わると思います。食への関心や興味がなくなると思いました。酸味・甘味・苦味・塩味・うま味を感じることができる舌をもち、判断できる体(頭)を持って生まれてくることができたのだから、もっと味わう事を大切にしていくべきだと思いました。
 貴重なお話を聞くことができて、大変ためになりました。ありがとうございました。

◎島村のコメント
 以前、味覚地図を作ってそのとおりになりましたか?味覚地図を紹介している人は味覚を研究している方かどうか、見極めてみてください。専門が味覚生理学でなく、栄養学だとか、料理研究家だったりとか、どうしても専門家は自分の研究分野以外に見えていない傾向があります。また、科学は進化していますので、小職の講義内容も新しい発見があれば、変わる可能性もあります。



Cさん 

1.講義で感じたこと・わかったこと・興味を持ったこと
 今回の講義では、以前テレビで知ったミラクルフルーツを用いた味覚の体験ができてとても楽しかったです。酸っぱいものが甘く感じるなんて、本当なのかと疑問に思っていたので、実際に食した際には驚きました。ギムネマを舐めて、チョコレートを食べた際には、油のように口の中でまとわりつく触感がなんとも言えなかったです。でも、このように感じることができるのは人間に「味覚」というものが存在する生物であるということの証明でもあると思いました。人間が食べた場合にはこのような結果になりますが、他の動物(例えば、甘味を感じないネコ)ではどのような結果になるのか知りたいです。また、ギムネマを舐めた後のチョコレートの味が味覚障害の症状に近いことは初めて知りました。食育を学んでいる私たちの立場からも、もっと理解の必要な病気だと思いました。
 動物にとっての味覚も印象に残る話でした。口で味を感じることが当たり前のように感じていた私にとって、ハエが手に味蕾があり、味を感じていることには驚きました。コアラは毒のあるユーカリを食べる事でこの世界で生き抜く進化を遂げてきており、野生動物は食べる事が生きる事に直結している世界だと改めて感じました。私たちが食事をする前には「いただきます」、食べ終えた際には「ごちそうさまでした」と言います。生き物を食す事で私たちは生かされています。食べる事のありがたさを感じることはとても大切な事だと思いました。
 味覚を形成する上で、子供の頃の食生活は大きな影響を与えます。9〜12歳には味覚は出来上がってしますので、親の責任は重大であると思います。赤ちゃんが離乳食を食べるようになるのは、親を見ておいしそうに、安全だと思うことから始まると知りました。子供は親の食べるものを必然的に食べるので、子供の食生活にとっての親の役割は重要です。子供の頃は誰でも好き嫌いはあるものです。親としては焦らず、子供の成長を待ってあげる気持ちも大事だと思いました。私自身、歳を重ねてからおいしく感じるようになった食べ物はたくさんあります。子供を持つ親も自分自身を振り返ってみると、心にも余裕ができるのではないかと思いました。

2.味覚修飾植物の今後の展開や味覚について知ることの重要性
 味覚修飾植物を活用する事によって、糖尿病や肥満の患者の方にも甘味を感じてもらい、少しでも治療の支えになればと思います。病気の方は食べるものが制限され、精神的に辛い立場にあり、自ら欲求を抑え込もうとすることは難しいです。私が栄養士になった時、食べたいものが食べられないという患者さんの気持ちをどうしようも出来ないときもあると思います。味覚修飾植物によって患者さんの満足感や食べる事はの喜びを感じてもらい、患者さん自身の治療への意欲になればと思います。
 私は一人暮らしをしていて、時々家に帰ることがあります。家族と食事をする事は私にとってとても楽しい時間で、一人で食べるより何倍もおいしく感じます。一人になってみて家族で食事ができることはとても幸せな事なんだと思いました。そしてこのように思えるのも味覚があるからこそです。おいしいものをよりおいしく感じられるのは人間の特権であり、感謝するべき事だと思いました。
 今回は貴重な体験をさせていただきありがとうございました。栄養士としても働く上でも考えさせられる事があり、これからの勉強にも役立てたいです。

◎島村のコメント
 ギムネマの効果があるのは人間やサルなどの一部の霊長類のみです。猫は甘さを感じないので、ギムネマの効果の有無は別にして、食べても食べなくても変わらないのではないかと思います。
味覚をきちんと感じることのありがたさを今回の講義で分かってもらえて良かったと思います。



Dさん 

 講義を聞いて、非常に強く感じたことは実際に体験する事の重要性です。私たちは普段からごく当たり前に食べ物を口にして、それについて美味しい、まずい、甘い、しょっぱい、苦い、酸っぱいなどと感じ、時には声に出して語り合っているにも関わらず、それを感じ取っている仕組みなどは食べながら全く意識していません。また、例え味を感じる仕組みについての講義を、一時間半、真剣に聞いて帰っても、せっかく知識として頭の中に入れたものの、夕食の時間など再び食べ物を口にするときに思い出すことはなかったと思います。それが、いつも特に何も考えずに口にしている、当然甘いはずの砂糖やチョコレートがギムネマをかじった後に食べたら甘かったというのは大きな驚きと衝撃で、講義に惹きつけられたのと同時に、自分が持っている味を感じるという能力、器官の存在を、身を持って改めて認識し、講義と実体験が強く結びついた瞬間でもありました。先生の、どんなに人数が多くても一人ずつ体験できる講義にこだわる思いが感じられました。
 私が興味深く感じていることは、動物にとっての味覚と、人間にとっての味覚の違いです、生き物は皆、生きるために何らかの栄養素を必要としています。進化の過程でそれぞれが独自の食べ物とそれに対応した体の仕組みを作り上げてきました。しかし、動物にとってはあくまで生きていく上で必要なものが美味しいものであるのに対して、人間にとっての味覚は、先生の言葉でいう、「経験と学習」であるというというところに大きな意味があると思います。もちろん、人間にとっても、食べ物は体の構成要素でありエネルギーであるので、生物学的意義は最も重要です。そこに加えて、経験と学習によりいろいろな可能性を秘めている、いろいろな要素が加わる事で、美味しさを楽しむ事ができるというところが人間の特権であると思います。私が栄養士を志望する理由のひとつに、多くの人に食べることの楽しさをもっと知ってもらいたいということがあります。スローフードなどの言葉と共に食べる事が見直されている一方で、食べる事にあまり興味がない、面倒くさい、好きなものだけを中心に食べているといった残念な現状が、特に若い世代では多くあります。そういった世代に育てられる子供たちの食生活も心配です。
 今回の体験で驚いただけでなく、お土産付きで帰ったので、他の物でも試してみたい、誰かを驚かせてみたいと思った人は大勢いたと思います。面白いなと感じたところから始まって、普段はあまり意識していない味覚の仕組みについて理解する、食べるということにもっと向き合うために、味を感じるということの楽しさ、味を感じなくなることの恐ろしさを体験し、考えてみる、味覚修飾植物がそういったいろいろなきっかけになると素晴らしいと思います。
 また、味覚修飾植物の甘味誘導物質が新しい甘味剤として応用される事もとても画期的です。糖尿病の患者さんはもちろん、食事に制限がつく、食べたいものを我慢しなくてはならないということは非常に苦痛を伴います。そこへ糖分はないけれど甘いもの、甘いお菓子が食べられるということになれば、満足感が得られます。そこにもやはり、人間がいろいろな要素、五感を使って美味しさを感じ取っている、楽しんでいる所以があると思います。

◎島村のコメント
 レポートはよく書けていると思います。「味覚修飾植物」ですので、間違えないようにしてください。
栄養士になろうとする動機を拝見し、共感いたしました。食べることは楽しみの1つです。
1人でも多くの人に楽しい食体験をさせてあげて欲しいと思います。



Eさん 

 今日は、味覚の講義という大変貴重なお話を聞くことができました。ミラクルフルーツはどういったものなのか、ある程度知っていたので興味を持って聞くことができました。ギムネマは初めて聞く言葉でした。”ギムネマを舌にこすりつけると甘さを感じなくなる”。始めは半信半疑でしたが、実際にやってみると本当に甘さを感じなくて驚きました。それと同時に自分の舌が誰か別の人の舌と置き換わったような不思議な感覚に襲われました。
 コアラがユーカリしか食べない理由、ライオンが獲物を食べる順番は決まっているという理由、体全体に味蕾がある動物、そして赤ちゃんに味蕾が多い理由など、味覚、味蕾というものには様々な関連、つながりがあり、それぞれにはちゃんとした理由があるということを知ることもできました。私は味覚・味蕾というものは人間や動物に関係なく、食べ物をおいしく味わって食べるためにあるものだと思っていました。味覚の重要性について考えた事もありませんでした。しかし、味覚・味蕾というものは動物が生きていくために必要なもの、自分の身は自分で守るといった、生きるための手段や方法のひとつだとこの講義を聞いて考える事ができました。私たちの生活の中で切っても切り離せない存在ですし、味覚があるということは本当に幸せな事なんだと改めて感じることができました。
 また、”辛いのは味ではなく感覚である。口が火傷をしている状態”というお話も伺って、興味を持ちました。実際に口を火傷した後と似ているかも…と少し共感しました。私は辛いのもが苦手で、水なしでは辛いものを食べる事が出来ません。私の両親や姉妹も辛いものは苦手です。だから舌の感覚というものは遺伝するのか、訓練によって辛い食べ物も平気になるのか、辛いものばかり食べていても味蕾は変化しないのか・壊れないのかということに疑問を持ちました。私も先生のようにわからないことは自分で調べる努力をしようと思いました。
 そして、一番気になっていた好き嫌いのメカニズムも知ることができました。それと同時に幼い頃の食育が最も大切だということも知りました。これからお母さんになるであろう私たちにとって大変貴重な話でした。好き嫌いをなくすには、食事の時の雰囲気を楽しいものにする事と、食べられないものがあったら調理の工夫をする事が一番いい方法だと思いました。
 最後になりましたが、今日はお忙しい仲、私たちのために非常に面白くて役立つ講義をしてくださり、ありがとうございました。

◎島村のコメント
 辛味はやけどをしているのと同じです。辛さを抑えるためには、温度を低くするか、水などの液体を飲むことで、口内の神経に辛味成分の付着を抑えることができます。味覚は遺伝もあるものの、ほとんどは経験で習得するものです。
子供の味覚を育てることは親の責任が大きいです。今回学んだことを将来役立ててほしいと思います。