参加者の御感想

6/13に実施した一宮高等学校2年・スーパーサイエンスハイスクールでの1組の受講者のレポートです。


  Aさん
 ギムネマの葉をかんでから砂糖やチョコレートを食べると、葉をかむ前は甘かったものがまったく甘く感じられなかった。これは人間の舌やのどにある味蕾と言うもののうち、甘みを感じる鍵穴が塞がれたためだということを講演で聞いて、人間が味を感じる仕組みはとても面白いものだと思った。 他にも人間は物の味によってそれがどんなものなのか判断したりしていると言うことにはとても興味が引かれた。
 最後にミラクルフルーツのみを食べてから、グレープフルーツジュースやレモン入りヨーグルトを食べると、とても甘く感じた。それは、ミラクルフルーツがすっぱいものを甘く感じさせる仕組みを持っているからだった。
 今回の講演で、味と言うものはとても面白いものだということを知った。他の味覚修飾植物についても知りたいと思った。また、島村先生みたいに自分の興味があることについて研究してみようとおもうキモチはとても大切なことなんだと思った。
 
 島村のコメント
 私達は初めて食べるもの以外は大体味を予想して食べております。そこに付加情報(価格や食材産地、新鮮さ)が加わります。客観的に同じ味でもただでご馳走になったものと5000円支払うものでは、味の感じ方が変わります。


  Bさん   
 今回の講演で、味覚修飾植物の利用性が判ったと同時に、これらの植物が現地では、実際に生活の中ですでに使われていたと言うことに対して驚いた。人間は大昔から、味に対して工夫をしていたんだなと言う様子が良くわかった。
 味覚に対して我々が一番意識しなくてはならないのは、やはり偽装表示だろう。これによって品質が落ちるだけでなく、食ブランドまでもが、消費者の信頼とともに失われるのではないかとおもった。こういった情報に惑わされないためにも、将来において、食の安全に今一度気を配る必要があるのではとおもった。
 食の変化に伴い、我々の病気のスタイルも変化しているとおもう。医療界が求めているニーズにこれらの味覚修飾植物は応えてくれる、そう思った。


島村のコメント
 人間は脳内の偏桃体が発達しているため、情報で価値判断を行ってしまいます。そのため、TVでの過大広告に惑わされてしまいます。レモン何個分のビタミンCとか、○○産とかがいい例ですね。
消費者として、正しい情報を身につけていただきたいと思います。


  Cさん
  島村先生の講義はとても楽しかった。味覚と言うごく身近なものについての話は興味深かった。講義では、高校生には難しいとおもわれる内容を、分かりづらい論理ではなく、実体験によって教えていただいたので、分かりやすく、話題に入りやすかった。
 印象に残っているのは「食」を「人」「良」とわけたところで、31歳と言う若さからのユーモアな考えだと思ったし、江崎さんやアインシュタインではないが、若さが「味覚」の学問にも輝いていただけるといいとおもった。
 今回風邪で、鼻炎も合って、はっきりと味を感じることはできなかったが、ギムネマの後のチョコレートの感触は粘土みたいで、本当に驚いた。
 また僕は動物にも味蕾があること自体知らなくて、まして、「なまずにそんなに味蕾があっても」とおもったが、動物にとって「味」が現代の人の求めているおいしさのためでなく、生きる上での意味あるものであることを考えればとても納得した。
  
 島村のコメント
 味は五感をフルに使って判断しております。従って風邪をひくと五感の1つである嗅覚がダメージを受けます。そのため味が感じにくくなるわけです。味覚障害と異なるところは、風邪が治ると、普通に味を感じられる点です。


  Dさん
 とっても面白かったです。前の方の席だったので、画面をしっかり見ることができましたし、何より島村先生の説明がわかりやすく、十分に講義の内容が理解できました。
 また、実際にギムネマやミラクルフルーツの味覚修飾植物を体験するなど、貴重な体験ができ、普段、難しそうとおもってしまう人間の味覚に関するシステムに興味を持つことができました。私は「実際に感じること」がこれからの教育に必要なことだとおもいますし、その意味でもSSHで島村先生の授業していただけたことは、非常に意味があるとおもいます。そして将来、私は小学校の先生になりたいのですが、もしなれましたら、島村先生のように、新たな興味を目覚めさせる授業をしたいです。

 島村のコメント
 最近は小学生の食生活もかなり乱れており、朝食をとっていない児童が2割もいるなど、今後改善が必要な点が多々あります。「食育」や「味覚教育」は教育者になる人には必須科目だと思います。先生になったときに、私の話した内容を思い出してください。
 


  Eさん
 高校に入って聴いた講演の中で最も興味をそそられた。ミラクルフルーツのような味覚修飾植物があれば、本当に今の肥満が増加している日本などにはすばらしいことだと思った。
 私もこのミラクルフルーツが早く出回ってほしいと願う一人だろう。今までこのような植物があることさえ知らなかった。実際あると判った今、それは幅広い応用力を持つ気がする。糖尿病患者も増加している中、甘いものを食べてないのに甘いと感じられるなんて、糖尿病改善にはもってこいのものだと思った。

 島村のコメント
 私たちの体は飢えには強いですが、飽食には弱い体になっております。生活が便利になり、動く必要性が少なくなった現代、生活習慣病はますます深刻な問題です。味覚修飾植物をうまく生活に取り入れ、多くの人に役立ててもらえれば幸いと思い、研究を続けております。