味覚の科学的教育からつなげる食育 島村光治
・基調講演の要旨
【目的】
演者は2001年より、味覚修飾植物であるギムネマおよびミラクルフルーツを用いた「全員体験型」味覚教育を、全国で延べ56,000名以上に実施してきた。本報告では、味覚の科学的理解と感覚体験を融合し、食への関心や行動変容につなげる食育の実践とその教育効果について紹介。
【活動内容】
受講者全員がギムネマによる甘味抑制、ミラクルフルーツによる酸味から甘味への変化を体験する。体験後に感じた変化を言語化し、その後、味覚受容体や味覚修飾の仕組みを科学的に説明する「体験→言語化→理論接続」の学習過程を通じて、味覚や食生活への理解を深める。
【活動成果】
児童・生徒、学生、教員、一般成人等を対象とした実践から、食への関心や学習意欲の向上、自身の偏食や食生活を見直す契機、味覚障害や栄養状態への関心などが確認された。また、全員が体験し感想を共有することで、主体的・対話的な学習が促進された。さらに、過去の受講者が教員となり、自身の勤務校で授業を依頼する事例も複数みられ、長期的な教育的継承の可能性も示された。
【今後の課題】
全員体験型味覚教育を、理科だけでなく家庭科や総合的な学習などにも展開するとともに、指導方法の標準化を進める。また、安全管理やアレルギー対応のガイドラインを整備し、教育効果を定量的に評価することで、行動変容を促す食育手法としての有効性を検証していく。
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