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■ 参加者の御感想


参加者の御感想

2006/11/28に実施した東京医科歯科大学歯学部口腔保健学科1年の皆さんのご感想です。



Aさん 

 今まで、感覚器官については生物の授業で学んだことがあり、味蕾の存在も知っていました。しかし、どのように味を感じているのかまではよく分かっていませんでした。今回の土曜講座で舌の構造について学び、初めて知ることばかりでとても驚きました。
 私は今まで、舌にはプリントにあったような「味覚地図」があると信じていました。また、ある二種類の味を感じる場所は近いと聞いたこともありました。しかし、ギムネマを試食したとき、たまたま舌の先だけにギムネマをこすりつけ、そのままチョコレートをなめたところ、舌の奥では甘味を感じることができました。この体験によって、味覚地図が間違っていることを身をもって知ることができました。
 さらに、味蕾は舌の上だけにあると思っていたので、鼻腔や食道にも存在するという話はとても意外でした。動物によって味蕾の数や場所が違うというのも驚きで、住む環境や食事内容によって進化してきたのだと考えると、いつか人間も味蕾の数や場所が変わるかもしれないと思いました。また、赤ちゃんと成人では味蕾の数が違うことも初めて知りました。成長とともに味蕾が減るという変化は、普段の生活では感じられないものです。
 味を感じるときには扁桃体の情報も関係しているというのはとても不思議でした。同じものを食べても、人によって感じ方が違うのは、味蕾で受け取る情報は同じでも、脳がそれぞれの経験や文化によって違う解釈をするからなのだと思いました。だから好き嫌いは人によって違うし、同じ人でも状況によって感じ方が変わるのでしょう。そう考えると、人の味覚は味蕾で感じた情報だけでなく、生理的欲求や過去の記憶によって大きく左右されているのだと感じました。もしかしたら、いつか大人になったとき、味蕾がさらに少なくなってしまう未来もあるのかもしれません。
 今回のギムネマの実験では、甘味を感じられなくなるという「味覚障害の一種」を体験しました。昔、食事は生きるための蓄えでしかない民族の話を聞いたことがあります。そのような人たちにとって味は重要ではないかもしれません。しかし、私たちは食の質にこだわり、味を楽しむ文化を持っています。もし味を感じられなくなったら、人生の楽しみがひとつ消えてしまうように思いました。どんなに味覚障害が寿命に直接関係しない病気だとしても、私は絶対になりたくないと思いました。
 最後に、ミラクルフルーツのタブレットなどを見せてもらい、今後の応用についても知ることができました。ギムネマの試食を通して、味覚障害の危険性についてもっと多くの人が知ることができたらいいと思いました。味覚障害になる前に、その恐ろしさに気づける人が増えてほしいと感じました。



Bさん 

1.人の味覚
 動物の味覚と人間の味覚の違いには以前から興味があった。例えばコアラが毒性のあるユーカリを食べるのは、他の動物が食べられない葉を主食にすることで、敵の少ない環境に適応しているためである。また肉食動物が獲物を食べる順番(小腸 → 肝臓・膵臓 → 筋肉 → 肉)にも理由があり、植物を消化できないため他の動物の小腸から植物繊維を摂取している。
 つまり動物は「生きるために必要なもの」を食べ、それをおいしいと感じている。一方で人間は経験や学習によって食べ物を選び、味を楽しむという非常に贅沢な生き物だと感じた。
 さらに、人のおいしさには ①生理的欲求 ②文化 ③情報 ④薬理学的作用 の4つが関係していることを学んだ。
 運動後に塩気を欲したり、勉強中に甘いものが食べたくなるのは、生理的欲求によるものだ。文化的なおいしさは家庭料理の違いなどに表れ、情報に関しては、人とは違った意味で私も感じる。私のおいしさと は、定番の料理屋や行列が出来ている店などの情報が特に問題にはならない。問題になるのは値段である。一皿一皿職人さんに握ってもらう寿司より100円の回転寿司の方がおい しく感じる。薬理学的なおいしさはかなり好きだ。ほうれん草ソテーなんかは油をドバド バ使って炒めたい。そのほうがほうれん草が甘く感じ、ベーコンのうまみも増すように感 じる。しかし、私の家では栄養を常に考えた母が、常に油を少量しか使わず、焼きそばも 一度茹でて脂分をとってから水で炒めている。これはかなり物足りない感じがする。
 また、私は「食感」もおいしさの重要な要素だと考える。咀嚼・嚥下に問題がある患者さんがペースト食を「まずい」と感じるのは、味よりも食感が失われているためである。実際に私自身も同じ料理をミキサー食にしたものを食べたとき、味は同じなのにおいしさが大きく損なわれることを体験した。

2.味覚を変えるしくみ
 人間は嫌いなものを無理に食べようとしない。糖尿病患者が甘いものを禁止されても隠れて食べてしまうことがある。柑橘類がすっぱくて食べられない人もいる。 そのような問題を解消する可能性を持つのが、ミラクルフルーツとギムネマである。これらは味覚修飾物質を含み、脳に送られる味の情報を変える働きを持つ。

3.ミラクルフルーツについて
 ミラクルフルーツ(学名 Richadella dulcifica)はアフリカのガーナ・コンゴ沿岸に生育するアカテツ科の植物で、赤い実をつける。この実を食べると、1〜3時間の間、酸味が甘味として感じられる。 この不思議な作用は、実に含まれる糖タンパク質 ミラクリン によるものだ。ミラクリンは酸味と結合すると甘味受容体の「鍵」に似た形になり、酸味を甘味として感じさせる。ただし酸味受容体を塞ぐわけではないため、わずかな酸味は残る。
 ミラクリンの化学構造を世界で初めて決定したのは横浜国立大学の故栗原良枝教授であり、現在も世界中の医学・薬学・植物学分野で注目されている。また、ミラクルフルーツの教育・栽培・タブレット化の研究を進めているのは日本福祉大学の島村光治先生であり、今回直接学べたことは非常に貴重な経験だった。

4.ギムネマについて
 ギムネマはインド原産の植物で、甘味受容体を一時的に塞ぐことで甘味を感じなくさせる作用を持つ。砂糖は砂のように感じられ、チョコレートはカカオの味だけになる。
 さらに腸で糖の吸収を妨げる働きがあり、インドではダイエット用品として利用されている。ミラクルフルーツより栽培が容易であるため、私も育ててみたいと思った。ただし葉には強い苦味があるため、食べる際には工夫が必要である。
 日本にも同様の作用を持つ植物として「棗の葉」がある。

5.驚きの体験
 まずギムネマを試した。葉は非常に苦く、舌に汁をつけているだけでつらいほどだった。家族にも試してもらったが、苦すぎて続けられなかった。
  しかしその後砂糖を食べると本当に甘味が消え、砂を食べているようだった。チョコレートは甘味がなくなり、カカオの味だけになって私好みの味になった。
 次にミラクルフルーツを試した。実は桃とライチの間のような甘い味で、その後に食べたレモン入りヨーグルトやグレープフルーツジュースは驚くほど甘く感じられた。甘いのか酸っぱいのか脳が混乱するような不思議な感覚だった。
 家でも再度試し、レモンを丸かじりできたことは特に面白かった。ただし柿は甘味が消えてしまい、物足りなかった。

6.感想
 今回の講座で味覚に関する理解が大きく深まった。夏の早期臨床体験実習で「おいしい研究」と題し、ペースト食やミキサー食をいかにおいしくすることが出来るかについて研究した 。その時は味というよりも食感がおいしさの原点であるという答えを出したが、今回は味覚受容体の働きによって味そのものを変えられることを学んだ。
 ミラクルフルーツのタブレット化が成功したと聞き、咀嚼・嚥下に問題のある患者さんが砂糖を使わずにビタミンC豊富なジュースを甘く飲める可能性に大きな希望を感じた。
 さらに、ネオクリンを持つクルクリゴや、水を甘く感じさせるストロジンなど、他の味覚修飾物質もぜひ体験してみたい。
 今回の講座は非常に有意義で、味覚の奥深さを実感できた。心から感謝したい。



Cさん 

 「驚きの味覚体験~ミラクルフルーツとギムネマ~(植物を通じて味覚の仕組みを理解する)」という講義では、ギムネマとミラクルフルーツの試食があり、まさに主題のとおり“驚きの味覚体験”をすることができた。とても楽しい経験であり、講義全体を通して人間の味覚の仕組みについて興味深いことを多く学ぶことができた。
 味は味蕾によって判別されるが、動物によって味蕾のある場所は大きく異なる。ナマズはひげに味蕾があり、水の流れにのってくる敵や餌の味を感じ取っている。蝶は手に味蕾を持ち、交尾相手を味で判別するという。味蕾は口腔内だけにあると思っていたので、この事実はとても驚きだった。
 さらに、人間の味蕾は舌だけにあると思っていたが、上あごやのどにも存在することを今回初めて知った。そのため、上の歯が入れ歯だと味が感じにくいという話もあり、食べることと口腔の状態を良好に保つことの関係性について改めて考えることができた。
 また、動物にとっての味覚は「生きるために役立つものがおいしい」という仕組みだが、人間にとっては「経験と学習」が味覚を形づくるため、さまざまな要素に左右されやすいことも分かった。この経験と学習の過程が9〜12歳の間にきちんと形成されないと、好き嫌いが激しくなったり、極端な嗜好が生まれたりするという。私はあまり好き嫌いがないので、きちんとした食事を与えてくれた親に感謝したいと思った。
 子供は味蕾が多いため、苦味を毒と判断して拒否する自然な傾向があることも知った。子供がピーマンを嫌う理由はここにあり、嫌がる子供を叱るのではなく、「食べたら楽しいことがある」という経験を積ませることが大切だと分かった。このことをもっと多くの母親が知れば、好き嫌いの激しい子供は減るはずだ。
 そして、人間の味覚について最も強烈な印象を残したのがギムネマの試食だった。甘さを感じなくなると、何もかもがおいしくなくなり、日ごろ自分たちがどれほど甘さに頼っているかを痛感した。砂糖はただの砂利のようで、チョコレートもただの固形物になってしまった。家でも家族と実験したが、ファンタグレープは言葉にできないほどまずかった。
 人間にとって「おいしいかどうか」はとても大切であり、味覚がなければ食事は楽しくない。このギムネマの体験を通して、糖尿病で甘いものを制限されている人や、病気で味を感じられない人が「甘いものを食べたい」と思う気持ちを少し理解できた気がした。甘いものが食べられなくてもいいと思っていたが、実際には甘さがなければどうにもならなかった。
 ミラクルフルーツは、きっとそんな患者さんの生活を快適にしてくれる“希望の星”なのだろう。



Dさん 

 今回、ギムネマやミラクルフルーツの試食という、とても面白くて不思議な実験を通して、味覚について興味深い多くのことを知ることができた。一枚の葉をかじるだけで甘みを感じなくなったり、逆に一つの実を舌の上で転がすだけで酸っぱいものが甘くなったりするという体験は、本当に驚きの連続だった。滅多にできない経験なので、とても良い機会になったと思う。
 しかし、ただ「驚いた」で終わるのではなく、なぜそのような変化が起こるのかというメカニズムまで理解できたことは、自分にとって大きなプラスになった。味と味蕾には鍵と鍵穴のような関係があり、ギムネマは甘味を感じる味蕾をふさいでしまうため甘さを感じなくなるという仕組みなど、図を使った説明がとても分かりやすかった。他の人にも説明できるように、しっかり覚えておきたい。
 講義全体には興味深い話が多かったが、その中でも特に印象に残ったのは「好き嫌いのメカニズム」についての説明だった。 最初に食べたときの印象で決まる「第一印象」、食事中の雰囲気で嫌いになる「雰囲気」、食中毒などの経験で嫌いになる「経験」。この3つの要素は、確かに自分自身の体験と照らし合わせても納得できるものだった。最初に食べて美味しくないと感じた食材は、その後どんな調理をされても食べられないという自分の傾向にも当てはまっている。
 また、子供の頃の味覚形成が重要であり、親の影響が大きいという話も印象的だった。私は偏食が少ない方だが、それは好き嫌いの少ない両親の食生活を見て育ったからだと思う。好き嫌いをなくすには本人の意欲が必要なので、最初から好き嫌いが少ない方がずっと楽だろう。もし将来子供ができたら、先生の言っていたように、無理強いをしないよう気をつけたい。
 さらに、ミラクルフルーツのタブレットが糖尿病治療に応用できるという話は、とても魅力的だった。現代では糖尿病患者が増えており、甘いものを一切口にできない生活は大きなストレスになる。ミラクルフルーツはそのストレスを和らげ、しかも糖分を摂取せずに甘さを感じられるという点で、まさに“希望の星”だと思う。
 しかし、そんなすばらしい果実の存在を私は今回の講義で初めて知った。おそらく私のような人は大勢いるだろう。だからこそ、今後ミラクルフルーツのすばらしさがもっと広まり、さまざまな分野で活用されることを期待したい。また、糖分を使わない和菓子の開発も進んでいるという話を聞き、ぜひ近いうちに完成してほしいと思った。
 今回の講義は身近な話題でありながらとても興味深く、強く印象に残った。もっと味覚について知りたいという気持ちが湧いたので、これからも勉強してみたい。そして、ミラクルフルーツのタブレットが早く広く実用化されることを願っている。



Eさん 

 ミラクルフルーツが酸味を甘味に変える仕組みは、ミラクルフルーツに含まれるミラクリンという成分が酸味そのものを化学的に甘味へ変換するのではなく、舌が酸味を甘味として認識するように働くことによる。舌には乳頭という小さな突起が無数にあり、その乳頭にある味蕾によって味を感じる。味蕾には甘味・酸味・苦味・塩味・うま味を感じる受容体があり、ミラクルフルーツを食べることで「ミラクリン+酸味=甘味」という形で受容体に作用し、一時的に酸味を甘味として感じることができる。この仕組みを知ることで、今回の不思議な体験の理由を理解することができた。
 私は幼い頃、絵本で「味覚地図」を読み、苦い薬を舌先で舐めれば甘く感じるのではないかと考えて試し、見事に失敗した経験がある。ずっと疑問だったその理由が、今回の講義でようやく解決した。
 甘味や苦味を感じる仕組みは理解できたが、それらが複合して生まれる「食べ物特有の味」はどのように認識されているのだろうかという新たな疑問もわいた。目をつぶっても味だけで食べ物を特定できたり、プリンに醤油をかけると甘味でも苦味でもない「うにの味」を感じたりすることがある。これは脳が甘味・苦味・塩味などのバランスを総合して判断しているのだろうか。味覚の奥深さを改めて感じた。
 また、子どもの好き嫌いが周囲の環境によって大きく左右されるという話はとても印象的だった。味覚は経験と学習によって形成されるということを改めて理解した。さらに、おいしさが薬理学的に説明できるという話も興味深かった。脂や香辛料を加えることで脳に働きかけ、快感物質や鎮痛物質を出して「おいしい」と感じさせているという仕組みは、少し恐ろしくもあった。
 ミラクルフルーツやミラクリンの効果は、糖尿病で甘いものを制限されている人々のためにぜひ活用してほしい。私の祖父も糖尿病の気があると診断されているため、講義後にミラクルフルーツを取り寄せる方法を調べてみたが、その値段の高さに驚いた。甘いものは毎日でも食べたいが、日常的に摂取するには生の果実もフリーズドライ商品も高価すぎると感じた。
 もしミラクルフルーツが日本の気候でも簡単に栽培できるように品種改良されれば、もっと多くの人の生活を豊かにできるだろう。今回の講義は非常に興味深く、将来、人々の口腔の健康に携わる者として、この分野をさらに追求していきたいと思った。とても貴重な学びを得ることができた。ありがとうございました。



Fさん 

 1.味を感じるしくみ
 口に入れられた食べ物はまず唾液と混ざって水溶液になり、舌の上にある乳頭に取り込まれる。乳頭には、有郭乳頭・葉状乳頭・糸状乳頭・茸状乳頭の4種類があり、そのくぼみの表面に花の蕾のような形をした味蕾が点在している。味蕾の中には神経とつながった味細胞があり、そこで味が判別される。
 味の判別は「鍵と鍵穴」の関係で説明できる。食べ物の成分が鍵、味蕾が鍵穴であり、鍵穴が埋まるとスイッチが入り、味が電気信号として脳に伝わる。 なお、舌の場所によって味を感じるという「味覚地図」は誤りである。
味蕾の数の比較 ナマズ:200,000個(体中に存在) 牛:24,000個 ウサギ:17,000個 人(乳幼児):12,000個 人(成人):6,000~9,000個(舌に7割、上あごに3割、喉にも存在) ニワトリ:20個 ヘビ:2~3個(触覚で食べ物を判断) ハエ・蝶:手に味蕾があり、交尾相手の判別にも使う

2.動物にとっての味覚
 草食獣は消化しにくい植物を食べられるよう体の仕組みを変化させてきた。コアラは毒性のあるユーカリを主食とすることで競争を避けて生き延びてきたが、ユーカリは低カロリーのため1日20時間眠る必要がある。
 肉食獣は草食獣を食べるが、まず植物の栄養が詰まった小腸、次にビタミン豊富な肝臓・膵臓、最後に筋肉という順番で食べる。 動物にとって味覚とは「生きるために役立つものがおいしい」という仕組みである。

3.人にとっての味覚
 人が食べ物のおいしさを判断するには、 基本味(甘味・酸味・塩味・苦味・うま味)+辛味・渋味・えぐ味 に加え、 香り(嗅覚)・食感(触覚)・温度・色や形(視覚)・咀嚼音(聴覚) が組み合わさって「食味」が形成される。さらに、雰囲気・文化・健康状態などが影響する。
 Q1. 好き嫌いのメカニズム ① 第一印象(6~7割がここで決まる) ② 雰囲気(食事中の経験) ③ 経験(食中毒などによる味覚嫌悪学習) →①+③=食わず嫌い
 Q2. ピーマン嫌いが多い理由 豊富に含まれる苦味成分による。
 Q3. 酢・ビール・お茶が大人になるとおいしく感じる理由 「体に良い」という情報が加わるため。 人の味覚は9~12歳で基礎ができる。この時期の食生活が乱れると奇食に走る可能性もある。子供は親の表情を見て食べ物を判断するため、家庭の食習慣は味覚形成に大きく影響する。 人にとって味覚とは「経験と学習」であり、好き嫌いを直すには調理法の工夫と本人の意識が必要である。

4.人にとってのおいしさ
① 生理的欲求 欠乏した栄養素をおいしいと感じる。
② 文化的おいしさ 幼い頃から慣れ親しんだ味はおいしく感じる。
③ 情報によるおいしさ 安全・健康・ブランドなどの情報が味覚に影響する。
④ 薬理学的おいしさ 脂・香辛料・だしなどは脳内で快感物質を放出させる。

5.味覚障害
 味細胞は20~30日で生まれ変わるが、その際に亜鉛が必要である。加工食品中心の食生活で亜鉛が不足し、味覚障害が増えている。 日本食には亜鉛を多く含む食材が多く、現代こそ日本食の価値を見直す必要がある。

6.味覚修飾物質・味覚修飾植物
 味覚修飾物質は味覚器に作用して一時的に味覚を変化させる物質で、 甘味阻害・甘味誘導・苦味抑制の3種類がある。 味覚修飾植物はこれらの物質を含む植物で、葉や実を口に入れると味覚が変化する。

7.味覚修飾植物の紹介
 ミラクルフルーツ、クルクリゴ、ストロジン、ギムネマ、ナツメ、ケンポナシが存在する。

8.味覚修飾植物の応用 味覚修飾植物はダイエット補助だけでなく、糖尿病患者への応用が期待されている。人工甘味料の副作用が問題となる中、ミラクリンやクルクリンは新しい甘味剤として注目されている。 ただし安全性や大量生産の課題があり、さらなる研究が必要である。 現在、ミラクリンのタブレット化には成功している。

9.今回の講義を受けて
 今回、味覚修飾植物を実際に食べるという貴重な体験をし、強い感動を覚えた。普段当たり前に行っている「味わう」という行為の仕組みを知り、さらに一時的に味覚を変えられることに驚いた。医療への応用可能性を知り、ますます興味が深まった。
 今後、脳で感じる感覚と食品成分の差異を利用し、さまざまな患者さんの病状改善に役立てたい。また、歯科疾患の改善にもつながる可能性があると感じ、この分野をさらに学んでいきたいと思った。



Gさん 

1.ギムネマ
 ギムネマの葉を口に入れ、先端部分をかじって言われたとおりに噛み続け、舌にすり合わせていった。食感は決して良いものではなく、もしサラダに入っていても積極的に食べようとは思わないだろう。味はただただ苦く、道端の草をかじったとしても同じような味がするのではないかと思うほどだった。結局飲み込むことができず、吐き出してしまった。葉そのものが衛生的だったのかどうか、少し気になった。
 その後チョコレートをかじってみると、ギムネマを使う前とは全く違い、固まった粘土を歯で削っているような感覚になった。砂糖を舐めると、先生がおっしゃったとおり本当に砂を舐めているような感覚に陥った。周囲の反応では、「ギムネマを使った後の苦いチョコレートのほうが好き」という意見もあり、感じ方の違いが面白かった。
 ギムネマはすでにダイエット食品として広く流通しているが、この強烈な苦味を我慢しなければならないというプロセスを何らかの形で省略できれば、糖尿病患者やダイエットが必要な人が甘いものを食べたいと思ったとき、その欲求を抑えつつ糖分の摂取を防ぐことができるだろう。

2.ミラクルフルーツ
 ミラクルフルーツはどんぐりほどの大きさで、爪で簡単に皮をむくことができた。赤い皮の中から白い実が出てきて、口に入れて舌の上で転がすと、意外と早く実がなくなり種が出てきた。味は「桃を少し酸っぱくしたような感じ」で、実自体も桃のように柔らかかった。これも衛生面が少し気になった。
 ミラクルフルーツを食べた後、グレープフルーツジュースを口にした瞬間、普段感じる独特の酸っぱさは一切なくなり、まろやかな甘さをもったほんのりとした酸味になっていて、ごくごく飲んでしまった。また、プレーンヨーグルトにレモン果汁をかけたものも、砂糖を入れていないのに甘いヨーグルトの味がした。
 ミラクルフルーツはギムネマよりも口にしやすく、さらにタブレット化されているということもあり、糖尿病患者だけでなく他の分野にも応用できるという話に納得した。減量中のスポーツ選手の食事管理などにも活用できる可能性があるのではないだろうか。