これは2003/01/25に放送された内容の紹介です。
テレビ東京 放送時間22:54〜23:40のうち5分間、私の研究やミラクルフルーツの事が紹介されました。
その放送内容を下記に紹介します。(一部省略いたします。)
取材キャスター:大浜平太郎さん
番組内:大浜平太郎キャスター、大江麻理子キャスター、ゲスト:三井物産戦略研究所所長 寺島実郎氏
常滑市立三和小学校5年生のみなさん
柴田内科クリニック 柴田恒洋院長、患者様
大阪大学 人間科学研究科 山本隆教授
大浜(スタジオ):今回は、甘いものが大好きな人にはぜひ、ご覧頂きたいのですが、ある不思議な食べ物を取材しました。
大浜(常滑市三和小学校にて):今週は愛知県にやってまいりました。実はここに私たちの生活に役立つあるものを育てるのに成功した研究者がいるんです。
島村(三和小講演中):それじゃあ、レモンをかじってみてください。どうですか?
児童A:甘い
児童B:うまい
児童C:甘い
アナウンス:ある研究者が育てた食べ物の味を変える赤い実。その秘密とは。。。
島村:皮をむいてなめてみてください。これがミラクルフルーツの実です。
大浜:中は白いんですね。
島村:はい。1分間舌全体にこすり付けてみてください。
アナウンス:1分後、レモンを食べる。
大浜:全然酸っぱくない。甘いですね。おいしい。
アナウンス:味覚を変える不思議な果物、ミラクルフルーツ。元々西アフリカが原産地。20世紀前半に世界で紹介されたが、原産地以外での栽培は難しいとされてきた。その栽培方法を確立させたのが島村さん。
島村(温室にて):(日本でいち早く栽培研究をしたため研究当初は)誰にも聞くことができず、独学で実施したため、栽培方法の確立には10年近くかかりました。
アナウンス:島村さんは2ヶ月という短いサイクルで実をつけることに成功した。
大浜:ビックリしたんですけど、味が全然変わっちゃうというのは一体どういうことなんでしょうか?
島村:ミラクルフルーツに含まれているミラクリンという成分(たんぱく質)が私たちの舌にいたずらをすることで、味の錯覚を起こしてしまうわけです。
アナウンス:舌には味を区別する鍵穴がある。ミラクルフルーツを食べるとたんぱく質ミラクリンが甘味の鍵穴とくっつく。その後に酸っぱいものを食べると、甘味の鍵穴に酸味成分が結合し、甘く感じるのだ。今では年間1万個以上収穫できるようになった。
島村:研究が進むにつれて、例えば医療や教育など様々な分野に応用ができるのではないかと考えました。
大浜:非常に地道な研究の成果、今、実は新しい研究へと進化しているのです。
アナウンス(私と共同研究している柴田内科クリニックにて):こちらの病院では、糖尿病や高血圧症など、糖分の制限が必要な生活習慣病の患者に対し、ミラクルフルーツを使って、食事を管理している。
柴田院長:実際に検査値でその(ミラクルフルーツの)効果を確かめられるようになってきています。糖尿病の1つの目標値であるヘモグロビンA1C 6.5という数字にミラクルフルーツを使って大体4ヶ月から5ヶ月の時点で到達しています。
アナウンス:高血圧症のこの患者もミラクルフルーツを使い始め、3ヶ月後にははっきりと効果が現れた。
患者さん:どうしても毎日甘いものが好きで、1つだけでやめればいいんですけど、ご飯前でも2つ3つ食べてしまうんですね。で、いやいや(治療を)やるのではなくて、すごい幸せな気分で治療できるのが気に入ったんです。
柴田院長:甘いものを食べることが、「食べた」という満足感だったり、おいしいものを食べたという幸福感をもたらすような精神的な治療効果は大きいと思うんですね。
アナウンス:まさに魔法の果実だが、課題も残されているという。
大阪大学 山本教授:ミラクリンはたんぱく質ですから、その構造上、非常に不安定なんですね。取ってから(収穫後)しばらく経つともう働きがなくなってしまう。
アナウンス:様々な分野での活用が期待されるミラクルフルーツ、飽食の時代に注目はますます高まりそうだ。
大浜(スタジオにて):お2人にこのミラクルフルーツをお食べいただいたので、レモンを試しにかじってみてください。酸っぱいですか?甘いですか?
寺島氏:本当に甘いですね。
大浜:今、VTRで医療用にどうしようかといった話がありましたが、それを考えたときにどれだけ安定供給ができるかというところなんですが、この植物、潮風が吹いただけで枯れてしまうと言われている植物なんで、そこがキーですね。
寺島氏:私これ、自然の食べ合わせの知恵だと思うんですけどね。いえ、なかなか驚きますねこの甘さには。
大江:砂糖をたくさんかけたような味がしますね。こんな自分がなんだか怖いんですけど。
大浜:あとでゆっくり食べましょう。以上です。